くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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ごく当たり前のことですが、アウトソーサーを選定したらアウトソーシングの契約書を締結します。契約書は必須です。アウトソーシングは業務を外部の業者に委託するのですから、曖昧な内容で開始しないように、アウトソーシング開始前に必ず契約書を結んでおかなければなりません。
契約書は委託元企業とアウトソーサーで合意された仕事の内容が書かかれる重要な書類です。契約の目的、用語等の定義、提供されるサービスの定義と範囲、契約期間、役割分担、体制、協議・報告のやり方、提供されるサービスレベル、サービス料、トラブル時の対応方法などを取り決めます。
特に重要な項目は、提供されるサービスの定義です。アウトソーサーから提供されるサービス内容は、お互いに合意しておかないと思わぬトラブルになります。
この記事の目次
常駐型のアウトソーシングで良くあるケースが、長くアウトソーシングが続くと、アウトソーサーの社員を委託元企業が自社社員かのように解釈して、本来合意していないサービスをさせていることがあります。
たとえば、指示された事務作業だけを行う役割であったのに、業務知識が蓄積されたため、委託元企業の社員の育成をさせられたり、システム導入などで、社員の代わりに要件定義にかりだされたりすることがあります。
こうしたことは、本来合意された業務ではないので、委託元企業は作業指示をしてはいけないし、アウトソーサー側も契約外の業務だと言って、拒否することができるのです。
もしも契約外の作業をしていて、トラブルが生じた場合、責任の所在をはっきりさせるためにも、契約書に書かれた業務範囲が重要になるのです。いったいどのような業務がアウトソーシングの対象なのか、きちんと契約書に明記することが、お互いのトラブル回避にも有効なのです。
もし、将来的に業務範囲が広がる可能性があるのであれば、最初の契約に盛り込んだり、依頼したい業務が追加された際に、個別契約を締結するなどの方法あります。原則は、「契約にないことは依頼しない、請けない」です。
契約書には、同時に責任範囲、権利義務関係が書かれます。
仕事の再委託の可否、成果物の権利関係・知的財産の取り扱い、文書や情報の保管義務・管理義務、機密保持、契約の更新と解除、損害賠償、係争時の所管裁判所の取り決めなどが書かれます。権利義務関係で重要なものは、成果物の権利関係・知的財産の取り扱いと機密保持、損害賠償です。
成果物の権利関係・知的財産の取り扱いとは、アウトソーシング中に出来上がった成果物や知的財産の所有権がどちらになるのか明確にする項目です。アウトソーシングが単なる作業なら、仕事の成果は委託元企業に属しますが、アウトソーサーのノウハウを使ったり、アウトソーサーの過去の資産を使ったりする場合は、成果の権利帰属をお互いに合意しておくことが重要です。たとえば、コンサルティング会社は、ノウハウやスキルを提供するので、委託前に有する知的財産はコンサルティング会社に帰属し、仕事で生まれた知的財産は委託元企業に属するような契約を結ぶことが普通です。
機密保持は、お互いの情報に関する機密を漏えいしないという取り決めです。昨今は機密情報の漏えいが問題になることが多いので、きちんと取り決めておきましょう。
再委託が発生するのであれば、委託先企業と再委託企業が同等の機密保持を締結しているかも確認しておきましょう。
損害賠償の項目も重要です。お互いに損害が生じた場合、相手に対し、どこまでの賠償を求められるかを取り決めます。損害賠償の限度が重要で、損害額のすべてを請求できるものと、締結した委託料金を損害賠償の上限にするものがあります。
アウトソーサー側が比較的規模の小さい場合は委託料金を損害賠償の上限にした方が良いでしょう。委託料金以上の損害を賠償することで破たんする懸念もありますし、そもそも委託料金以上の賠償の義務がないこともあります。力関係に依存する損害賠償ですが、できるだけフェアな形に結んでおきましょう。
契約書はアウトソーサー側が雛形を持っていることも多いので、その雛形を提出してもらい、委託元企業の法務部門、もしくは顧問弁護士などと相談しながら、内容を精査しておくことをお勧めします。
定常業務のアウトソーシングを開始する前に業務の引継ぎや移行がある場合、これらをプロジェクト作業といいます。プロジェクト作業における業務引継ぎや移行作業の契約書とそれ以降のアウトソーシングの契約書は分けて作ります。
たとえば、期間システムの構築、運用までの引継ぎなどは「プロジェクト作業のアウトソーシング」になります。また、物流業務をアウトソーシングする前の倉庫の引越しもプロジェクト作業となります。
比較的大きなアウトソーシング、もしくはIT構築では、業務の引継ぎや移行はアウトソーサーにとっても大きな稼働や費用が発生するためにプロジェクトとして別の契約書を締結することが多いです。
プロジェクトでは作業の期間、作業内容、費用、成果物の帰属、検収・支払いの条件、損害賠償、機密保持、契約の解除条件などの記述が重要です。
通常くりかえしおこなわれる定常業務のアウトソーシングでも契約書を作ります。契約書で留意すべきは、作業の期間、作業内容、費用、成果物の帰属、支払いの条件、損害賠償、機密保持、契約の解除条件などで、基本的にプロジェクト作業のアウトソーシングと同様です。
ただし、プロジェクト作業のアウトソーシングと大きく違う点は、業務品質をサービスレベルアグリーメントとして取り決めることが多くなってきたことです。
サービスレベルアグリーメント(SLA: Service Level Agreement)はサービスを提供するアウトソーサーが委託元企業に対し、どの程度の品質を保証するかを明示したものです。相互に合意して締結されれば、サービス品質保証(または合意)となります。
かつては、サービスレベルが曖昧で、単純にサービス時間がかかれていただけの時代もありました。しかし、最近では単にサービスの提供時間だけでなく、もっと多様にサービスを規定して提供する基準を明示するようになりました。
たとえば、システム運用であれば、障害復旧時間や緊急対応時間、出荷作業であれば、誤出荷率○%以下といった具合です。なんらかの異常事態があり、サービスレベルが維持できない場合で、委託元企業の損害が大きいときには、アウトソーサーがペナルティを支払うといった合意書になっていることもあります。
SLAは各アウトソーシング業務でそれぞれ適切な項目があります。SALについては、アウトソーサーから参考例を収集することができるでしょう。
ITについて言えば、契約書の内容については、一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)のサイトに掲載されていますアウトソーシングサービスモデル契約などが参考になるでしょう。
一般社団法人情報サービス産業協会サイト IT企業の実務に役立つ情報 法務・知財
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