個人事業主が知っておくべき雇用保険の基礎知識。加入・喪失手続きはどう行う?

従業員

雇用保険制度は、労働者が失業給付を受けたり、生活や雇用の安定を図ったりするとともに再就職の援助を行うことなどを目的とした保険です。
雇用保険は一部を除いた従業員に対して必ず加入させなければなりません。

この記事では個人事業主が知っておくべき雇用保険の基礎知識を解説しています。
雇用保険に対しての理解を深め、従業員の生活を守るとともに、後々のトラブルを回避できるようにしましょう。

 

■加入手続きを行うときに知っておきたいこと

個人事業主や法人が初めて労働者を雇用した時は、以下の流れで手続きを行うことになります。

1. 保険関係が成立した時から10日以内に、所轄の労働基準監督署もしくはハローワークに「保険関係成立届」を提出する
2. 所轄のハローワークに「雇用保険適用事業所設置届」を提出する
3. 労働者を雇用したら、所轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出し、雇用保険の加入手続きを行う
4. 概算保険料申告書を保険関係が成立した時から50日以内に、労働局または労働基準監督署に提出し、概算保険料の申告と納付を行う

その後、二人目以降の労働者を雇用する場合は、3の加入手続きを行っていただくことだけで結構です。

 

■喪失手続きとは

労働者が退職した場合、退職日の翌日から10日以内にハローワークに雇用保険被保険者資格喪失届と離職証明書を提出し、資格喪失手続きを行います。
ただし労働者が次の職場がもう決まっている場合など、失業保険の給付を受ける必要がない事が確実な場合には提出しなくても構いません。

 

■離職手続きとは

退職者の次の職場が決まっていない場合や、定年退職の場合などは必ず離職手続きを行います。

1. 離職証明書は事業主控、ハローワーク提出用、雇用保険被保険者離職票(2枚)の3枚複写になっているため、それらに記入して所轄のハローワークに提出する
2. ハローワークにて手続きが行われた後、離職票”1と離職票”2が交付されるため、返送されたそれら2枚を退職者に送付する

退職者が離職票を請求した時には交付する義務があります。
また、2枚の離職票は退職者が失業給付などを受ける場合に必ず必要な書類なので、ハローワークから届いたら速やかに退職者に送付するようにしてください。

 

■個人事業主も加入しよう

雇用保険は事業所の規模に関係なく、週の所定労働時間が20時間以上で、なおかつ雇用見込日数が31日以上の人を雇った場合には、雇用保険に加入させる必要があります。
パートやアルバイトであっても上記の労働時間を超える場合は、必ず雇用保険に加入させてください。

雇用保険をかけないまま働いていた従業員が退職した際は、失業給付金はもらえません。そのため、後々のトラブルに繋がってしまいます。
このようなトラブル回避のためにも、必ず雇用保険への加入を行うようにしてください。

 

■会社員との違い

雇用保険は事業所に雇用されている労働者が対象になります。
つまり、個人事業主自体は雇用保険に加入する事はできません。あくまでも雇用した労働者が対象となっています。
会社の場合でも同様に、会社員は雇用保険の対象ですが、代表取締役は雇用保険に加入することはできません。

 

■役員も入れるの?

雇用保険は雇用した労働者が対象となっている保険ですので、原則として代表取締役や役員は雇用保険に加入する事はできません。
ただし、次に挙げる要件に当てはまる人は役員であっても雇用保険に加入することができる場合があります。

1. 支店長や工場長といった施設単位の責任者的な立場を任されている
2. 賃金が給与として支払われている場合、または役員報酬として支払われている分よりも給与の方が多い
3. 就業規則に関して、雇用保険が適用される一般労働者と同じものが課されており、取締役として区別されていない

これらの場合は兼務役員となるため、例外として被保険者になることができます。

 

■家族を従業員として雇っているとき

個人事業主が家族を従業員として雇用する際、雇用保険をかける事ができるかどうかは、意外に判断に迷う問題だと思います。

原則として、個人事業主と同居している親族は雇用保険の被保険者とはなりません。
ただし、同居している親族であっても、常時同居の親族以外の労働者を使用する事業において、以下の要件をすべて満たす方については、被保険者として取扱います。

1. 業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること
2. 就業の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること
3. 事業主と利益を一にする地位(役員等)にないこと

この場合には、公共職業安定所に「同居の親族雇用実態証明書」を提出することが必要です。

 

■まとめ

個人事業主が労働者を雇用した時は、所轄のハローワークに雇用保険被保険者資格取得届を提出し、必ず雇用保険の加入手続きを行ってください。また、労働者が退職した時は雇用保険被保険者資格喪失届と離職証明書を提出し、離職手続きを行ってください。

雇用保険は個人事業主とその親族を除く週の所定労働時間が20時間以上の全ての従業員に加入させる義務があります。
法人の場合は、特定の要件にあたる役員以外の従業員に加入させる義務があります。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」