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2015.03.13 掲載 2022.06.15 更新

アウトソーサー選定のために必要なRFIとRFPとは?

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アウトソーシングすべき業務内容が決定すると、次はアウトソーサーの選定です。アウトソーサーを選定するステップは以下のようになります。

ステップ1. 一般情報(検索や紹介)からアウトソーサーを探す
ステップ2. RFI(RFP: Request for Information)送付候補をスクリーニング
ステップ3. RFI作成、送付、回収
ステップ4. 評価、提案依頼(RFP: Request for Proposal)送付先選定
ステップ5. RFP作成、説明会実施
ステップ6. 提案受領、プレゼンテーション
ステップ7. 評価、選定

アウトソーサー候補の探し方

アウトソーシングを実施しようと決めたら、アウトソーサーを探さなければなりません。探し方はいろいろです。ネットで探したり、展示会に行ったり、知り合いに尋ねたりして候補の企業を選定していきます。
これと言って正しいやり方があるわけではありませんが、大別すればランダムに探索する方法と紹介を受ける方法でしょう。

また、過去に簡単にご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

参考コラム:対象業務の範囲で変わるアウトソーシングの3つの形態とそのポイント 

RFI(Request for Information)という情報提供依頼でアウトソーサーを絞り込む

収集したアウトソーサーの情報をスクリーニングしていきます。

得意分野や過去の実績、業界内での評判、料金などを目安にします。
そして、こちらから提案依頼をする前に、RFIで情報提供を依頼し、提案依頼まで進めるアウトソーサーをさらに絞るのです。※RFI(Request for Information)という情報提供依頼をします。

最終的に4、5社から提案を受けるとすると、その前にRFI(Request for Information)送付候補として10社程度に絞り込んでおきます。それ以上多くすると時間がとられるので、絞り込んでいくわけです。

もちろん、規模が小さなアウトソーシングの場合は、RFIは省略することもあります。
RFIの項目としては、以下のようなものを盛り込みます。

  • 1-1.情報提供のお願い
  • 1-2.留保事項(依頼内容の機密保持のお願いなど)
  • 1-3.検討内容の開示(必要に応じて)
  • 1-4.情報提供依頼事項の実績紹介依頼
  • 1-5.一般的なサービス内容の紹介依頼
  • 1-6.価格情報や価格体系の紹介
  • 1-7.会社情報(売上、資本金、創業年、社員数、組織体制など)の開示依頼
  • 1-8.情報提供文書の形式、提出方法、期日、質問先の開示
  • 1-9.RFI回答者の開示と問い合わせ先の開示のお願い
  • 1-10.その他PR情報があれば記載のお願い

たくさんの依頼項目がありますが、RFI は情報提供という位置づけですから、簡易な形でもかまいません。もっとも簡易な方法は単なる問合せでもかまいません。最低限、1-5のサービス内容と価格情報や価格体系が分かれば十分な場合もあるでしょう。電話やメールで済ましてもかまいません。

しかし、こうしたRFIのような形式が一般化してきたのは、アウトソーサーの選定をオープンにしてプロセスを可視化し、公平な選定を行うためです。不透明なプロセスで候補が選ばれることを避け、誰でも評価に意見が言えて、納得性を高めるためです。「なぜ、その会社を候補に選んだのか?」という経営陣からの質問にきちんと答えるためにも、また、選定するメンバー内でも理由を明確にする意味でも、RFIは必要になってきています。

とはいえ、RFIはアウトソーサーの選定候補を絞り込むことが目的ですから、上記1-2の留保事項や1-3の自社の検討内容の開示は、ケース・バイ・ケースです。RFI段階で知らせる必要はないかもしれませんし、知らせておいた方が、情報提供が正確になることもあるでしょう。必要に応じて判断します。 

RFP(Request for Proposal)とはなにか?

RFP(Request for Proposal)とは提案依頼です。

RFIで絞り込んだアウトソーサーに対する提案依頼です。項目はRFIと重複しますが、最終選考を行うための提案依頼ですから、委託元企業から開示される情報や依頼内容も、RFIより詳細になります。
RFPは以下のような項目になります。

  • 2-1.提案のお願い
  • 2-2.留保事項(依頼内容の機密保持のお願いなど)
  • 2-3.アウトソーシングの目的と検討内容の開示
  • 2-4.検討内容に対するサービス内容の紹介依頼
  • 2-5.検討内容に対する提案依頼
  • 2-6.実現までのスケジュールの開示と提案の依頼
  • 2-7.体制の開示とアウトソーサーの体制案提
  • 2-8.価格の開示(見積もり)依頼

RFPでは、2-3の委託元企業のアウトソーシングの目的と検討内容をきちんと開示します。単なる情報提供とは違って、アウトソーシング契約の前提になる提案をもらうのですから、自社の検討内容に対して対応できるサービスや提案を依頼します。

委託元企業がやりたいことを正確に伝え、アウトソーサーはアウトソーシング開始までのスケジュールと体制、見積もりを提案します。さらに、アウトソーシングが運営状態になった時のサービス、プロセス、体制、価格を提案します。アウトソーサーもRFPにこたえるということは、提案力が試されるわけです。

ここ数年、RFPの重要度が認知されてきました。アウトソーシングは大きな金額が動き、一度契約すると長い間関係性が続き、アウトソーシングの成果が企業の競争力に大きな影響を及ぼすからです。委託元企業の正確な依頼とアウトソーサーの適切なサービス提案が、きちんとかみ合うことが重要なのです。RFPの重要性を知るために、RFPの失敗事例をいくつか紹介しましょう。

失敗の典型のひとつは「口頭RFP」、つまり口頭でやってほしいことを告げる提案依頼で起きる失敗です。意外と多いケースなのですが、口頭RFPでは委託元企業のやりたいことが良く分からず、アウトソーサーも何度も提案を繰り返し、お互いの理解がすりあうまで膨大な工数と時間がかかることがあります。最悪、契約にならず、委託元企業はモチベーション低下や当初の目標喪失などの弊害、アウトソーサーはムダな時間に付き合わされることになります。

アウトソーシングを真剣に考えていることを前提に厳しい言い方をすれば、RFPを文書化しないのは、委託元企業側の怠慢です。ただでさえ、複雑化している現代において、きちんとした提案・契約をしたいのであれば、自社で行いたいことを明確にして、提案できる形で開示する必要があります。 

RFP(Request for Proposal)の作成自体がアウトソーシングされることも

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しかし、暗黙の了解で仕事をしてきた日本企業は、RFPを書くことに慣れていないケースがしばしばです。こうした場合、重要な案件では、RFPを作成することもアウトソーシングされるケースがしばしばです。弊社でもRFPを作成する依頼がたまにあります。また、外部の人間が作ったRFPも見ることがあります。

ここでの失敗は、委託元企業がRFPに責任を持たないことです。コンサルが机上の空論で作ったRFPを、きちんとした検証もせずにアウトソーサーに開示することもしばしばです。

製造会社A社は、RFPを外資系コンサルティング会社へ作成依頼をしました。

それをアウトソーサーへ共有し、コンペをすることになったのですが、RFPの内容がどう考えても、実現不可能な依頼事項だったのです。出来レースだったのかもしれませんが、RFPを作成した企業がそのままアウトソーサーになりました。しかし、その企業でも実現不可能となり、プロジェクトは破たんしてしまったそうです。

このように実現難易度が高い依頼内容を、委託元企業がきちんと検証せずにRFP化することも意外と多いものです。食品メーカーB社からも同じような実現不可能なRFPをもとに、アウトソーシング依頼がありました。

こちらもRFPは外部のコンサルティング会社が作成していました。さすがにB社のプロジェクトリーダーは不安になったのか、「このRFPには理想像が書かれていて、この理想を実現できる形にしなければならない。実現に向けて、注意すべきことはなにか?」と候補のアウトソーサーに意見を聞き、実現は難しいとの回答が多数だったため、この案件は延期になり、RFPの作り直しになっています。

このケースは自省の姿勢があるリーダーでしたから、まだ良い方ですが、そうではない委託元企業も多く、アウトソーサーに対して「業者はだまって提案しろ」という姿勢を示すことも多々あります。しかし、仕事は年々複雑になり、外部の専門家の力を借りなければうまく遂行できなくなってきています。少なくとも、委託元企業は自社の現状を知り、何をしたいのかを明確化して、実現可能性も検証した責任あるRFPを作る必要があります。

RFP作成自体をアウトソーシングしてもかまいませんが、委託元企業は内容に対する理解と責任はきちんと持つべきです。委託元企業の正確な依頼とアウトソーサーの適切なサービス提案の合致が、アウトソーシングを成功に導くのです。そのためにRFPは重要なツールなのです。

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ライタープロフィール

くもと編集

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