中小企業のDXは「低予算」から!メリット・成功ポイントを解説

中小企業のDX化は低予算から実施するのがポイントです。今回は中小企業であってもDXに取り組むべき理由、メリット、成功するためのポイント、具体事例をご紹介します。市場競争で生き残るためにも、まずは身近な業務からデジタル化してみてください。

中小企業におけるデジタルトランスフォーメーション推進で、限られた人員・予算でも取り組めることはあるのだろうか、と感じている方もいるかもしれません。

どうしても巨額なIT投資が必要だと考えてしまうかもしれませんが、たとえ少額であったとしても、いま中小企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)化に取り組むべき理由があります。

今回は、DXの概要、取り組むべき理由、中小企業のDX化のメリット、導入事例をご紹介します。

 

中小企業にとってのデジタルトランスフォーメーションとは

デジタルトランスフォーメーションとは、最新テクノロジーによって産業構造を変革させることです。デジタル化による社会や生活者の行動の変化とあわせて、商品のコモディティ化が進み、商品の質や価格だけでは勝負できなくなっています。そのため、企業はDX化を進めなければ市場競争において勝ち残れなくなってきています。

また、「IT人材の不足」と「基幹システムの老朽化」によって、2025年から年間で現在の約3倍、最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとされています。つまり、レガシーシステムの刷新も求められているのです。

中小企業においても同様で、DX化を推進しなければ生き残れなくなりますし、基幹系システムの老朽化は大企業に限った話ではありません。むしろ中小企業だからこそスピード感を持って進めていくことが求められているのです。

 

中小企業がDXに取り組むことのメリット

では、限られた人員・予算で中小企業がデジタルトランスフォーメーションに取り組むメリットは一体何でしょうか。特に重要視したい5つをご紹介します。

業務効率化により、限られた人員で最大のサービスを提供できる

一つは、DX化を進めることで業務の効率が上がり、限られた人員でも顧客に最大のサービスを提供することができます。電話対応など特定業務にかかる時間を減らし、顧客満足度アップにつながるようなコア業務に集中できるようになります。

レガシーシステムからの脱却で、IT予算を効率よく配分できる

老朽化した基幹システムから、新しいシステムに切り替えることで、レガシーシステムの維持費用にIT予算を投資しなくてもよくなります。結果的に、優秀なIT人材の採用や、新たなDX化を推進するツールの導入などに予算を使うことができます。

データから故障やトラブルを事前に予測し備えられる

AIやIoTを活用したシステムを使うことで、データから事前に故障やトラブルを予測することができるようになります。特に製造業においては、作業員の様子を把握・管理することもでき、人では気付けないところもカバーできます。

業務ごとの属人化を防ぎ、業務効率が上がる

DX化を進めることで、業務の一部がシステムに集約されます。その過程において、これまで属人化していた業務が体系立ててまとめられ、結果的に属人化を防ぎ業務効率が上がります。

テレワークなど、多様な働き方を実現できる

デジタル技術を活用した業務比率が高まることで、たとえば在宅勤務といった選択肢を取ることができるようになります。特に新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、テレワークを導入した企業も多くありましたが、テレワークでも働きやすくするにはDXが鍵を握っています。

 

中小企業におけるDX推進の4つの成功ポイントは?

では、中小企業がDX化を始めるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介します。デジタル技術やシステム導入を進める上で、気をつけておきたいポイントに触れながら、成功のポイントを考えていきます。

事業目標を明確化にしてDXへの取り組みを進める

DXの本質は、デジタル技術を活用した事業変革です。まず5年後に事業をどうしたいのか、を目標として明確に定めてから取り組みましょう。目標がなければ現場も実行できません。

事業目標の設定にあたっては、市場を取り巻く環境や消費者の行動などを見極める必要があります。市場競争に負けないような事業変革を目指していくことが重要です。

「経営者」「業務部門」「IT部門」の三位一体で進める

中小企業においては、特に社長が中心となってDX化を強く推し進める必要があります。よくある課題として、急激な変化を強いられることに現場が不満を持ったり抵抗したりすることがあります。

社内全体を巻き込めるよう、社長がリーダーシップを発揮し、業務部門とIT部門の連携を取りながら進めていきましょう。IT部門がなかったりシステムエンジニアがいなかったりする場合は、経営層や詳しい社員が担うことでカバーします。

少額投資によるスモールスタートから実施する

いきなり高額なIT投資を行う必要はありません。まずはスモールスタートとして、日々の業務からIoT化をしてみてください。

少しずつやることで現場の抵抗も減らせますし、万が一DX化につまづいたときに、原因を把握しやすくなります。

現場で働く従業員のITリテラシー向上、意識改革を行う

それだけではなく、現場で働く従業員のITリテラシーを高めることにも力をいれていきましょう。せっかく新しいシステムを導入して業務の効率化が期待されていても、使いこなすことができなければ意味がありません。

 

中小企業におけるDXの成功事例

では最後に、中小企業におけるDXの成功事例を3つご紹介します。

◆電話対応をシステム管理し、ミスやストレスを軽減|上総屋不動産株式会社

地域密着型で賃貸業・管理業を展開する不動産会社、上総屋不動産株式会社では、毎月の電話対応が1,500件ほどありました。内容は新規問い合わせからクレームまでと幅広く、従業員の恐怖心や取次ミスの発生を課題と感じていました。

そこで顧客対応を管理するシステムを導入し、1日の着信回数や時間帯などをデータ化し、問い合わせ内容も分類することで、適切な担当者へとスムーズに取り次げ、従業員やお客様のストレス軽減にもつながっています。

◆生産管理システムでペーパーレス化を実現|株式会社東京電機

非常用・防災用の発電装置を扱う製造メーカー、株式会社東京電機では、紙によるデータ管理による誤入力や、紙の図面の管理体制が非効率であることが課題でした。

そこで、生産管理システムをIoT化し、ペーパーレス化、情報の一元管理を実現しました。タブレットでの管理を行うことで、二重入力のミスも削減でき、結果的に作業工数が削減しています。

◆単純作業をRPAに任せ、作業時間の効率化を実現|株式会社日東電機製作所

有機的ネットワークを構築している株式会社日東電機製作所では、設計部門にRPAを導入しました。事務作業においてRPAが活躍するイメージがありますが、同社では設計部門に導入し、人間はより頭を使う仕事に集中してもらうようにしました。

これまでデータを印刷しハンコを押す作業を繰り返し時間がかかっていましたが、RPAに任せることで、1ヶ月あたり約20時間の削減ができ、人間はその他の重要な作業に時間を使うことができるようになっています。

 

まとめ|まずは低予算でDX化に取り組もう

今回は中小企業であってもデジタルトランスフォーメーションに取り組むべき理由や、取り組んだ際のメリットをご紹介しました。

刻一刻と社会の動きが変わっていく中で、予算を気にしてDXに取り組まず、取り残されてしまうよりも、業務効率化を目指してまずは身近な作業を自動化してみるのはいかがでしょうか。

事例でご紹介した企業でも、業務の一部をデジタル化したばかりです。参考にしながら、自社でDX化の第一歩として変革できるところを見つけてみてください。

 

 

ライタープロフィール

パプリカ

パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。