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2015.02.24 掲載 2022.06.15 更新

設定した狙い・想定効果がアウトソーシングの成果を引き出す

goal
アウトソーシングをするにあたって、どのような狙いがあるのか、きちんと定義・明文化しておかなければなりません。「とりあえずアウトソーシング」ということが意外と多いのです。

とりあえずアウトソーシング

「とりあえずアウトソーシング」ではじめてしまうと、そもそもアウトソーシングすることにビジネス的に価値があるのか、あるいは経済的に価値があるのか、といった追求が甘くなります。追及が甘くなれば、惰性でアウトソーシングが継続され、改善もされず、単なる業務の代替に矮小化してしまいます。アウトソーサーが、社員と同じ業務を社員と同じようにこなすだけになり、効果が曖昧になってしまうということです。

過去お会いした企業でも、アウトソーシングの狙いが曖昧な企業がありました。その企業(A社)では、アウトソーシングを継続すべきか、アウトソーシングをやめて社員に戻そうか、迷っていました。

「そもそもの狙いが達成できなくなったのであれば、変えてみてはどうでしょうか」とアドバイスをしたところ、回答は「いや、狙いが曖昧なまま始めてしまったので、何が狙いで、どんな効果を見込んでいたのか、誰も考えていなかった。今やめると、何が困るのかもわからない。ただ、社員がその仕事をすることになるだけなので、あとはコスト差だけだろうか」とのことです。

恐らく受託しているアウトソーサーも目標設定がないため、業務改善を積極的に行うというよりは、“業務を代行すること”を目的と考えているかもしれません。

つまり、なんのためにアウトソーシングを始めたのか、どこにも記録がなく、引き継ぎで当初の狙いも継承されず、判断基準をなくしたままアウトソーシングが継続されていたのでした。最近、なんとなくアウトソーサーに不満があって、雰囲気でやめようかどうか、迷い始めている感じでした。このような曖昧な迷いは、利益を追求し、QCD(Quality, Cost, Delivery)を大切にする企業にとってよくありません。 

アウトソーシングの狙いは文章化しておく

documentation
最初にアウトソーシングの狙いが文章化され、明記されていればよかったのですが、この企業のケースで言えば、今からでもきちんと狙いを明確にすべきです。そうすれば、アウトソーシングを継続するのか、取りやめるのか、判断基準を持つことができますし、アウトソーサー側も解決案を出すことができます。

企業B社の具体例を挙げたいと思います。
B社は、最近物流のアウトソーシングをやめ、自社物流に切り替えました。当初行っていた物流アウトソーシングの狙いは、「サービス向上とコストダウンの両立」でした。

しかし、昨今のトラックドライバー不足により、物流業者のサービスレベルが下がって、そのうえ価格が上がってきたのです。顧客からのクレームも増え、自社の競争力にも影響し始めたため、アウトソーサーと解決案を協議した結果、自社の社員とトラックで運ぶ自社物流に切り替えることに決めました。コストダウンは厳しくなりましたが、サービスを維持することで、現在、この企業は業界の中では物流サービスを強みにして売上を伸ばし、業界のガリバーになり始めています。

狙いがはっきりしていればこそ、手段として何を優先すべきかの判断が素早くできるということです。 

定量効果として費用対効果を計算する

QCD
アウトソーシングを開始する際には、狙いが実現できるということだけでなく、十分な効果があるかどうか「費用対効果分析」をします。

費用はアウトソーシングにかかるコストです。業務委託費ということになり、アウトソーサーに支払う金額です。アウトソーサーはヒアリングや業務調査・分析において、請負うための費用を算出します。その費用は、アウトソーサーが評価する「当該業務の(主に)販管費」といえ、基本的に同等か安くなっていれば、アウトソーシングを導入する判断ができるといえます。

一方、効果は「コスト効果」と「品質効果」があります。
「コスト効果」は、主に削減できる人件費などの費用です。

たとえば、アウトソーシングによって、社員10人の仕事がアウトソーサー5人の仕事に置き換わり、費用も半分以下になるといったようなことです。アウトソーシングによる人員稼働の最適化でより少ない人数で仕事ができるなどの効果があれば大きなものです。

また、アウトソーサーにたくさんの仕事を一括で委託することでボリュームディスカウントのようなコスト効果が出ることがあります。たとえば、パンフレットなどのドキュメントを社内で印刷せず、印刷会社に一括でアウトソーシングすることで規模の経済が利き、印刷費が安くあがることがあります。

「品質効果」は、業務品質の向上です。成果物の品質とスピードと言い換えることもできます。より専門知識を使うアウトソーシングであれば、社員で行うよりも高い品質の仕事を、短い時間で行うことが可能になります。
専門知識が必要なアウトソーシングはたくさんあります。会計、税務、給与計算、物流、設計、IT、製造、法務などです。専門家(アウトソーサー)に任せることで、社員で行うよりも高いパフォーマンを発揮でき、品質が高く、短期間でできるようになります。
※この「品質効果」が大きく見込める場合、費用が「当該業務の(主に)販管費」より高くてもアウトソーシングを採用するケースがあります。

まとめると、アウトソーシングにかかる費用に対し、コストが削減でき、品質が向上し、スピードが向上する効果(コスト+品質効果)を比較し、アウトソーシングの採否を決定します。これらを理解しておくと、費用と効果のバランスを見るのか、効果の中でもコストダウンを見込むのか、品質効果(プロフィット)を見込むのか、論理的に判断することができるようになります。

最近のケースでは、ある企業グループに属する複数企業の会計業務をアウトソーシングする案件がありました。費用対効果を検討すると、アウトソーシングにより、社員で行っていたコストが25%削減できる結果になりました。実際はグループ会社のシステム統一もあったので、システム投資分が追加でかかるコストになりましたが、25%の人件費削減効果があり、4年でシステム投資も回収できる計算になりました。品質向上も見込まれたので、この企業グループはアウトソーシングに踏み切りました。 

数値化できない定性効果

効果のなかには、数値化、定量化できない定性的なものがあります。定性効果は「なにができるようになるのか」を文章で明記します。

たとえば「定型作業はアウトソーサーに委託し、社員は分析・判断・指示といった高付加価値業務を行う」といったものです。

実はアウトソーシング導入において、この定性的な狙いも多くあります。一番多いのは、「担当者が辞めてしまって、新規採用も苦戦するためアウトソーシングしたい」というものです。 

マイナスの効果、負の影響も考慮する

アウトソーシングには“正”の効果ばかりではなく、“負”の影響もあることを知っておかなければなりません。専門家に任せすぎるために社員に専門知識がなくなったり、どんどんアウトソーシングを推し進めることで、「いつかは自分の仕事もなくなるのでは?」といった疑心暗鬼に社員が陥ったりします。

こうした“負”の影響は、自社で取得すべき専門知識とアウトソーサーに任せる専門知識を区別し、「定型作業はアウトソーサーに委託し、社員は分析・判断・指示といった高付加価値業務を行う」という定性効果をスローガンにして、社員のモチベーションも維持するようにします。

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ライタープロフィール

くもと編集

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FOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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