NOC project Vol.2 アウトソーシングと顧客の理想的な関係とは 企業がアウトソーシングを活用するとき、どのように業務を切り分ければいいのか躊躇するようなケースがある。 ここに、ある保険会社B社とNOCとの関係を提示し、信頼関係がどのように構築されていったかを伝える。 企業にとってのアウトソーシングの価値が見えてくるだろう。

ニッチな業務の発注からスタートした

加賀がNOCに入社したのは2006年。
入社まもなく、上司から声がかかり、ある保険会社B社へ同行した。
「営業としての実績を作らせてやろうという配慮からだったと思います」と、加賀は振り返る。
B社からの依頼は、営業社員の管理を行うセクションからで、社内認定制度に関するものだった。
100名ほどの成績優秀者に、ランクに応じて記念品を送る。それほど難しい課題ではない。
B社としても、その業務の煩雑さから、社員のコア業務集中を目的としてアウトソーシングを検討してきたという。

訪問を終えて帰社した加賀は、ヒヤリング内容を吟味し、業務の流れを検討し、顧客の要望どおりの体制をとれるように手配した。そして後日、カスタマイズしたサービス内容を顧客に提案。
B社とのビジネスがスタートしたのだった。

該当者の名簿からランクごとの品物を手配し、発送する。いわば事務局のような業務だ。けっしてハードルが高いわけではない。「いかに正確に業務を履行するか。そこに留意しました。指定された納品日、納品先にミスなく、仕様どおりに納品することが、私たちに求められていた最も重要なことだったのです」。
ニッチな業務である。しかし、一年に4回発生するこの業務を正確にこなしていった。
そして、数年が経過したある日、加賀は、B社の担当者から相談をもちかけられたのだった。

こういう業務はどこに依頼すればいいのか

数年間の実績を評価されたのだろう。
加賀は、新たなプロジェクトとして、印刷業務の打診を受けたのだった。保険の販売には証明書が必要となる。その証明書を印刷し、全国の各支社に毎月発送するという内容だ。
保険会社はセキュリティに厳格だ。外部の業者が簡単に出入りできるものではない。
受託する業務も基本的には、インハウス、つまりNOC社内で対応していた。「必要なときに訪問して、打ち合わせをしていました。その中で、こんなことはできないだろうかと声をかけていただいたのです」。それが、印刷業務の打診だったのである。「営業としてどう案件を増やしていけばいいのか。そのタイミングを見計らっていたときだったので、話をいただいたことは非常にうれしかったです」。

アウトソーシングというと、一般的には給与計算など、ある程度のボリュームがあり、切り分けやすい業務が対象になるというイメージがある。B社でも当初、こうした認識を持っていた。しかし、加賀が担当した業務によって、アウトソーシングに対する社内の印象が次第に変化していったようだ。
「こういう業務はどこに依頼すればいいのか。やってくれるところはあるのかと。このようなニーズはB社に限ったことではなく、潜在的に数多くの企業に存在していると考えています」

B社では、印刷業務を皮切りに、他部署からも加賀に声がかかるようになっていった。こんなこともできるのかという評価が、社内に広まっていったのである。当然、人的な関係も広がっていく。
「対応する人材や正確に業務をこなしていることが評価されたのだと思います。ただ、そうした中でもミスは発生しました。しかし、そこでの対応も迅速に行った。課題を共有することで、さらに信頼が深まる。そんな好循環が生まれていきました」。

企業の全体を理解することが、新しい提案につながる

顧客との信頼関係。パートナーシップを生み出すことは容易ではない。短時間で培えるものではない。しかし、加賀とB社のケースのように、ひとたび、好循環のサイクルが生まれると、きわめて良好な関係が築けることがある。
社内のさまざまな部署、人、案件に触れることで、顧客をいっそう理解できるようになるのだ。切り分けられた業務だけをこなしていたのでは見えなかったものが見えてくる。

「業務の前工程、後工程。つまり、受託した業務の意味や価値を把握できるようになるわけです。全体が見えてくる。すると、全体の最適化というスタンスで新しい提案ができるようになります。このプロセスに、アウトソーシングの担当者としての醍醐味があると考えています」

加賀は、今から2年ほど前、B社の社内で行う業務の打診を受けた。それまでインハウスだったものが、オンサイト、つまり顧客の社内に入って業務を行うのだ。打診を受けた業務の性質上、社内で行うことが必須だったのだ。加賀にとっては、さまざまな業務を通じて、信頼を勝ち得た瞬間だった。
「NOCがワンストップでサービスを提供できること。そこが評価されて、いただいたチャンスでした」。顧客の社内に入ることで、さらにチャンスは広がる。加賀は胸躍るような心地よさを感じた。同時に、これからますます責任が重くなることは理解していた。しかし、アウトソーシングと企業の理想的な関係を構築したい。そのためには、格好の機会だと考えた。

  • 1
  • 保険会社にとって、唯一無二の価値ある存在に
  • お問い合わせ
  • INDEX
  • ページTOPへ