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2015.10.02 掲載 2022.07.08 更新

なぜ特に経理の仕事で業務の標準化・効率化が必要なのか?会計ソフトのもう1つのメリット

いつも経理関連でアドバイスをいただいています本山シーエン氏にご寄稿いただきました。経理業務のコンサルタントをしている氏から会計ソフトの「入力の工数を削減する」「ミスをなくす」というメリットのほか、もう1つのメリットについて説明してもらいます。

職業別での有効求人倍率

経理担当者
厚生労働省の統計によりますと、職業別での有効求人倍率は1.04倍ですが、経理や会計の有効求人倍率はかなり低調で0.55倍です。
(参照元:※PDFデータ 厚生労働省 平成27年7月職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート)

これは仕事を探している人1人に対して仕事の募集が何件あるかを示す指標ですが、一人あたり0.5件しか求人がないということになります。

念のため、経理や会計関連と有効求人数が近い職業を比べてみます。

有効求人の比較このようにみると他の職業と比べて、経理や会計の仕事(会計事務の職業に相当)がいかに少ないかがわかります。(逆に建設躯体工事は厳しい人材難といえます)

経理や会計という仕事の場合、業務そのものに正確性や慣れが求められるため頻繁に担当者が代わるということはなかなかありません。その結果、求人自体が出てこないということが考えられます。

減少傾向の税理士・簿記受験者数

さて、今度は逆に経理や会計の仕事を志す人の動向を見てみましょう。

経理業務や会計業務を志望する人は、各種簿記検定や税理士試験、公認会計士試験を受験することが多いと思います。

国税庁から平成27年度の税理士試験受験申込者数の速報値が発表されました。このデータをみると税理士試験の受験者数が随分減少しています。

税理士試験受験者数

・平成25年度:55,332名
・平成26年度:49,876名(前年比90.1%)
・平成27年度:47,145名(前年比94.5%)
(参照元:国税庁サイト「平成27年度(第65回)税理士試験受験申込者数<速報値>」)

平成25年度との比較では8千名以上の減少となっています。

昨年度と今年度の違いとして、税理士試験の時期は毎年8月上旬だったのですが今年度から8月中旬のお盆明けに実施時期が変更されました。これがどの程度、影響があったかはわかりませんが、受験者数の減少傾向は変わらないようです。(平成17年をピークに減少傾向)

税理士試験の受験科目の中に必須科目として簿記論や財務諸表論といった会計科目があり、それらの受験勉強の一環として、日本商工会議所主催の簿記試験の1級や2級を受験する人も多いです(税理士の受験資格には日商簿記検定試験1級合格者という項目もあります)。

では、そちらの受験者数はどのような傾向になっているのでしょうか。

日商簿記1級の受験者数

・平成25年度27,232名
・平成26年度23,977名(前年比88.0%)
・平成27年度10,361名(上期のみ 前年比93.3%)

日商簿記2級の受験者数

・平成25年度212,035名
・平成26年度196,687名(前年比92.7%)
・平成27年度134,442名(上期のみ 前年比104.6%)
(参照元:商工会議所の検定試験サイト 簿記 「受験者データ」

やはりこちらも全体として受験者数が減少傾向にあるといえます。

人口の増減や仕事の多様化など様々な背景があるため一概には言えませんが、経理や会計といった仕事を希望する人材自体も減少傾向であるといえます。

不測の事態に備え経理業務の標準化・マニュアル化をする

経理の仕事はベテラン社員がその経験と知識を活かして取り仕切るというイメージが強いかもしれません。たしかに、経営者からすれば意思疎通を十分に図ることができて、スムーズに業務を進めてくれる経理担当者はとても心強いと思います。しかし、その一方で、そういったベテラン社員が急遽退職という事態に見舞われた場合にお手上げ状態になってしまう中小企業も多いと聞きます。

冒頭の経理や会計の仕事の有効求人倍率から考えると、募集を出せば多数の応募者があることは間違いないでしょう。ただし、自社が希望する人材が現れる保証はありません。かといって、毎日動き続ける経理業務に空白期間を長く作るわけにも行きません。しかし、妥協して採用することも難しい・・・。かくして、お手上げ状態となるわけです・・・。

筆者は、経理業務を標準化・効率化や経理業務マニュアルの作成をお手伝いしていますが、長年勤務された社員さんの退職がきっかけで依頼されるケースがほとんどです。

経理業務に限った話ではありませんが、不測の事態に備えるために業務の標準化・マニュアル化を進めておくことは、会社の経営や業務遂行の安定化に欠かすことはできません。

パソコンが普及し経理や会計処理専用のソフトウェアも安価に高機能なものが入手できる環境となった今、ベテラン社員以上の業務処理を経験年数の少ないスタッフに期待することも可能となってきています。

会計ソフトを活用して効率化、さらに腰を据えた人材採用を

経理業務を標準化するための重要なツールが、会計ソフトです。

会計ソフトへ入力
経理業務はその大半が日常業務で定型的な業務が多いため、その日常業務を標準化(パターン化)・効率化してしまうことで大幅に省力化することが可能です。

誰でも作業ができるような業務マニュアルを準備しておくこと、あるいは報告・連絡・相談等のコミュニケーションルールを改めて見直すことなども重要です。

会計ソフトは入力・計算・管理・書類作成を自動にしてくれるメリットがあります。さらにもう1つのメリットとして、業務をマニュアル化してしまうことで、業務の引き継ぎリスクを低減し、日常業務の漏れやダブリもチェックしていくことが可能となります。

市販されている会計ソフトには、仕訳辞書や取引先辞書などの”その会社の取引をあらかじめパターン化し、それらを呼び出すだけで仕訳を生成できる”という機能が実装されています。

あるいは、あらかじめ設定は必要ですが、インターネットバンキングと直結することで、銀行等の明細データを仕訳データとして会計ソフトに取り込むことも可能です。

このように環境を整備しておくことで、ベテラン社員の退職というピンチに見舞われたとしても、短期雇用のスタッフやその他の外部人材の受け入れで急場を凌ぐことが可能となります。さらに、自社が求める人材を、腰を据えて戦略的に採用することもできるはずです。

しかしながら、これらの機能を十分に活用できている会社がそれほど多くないというのが現状だと実感しています。

それを手助けするために今後、経理業務の標準化・効率化、パターン化、マニュアル化などをテーマに記事を書き進めていきたいと思います。

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ライタープロフィール

本山 シーエン

現場支援型コンサルタント
税理士事務所時代の経験をもとに、インターネット関連の会社で財務会計ソフトの開発と販売を通じて中小企業のバックオフィス業務をサポート。現在も「インターネット活用が中小企業の成功のカギ」を信念に現場支援型コンサルタントとして活動中。

本山 シーエン

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