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2015.08.04 掲載 2022.07.04 更新

金融における経理の仕事とは?業務内容や役立つ資格を紹介 【シリーズ:経理のはなし 初心者向け】


経理の仕事は業種・事業規模によって異なります。それでは金融機関で経理職に就いた場合、どのような仕事をすることになるのでしょうか?金融機関における経理の業務内容や金融機関ならではの特徴、仕事に役立つ資格について紹介します。

経理の仕事の基礎知識

まずは経理業務の基礎的な知識について学びましょう。経理業務の仕事の基本と役割について解説します。

経理とは?

経理とは「企業のお金の流れを管理する仕事」です。

企業では取引や商品の売買、資材の購入などで毎日お金が動きます。 また、社内でも人件費や経費などをはじめ、お金が常に動いているものです。内外のお金の流れを記録し、それが資産と一致しているかどうかを確認します。税務処理や給与の支払いにも必要になるため、経理は企業に必ず必要な役割です。

経理業務の仕事

経理は期間ごとにさまざまな仕事があります。

日次で見ると、売上の管理や仕入れ管理、従業員の労働時間の管理などがあります。子会社であれば、本社にデータを発送するなどの仕事があるかもしれません。

月次では売掛・買掛金の入出金や、そのための請求書の作成、給与計算やそれに伴う税金の納付などが仕事になります。

年次になると、四半期ごと、そして年度末の決算業務が大きな仕事でしょう。年末調整や入退職者の保険の加入・脱退なども仕事に含まれることがあります。

特に決算業務や年末調整が絡んでくる12月付近は、経理にとってもっとも忙しい時期となるようです。

経営判断の材料に

経理業務は、データ入力などの単純作業ばかりではありません。なぜならお金の動きを見ることで、企業戦略の材料にもなるからです。無駄な支出はないか、もっと力を入れるべき利益率の高い業務はどこかなどは、決算を見て経営者は判断します。 そのため経理には正確性が求められます。

また、経理担当者が経営者に対し、経理データを元に提案や助言をすることもあるのです。経理業務だけを見ると利益が出る仕事ではありませんが、会社の方向や将来性に対し重要な責任があると言えるでしょう。 

財務や会計との違い

経理と似た言葉に「財務」「会計」があります。経理に対し理解を深めるためにも、これらの用語についても理解を深め、違いを理解しましょう。

会計との違い

会計はお金の出入りを記録するのが仕事です。広義で言えば、会計は経理の仕事の一部になります。設備や備品などを含めた資産管理も、会計の業務内容です。

会計は売上や利益を管理する「管理会計」と、伝票の作成や記帳を行う「財務会計」の2種類があります。経理はその他にも出納管理や給与計算、決算書の作成といった業務があります。

財務との違い

財務とはM&Aや銀行から融資を受けるなど、会社の計画に合わせた資金を用意するのが仕事で、経理や会計とはまったく異なる職務です。貸借対照表や損益計算書を元にして資金調達や運用の計画を立てます。

会計や経理が「過去」のお金の流れを記録するのが仕事であるのに対し、財務は今後会社が使うであろう「未来」のお金を担当するという違いから、両者の仕事はむしろ真逆の位置にあると言えるかもしれません。 

金融業と経理業務

経理業務は、業種によって仕事内容が変わります。金融機関における経理の仕事について、理解を深めましょう。

金融とは

金融とは、お金が必要な人や企業に対し、利息付きでお金を貸し出す仕事であり、この仕事をしているのが『金融機関』です。銀行や証券会社などが該当します。 金融機関では顧客から預かったお金の運用やリサーチ、投資などを行っていることもあり、特にお金に関する知識を必要とする仕事だと言えるでしょう。

金融機関における経理の特徴

金融機関における経理業務は、実は他の経理業務と大きな差はありません。ただし、「お金を直接商品として扱う」という点で、物資やサービスを商品として提供している会社よりは管理が難しいと言えます。

特に銀行などが経営難に陥れば景気に影響を及ぼすこともあるため、銀行に対する規制や監督は国際基準を用いて厳しくチェックされているのです。また、不正防止のために公認会計士による監査を行うことが義務づけられています。 

金融機関で経理業務を行うのに有効な資格


前述したように、金融機関では経理業務に対するチェックが厳しく、就職する際にも資格の有無を問われることが多いようです。 金融機関で経理業務を行うにあたって、どのような資格が求められているのか、また具体的な資格を紹介します。

金融や経理に必要な資格とは?

金融や経理に必要な資格は、以下のようなタイプのものです。 まずは、ある業務に対し、有資格者のみが行うように法律で定められている『業務独占資格』です。これは公認会計士や税理士が該当します。

次に、その業種で働くために必須とされている資格は必要です。経理で言えば、簿記の資格は業務を行う上で必ず必要になってきます。 また、直接業務に結びつくことはありませんが、その業種や業界に対して一定以上の知識があることを証明する資格は、キャリアアップや転職において役立つでしょう。

外資系の企業である場合は、国際的な資格や語学の資格を問われることがあります。 以下は、経理や金融に役立つ具体的な資格の紹介です。

日商簿記

簿記は、日々の経営活動を記録・集計して経営状況を明らかにするための技能です。経理業務に携わる上では最低限持っていなければならない資格となります。

公認会計士や税理士などの資格を取得するのにも、簿記の技能は必須です。

日商簿記は日本商工会議所が公認している資格であり、商工会議所法第9条によって公的資格と認められています。初級・3級・2級・1級の4レベルに分かれていて、1級は経営のコンサルティングができるレベルで、経理のキャリアアップに役立つでしょう。 日商簿記

証券外務員

証券外務員の資格は、民間資格でありながらも金融機関で働く上で取得を推奨される資格です。金融商品や取引業務における法律への理解や知識に対し証明となる資格となっています。

一種外務員資格と二種外務員資格という二つの等級があります。

二種は「公社債・投資信託の取引・株式の現物取引」が範囲となり、

一種はさらに「デリバティブ取引」「信用取引」を含むすべての金融商品が取り扱いの対象となります。

他の業種であっても、この資格を持っていると金融業へ転職する際に有利に働くこともあるようですので、金融業で働くなら持っておきたい資格と言えるでしょう。 外務員資格試験

公認会計士

公認会計士は「業務独占資格」に該当し、企業の会計監査は公認会計士のみが行うことができます。公認会計士は税理士と行政書士になる資格を有していて、登録すれば資格を取得することも可能です。

企業での仕事内容としては、監査業務・コンサルティング業務・税務業務などがあります。2回の試験合格と2年間の実務経験と単位取得が必要であり、さらに最終試験に合格することでようやく取得できます。

このように公認会計士の資格を得るのは非常に難しいですが、その分、企業からは厚遇される傾向にあります。経理としては取得しておくと有利であるのは間違いありません。公認会計士

税理士

税理士は税金に対するアドバイスや税務処理のサポートをするための資格です。税法に関する専門的な知識を有していて、こちらも公認会計士と同様に「業務独占資格」となります。

税務代行や税務書類の作成、税務相談は税理士にしか行えません。 税務代行は経理アウトソーシングなどで重宝される資格です。仕事としては記帳代行や試算表や決算書類の作成、銀行との交渉などを行うことがあります。

会計事務所や税理士事務所で働くのが一般的ですが、法人向けのコンサルティング企業や、上場企業の節税対策や業務改善をサポートする仕事に就いている人もいます。

税理士試験を受けるには、大学の法学部や経済学部で税法や会計を学ぶか、会計職に3年以上従事する、簿記1級を満たしている必要があり、合格後は実務経験2年の後にようやく登録ができます。公認会計士同様に難易度の高い資格です。税理士試験 

海外の金融機関で有効な資格

金融業には、国内に限らず海外に進出している会社や、海外企業と提携している企業も少なくありません。また日本国内での職務でも、国際的な資格を求められるケースもあります。 海外の金融機関で直接働いたり、海外との取引のある金融会社で働くのに有効な資格・検定を紹介しましょう。

国際会計検定(BATIC)

東京商工会議所が主催する国際会計検定のことで、国際会計基準に準ずる会計のスキルと、ビジネスレベルで使える英語力を同時に測るための検定試験となります。

国際会計基準は2010年より金融庁が国際競争力の強化を目的として適用を推奨している基準であり、グローバル化の流れもあって注目を集めています。外資系企業への転職や、海外進出に対応するのに有効です。 TOEICと同様にスコア制の試験です。

すべての問題が英語で出題され、英文簿記と国際会計理論の二つの科目を受験します。日商簿記の基準が参考に示されていて、880点から1000点が最高レベルの1級に該当します。 受験資格などは特にないため、腕試しに受けてみても良いかもしれません。 国際会計検定(BATIC)

米国公認会計士(U.S.CPA)

米国各州が認定する公認会計士資格です。FRA(会計)・AUD(監査)・REG(税金・会社法)・BEC(ビジネス)の4科目が出題される各1時間の試験となります。

試験はすべて英語で出題されるため、英語力も必要です。 日本の会計士と比較すると簡単という評価もありますが、実際には国際会計基準や米国会計基準の知識が求められ、それほど簡単ではありません。国際的な知名度の高いスキルなので、グローバル企業では重宝される資格と言えます。 米国公認会計士(U.S.CPA) 

まとめ

経理業務は職種によって業務内容が異なる場合があります。金融に関しては特に厳しいチェックが入るため、求められる技量水準は高めです。

金融業界で経理として働くのであれば、資格取得を考えてみても良いでしょう。 経理・金融に関して推奨されている資格は多く、昨今ではグローバル社会に対応するための国際的な資格を有している人も少なくありません。金融・経理に役立つ資格を取得して、キャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

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ライタープロフィール

くもと編集

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NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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