くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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経理アウトソーシングとは、自社の経理業務を外部の専門業者に委託するサービスです。
この記事では、経理アウトソーシングの基本的な仕組みから料金相場、導入するメリット・デメリット、失敗しない選び方、導入ステップまでを徹底解説します。
コスト削減や人材不足の解消を検討している方はもちろん、初めてアウトソーシングを検討している担当者の方でも、自社に合ったサービス選びの判断基準が分かる内容となっています。
この記事の目次
改めて説明します。
経理アウトソーシングとは、企業が社内で行っている経理業務の一部または全部を外部の専門業者に委託することです。記帳代行から決算業務まで幅広い経理業務を外部委託することで、企業は限られたリソースをより効果的に活用できるようになります。
経理アウトソーシングは、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の一種として位置づけられ、人材不足や専門知識の補完手段として注目されています。近年では、クラウド会計システムの普及により、常駐や訪問ではなく、リモートでの経理業務委託が一般的になっています。
主な経理アウトソーシングの対象業務には以下があります。
| 業務分類 | 具体的な業務内容 | 委託の頻度 |
|---|---|---|
| 日次業務 | 現金出納管理、入金確認、仕訳入力、請求書発行 | 毎日~週次 |
| 月次業務 | 月次決算、試算表作成、給与計算、社会保険手続き | 月1回 |
| 年次業務 | 年次決算、法人税申告、財務諸表作成、年末調整 | 年1回 |
| 特別業務 | 税務調査対応、経営分析、資金調達支援 | 必要時 |
※社会保険関連や税務処理は社労士、税理士の独占業務になりますので、アウトソーシング会社によっては対応できない場合もあります。
経理アウトソーシングに対して否定的な意見が存在するのも事実です。「やめとけ」と言われる主な懸念は以下の通りです。
社内にノウハウが貯まらないことが最も大きな懸念点です。経理業務を外部委託することで、社内に経理の専門知識や業務プロセスが蓄積されず、将来的に自社で経理業務を行う際に困難が生じる可能性があります。
特に成長期の企業では、経理担当者の育成機会を失うリスクもあります。
情報セキュリティの懸念も指摘されます。売上データ、取引先情報、従業員の給与情報など、企業の機密情報を外部業者に開示することで、情報漏洩のリスクが高まる可能性があります。特に上場企業や規模の大きな企業では、重要な懸念事項です。
コストが予想以上に高くなるケースも少なくありません。初期の見積もりでは安く見えても、追加業務や緊急対応、システム連携費用などで総額が膨らむことがあります。
また、質の低い委託先を選んでしまった場合、修正作業や再委託にかかるコストが発生する可能性もあります。
経営判断のスピードへの影響も懸念されます。社内に経理担当者がいない場合、リアルタイムでの経営数値把握や迅速な意思決定が困難になる可能性があり、特に資金繰りが重要な中小企業では、情報のタイムラグは経営に大きな影響を与える場合があります。
経理アウトソーシングで委託できる業務は多岐にわたります。単発の作業から経理業務全般の包括的な委託まで、サービス提供会社によって対応範囲は異なります。以下に、代表的な依頼可能業務を整理します。
| 業務カテゴリ | 具体的な業務内容 |
|---|---|
| 記帳・仕訳 | 日々の取引入力、仕訳帳・総勘定元帳の作成・管理 |
| 請求書・支払管理 | 請求書の発行・送付、入金確認、買掛金・売掛金の管理、支払処理 |
| 給与計算・労務 | 給与計算、給与明細の作成・配布、賞与計算、年末調整 |
| 経費精算 | 経費申請の受付・確認、精算処理、経費データの管理 |
| 月次・年次決算 | 月次決算書・試算表の作成、年次決算補助、税務申告サポート |
| 財務・管理会計 | キャッシュフロー管理、予算実績管理、財務分析レポートの作成 |
| 税務対応 | 消費税申告、法人税申告補助、税務署対応サポート(税理士との連携含む) |
委託できる業務範囲はサービス提供会社によって異なるため、自社が抱える課題や委託したい業務を明確にしたうえで、対応可能な会社を選ぶことが重要です。また、インボイス制度や電子帳簿保存法といった近年の法改正への対応も含めて依頼できるかどうかも、確認すべき重要なポイントのひとつです。
経理アウトソーシングの料金は、委託する業務の種類・量・難易度によって大きく異なります。ここでは代表的な業務ごとの相場感を解説します。
なお、料金はあくまでも目安であり、企業規模や取引件数、対応する会社によって変動します。複数社に見積もりを取り、比較検討することが重要です。
記帳代行とは、日々の取引を帳簿に記録する業務を外部に委託するサービスです。領収書・請求書・通帳のコピーなどを提出し、仕訳入力・帳簿作成を代行してもらいます。
料金は主に月々の仕訳件数によって算定されることが多く、件数が増えるほど費用も上がります。以下は一般的な記帳代行の料金目安です。
| 月間仕訳件数 | 月額料金の目安 |
|---|---|
| 〜50件 | 3,000円〜8,000円程度 |
| 51〜100件 | 8,000円〜15,000円程度 |
| 101〜200件 | 15,000円〜30,000円程度 |
| 201件以上 | 30,000円〜(要見積もり) |
個人事業主や小規模法人では月額数千円から利用できるケースもある一方、取引量の多い中堅企業では月額数万円を超えることもあります。決算申告書の作成が含まれるプランでは、別途費用が加算される場合があります。
給与計算は、従業員の勤怠データをもとに給与・残業代・各種控除を計算し、給与明細を作成する業務です。社会保険料や雇用保険料の計算、住民税の特別徴収手続き、年末調整なども含めて依頼できるサービスが多くあります。
料金は従業員数をベースに設定されることが一般的です。
| 従業員数 | 月額料金の目安 |
|---|---|
| 〜10名 | 10,000円〜30,000円程度 |
| 11〜30名 | 30,000円〜60,000円程度 |
| 31〜50名 | 60,000円〜100,000円程度 |
| 51名以上 | 100,000円〜(要見積もり) |
年末調整については、別途1名あたり数百円〜数千円の追加費用が発生するケースが多くあります。また、社会保険の算定基礎届や労働保険の年度更新なども追加オプションとして対応している会社もあります。
請求書の発行・送付、取引先への支払処理、入金確認・消込といった業務を委託するサービスです。売掛金・買掛金の管理も含まれる場合があります。
料金は処理件数や取引先数によって変動します。
| 月間処理件数(請求・支払の合計) | 月額料金の目安 |
|---|---|
| 〜30件 | 10,000円〜20,000円程度 |
| 31〜100件 | 20,000円〜50,000円程度 |
| 101件以上 | 50,000円〜(要見積もり) |
電子帳簿保存法やインボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応が求められる現在、請求書処理をアウトソーシングする際は法令対応の有無も料金に影響します。対応可能なシステムを持つ会社かどうかも確認が必要です。
月次決算とは、毎月の損益や財務状況を把握するための帳票(試算表・貸借対照表・損益計算書など)を作成する業務です。年次決算は決算書の作成および税務申告に必要な書類の整備を指します。
月次決算の月額料金は、記帳代行とセットで提示されるケースと、単独で提示されるケースがあります。
| 業務内容 | 料金の目安 |
|---|---|
| 月次決算(試算表作成含む) | 月額30,000円〜100,000円程度 |
| 年次決算(決算書作成) | 年間100,000円〜300,000円程度 |
| 税務申告書作成(法人税・消費税など) | 年間150,000円〜500,000円程度 |
税務申告については税理士法上、税理士または税理士法人でなければ対応できません。アウトソーシング会社が提携税理士を通じて対応するケースと、税理士事務所が直接担うケースがあります。委託先がどちらの形態かを事前に確認することが重要です。
記帳代行・給与計算・請求書処理・月次決算などをまとめてパッケージ化した「経理業務一括アウトソーシング」プランも多くの会社が提供しています。個別に依頼するよりもコストを抑えられる場合があり、社内に経理担当者がいない企業にとっては特に有効な選択肢です。
| 企業規模の目安 | 月額料金の目安 |
|---|---|
| 小規模(従業員10名以下・取引量少) | 30,000円〜80,000円程度 |
| 中規模(従業員10〜50名・取引量中程度) | 80,000円〜200,000円程度 |
| 中堅(従業員50名以上・取引量多) | 200,000円〜500,000円以上(要見積もり) |
料金体系はアウトソーシング会社によって「従量課金制」「月額定額制」「ハイブリッド型」と異なります。業務量に波がある場合は従量課金制、安定した業務量であれば定額制の方がコスト管理しやすいケースが多いです。初期費用(導入費・システム設定費など)が別途発生するかどうかも事前に確認しましょう。
経理業務をアウトソーシングすることで得られる主要なメリットを、具体的な効果とともに詳しく解説します。メリットが理解できれば、自社にとって経理アウトソーシングが最適な選択肢かどうか判断できるでしょう。
現在の企業が直面する最も深刻な課題の一つが、経理分野における専門人材の慢性的な不足です。特に中小企業においては、経理担当者の採用が困難な状況が続いており、アウトソーシングはこの問題の解決策になります。
経理アウトソーシングを活用すれば、以下のような人材リソースの最適化が実現できます。
| 課題 | アウトソーシングによる解決効果 |
|---|---|
| 採用コストの負担 | 求人広告費、面接時間、研修費用などが不要 |
| 退職による業務停滞 | 継続的なサービス提供で業務の安定性を確保 |
| スキル不足による作業効率の低下 | 経験豊富な専門家による効率的な処理 |
| 繁忙期の人手不足 | 必要に応じた柔軟な対応体制 |
また、社内の限られた人材をより戦略的で付加価値の高い業務に配置することが可能となり、企業全体の競争力向上にもつながります。
経理業務をアウトソーシングすることで、従業員が本来注力すべきコア業務に専念できる環境が整います。これは企業の成長と収益性向上において極めて重要な要素です。
具体的には、以下のような業務に集中できるようになります。
注力できるコア業務(戦略業務)
生産性向上の効果
日本の税制や会計基準は頻繁に改正されており、企業は常に最新の法令に準拠した経理処理を行う必要があります。
経理アウトソーシング事業者は、法改正への対応を専門とするプロフェッショナルとして、最新の情報と専門知識を持っていますが、自社で法改正に対応する場合には、担当者の学習時間、システム改修費用、対応ミスによるリスクなどが発生します。
これらの負担を大幅に軽減できることが経理アウトソーシングのメリットでしょう。
主要な法改正とその対応例を以下の表で整理しました。
| 法改正項目 | 影響範囲 | アウトソーシングでの対応メリット |
|---|---|---|
| 電子帳簿保存法 | 帳簿書類の電子化対応 | システム導入サポートと運用指導 |
| インボイス制度 | 適格請求書の発行・保存 | 制度理解と実務対応の一括サポート |
| 消費税率変更 | 税計算と申告書作成 | 即座のシステム対応と正確な処理 |
| 働き方改革関連法 | 給与計算への影響 | 労務関連の専門知識を活用した対応 |
経理業務における内部不正や人的ミスは、企業の信頼性と財務健全性に深刻な影響を与える可能性があります。
経理アウトソーシングは、複数の専門家による牽制機能と標準化されたプロセスにより、これらのリスクを大幅に削減します。
アウトソーシングによる内部不正防止
人的ミス防止の仕組み整備
多くの企業で経理業務は特定の担当者に依存する「属人化」が深刻な問題となっています。経理アウトソーシングは、業務プロセスの標準化とチーム体制により、属人化リスクが発生しません。
属人化による主要なリスクとアウトソーシングでの解決策を整理しました。
| 属人化リスク | 具体的な問題 | アウトソーシングでの解決策 |
|---|---|---|
| 業務継続性の不安 | 担当者の休暇・退職時の業務停滞 | チーム体制による継続的なサービス提供 |
| ノウハウの偏在 | 特定個人にのみ蓄積される知識 | 標準化されたプロセスと文書化された手順 |
| 品質のばらつき | 担当者のスキルレベルによる処理精度の差 | 一定水準以上の専門家による均一な品質 |
| 業務改善の停滞 | 現状維持思考による効率化の遅れ | 継続的な業務改善とベストプラクティスの導入 |
さらに、アウトソーシング会社は最新の経理システムと効率的なワークフローを提供するため、属人化の解消とともに業務効率の大幅な改善も期待できます。これにより、企業は経理業務に関する継続性と品質の両面で安定した運営が可能となります。
※依頼主の経理システムを利用して業務代行をするアウトソーシング会社も存在します。その場合、新たにシステム導入をする必要がなく、初期費用を抑えるメリットがあります。
経理アウトソーシングには多くのメリットがある一方で、導入前に必ず把握しておくべきデメリットも存在します。
これらのデメリットを理解せずに導入すると、期待した効果が得られないばかりか、かえって業務効率が悪化する可能性があります。
日常的な仕訳処理から決算業務まで、すべてを外部に任せてしまうと、自社の経理担当者は実務経験を積む機会を失ってしまいます。
将来的に経理業務を内製する可能性がある場合や、経理の人材育成も進めたいといった場合には、すべての業務を丸投げするのではなく、一部の業務に絞ってアウトソーシングするのも良いでしょう。
将来的に経理業務を内製化する可能性がある企業では、アウトソーシング期間が長くなるほど、社内の経理レベルが低下し、いざ内製化しようとした際に適切な人材がいないという状況に陥る可能性がありますので注意が必要です。
| 影響範囲 | 具体的な問題 | 長期的なリスク |
|---|---|---|
| 人材育成 | 実務経験不足による成長阻害 | 専門性の高い経理担当者が育たない |
| 知識継承 | 社内ノウハウの断絶 | 業務引き継ぎ時の混乱 |
| 組織運営 | 経理部門の空洞化 | 内製化時の体制構築困難 |
初期の見積もりと実際のコストに大きな乖離が生じるケースが多く見られます。これは、導入前の業務範囲の定義が曖昧だったり、追加業務が発生したりすることが主な原因です。
特に以下のような要因でコストが膨らみがちです。
また、月次の基本料金に加えて、決算期の業務量増加や税制改正への対応などで追加費用が発生することも珍しくありません。結果として、社内で経理担当者を雇用するよりも高コストになってしまう場合もありますので、コストを抑えたい場合にはアウトソーシングする範囲を絞るなどの調整をしましょう。
経理業務を外部委託すると、リアルタイムでの財務状況の把握が困難になるというデメリットがあります。
社内に経理担当者がいれば、日々の売上や支出の動向をすぐに確認できますが、外部委託の場合は定期的な報告を待つ必要があります。
この情報伝達の遅れは、経営判断のスピードに直接影響します。特に以下のような局面では、迅速な対応が求められるため、情報の遅れが致命的になる可能性があります。
このような状況において数値の確認などができるかどうか、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、外部の委託先が複数の企業を担当している場合、自社の案件の優先度が下がり、緊急時の対応が後回しになるリスクも考慮する必要があります。
経理業務には、企業の機密性の高い財務情報や取引先情報が含まれるため、外部委託により情報漏洩のリスクが高まります。社内であれば情報管理体制をコントロールできますが、外部委託先の情報セキュリティレベルは企業によって大きく異なります。
特に注意すべき情報漏洩リスクには以下があります。
| リスク分類 | 対象情報 | 影響度 |
|---|---|---|
| 財務情報 | 売上高、利益率、資金繰り状況 | 競合他社への情報流出 |
| 取引先情報 | 支払条件、取引金額、契約内容 | 取引先との信頼関係悪化 |
| 従業員情報 | 給与額、賞与、人事評価 | 労務問題の発生 |
| 税務情報 | 申告内容、節税対策 | 税務調査リスクの増大 |
また、委託先の従業員の退職時や、委託先企業との契約終了時における情報の取り扱いについても、事前に明確なルールを設定しておく必要があります。
外部委託では、契約で定められた業務範囲内でのみサービスが提供されるため、イレギュラーな業務や急な変更への対応が困難になる場合があります。
社内の経理担当者であれば、状況に応じて柔軟に業務を調整できますが、外部委託先は契約に基づいた対応となります。
また、委託先の営業時間や休業日の制約により、自社の営業時間外や休日の対応が困難になることもあります。これは特に、海外取引がある企業や24時間体制で営業している企業にとって大きな問題となる可能性があります。
さらに、委託先の担当者が変更になった場合、新しい担当者が自社の業務内容を理解するまでに時間がかかり、一時的に業務効率が低下するリスクも考慮する必要があります。
緊急時の対応フローや担当変更時のフローなど、事前に確認しておくようにしましょう。
経理アウトソーシングは多くのメリットがある一方で、適切な準備や選定を怠ると重大な失敗につながる可能性があります。実際に起こった失敗事例を通して、その原因と対策を詳しく解説します。
※具体的企業を挙げず、あくまで例として解説します。
従業員50名の製造業A社では、経理担当者の退職を機に経理業務の一部をアウトソーシングしました。しかし、委託先との連絡体制が不十分だったため、月次決算が大幅に遅れるという問題が発生しました。
具体的な問題としては、以下のような状況が生じました。
この失敗の根本的な原因は以下の点にありました。
成長期のIT企業B社では、経理業務の負荷軽減を目的としてアウトソーシングを導入しました。しかし、当初の見積もりよりも大幅に費用が超過し、予算を圧迫する結果となりました。
発生した問題は以下の通りです。
| 項目 | 当初見積もり | 実際の費用 | 超過理由 |
|---|---|---|---|
| 月次決算 | 8万円/月 | 15万円/月 | 追加資料作成・修正対応 |
| 給与計算 | 3万円/月 | 6万円/月 | 変動給与・賞与計算の複雑性 |
| 税務申告 | 10万円/年 | 25万円/年 | 税務調整・追加書類作成 |
費用超過の主な原因は以下の点でした。
地域展開する小売業C社では、経理アウトソーシング先のセキュリティ管理不備により、顧客の個人情報と財務情報が外部に流出するという重大な事故が発生しました。
事故の詳細と影響は以下の通りです。
この重大な事故の原因は以下の点にありました。
飲食チェーンを展開するD社では、コスト重視で格安の経理アウトソーシング業者を選定しましたが、業務品質の低下により正確な経営情報の把握ができなくなったという問題が発生しました。
具体的な問題点は以下の通りです。
業務品質低下の主な原因は以下でした。
経理アウトソーシングで失敗しないためには、事前の業者選びが何より重要です。多くの企業が経験している失敗事例から学んだ、成功するための3つの重要なポイントを解説します。
経理業務といっても、日次の記帳から月次決算、年次決算、税務申告まで幅広い業務があります。依頼したい業務範囲に対して、アウトソーシング先が十分な対応能力と専門性を持っているかを詳細に確認することが最も重要です。
確認すべき具体的なポイントは以下の通りです。
| 確認項目 | チェックポイント | 確認方法 |
|---|---|---|
| 対応業務範囲 | 記帳代行、決算業務、給与計算、税務申告等の対応可否 | サービス内容一覧の確認 |
| 業界特化性 | 自社の業界に特化した知識・経験があるか | 同業他社の導入実績確認 |
| 使用システム | 自社の会計システムとの連携可否 | システム対応表の確認 |
| 資格・専門性 | 税理士、公認会計士などの有資格者の在籍状況 | スタッフの資格・経歴確認 |
特に、製造業、建設業、IT業界など、業界特有の会計処理が必要な場合は、その業界での豊富な経験を持つアウトソーシング先を選ぶことが失敗を防ぐ重要なポイントです。
経理業務は企業の機密情報を扱う重要な業務です。長期的なパートナーシップを前提として、十分な実績と高い信頼性を持つアウトソーシング先を選択する必要があります。
実績と信頼性を判断する際の評価基準例
| 評価項目 | 評価基準 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 事業年数 | 5年以上の事業継続実績 | 会社概要・設立年月日 |
| 顧客数・継続率 | 顧客数100社以上、継続率90%以上 | 実績資料・顧客継続率データ |
| セキュリティ体制 | ISO27001認証取得、プライバシーマーク取得 | 認証取得状況の確認 |
| 財務基盤 | 安定した財務状況 | 決算公告・信用調査機関情報 |
また、既存顧客からの紹介や評判、口コミサイトでの評価も重要な判断材料です。可能であれば、実際に利用している企業に直接話を聞く機会を設けることもおすすめです。
経理アウトソーシングの成功は、業者との密接なコミュニケーションにかかっています。定期的な報告体制と迅速な情報共有システムが整備されているかは、業務品質と効率性に直結する重要な要素です。
特に、月次決算の締切日や税務申告期限などの重要なスケジュールに対する対応力は事前に詳細確認が必要です。
また、業務フローの透明性も重要で、どの段階でどのような作業が行われているかを可視化できるシステムを持つアウトソーシング先を選ぶことがおすすめです。
| 連携項目 | 理想的な対応 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 日常の問い合わせ対応 | 24時間以内の回答 | サービスレベル合意書の確認 |
| 月次報告 | 翌月10日以内の報告書提出 | 報告書サンプルの確認 |
| システム連携 | クラウド会計システムでのリアルタイム連携 | システムデモンストレーション |
| 緊急時対応 | 2時間以内の初動対応 | 緊急時対応フローの確認 |
これらの3つのポイントを総合的に評価し、複数の業者から相見積もりを取得して比較検討することで、自社に最適な経理アウトソーシング先を選択できます。契約前には必ずトライアル期間を設けて、実際の業務品質とコミュニケーション体制を確認することも重要です。
経理アウトソーシングを導入する際は、準備不足のまま進めてしまうと、業務の引き継ぎがうまくいかなかったり、想定外のコストが発生したりするリスクがあります。スムーズな導入と安定した運用を実現するために、以下の5つのステップを順番に踏んで進めることが重要です。
最初に行うべきことは、自社の経理業務の現状を正確に把握することです。どのような業務をどれだけの人数・時間で対応しているのかを可視化し、課題を明確にします。
具体的には、以下の観点で業務を棚卸しましょう。
| 確認項目 | 確認内容の例 |
|---|---|
| 業務の種類 | 記帳、請求書処理、給与計算、決算対応など |
| 担当者と属人化の状況 | 特定の人しか対応できない業務がないか |
| 業務にかかっている時間 | 月次でどの業務に何時間かかっているか |
| 課題・ボトルネック | ミスが多い、時間がかかりすぎている業務はどれか |
| 繁忙期・閑散期のばらつき | 月末・決算期など負荷が集中する時期があるか |
この棚卸しを通じて「外部に委託できる業務」と「社内に残すべき業務」を区別することが、後のステップをスムーズに進めるための土台になります。
現状の課題を曖昧なまま進めてしまうと、委託後に「思っていたものと違う」というミスマッチが起きやすくなるため、丁寧に取り組むことが大切です。
現状の業務を把握したら、次はどの業務をアウトソーシングするのかを明確にし、合わせて予算の上限を設定します。
アウトソーシングする業務の範囲は、「すべての経理業務を丸ごと委託するフルアウトソーシング」と「特定の業務だけを委託する部分委託」の2種類があります。
初めてアウトソーシングを導入する場合は、まず負担が大きい一部の業務から始めて、慣れてきたら範囲を広げていく方法が失敗しにくいためおすすめです。
予算については、現在の経理担当者の人件費(給与・社会保険料・採用コストなど)と比較しながら、どこまでなら外注費として許容できるかを経営判断として決めておくことが重要です。業務範囲と予算の方向性があらかじめ決まっていることで、次のステップでの会社比較が格段に進めやすくなります。
委託業務と予算の方向性が固まったら、複数のアウトソーシング会社を比較・検討します。1社だけで判断するのではなく、最低でも3社程度に問い合わせ・見積もりを依頼した上で比較することを推奨します。
選定の際には、以下の観点を比較検討の基準として活用しましょう。
| 比較項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 対応できる業務範囲 | 自社が委託したい業務に対応しているか |
| 料金体系・費用感 | 月額固定か従量課金か、初期費用はあるか |
| 担当者の専門性・資格 | 税理士・公認会計士・社会保険労務士などの有資格者が対応するか |
| 導入実績・同業種の対応経験 | 自社と同規模・同業種での支援実績があるか |
| セキュリティ対策 | プライバシーマークやISMS認証の取得有無 |
| 使用するツール・システム | 自社で使用している会計ソフトや業務システムとの連携が可能か |
| 報告・連絡体制 | 担当者との連絡頻度や情報共有の方法が明確か |
なお、料金の安さだけで選んでしまうと、対応の品質や専門性に問題が生じるケースもあります。コストと品質のバランスを総合的に見て判断することが重要です。
委託先が決定したら、契約内容の確認と業務フローの整備を行います。この段階での準備が不十分だと、運用開始後にトラブルや混乱が起きやすくなるため、時間をかけて丁寧に対応することが重要です。
契約書には、委託する業務の範囲・納期・料金・機密保持(NDA)・契約解除の条件などが明記されているかを必ず確認しましょう。
特に機密保持契約(秘密保持契約)は、財務情報や個人情報を扱う経理業務においては必須の取り決めです。口頭での約束に頼らず、すべて書面で明確にしておくことが後々のトラブル防止につながります。
委託先にスムーズに業務を引き継ぐためには、現在の業務フローを文書化し、マニュアルとして整備しておくことが欠かせません。「誰が・いつ・何を・どのように行うのか」を明確に記載した引き継ぎ資料を用意することで、委託先との認識齟齬を防ぎ、業務品質を維持しやすくなります。
また、委託先と自社の担当者間での連絡ルール(連絡手段・報告頻度・緊急時の対応フローなど)も、この段階で取り決めておきましょう。
契約と業務フローの整備が完了したら、いよいよ運用を開始します。ただし、運用開始直後はトラブルや認識のズレが発生しやすい時期であるため、委託先との連絡を密にとり、問題が起きたら早期に対処できる体制を整えておくことが重要です。
運用開始後しばらくは、委託先からの成果物(仕訳データ・給与明細・請求書など)の内容を自社でも確認するダブルチェック体制をとることをおすすめします。委託先の作業品質を把握しながら信頼関係を構築していくことで、徐々に確認作業の負担を減らしていくことができます。
アウトソーシングの運用が安定してきたら、定期的(3〜6か月に1回など)に以下の観点で振り返りを行いましょう。
| 見直し項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 業務品質・精度 | ミスや遅延が発生していないか |
| コストパフォーマンス | 費用対効果は当初の想定通りか |
| 業務範囲の適正 | 委託範囲を拡大・縮小すべき業務はないか |
| 委託先との連携状況 | 情報共有や連絡がスムーズに行われているか |
| 法改正・社内変化への対応 | インボイス制度・電子帳簿保存法など法改正への対応が適切か |
自社のビジネス環境や規模の変化に合わせて、委託内容や業務フローを柔軟に見直していくことが、経理アウトソーシングを長期的に有効活用するためのポイントです。定期的な見直しを習慣化することで、アウトソーシングの効果を最大限に引き出すことができます。
経理アウトソーシングを検討する際、どの会社に依頼するかは非常に重要な判断です。ここでは、実績・信頼性・対応範囲の広さを基準に、国内で広く知られる大手企業を3社紹介します。各社の特徴や対応業務、料金の目安を比較しながら、自社に合ったサービスを選ぶ参考にしてください。
経理アウトソーシングサービスを提供する企業は数多く存在しますが、実績や特徴、サービス内容を比較した上で、特におすすめの企業をご紹介します。料金体系や対応可能な業務範囲、サポート体制などを総合的に評価し、選りすぐりの3社をピックアップしました。
FOCは設立から30年にわたり続いている企業であり、アウトソーシングの実績は1000社以上にものぼります。
まだ経理アウトソーシングが世間から注目を集める前から蓄積されたノウハウやキャリア、そして人材を強みとしている企業です。
現在は東証プライムである芙蓉総合リースの子会社であるため信用もあります。
対応可能な企業規模も幅広く、業務改善のアドバイスも行っています。
1000人を超える専門スタッフ(全サービス合算)が在籍しているため、高度な依頼内容も引き受けることが可能です。
芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社
こちらは建築材料・住宅設備機器の大手であるLIXILグループが提供している経理アウトソーシングサービスです。売掛金の管理や支払いデータの作成、請求書の発送など経理に関する業務を幅広く委託できます。
実際に担当スタッフが対面で対応してくれる『訪問型』、データを送るだけの『センター型』の2種類の委託方法があるので、自社の体制や予算に合わせて選べる点がポイントです。
株式会社LIXIL住生活ソリューション
税務のプロフェッショナル集団である辻・本郷 税理士法人は、経理アウトソーシングと税務サポートを一体化させたサービスを展開しています。全国に90以上の拠点が整っています。
税務と経理の専門家がチームを組んで対応するため、単なる経理処理だけでなく税務戦略まで見据えたサポートが受けられる点が最大の強みです。特に、税務調査対応や節税対策などの専門性の高い領域で力を発揮します。
また、各種業界の会計実務に精通しているため、業種特有の経理処理や税務上の留意点についても的確なアドバイスが期待できます。顧問先19,000件以上の実績があり、安定したサービス提供と豊富な知見が評価されています。顧問契約を結ぶことで、経営上の相談も随時可能な点も中小企業にとっては心強いポイントです。
辻・本郷税理士法人
FOCの経理アウトソーシングの3つの事例をご紹介します。
全国600店舗以上を展開する眼鏡チェーンです。百貨店・商業施設内のテナント店舗が約190店舗あり、デベロッパーから月2回届く売上計算書の処理が欠かせない業務となっていました。担当者は財務経理の専門用語にも不慣れな中、膨大な入力業務を一手に引き受けていました。
50種類以上の異なる書式の計算書を、担当者一人が手入力で対応していました。OCRによる自動化も書式の多様さから実用化を断念せざるを得ず、属人化と業務過多が深刻な問題となっていました。月2回のサイクルで届く大量の計算書に常に追われ、他業務に手が回らない状況でした。
デベロッパー計算書の入力業務をFOCへアウトソーシング。担当者の業務負荷を分散することで、属人化リスクの解消と処理期限の安定確保を目指しました。また、初めての外部委託への不安に対しても、FOCの豊富な実績をもとに丁寧なサポートが行われました。
データ入力精度99%を達成しながら業務負担を大幅に軽減しました。担当者は入力業務以外の重要な仕事に集中できる環境が整い、テナント業務以外の新たな業務にも対応できる余裕が生まれました。「お願いして本当に良かった」という声が上がるほど、現場の満足度も高い導入事例となっています。
二次元コンテンツやVTuber事業を展開し、クリエイターとファンをつなぐプラットフォームを運営しています。事業の急拡大に伴い取引量が増加し、経理チームは慢性的な人手不足に直面していました。海外展開の加速により、国ごとの税率対応や関税処理など、会計処理の複雑さも増していました。
請求処理や振込業務などのルーティン業務が逼迫し、月初の締め業務が常に圧迫された状態でした。本来注力すべき経営判断への貢献や付加価値業務に時間を割けない状況が続いており、「定型業務をこなすだけの経理」から脱却することが急務となっていました。
請求書の確認・振込データ作成などの定型業務をFOCへBPO化しました。経理チームが最終確認に専念できる体制を整えることで、高付加価値業務へのリソースシフトを実現しました。急な人員欠員が発生した際にも、FOCが迅速に体制を整えスムーズに立ち上げが行われました。
月初の作業量が体感で約6割削減されました。経理チームはインボイス制度対応など経営に直結するプロジェクトに注力できるようになり、数億円規模の利益改善につながった取り組みも生まれました。教育コストをかけずに高品質な運用を維持できる仕組みが構築され、組織としての安定性も高まっています。
完全個室型レンタルオフィス「CROSSCOOP」を、都心を中心に9拠点展開しています。M&Aで事業を譲り受けた際に経理・管理機能は引き継がれず、代表と管理担当者2名・派遣社員1名という少人数体制のまま、会計基盤をゼロから構築する必要がありました。
入出金確認や請求書整理を手作業で行っており、支払い漏れや処理遅延のリスクが常態化していました。既存の会計システムも複数拠点への対応に限界があり、上場グループの一員として求められる精度を満たせず、グループ本部への報告が後ろ倒しになる状況が続いていました。
会計システムの選定・導入から日々の運用設計まで、FOCに一貫してサポートを委託しました。単なる作業代行ではなく、固定資産管理のシステム化や販売管理システムとの連携も含め、少人数でも安定稼働できる経理体制の基盤づくりをゴールに設定しました。
販売管理システムとの連携により、取引先別の債権管理が明確化されました。請求書を渡すだけで債務計上から支払処理まで完結する体制が整い、業務負荷が大幅に軽減されました。会計の正確性・透明性が向上したことで経営判断の精度も高まり、拠点拡大を見据えたスケーラブルな管理体制の基盤が整っています。
FOC経理アウトソーシングは、経理に関連した業務全般の問題、課題を把握・整理したうえで、最適な業務運用をご提案、実行いたします。また庶務業務、給与計算業務も含めたトータルサービスもご提供しております。この効果として経理担当者は、本来やるべき業務に集中することができます。
サービスの特徴
FOCは、30年/1,000社以上のノウハウを活かし、御社のコア業務の生産性向上、バックオフィス部門のコスト削減に貢献します。
ライタープロフィール
くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」
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