なぜ「DX」か?デジタルトランスフォーメーションが注目される理由

デジタルトランスフォーメーション(DX)を経済産業省が謳い始めてから6年が経ちました。なぜ、今求められているのでしょうか。デジタルトランスフォーメーション(DX)の先駆者として成功している企業例も交えてご紹介していきます。

経済産業省が「2025年の崖」というインパクトのあるフレーズとともに警鐘を鳴らし、企業にデジタルトランスフォーメーション(DX)導入を推し進めています。「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。

なぜ今、デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められているのでしょうか。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)とは一体何なのでしょうか。

本記事では、注目されている理由、略称が「DX」の理由、類語との違いも含めて解説していきます。最後には、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するうえで参考にしたい、DX化に成功している企業の特徴もご紹介します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

デジタルトランスフォーメーション(DX)を経済産業省が謳い始めてから6年が経ちました。なぜ、今求められているのでしょうか。デジタルトランスフォーメーション(DX)の先駆者として成功している企業例も交えてご紹介していきます。

経済産業省が「2025年の崖」というインパクトのあるフレーズとともに警鐘を鳴らし、企業にデジタルトランスフォーメーション(DX)導入を推し進めています。「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。

なぜ今、デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められているのでしょうか。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)とは一体何なのでしょうか。

本記事では、注目されている理由、略称が「DX」の理由、類語との違いも含めて解説していきます。最後には、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するうえで参考にしたい、DX化に成功している企業の特徴もご紹介します。

社会的文脈・ビジネス文脈でのデジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

もっとも「デジタルトランスフォーメーション」という言葉は、文脈によって定義が異なります。

広義なデジタルトランスフォーメーション(DX)は、2004年にスウェーデンの大学教授が提唱した「ITが社会全体・人類全体にどのような影響をもたらすか」という意味を持ちます。

ビジネス文脈においては、外部環境の変化をデジタル化のチャンスとして捉えて、デジタル技術を活用して変化に対応する、という意味です。

経済産業省が発表した「2025年の崖」の文脈では、IT活用を妨げている既存システム(レガシーシステム)を一新し組織体制まで変化させる、という意味が強くなっています。マイナスをプラスに転じさせて、遅れを取り戻そうとするメッセージが込められていると感じられます。

 

なぜ今、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目されているのか?

では今、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目されているのはなぜでしょうか。その背景にはデジタル化による社会や生活者の行動の変化が大きく関わっています。

年間で最大12兆円の経済損失が生じる「2025年の崖」

まず最初に触れておくべきは「2025年の崖」です。経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」によると、2025年から年間で現在の約3倍、最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとされています。その原因は「IT人材の不足」と「基幹システムの老朽化」です。

仮に2025年までに、IT人材を確保できずシステム刷新を行えなかった場合、市場の変化にあわせて柔軟かつ迅速にビジネスモデルを変更できず、デジタル競争の敗者になってしまうのです。これが「2025年の崖」です。

それだけでなく、老朽化した基盤システムの維持管理費用が高額になり技術的負債を抱え、維持継承が困難になったり、サイバーセキュリティなどのリスクが高まったりします。こうした経済損失やリスクを生まないためにデジタルトランスフォーメーション(DX)が注目されている理由のひとつです。

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

 

スマートフォンが消費者の行動を変えた

スマートフォンによって生活者の行動が変化したことも理由の一つです。あらゆる行動がインターネット上で行われるようになっており、企業もユーザーの消費行動の変化に合わせた対応が必要になってきます。

そのため、企業が生き残るために生活者の行動起点であるスマートフォンに合わせた対応ができるビジネスモデルに変革する必要があります。こうしたビジネスモデルの構築も、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。

テレワーク推進により働き方が変化した

新型コロナウィルスの影響で、テレワークが強く推進されていることも理由と言えます。出社せずとも業務に関するデータにアクセスできて業務が遂行できたり、社内外の人たちとコミュニケーションできる仕組みが必要になっています。もちろんセキュリティも担保しなくてはなりません。

今まで当たり前にオフィスで顔を合わせていたところから、離れた環境での仕事で成果をあげなくてはなりません。働き方を最大限に活かすための社内のデジタル改革が必要になってきています。

既存ビジネスがディスラプト(破壊)されている

先述した消費行動の変化により、デジタル化した新たなビジネスモデルの登場によって、既存ビジネスが破壊されるということが起きています。

例えば、Amazonのオンラインで書籍を販売するサービスやドローンを活用した配送サービスが一例です。このデジタル化の波に乗って生き残るには、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって、さらに競争力の高い製品やサービスを生み出すことが求められるのです。

ちなみに、デジタルディスラプションを起こしている当事者のことを、デジタルディスラプターといいます。

 

「デジタルディスラプター」の存在とは?

具体的に、ビジネスモデルの変革者、デジタルディスラプターについて見ていきましょう。

「GAFA(ガーファ)」と名前の並ぶビジネス書籍が山のように出ています。GAFAとは、Google、Amazon、Facebook、Appleです。IT企業のインフラ的存在となった4社は、生活になくてはならない存在になっていて、既存ビジネスを破壊してきました。

GoogleとAppleは携帯電話メーカーを凌ぐ勢いで成長し、Amazonは小売店のビジネスを上回り、Facebookはコミュニケーションツールとしてメールや電話の需要を奪っています。

Uberはライドシェアサービスで、タクシー業界に大きな打撃を与えました。旅行といえばホテルや旅館に泊まるという常識を覆し、インターネットやアプリを通じてバケーションレンタルのマーケットプレイスを提供しているAirbnbも急拡大しています。

こうしたデジタル化によって既存の市場を脅かし業界構造を変革している企業のことを、デジタルディスラプターと呼んでいます。彼らの台頭により、現状維持、のままでは市場から取り残される危機感が生じてきました。

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するには?DX化に成功している企業の特徴

では、実際にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するには、何が必要なのでしょうか。DX化に成功している企業の特徴を見ていきましょう。

マッキンゼー・アンド・カンパニー社の調査によると、5つの特徴があるそうです。

1.デジタルに精通しているリーダーを各部署に配置している
2.将来の労働力の変化を見据えて、全体的な組織能力を向上させている
3.新しい働き方を導入し、従業員の生産性を向上させている
4.日々デジタルツールを導入するなどして、社内をアップグレードし続けている
5.新しいデジタルシステムをむやみに導入せず、旧システムも見直しながら、徐々に新体制へと移行させている

参考:【徹底解説】「デジタルトランスフォーメーション(DX) = IT化」と思っていませんか? 基本・成功のポイント・事例を紹介

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、効果が出るまで時間がかかります。既存システムを刷新しながらデジタル化し、組織体制を変革し、新たなビジネスモデルへと転換する必要があるからです。

DX化に成功している企業の特徴を見て分かるとおり、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進できるリーダーが全体を巻き込みながら推進し、迅速に意思決定をすることが重要でしょう。

 

なぜ略称は「DT」ではなく「DX」なのか?

なぜデジタルトランスフォーメーションの略称は「DT」ではなく「DX」なのでしょうか。

英語では「Digital Transformation」と表記します。この「Trans」は「交差する」という意味があり、「cross(交差する、横切る、超える)」という単語と同義です。「cross」には十字に交差するという意味から交差を一文字で表す「X」が用いられるのです。

さらに「DT」ではプログラミング用語であるHTMLの「dtタグ」と間違えやすいことも理由と言われています。

 

「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」との違い

前述したとおり、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためにはリーダーが周りを巻き込んで進めていくこと、迅速な意思決定をしていくことが重要です。ですが、そもそもデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む前に進めておくべきことがあります。それは、デジタル化です。デジタル化が全く進んでいない状態で、いきなりデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでも成功するはずがありません。

デジタル化には「デジタイゼーション」→「デジタライゼーション」→「デジタルフォーメーション」の3つの段階があります。デジタルフォーメーション(DX)とその前段階の2つの違いについて説明します。

デジタイゼーションとは、単なるデジタル化のことです。アナログなものをデジタル情報として扱えるようにすることを指します。例えば、紙ベースで管理をしていた顧客情報をデータベース化して管理したり、パソコンでの単純作業をRPAを活用して自動化したりすることです。つまり、デジタル技術を活用してビジネスプロセスをデジタル化して、業務効率化・コスト削減を目指すものがデジタイゼーションです。

デジタライゼーションとは、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革し、新たな顧客体験や事業価値を創造・提供することです。例えば、自動車を所有するビジネスモデルから、カーシェアリングというビジネスモデルへと変革し、新たな顧客体験を提供するようなことです。デジタイゼーションよりも俯瞰的な視点でのデジタル化です。

デジタライゼーションの先にある概念がデジタルトランスフォーメーション(DX)です。デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現には、少なくともデジタイゼーションをクリアしていることが必要といえるでしょう。

 

まとめ|流行りのワードに乗せられず、理由から考えて自社に必要な取り組みを行おう

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進には、なぜデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められているのかを理解し、どんな効果が得られるのか、何を求めてDX化するのかを理解することが重要です。

このようなバズワードが流行ると、「じゃあ自社も!」と飛びつく会社や経営者も多いでしょう。しかし、デジタルトランスフォーメーション(DX)は経済産業省も推進しているほど、日本としても重要な方針と位置づけています。では、とにかくやろう!とスピード重視でやるべきでしょうか。とにかくやろうでは、現場が振り回されるだけで社員が疲弊してしまう可能性があります。また、ビジョンがなければ社員との信頼関係にも影響がでるでしょう。

このような話を始めるときは、まずはデジタルトランスフォーメーション(DX)自体の意味を理解すること、そして自社だったらどういうメリットがあるのか、誰のためにどのように変えていけるのかという価値から考えていくことから始めてみるべきです。その上で実践に移していきましょう。

 

 

ライタープロフィール

パプリカ

パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。