A社の請求書発送業務については10数年の取引実績があり、FOCにもノウハウが蓄積されている。そして、SEである信定もその業務内容を熟知していた。
信定は、システムに業務を当てはめるのではなく、実際の業務内容を踏まえたうえで、柔軟に効率性とリスク軽減が実現できるよう、A社のWeb請求書サービスに取り組んだ。
「A社は私たちFOCにとってもビッグクライアントです。失敗は許されません。しかもWeb請求書サービスは、私自身、初めて手がけるシステムでした」と信定は言う。
紙で発送していた業務は熟知していても、請求書の電子化は未経験のため、当然、大きなプレッシャーを感じていた。
そんな厳しい状況の中で、プロジェクト発足からわずか4ヶ月という短期間で、サービス開始にこぎつけた。「やはり、サービス開始は、大きな充足感を覚えました」。
半年以内のスキーム移管というA社からの要望。その限られた期限の中で数々の難しい課題はありましたが、中でも、「請求データを正確に変換し、PDF化するための設定作業というハードルが、非常に高かった」と信定は回想する。
A社からの請求データは電子化用のレイアウトおよび定義がされていない。そのため、ほぼゼロからの構築となった。さらに松田からの帳票デザインや文字の位置などの細かい指摘があり、その都度の対応、微調整が発生し、A社が納得する品質にするために相当な労力がかかったのだ。しかし、信定は、真摯に取り組み、この課題を解決してみせたのである。
「Web請求書サービスは、特に、年間数百万枚もの請求書を送るクライアントにとっては、非常にメリットの大きなサービスです」と信定は力強く語る。
信定は、一人の技術者として、エコ意識の高まりとともに、PCやネットワーク環境の整備にともなって、Web請求書サービスは、今後さらに可能性を広げていくサービスだと確信しているのである。
A社のWeb請求書サービスは、2011年秋、システム稼動となった。
それまでの業務の流れから、A社の業務は劇的な変化を遂げている。コストも従来の50%減を実現。驚くべきコストメリットである。運用面においてもきわめて順調に推移している。
「特にリスクヘッジでは、大きな成果をあげていると考えています。双方にあったヒューマンエラーはほぼ解消し、データチェックに費やしていた時間も大幅に軽減されています。」と松田。
こうした業務すべてから解放されたことは、A社にとって、非常に大きなメリットとなったことは言うまでもない。
FOCは、顧客の要望にいかにスピーディに応えるかを追求している。だからこそ、A社の事例のように、チーム体制づくりも、システム構築も、スピーディなのだ。また、単純に仕組みを提供するだけではなく、顧客の視点に立ち、顧客の煩雑な作業や運用までも担当することで、より良いパートナーとしての信頼関係を築こうという姿勢が貫かれている。
松田は、A社の担当者から「非常に満足している」という声を聞き、安堵とともに、充実感をおぼえた。そして、次への展開を構想している。
「A社における成功事例をいかにヨコ展開していくか、いかにマーケットを開拓していくかが、現在の課題です」。同時に、「Web請求書サービスの可能性は、大きく拓けている。時代の流れでもあると感じています」。松田は、確かな手応えを感じているようだ。
新たな顧客のニーズにいかに応えるか。顧客の課題を把握し、理解し、ソリューションを提供する。そのとき、毎月の請求書業務の改善を図りたいと考える顧客に、Web請求書サービスが大きなメリットをもたらすことを、とにかく伝えていきたい。
FOCの存在意義を示す意味でも、Web請求書サービスは、アドバンテージとなる。松田は、今日もそんな思いで奔走している。