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2015.07.27 掲載 2024.04.03 更新

偽装請負はアウトソーシングを行う際に最も注意するポイント【特別企画 座談会】

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お客様企業先でアウトソーシングを行う場合、アウトソーサーが気をつけていることのひとつが偽装請負にならないような体制構築です。

偽装請負とは、委託元企業がアウトソーシング契約にも関わらず、現場スタッフを派遣契約と同じように扱ってしまうことを言います。アウトソーシングとは予め決められたとおりの業務を行い、委託元企業は現場スタッフに直接指示を出してはいけないことが大前提です。しかし、委託元オフィスでの業務行う場合、お客様と近くなるので、そのリスクは高くなります。偽装請負にならないようにする工夫はあるのでしょうか。

FOC_symposium
今回、お客様企業内でアウトソーシングサービスを行っている運用管理者(以下、SV)3人に偽装請負にならないようなコツについてインタビューしてみました。

お客様企業でアウトソーシング業務を行うとは

くもと
本題に入る前にちょっと・・・
3人は総務に関わるアウトソーシングサービスの担当ですが、具体的にどんなサービスか説明してもらっても良いですか?
スーパーバイザー かわだ

スーパーバイザー かわだ

 かわだ
FOCの総務アウトソーシングは、庶務業務、企業の窓口となる受付業務、郵送物を管理するメール室業務の3つがメインで、それぞれお客様の要望に合わせてサービス設計を行い、業務内容の関係上、ほぼ100%お客様のオフィスでサービスを行っています。

そのほか、採用や研修などの事務局業務もご要望があれば、お客様オフィスで行ったりもしますね。

今のようなサービスを行うにあたり、サービスの品質や進行管理、実際の業務を行うスタッフ管理を行うのがわたしたち運用管理者、スーパーバイザーになります。

くもと
アウトソーシングというと、お客様から業務を切出して、センターなどで一括処理を行うイメージがあるのですが。
総務をアウトソーシングするイメージがなかなかつかない人も多くいますよね。
しろた
そうですね、たしかに総務というと、経理や給与計算のように業務内容がはっきりしていないですね。総務は、一般的には部署に紐づかないような「雑務」を行う何でも屋みたいに思われていますし、企業によっても総務部門で行っている業務内容が違ったりするのでイメージがわきづらいと思います。
はいべ
しかも派遣社員を利用している企業では、アウトソーシングと人材派遣を混同している場合もあります。
あとアウトソーシングの中でも、センターに切出すようなアウトソーシングに比べて大幅なコスト削減ができないので、導入検討を具体的に進めるケースも少なく、サービスとしての認知はまだまだ低いと言えます。
くもと
なるほど、わかりました。
ちなみにもう少し細かい業務を具体的に教えてください。
はいべ
例えばですが・・・
備品管理、契約書管理、社章管理、代表電話応対、申請書の受付管理などですかね。
過去のブログでも書かれていますよね?こちらも参考にしてみたらどうでしょう?
くもと
業務を切出して遠隔では処理できない、お客様従業員と対面でないと成立しない業務ってことですね。だからこそ今回の本題である偽装請負には細心注意を払っていると。

偽装請負とはどんなことか

スーパーバイザー はいべ

スーパーバイザー はいべ

くもと
偽装請負って例えば、どんな状況で起こる可能性があるんですか?
かわだ
お客様オフィスで業務を行うので、先ほどちらっと出た人材派遣と混同されることが多く、その感覚でお客様が運用スタッフに直接指示を出してしまう可能性があります。
はいべ
アウトソーシングは人材派遣とは違い、あらかじめ行う業務内容や手順が決められた上でサービスがスタートするので、いかなる理由があっても、お客様が運用スタッフに直接仕事の指示することはできません。これをしてしまうことが偽装請負といって違法になるということです。
しろた
実際、過去、人材派遣を利用していたり、アウトソーシングに慣れていないと直接指示してしまうお客様は中にはいます。導入前にご理解いただいていない方がいれば、粘り強く何度も直接指示をしないようにお伝えしますし、お客様側窓口の方以外の従業員に対してもユーザーズガイドを作成して徹底周知します。
くもと
そうはいっても自分が忙しかったりするとつい指示する人っていますよね?
しろた
いるかいなかだったらいると思います。
でも、導入前のコミュニケーションをどれだけ行うか、イレギュラー含めてどこまでサービス範囲として網羅できているかによって、回避できるリスクだと思います。わたしたちSVがどれだけアンテナを張って察知できるかが重要で、経験がものを言います。
かわだ
お客様が、直接指示をしたいほどの何らかの要望や手順の変更がある場合、SVであるわたしたちにまずは相談をしてくれるようにお伝えしています。わたしたちは常駐しているわけではありません。いつも職場にいる運用担当者に指示するほうが手軽ですが、最低でも週1回、導入直後の業務が不安定なときは毎日訪問することもあります。このようにSVが業務と体制全体をきちんと管理することで、その状況に陥らないようすることができます。
hikaku

はいべ
万が一、「現場の(運用)スタッフ」に直接指示されてしまった場合、わたしたちにすぐに報告するように伝え、業務を勝手に判断して処理しないように指示しています。

偽装請負にならないための工夫や考え方

くもと
なるほど。そのほか偽装請負にならないような工夫とかありますか?
はいべ
実施してもらえるならば、部屋を用意してもらうことがベストですが、デスクの「島」をわけてもらったり、パーテーションを立てて「アウトソーシング事務局」みたいな表札をつけてもらうこともあります。就業時間内に必要以上のコミュニケーションが発生しないようにする工夫ですね。
かわだ
偽装請負は、そもそもの体制面での不備が原因でもあるのですが、慣れてきて油断すると”なぁなぁ”になり、思わず指示してしまうことが常態化するケースもあります。アウトソーシングは与えられた業務を行い、成果を納品することでお金をいただいているので、緊張感をもって行う業務に臨むことが重要だったりします。
スーパーバイザー しろた

スーパーバイザー しろた

しろた
そもそも「なぜ直接指示をしてしまうのか?」というところも掘り下げておくことが必要です。
くもと
といいますと?
しろた
アウトソーシングをするという時点で、基本的に「外出し」をする業務は決まり、イレギュラーについても発生したらお客様側で行うか、アウトソーサー側でオプション業務として行うかなど可能な限り突き詰めています。
しろた
それでも直接指示をしなくてはいけないケースが発生するならば・・・
  1. 事前に想定していた以外の業務が発生した
  2. 処理データの内容が違うものがたまたま発生した
  3. お客様側で新しいサービスがスタートした関係で新しい処理内容のものが発生した
  4. 組織変更や部内の役割が変わり、新しい処理内容のものが発生した
  5. お客様の仕事があふれて、契約外の新しい業務を依頼したくなった
などが挙げられます。
くもと
なるほどですね。
はいべ
だからといって、直接指示をされると違法になるので、緊急性があるならば、これはお客様側でやってもらうしかありません。時間的余裕があり、追加サービスとして再設計できるのであれば、契約内容の更新や再締結、個別契約締結を行います。また、業務範囲内ですが、仕様上想定していないような業務については、契約再締結ではなく仕様変更・追加という対応も取ることができますね。
かわだ
問題は、「イレギュラーで」とか「忙しいから」とかという理由で、なし崩し的に直接指示をしてしまう、請けてしまうことです。理想をいえば、イレギュラーであっても、それはこちらが設計時にきちんと予測し、先回りして仕組み化していないと駄目です。
しろた
逆にお客様から運用スタッフとどう接したらいいか、聞かれることもありますね。
くもと
と、いうとどんなことを?
しろた
例えばですが、「日常会話はしていいの?」とか、「飲みやお昼に誘っていいの?」とか、
直接指示しちゃいけないってことを真剣に考えてくださって、どこまでコミュニケーションをとっていいか不安になってしまうようです。
くもと
たしかに偽装請負のことを考えてしまうと悩みそうですね!どの辺って実際どうなんですか?
しろた
どうぞどうぞって感じで伝えます。仕事外のコミュニケーションは職場の雰囲気やお互いの理解を深めるうえでも重要なので。
くもと
でも、仕事の依頼や相談はなしでってことですね。
しろた
ですね(笑)

「アウトソーシングだから直接指示をしてはいけない」これは大前提ですが、トラブルが発生したり、急に忙しくなったりすると、つい近くにいるアウトソーシングスタッフに依頼したくなるかもしれません。
このようにならないためにも、

  1. 事前の業務設計は、想定できるイレギュラーや追加業務もしっかり突き詰めて契約を締結
  2. SVとのコミュニケーションを定期的にとる機会を設置
  3. 費用や手続きの手間を気にする前に、まずはSVに相談
  4. 業務改善を定期に行えるアウトソーサーを選定
以上のような点を抑えておく必要があります。
これは、偽装請負にならないようにと言う点もありますが、トラブル時の責任の所在をはっきりしておく点でも重要なことになります。

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ライタープロフィール

くもと編集

マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

くもと編集

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