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2025.02.28 掲載

経理と財務の違いとは?会計との違いや向いている人の特徴を解説【未経験向け】

経理代行によって業務の効率化、コスト削減を実現する

FOC経理アウトソーシング

経理と財務は、企業の数字を扱う業務という点で似ていますが、その役割や必要なスキルは大きく異なります。

本記事では、経理と財務の違いを分かりやすく解説し、それぞれの具体的な業務内容や必要なスキル、向いている人の特徴までを説明します。
未経験者の方でも理解できるよう、実務に即した例を交えながら、年収や将来性についても触れていきます。

経理は日々の取引記録や決算書作成が中心であるのに対し、財務は資金調達や運用といった経営戦略に関わる業務が中心です。どちらの職種を目指すべきか迷っている方は、本記事を読むことで自分に合った進路を見つけることができます。

経理と財務の違いとは

経理と財務は、企業の会計・財務活動において重要な役割を果たす部門ですが、その役割と責任は大きく異なります。

経理は主に過去の取引記録や会計処理を担当し、財務は将来に向けた資金計画や運用を担当します。
以下の表で、経理と財務の主な違いを詳しく見ていきましょう。

比較項目
経理
財務
主な時制
過去〜現在
現在〜将来
業務の性質
記録・報告
計画・戦略
主な業務対象
取引記録、帳簿、決算書
資金調達、投資、リスク管理
必要なスキル
正確性、法律知識
分析力、金融知識

経理と財務の違いとは

経理と財務は密接に関連していますが、それぞれ異なる役割を持っています。ちなみに会計は、経理と財務の両方を包括する広い概念で、企業活動の記録・測定・報告の全体を指します。

以下の表で、2つの違いを明確にしましょう。

部門
主な役割
具体的な業務例
経理
日常的な会計処理と記録
仕訳入力、給与計算、税務申告
財務
資金の調達・運用
資金繰り、投資判断、M&A検討

昨今では役割が違ううえに、内部統制強化等、業務が高度化してきているため経理と財務でそれぞれ部門を設ける企業が増えてきています。特に大企業では明確な役割分担が確立されているとされています。

ただし、中小企業では経理部門が財務機能も担当することが多く、経理と財務の境界線は企業規模や業態によって異なります。

経理の主な仕事内容

経理の仕事内容は、企業の日々の取引記録から決算書類の作成まで多岐にわたります。

経理部門は企業の財務状況を正確に把握し、適切な会計処理を行うことで、経営判断の基礎となる情報を提供する重要な役割を担っています。

取引伝票や帳票作成・管理

経理部門の基本的な業務として、日々発生する取引の記録と管理があります。具体的には以下のような業務を行います。

書類の種類主な内容
領収書経費支出の証明、支払記録の管理
請求書売上・仕入の管理、取引先との金額確認
納品書商品・サービスの受け渡し確認

現預金の入金・支払管理

企業の資金の流れを管理することも重要な業務です。売掛金の回収や買掛金の支払いなど、日々の現金フローを適切に管理し、資金繰りに支障が出ないよう注意を払います。

月次伝票や月次決算書の作成

毎月の取引をまとめ、経営状態を把握するための書類を作成します。この業務には以下が含まれます。

  • 仕訳伝票の作成と確認
  • 総勘定元帳への記帳
  • 残高試算表の作成
  • 月次損益計算書の作成

決算時に決算書類作成・資産管理

年度末には、国税庁が定める基準に従って決算書類を作成します。主な業務は以下の業務が挙げられます。

  • 貸借対照表の作成
  • 損益計算書の作成
  • 株主資本等変動計算書の作成
  • 固定資産の管理と減価償却計算
  • 税務申告書類の作成補助

これらの業務を正確に遂行するために、経理担当者は日本の会計基準や税法に関する知識が必要です。また、近年では会計ソフトウェアの活用も必須となっており、ITリテラシーも重要なスキルとなっています。

財務の主な仕事内容

財務部門は企業の資金調達と運用を担う重要な部署です。経理部門が日々の取引や会計処理を行うのに対し、財務部門は中長期的な視点で会社の資金をコントロールします。

企業に必要な資金の調達・運用

財務担当者の最も重要な役割は、企業活動に必要な資金を適切なタイミングで調達することです。主な資金調達方法には以下のようなものがあります。

調達方法
特徴
メリット・デメリット
銀行借入
金融機関からの借入
手続きが比較的簡単だが、返済義務がある
株式発行
証券市場での株式公開
返済義務はないが、株主への配当が必要
社債発行
債券による資金調達
大規模な資金調達が可能だが、信用力が必要

予算管理

予算管理は企業の将来的な収支を計画し、実績との差異を分析する重要な業務です。具体的には以下のような業務を行います。

  • 年間予算の策定と各部門への配分
  • 月次での予算実績管理
  • 予算差異の分析と対策立案
  • 次期予算への反映事項の検討

財務リスクの対応

企業が直面する様々な財務リスクに対して、適切な対策を講じることも財務部門の重要な役割です。主なリスク対応には以下があります。

  • 資金繰りリスクへの対応
  • 取引先の信用リスク管理
  • 金利変動リスク対策
  • 為替リスクヘッジ

特にグローバルに事業展開する企業では、為替リスク管理は重要な業務となっています。

財務リスク対応例としては、以下が挙げられます。

  • 資金調達手段の多様化
  • 財務指標のモニタリング体制確立
  • 取引先の与信管理体制の構築
  • デリバティブを活用したヘッジ取引

これらの業務を通じて、財務部門は企業の持続的な成長と安定性の確保に貢献しています。

経理・財務に向いている人の特徴

経理・財務の業務には、特定の資質や適性が求められます。ここでは、それぞれの職種に向いている人の特徴を詳しく解説していきます。

経理職に向いている人の特徴

経理職に向いている人は、正確性と緻密さを重視できる性格の持ち主です。具体的には以下のような特徴を持つ人が、“適性がある”とされています。

特徴詳細説明
几帳面な性格数字の入力や伝票処理に正確性が求められるため
集中力がある長時間のデータ入力や確認作業に耐えられる必要があるため
コミュニケーション力他部署や取引先との連絡調整が必要なため
法令順守の意識会計基準や税法を遵守する必要があるため

財務職に向いている人の特徴

財務職に向いている人は、論理的思考力と戦略的な視点を持ち合わせている人です。

特徴詳細説明
分析力が高い財務データから企業の課題を見出せる能力が必要
戦略的思考中長期的な視点で資金計画を立てられる
リスク管理能力様々な財務リスクを予測・対応できる
マクロ的視点市場環境や経済動向を理解できる

共通して求められる資質

経理職・財務職どちらにも、以下のような資質が求められます。

  • 数字への抵抗がない
  • 守秘義務を守れる誠実さ
  • 継続的な学習意欲
  • ストレス耐性

特に近年は、会計ソフトやERPシステムの活用が一般的となっているため、ITリテラシーの高さも重要な資質となっています。

また見逃しがちですが、コミュニケーション能力も必要です。経理や財務はメンバーや他部門と関わりが少ないと思われがちですが、自社の事業内容を理解したり、実態を把握するためにもさまざまな部門や立場の人、さらには社外の人との情報交換が求められます。

経理と財務はどちらが難しいのか

経理と財務、どちらが難しいかという問いに対する一般的な見解として、財務の方が経理よりも難易度が高いとされています。これは以下のような要因によるものです。

経理の難しさ

経理業務の難しさは主に以下の点にあります。

難しさの要因詳細
正確性の要求1円単位の計算ミスも許されない厳密さが求められる
法令順守税法や会計基準の理解と適切な運用が必要
期日厳守納税や決算など、期限が法定されている業務が多い

財務の難しさ

財務業務の難しさには以下のような特徴があります。

難しさの要因詳細
分析力財務諸表の分析から経営判断に必要な洞察を導き出す必要がある
予測能力市場動向や経済環境を踏まえた将来予測が求められる
リスク管理為替変動や金利変動などのリスクを適切に管理する必要がある

業務の難易度を決める要因

財務が経理より難しいとされる主な理由は、より多くの不確実性を扱う必要があるためです。経理は過去の取引を正確に記録することが主な業務である一方、財務は将来に向けた判断や意思決定を行う必要があります。
具体的には、

  • 経理:確定した数字を扱い、決められたルールに従って処理を行う
  • 財務:不確実な将来予測を含み、状況に応じた柔軟な判断が必要

と、整理できます。

キャリアパスの違い

財務担当者には、経理の知識・経験が必要とされることが多く、多くの場合、経理での実務経験を積んでから財務へとキャリアアップするケースが一般的です。これは、財務業務を行う上で経理の基礎知識が不可欠だからです。
一般社団法人日本CFO協会によると、財務部門の管理職の約70%が経理部門での実務経験を持っているとされています。

求められるスキルの違い

それぞれの職種で求められる主なスキルは以下の通りです。

職種必要なスキル
経理会計知識、税務知識、PCスキル(特に会計ソフト)、正確性
財務経営分析力、市場分析力、財務戦略立案能力、コミュニケーション能力

経理や財務職に就いた時の年収

経理と財務職の年収は、企業規模や経験年数、役職によって大きく異なります。また、公認会計士や税理士などの資格保有者はさらに年収が上昇します。
一般的な経理職の年収は、未経験入社の場合、初年度で300万円前後からが多いのではないでしょうか。

企業規模別の経理・財務職の平均年収

企業規模
経理職平均年収
財務職平均年収
大手企業(従業員1000人以上)
450~650万円
500~700万円
中堅企業(従業員100-999人)
350~500万円
400~600万円
小規模企業(従業員99人以下)
300~450万円
350~500万円

財務職は経理職と比較して、全体的に10-15%程度高い年収水準となっています。これは財務職が企業の資金調達や運用という重要な役割を担っているためです。
また、財務職のキャリア採用においては人材不足やジョブ型採用で年々高騰しています。

経理と財務の違いのまとめ

会社のお金、運転資金を扱う部門である経理と財務は企業運営において重要な役割を果たしています。それぞれ具体的な職務内容や目的、必要なスキルには大きな違いがあることを解説しました。

経理は、経理職は主に企業の日々の財務取引を記録・管理する役割を担っています。
具体的には、売上や支出の記録、請求書の発行、給与計算、税務申告などが含まれます。

経理職は正確さと細部への注意が求められ、定期的なレポート作成や財務諸表の作成が主な業務です。

財務は、財務職は企業の資金調達や運用、財務戦略の策定など、より戦略的な役割を担います。
主な業務には、予算管理、資金計画、投資分析、リスク管理などが含まれます。

財務職は分析力や戦略的思考が求められ、経営層との連携が重要です。

経理と財務の違いを理解することで、自分のキャリアをイメージできたのではないでしょうか。経理も財務もどちらも企業の健全な財務管理と戦略的な成長を支えることができる、とてもやりがいのある職務です。

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ライタープロフィール

くもと編集

マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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