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2015.01.15 掲載 2022.06.13 更新

販売管理はアウトソーシングできる!【アウトソーシングする業務の見極めが成功のカギ】


“販売管理”というと、システム(もしくは表計算ソフトやデータベースソフト)を活用し、自社で運用するのが一般的な運用体制です。販売管理は、売上・仕入れ・在庫などの管理をするうえで他社には任せられない業務です。そのため当然、社内で行うものというイメージを持たれがちです。ですが、実は、システム化が進んでいればいるほど、アウトソーシングすることが可能な業務なのです。

販売管理の基礎知識

販売管理のアウトソーシングについて考える前に、改めて販売管理とは何かについて考えていきます。
販売管理とは単純な1つの業務ではありません。仕入から、受注・在庫・出荷・納品・請求・代金回収に至るまで、販売に関わる一連の流れ全てをまとめて“販売管理“なのです。多岐にわたる業務だからこそ、多くの部署が関わることになります。

◆販売管理を行うメリット

では、販売管理はなぜ必要なのでしょうか。販売管理を行うことには大きく分けて2つのメリットがあります。

1.モノ・お金の流れが可視化される

販売管理がうまくいくと、どの商品の原価がいくらで、それがいつ・いくら売れたのか、代金の回収状況などの情報を瞬時に把握することができます。利益を把握しやすくなるだけでなく、さまざまな分析にも役立てることができ、問題点の把握や業務の改善に役立てることもできます。

2.会社全体が効率化される

販売管理における情報を社内で一元管理・閲覧できる状況であれば、部署をまたいで情報の確認をスムーズに行うことができます。その結果、連携がスムーズになり、業務の質の向上も期待できます。

◆販売管理業務にまつわるよくある課題

販売管理はうまく回っていれば、会社の業績を向上させるカギになります。ですが、多くの企業は販売管理に課題を抱えていると言います。それはなぜでしょうか。

1.複雑化して手に負えない

会社の規模が小さいうちは、エクセルなどで販売管理を行っている企業も多いかもしれません。ですが、会社の規模が大きくなり取引先や取り扱い商品が増えてくると、管理する内容がどんどん複雑になってきます。止まることのない日々の業務の中で少しずつ管理するべき内容が膨らんでくるため、収拾がつかなくなってしまうのです。

2.部署によって管理方法が異なる

販売管理は一つの部署で完結するものではなく、社内を横断する業務です。そのため、部署ごとに管理方法の違い・認識の違いなどがあった場合、社内で混乱が発生することもあるのです。

本来は会社の武器となるべき販売管理が、多くの企業で負担となってしまっている現状があります。販売管理における負担を軽減させ、健全な状態を取り戻す手段として、アウトソーシングの活用があります。次の章からは、販売管理のこれらのポイントを踏まえ、販売管理のアウトソーシングについて考えていきます。

“販売管理”を分解する

“販売管理をアウトソーシングする”と、ひと言で言ってしまうと、「どこをアウトソーシングできるの?」「全部なんて無理」と戸惑われるかもしれません。しかし、販売管理を細かく分解して考えてみるとどうでしょう。「もしかしてできるかも」「それなら一部アウトソーシングしているよ」という気づきが出てくるのではないでしょうか。

例えば、販売管理にはどのような業務があるのか具体的に考えてみると、受注管理・納品管理・売上計上・発注管理・仕入管理・在庫管理・請求書発行・債権債務管理・入金管理などが挙げられます。ここに出てきた業務の単位(粒度)は大小さまざまですが、具体的に挙げてみることでアウトソーシングのイメージはつきやすくなると思います。

現実的にはこれらの販売管理業務全てをアウトソーシングするのではなく、効率面・コスト面を鑑みて、一部分をアウトソーシングするケースが多くなります。

具体的には、各業務の中でも、基本的には誰がやっても同じ定型的な業務が、最優先でアウトソーシングの対象になります。

システム化されている業務をアウトソーシングする

システム化されている業務の多くは、既にルール化されている=定型的な業務です。具体的には販売管理システムを活用して行っている業務以外にも、インプットデータを取得・加工して、決められたアウトプットデータを納品する業務であれば、どのような業務でも当てはまります。このような業務は、判断業務を伴わず反復作業であることが多いため、正社員が担当するとコストが見合わなくなってしまいます。

ここからは、販売管理の定型的な業務をアウトソーシングすることでコスト削減や効率化を実現した事例をご紹介します。

1.ピーク性のある業務や面倒な業務のアウトソーシング事例

アパレル企業A社は、主に2つの業務をアウトソーシングすることで、MD(マーチャンダイザー)・経理担当者の負荷を軽減することができました。

<商品マスタの登録業務>

シーズンごとの数百点にのぼる新アイテムのシステム登録(枝番登録含む)のために毎回アルバイトを雇って対応していましたが、採用の手間や入力ミスの修正にMDが時間を取られていました。

  • ピーク性があり人を常駐させるわけにもいかない
  • シーズン中の追加登録も不定期に発生する

という理由で、新アイテムのシステム登録に関する一連の業務をアウトソーシングしました。その結果、アルバイト採用や管理の手間が省けただけでなく、入力のスピード・精度が向上するというメリットがありました。現在ではMDがシステム登録に手を取られることなく、商品企画に専念できるようになっています。

<入金管理業務>

入金管理を担当していた社員が退職し、残りの社員だけではその穴が埋められず業務が滞っていました。
入金と売上の照合作業は重要な業務ですが、単純な業務でもあります。将来的な安定性を優先するため、新たに担当者を採用するのではなくアウトソーシングを選択しました。業務のシステム化のために本稼働まで時間を要しましたが、増員することなく業務はスムーズに回っています。

2.大量の定型的な業務のアウトソーシング例



ネット関連サービス企業B社は、毎月の大量のサービス申込受付・請求・入金管理をアウトソーシングし、コスト削減で浮いた費用を直接部門に投資することで業績をアップすることができました。

営業部門・Webサイトなど、複数経路からのサービス申込を取りまとめ、内容確認・システムへのデータ入力・サービス開始メールの送信という一連の業務を社内でセンター化し運用していました。問題点は、社内で運用することで、固定費がかかり過ぎていたことでした。それを払拭するため一部のチェック業務を除き申込に関するほぼ全ての業務をアウトソーシングしました。

更に、請求書発行と入金管理もアウトソーシングしたことで、サービス申込から入金までの一連業務を効率化することに成功しました。

まずは部門単位でアウトソーシングを検討

販売管理は、会社のサプライチェーンに直接関わる業務です。複数の部門を横断するため、全てをアウトソーシングするとなると難しいかもしれません。ですが、部門単位で考えてみると何かしらアウトソーシングできる業務があるのではないでしょうか。実際に、部門単位で行われている業務の中からコスト削減や効率化が見込める業務をアウトソーシングするケースが多く存在します。人・設備・ノウハウなどのリソース不足を補てんする手段としてアウトソーシングを選択するケースもあります。

販売管理は自社で行うべき業務という固定概念を取り除き、システムとアウトソーシングをうまく併用することを検討してみてください。単純にコスト削減や業務の効率化ができるだけでなく、担当者に余裕が生まれることで本業にプラスになるような相乗効果が生まれることもあるのです。
 
 

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ライタープロフィール

くもと編集

マーケター兼編集者
NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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