経費精算システムを導入しても残る、経理担当者にとって大変な作業とは

働き方改革の推進、ペーパーレス化のため、経費精算システムを導入する企業が増えてきています。数年前までは首都圏を中心でしたが、ここ最近はコロナの影響でテレワーク化も進み、全国規模で導入が進んでいる印象です。

代表的な経費精算システムは、CMでも見たことがあるかと思います「楽楽精算」、大企業向けの「Concur Expense」をはじめ、「RECEIPT POST(旧:Dr.経費精算)」「ジョブカン経費精算」「MoneyForwardクラウド経費」「eKeihi」などが挙げられます。

 

経費精算システム導入の効果

2022年に改正される電子帳簿保存法により、電子での処理および保存方法が緩和されます。
詳しくは、コチラ(国税庁PDF)

これにともない、経費精算システムの有用さがさらに注目されています。

導入メリットは、「紙の保管が必要なくなる」「経理業務の負荷軽減」が主に挙げられます。

経理担当者は、紙の申請書を手作業で入力する必要がなくなりますし、領収書などの原本を前提とした処理をしなくてもよくなります。

一方、従業員も、交通費はネットで区間を検索して運賃を調べなくてもよいですし、伝票や領収書はスマホで撮影して申請するだけなのでかなり楽になります。
申請自体もワークフローが具備されているため、オフィスに毎回帰ってきて経費精算の申請をする必要もありませせん。

もちろんデメリットもあります。
1アカウント自体は安価ですが、従業員全員にアカウント付与すると思った以上に費用がかかる点、ワークフローの設定、組織・人事異動にともなうマスタ管理などの仕事が増える点、など今までなかったコストやメンテナンス作業が発生します。

とはいうものの、経費精算システムはデメリットを超えるメリットがあります。
経費精算は経理業務の中でも比較的専門的な知識がなくてもできるルーティン業務といわれています。本来の経理担当者の仕事は、素早く決算処理を行い、経営者に会社の財務情報をレポートすることです。毎月何百枚、何千枚と申請される経費処理することは、経理担当者が本来やるべき仕事ではありません。経費精算システムは定型的な業務の負担を軽減させる、非常に有効な手段だといえます。

 

経費精算システム導入だけでは完全ではない?

経費精算システムを導入しても残るのが証憑との突合作業です。
「本当に払うべきものなのか」「申請された金額や消費税」「勘定科目が正しいのか」、確認する必要があります。

たしかに入力作業は減るものの、“支払うべき申請が「確実」に正しく申請元部署で承認され、経理に回ってきているか”、経理部門は最終チェックする必要があります。

経費精算システム導入の落とし穴です。
「システム導入したけど、あまり作業工数が減った感じがしない」という声を聞くことがあります。突合作業、差戻し作業、申請元部署への確認作業はシステムではなく経理担当者が人力で行う仕事として残るのです。

 

残存する「人がやる業務」をどうやったら削減できるか?

では、突合作業等の負荷は軽減できるのでしょうか。
この作業自体はなくすことは現状難しいため、ある程度の軽減はできますが、結局のところ、“誰がやるべきか”を考えたほうがよいでしょう。

「経理担当者がそのままやる」も答えですが、

1.申請元部署でしっかりと処理してもらい、経理は料金だけ確認し承認に徹する

2.パートやアルバイトを雇う

3.クラウドソーシングを利用する

4.アウトソーシング(代行)を利用する

などの手段が考えられます。

1の「申請元部署でしっかりと処理してもらい、経理は料金だけ確認し承認に徹する」は、費用が発生しないため経理担当者にとっては理想ですが、間違いがないという保証があるのか、そもそも経理として最終チェックを簡略化することをよしとするか判断する必要があります。

2の「パートやアルバイトを雇う」は、比較的人件費を抑えられる、という点ではメリットがありますが、オフィスに来て作業することになる、入退社時の引継ぎや教育の手間が増える、労務管理が増えるなどの課題も出てきます。

3の「クラウドソーシングを利用する」は、いわゆる代行の一種ですが、在宅ワーカーが処理を代行するため比較的安価に利用することができます。しかしながら個人事業主に近く、「誰が、どのような環境下で処理しているか」、管理しづらく、会社によってはセキュリティポリシー上、利用が難しい、という判断になるかもしれません。

4の「アウトソーシング(代行)を利用する」は、センターや事務所内で処理するため(オフショアのような海外で処理するケースも含む)、セキュリティもしっかりしており、納期や品質管理もしっかり行ってくれるため、安心して任せられるという点では、他の手段よりは検討の優先順位を高くしてもよいと思います。とはいえ、他の手段よりも費用がかかる可能性があるため費用対効果の検証が必要になります。

ちなみに3も4も経費精算システムと併用を前提に説明しています。
よくシステム導入か、アウトソーシング(代行)かで悩まれる方がいますが、どちらか一方ということではなく、「委託先が自社で導入した経費精算システムを運用代行する」というイメージを持ってもらうのがよいかと思います。(もちろん紙の処理を代行してもらう、というもありです)

 

まとめ

経費精算システム導入は経理担当者の業務負荷を軽減する有効な手段であるのは間違いありませんが、システム導入で業務がすべて自動化されることはないですし、経理担当者の負荷が100%なくなることもありません。

システム導入で十分効果を感じているならばそれでよいとは思います。導入後、残ってしまっている業務や新たに発生する業務に負担を感じるのであれば、「誰がやるのか」を考えてみてはいかがでしょうか。

その際、是非アウトソーシングも検討してみてください。

 

ライタープロフィール

津久井 基喜

津久井 基喜

営業推進部副部長。NOCのマーケティング責任者および問合せ全件を管理する。アウトソーシングだけではなく、企業の事業を推進するうえで基盤となる管理部門の方々の価値を高めるための情報発信、提案を行いたいと日々考えている。