【管理部門・必読】気づかなかったお金以外のコスト!? コスト削減できなかった原因は5つのコスト削減とのバランス

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コストといえば、まず思い浮かぶのが、費用やお金、金銭です。
しかし、コストはお金だけではありません。

コストには5つあります。
楽天株式会社 楽天大学学長である仲山氏は、EC店舗(ネットショップ)がとる戦略のひとつとして、ユーザーが感じる5つのコストの最小化を提唱しています。

非常にわかりやすく、一般的な業務においても十分当てはまるため、この5つのコストをお借りして、管理部門の“コスト削減”について説明します。

 

■5つのコスト

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コスト削減は、売上を上げるのと同じように企業が成長するために考えなくてはいけないテーマです。

お金のコストを削減すれば万事解決かというと、ビジネスはそこまでシンプルではありません。むしろお金のコスト削減を突き詰めすぎて、ミスが多くなった、余計に時間がかかるようになった、従業員のモチベーションが下がったなどの事態になることもあります。

そうならないためにも、理解しておく5つのコストは以下になります。

1.経済的コスト(お金)
2.時間的コスト(時間)
3.肉体的コスト(労力・手間)
4.頭脳的コスト(思考)
5.精神的コスト(不安・気を遣う・楽しい)

直接利益を生まない管理部門は経済的コストだけでは評価しにくいため、その他4つのコストをどう削減するかも考えなくてはいけません。

 

1.経済的コスト

代表的なコストで、お金、金銭のことです。販売費及び一般管理費やその業務に携わる従業員の総額人件費で算出ができます。または派遣会社に支払う費用、アウトソーサーに支払う外部委託費などもこれに該当します。

経済的コストは、雇用形態の変更、残業時間の圧縮、人員調整、委託会社の変更などで削減することができます。

 

2.時間的コスト

時間的コストも気づきやすいコストです。業務にかかる時間で、インプット(開始)からアウトプット(終了)までの時間の長さをコストとして考えます。

また、単純に“就業時間”といった時間給でも換算されるコストです。

本来、正確な時間的コストを知るためには、入社から退社までの単純な就業時間ではなく、業務の発生頻度、待ち時間、実作業時間をきちんと把握します。

時間的コストは、業務フローの整理、スキル向上、システム導入、手戻りをなくすことで削減ができます。

 

3.肉体的コスト

肉体的コストは、どれだけの労力や手間をかけたかを示すコストです。繁忙期等の業務の集中やシステムを介さず人力で行う業務は肉体的コストが高いといえます。

この肉体的コストは先の2つのコストとは若干性質が違い、必ず削減することが良いとは言いきれません。

業務のなかには重要度や品質、納期の猶予などによっては、かけるべき手間があるためです。

例えば、法務チェックです。各部門から提出される契約書(特に自社仕様)を沢山確認していると、特定の場所しか見なくなりがちで、追記や特記やその他重要な点を見逃すことで、会社に甚大な損失を与えてしまう可能性があります。会社に損失を与えないためには、多少時間的コストがかかっても内容のチェックをきちんとする必要があります。

 

4.頭脳的コスト

頭脳的コストは、考える、判断するコストです。

判断が多い、臨機応変な対応が求められる業務は頭脳的コストが高いといえます。例えばヘルプデスクは、様々な質問を理解し、適切な回答をする必要があり、頭脳的コストが高い業務です。

逆に、マニュアル通りに行うことで誰がやっても結果が同じようになる業務は頭脳的コストが低いといえます。

頭脳的コストは、業務フローやマニュアルを作成、共有し、誰でも手順さえ踏めば、同じような成果がでるように整備することで削減できます。

 

5.精神的コスト

精神的コストは、不安や迷い、楽しいと思うコストです。

他の4つに比べ主観的で、人によって感じ方の度合いが違うコストで、仕事環境や人間関係も大きく影響するコストです。

例えば、ある従業員が担当している業務で手一杯にも関わらず、新しい仕事を依頼してくる上司がいて不満と感じている、という状況は精神的コストが高いといえます。

精神的コストはルールの明確化、不確定要素の除去、メンタルヘルスを始めとした仕事環境の整備で削減することができます。

 

■コスト削減は難しい?

コスト削減策の代表的なものとしてアウトソーシングがありますが、検討段階でよくあるケースをご紹介します。

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ネット関連サービスのA社が、請求書発行発送のアウトソーシングを検討していたとします。見積をアウトソーサー各社から提出してもらったところ、思ったほどのコスト削減が見込めないことがわかりました。

紙代+プリント代+郵送費といった費用を比べても自社で支出している金額より若干安い程度です。そのため削減効果が薄いということで見送られることになりました。

上の費用以外にも、従業員の人件費や作業場所、備品などの経済的コストのほか、封入作業の労力・手間(肉体的コスト+時間的コスト)もかかっていますし、発送漏れや誤封入を防ぐためのチェック(頭脳的コスト)や誤発送など事故への不安(精神的コスト)も発生しているはずです。実際は、これらコストを総合的に判断し、アウトソーシングを検討する必要があります。

見えないコストに気づかない(もしくは過小評価)して、担当者に仕事を依頼しつづけてしまい、結果的に業務が滞ってしまうこともよくあります。

経済的コスト以外のコストを厳密に算出するのは難しいと思います。厳密にやりすぎて必要以上の稼働がかかり、“算出のためのコストが高くなった”では意味がありません。

まずは管理部門のコスト削減を行う際はこの5つのコストがあることを理解し、検討していくと見込んだような削減ができるようになります。

機械が全てを行っていればシンプルなのですが、必ず人間が介在するため、素養や経験、モチベーションによってもコストは変動します。つまり、特定のコストだけを突き詰めても結局は思ったとおりにはなりません。

 

引用
「あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか」 仲山進也 著 株式会社宣伝会議 発行
※本著では、5つのコストを積極的に削減するのは大資本のECサイトで、中小規模のECサイトは、逆にコストをかけても他店とは違うつよみを創出すべきだと提唱されています。

 

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」