AI(人工知能)と未来の仕事はどうなる?

サラリーマン

「AI」というキーワードをよく耳にするようになりました。この「AI」関連のニュースで気になるのが、「AI」によって消えてしまうであろう仕事についてです。その仕事の中には、例えば販売員や一般事務員、運転手などが入っています。
(参照 DIAMOND online 2015年8月19日 『機械に奪われそうな仕事ランキング1~50位!会計士も危ない!激変する職業と教育の現場』)

本当にそうなのかと、にわかに信じがたい話ですが、運転手という職業は自動運転の発達により、かなりの影響を受けてしまうかもしれません。大手自動車メーカーは2020年をめどに自動運転の実用化を進めているので、実は遠い話でもないのです。

このような話をしますと、「AI」という技術の進歩に期待しつつも、雇用がAIに奪われてしまうのでは?というおそれもあり、将来はどうなるのか不安になる人もいるかと思います。

はたしてAIは人の雇用を奪う技術なのでしょうか?
また奪われてしまうならば、将来の雇用とは、人材とは、どうなるのでしょうか?

 

■AIとは

AI(人工知能)とは、コンピュータ自らが学習をして人間の知能に近い動きをすることを言います。「AI」については、ネットで調べると詳しい情報が沢山検索できるため、ここではごく簡単に説明します。

ただ、SF映画のように人類に替わってしまうような技術はまだまだ確立しておらず、基本的には“データをもとに判断軸を自分で作り、アウトプットする”ところまでで、人間のようにもとになるデータや情報がないところからモノを生みだしたりすることはできません。

とはいえ、ビッグデータという人間ではとても集計分析ができないような大量の情報の中から短時間で最適解を導き出すことは得意なため、例えば大量の文献を読みこませ、患者の治療方法を的確に提案するようなこともできるのです。
(実際、IBM Watson(IBMのAI)が患者の病気を見抜き、命を救ったニュースがありました)

 

■ホワイトカラー系業務とAI

現在、IBMを始めGoogle、Amazon、Facebookといった有名な企業がAI開発の最先端を行っているといわれています。ニュースになるのは、よりエンドユーザーに近いITばかりですが、着実にホワイトカラー業務(一般的にスーツを着て行う仕事)でもAIは活用され始めています。

いくつか例を挙げます。

株式会社ワークスアプリケーションズ
ERPシステム「HUE」
ワークスアプリケーションズ様はもともと「COMPANY」というERPツールを提供していることで有名ですが、2014年10月にAI機能を実装したERP「HUE」をリリースされました。AIの学習能力により、入力内容を予測したり、やるべき業務を提案してきたりできるそうです。

Freee株式会社
クラウド会計「freee」
クラウド会計シェアNo.1の「freee」ですが、2016年にスモールビジネスAIラボを創立し、特許を取得するなどAI色を強めています。すでに6月末から「仕訳登録AI」が実装されさらに自動化に向けたシステムに進化するようです。会計/財務に関してはAIによりここ5年で大きく業務が変わると言われています。その先頭を走る1社がFreee様です。

AI inside株式会社
画像認識ツール「AI inside」
今までは、紙の情報を人の手で入力しデータ化する、というのが一般的でした。それ以外でもOCRやキャプチャ技術もありますが、精度の低さが難点でした。(また精度が高いものになると数百万円レベルの投資が必要でした)
AI insideはクラウド型で初期投資も低額です。しかもAIの学習能力で精度が上がっていきます。現在は認識率99.89%という精度だそうです!近い将来、紙データの入力という作業がなくなるかもしれません。

株式会社ココペリインキュベート
経営分析エンジン「SHARES AI」
とてもAIらしいツールです。自社の会計データをアップするだけで経営アドバイスをしてくれるツールです。“5,000社を超える財務データ及び12万社の業界平均に基づき人工知能による「経営分析」を行う”そうです。将来的には社長の“右腕”はAIになりそうですね。

そのほか、マーケティングや営業支援、採用、ヘルプデスクといった業務でもAIを活用したツールやサービスが沢山出ています。このようにバックオフィスといわれる人事、総務、経理、情報システムを始めとした部門にある定型的、ルーティン業務は徐々にAIで代用できるようになってきています。

実際に導入するかはともかく、想像以上にAIがより実務に近いところまで来ていることを経営者、従業員ともに理解しておくことが重要です。

 

■AIとアウトソーシング

我々アウトソーサーにとってもAIは無視できない技術であり、敵にもなり味方にもなりえる存在です。

AIに変わられる業務は、定型的な業務、数値で表すことができる業務(パターン化できる業務)、生産性の低い業務です。

一方、アウトソーシングの対象となる業務も、AIとほぼ同範囲の業務なのです。

AIを「敵」と見た場合、例えば・・・
経理担当者が急に辞めてしまった場合、今までであれば「派遣かアウトソーシングを検討」となるところ、「AI会計導入で完結」ということになるかもしれません。
このように少なからずアウトソーシングというサービスへの影響は出てくると予想されるのです。

逆にAIを「味方」と見た場合、
アウトソーサーがAIを活用して経理サービスを提供することが考えられます。業界によっては、値引率の調整やリベート処理、委託販売処理、支払サイトの変更など、日本独特の商習慣があり、その対応は“イレギュラー”となります。つまり、AIの処理結果と人間の目検で最終的な整合性をとるといったアウトソーシングサービス自体の効率化と正確性をアシストしてくれるようにもなるでしょう。(さらに未来では、そのイレギュラーすらAIで処理できるようになるかもしれませんが)

我々アウトソーサーにとっても、どうAIを活用するかとても重要な時期に突入しようとしているのです。

 

■本当に仕事はなくなるのか?

IBM Watsonを活用したヘルプデスク運営やWebマーケティングでは分析をAIが代わりに行ったりと、徐々にビジネスシーンでもAIは活用されてきています。その結果としてAIに替わられる業務が出てくることは否定できません。そのなかでも一般事務や経理業務、人事業務は、想像以上に早くその日がやってくるかもしれません。(まるまる取って代わられるのか、一部のみかという程度の問題や新しい職業の出現の可能性もありますが)

しかし、例えば5年以内に「効率化ができるから」「コストを削減できるから」という理由だけで、白だったものが黒になるようなスピードで変わるかというと、まだ猶予はあるはずです。

現実的には、AI自体への拒否反応や疑問、リテラシーの問題、社内データ集約のコストの問題など、様々な理由で障壁となる可能性があり、“まわりの企業の様子を見ながら”徐々に浸透していくと思われます。

また、AIもシステムやアウトソーシング導入と同じように現在の業務フローを全く変えずに導入とはいきません。それなりの導入リスクもありますし、“根回しもしっかりしておかないと”「おいおいAI使えないな」という結果になってしまいます。

ただし、好むと好まないに関わらず、「AIは使える」という認知が広がれば、人材や雇用のあり方に影響が出てくる可能性が高いです。将来的に「担当者が退職⇒AIで対応」というのが一般的になるかもしれません。日本の人口減少を考えれば、人手不足解消の一手とも考えられますが、手放しで喜べるかというと複雑です。

AIが浸透すればするほど、企業が求める人材は業務を単純に行う“作業員”ではなく、より“クリエイティブで高度な判断(企画立案)ができる人材”というようにシフトし、そこに雇用としての需要が出てくるなどというニュースもあります。

しかしながら普通に考えてみて、日ごろ一般事務に携わっている人材が、いきなりクリエイティブな仕事ができるか?と言えば、全員ができるわけもありません。

やはり少なからずの失業者が出てしまうおそれがあります。政府はAI導入を推進するにしても雇用に対してなんらかの対応も同時に考えていく必要があります。(ベーシックインカムの議論もあります)

 

■企業として

企業としては、「早急に何かをするべきか」という状況では今のところないと思います。“何らかのシステムを導入して、その裏側で偶然AIが活用されている”。まずはそのレベルで問題ありませんが、中長期的な視点でいえば、雇用をどう調整するのか、アウトソーシング含めた外部リソースをどう活用するのか、とともにAIをどう位置付けるかということもキャッチアップし続ける必要があるでしょう。

AIについては2045年がひとつのターニングポイントだと言われています。今から約30年後ということになりますが、今の20代はAIを感覚的に受け入れられるとしても、拒否反応や疑問に思い続ける可能性がある40~50代は入れ替わっているタイミングともいえます。
この人材の入れ替わりタームを丁度良いとポジティブに考えることもある意味重要かもしれません。

ここまでネガティブな内容になってしまいましたが、最後にアクセンチュア様のレポートをご紹介します。AIよって先進12カ国では2035年までに労働生産性が40%も向上するそうです。

(参照 アクセンチュア株式会社2016年11月17日 ニュースリリースより

皆さんはこれらを読んで、AIについてどう考えたでしょうか?
個人的には自分のスキルや“売り”を時代に合わせて磨くしかないと考えています。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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