勤怠管理システムを導入するために。メリット・デメリットと比較のポイント

 

「勤怠管理システム」という言葉を耳にされたことがある方も多いのではないでしょうか。一昔前の勤怠管理システムと言えばタイムカードですが、IT環境の整備に伴いPC上やクラウド上での勤怠管理が主流になりつつあります。

 

■勤怠システムとは?

勤怠管理システムとは、社員の出退勤の時刻や休暇などの出勤状況を管理するシステムです。これにより、労働時間や残業時間、欠勤日数などの収集・管理をローコストで行うことができます。また、入力されたデータをもとに、社員の出勤状況と雇用形態に応じた給与計算を自動的に行うことも可能です。

 

■勤怠管理システム 導入メリット

勤怠管理システム導入のメリットは大きく分けて4つあります。

正確性の高い就業時間の把握
恣意性を排除した就業時間の計算が可能となることは、雇用者側と従業員側の双方にとってのメリットです。雇用者の立場からすれば、従業員の時間外給与の不正申請を予防する効果が期待できますし、従業員の立場からすれば、サービス残業発生の抑止力としての効果が期待されます。

給与計算や休暇日数管理などの煩雑な作業の効率化
勤怠管理システム導入により、雇用形態や就業時間など従業員一人ひとりの労働契約の内容に応じて、労働時間が自動的に計算されます。さらに給与計算システムと連携できる場合もあり、給与計算や給与明細の発行などの作業も効率化が可能です。
また、時間外勤務の申請承認フローも内包する勤怠管理システムが主流となっており、「申請―承認―給与反映」までの流れを一元管理できます。

法改正への対応がタイムリーかつスムーズ
労働者保護の流れの加速に伴い、労働基準に係る法律やその運営方針は逐次変更されています。これまではそうした変更に都度対応し、必要に応じて給与計算の方法を変更したり、勤務時間の把握方法を変更したりする手間が生じていました。
ところが一部の勤怠管理システムはこうした法改正をタイムリーに反映することができるため、利用者である企業の手間を大きく減らす効果があります。

データ蓄積による人事戦略の精度向上
蓄積された労働時間データが分析・見える化できることにより、人事戦略、延いては組織戦略の意思決定の一助になります。たとえば、部署間の業務負荷の偏りや、季節性の把握、人員の需要予測ができるようになるため、適材適所への人員配置が可能となり、また人件費の適正化の効果があります。

 

■勤怠管理システム 導入デメリット

勤怠管理システム導入のメリットを見てきましたが、デメリットはないのでしょうか。最大の懸念点は、「企業側と従業員側双方の悪意の排除ができるか」という点です。

勤務時間がデジタルに記録されることは、一見すれば恣意性が排除されることにつながるように思われます。しかし裏を返せば、デジタルな記録が信憑性・信頼性を持った結果、不正確な情報があたかも事実かのように扱われる危険性を持っているということです。

たとえば、サービス残業を強要する上司は「勤怠管理システムで退社したことにしてから残業しろ」と指示することもあるでしょう。また残業のふりをしてお小遣いを稼ごうとする従業員は、机に座りネットサーフィンなどで時間をつぶした上で退社ボタンを押下することもあるでしょう。

こうした悪意の問題は、実際には勤怠管理システム登場以前からの課題です。しかしシステムが登場したことによりデジタルな記録が信頼性を伴うことで、さらに実態が見えにくくなるという弊害も考えられます。

 

■勤怠管理システム比較のためのポイント

勤怠管理システムを提供するサービス会社は多く存在しますが、どのような点で比較検討すればよいのでしょうか。以下では、比較検討のポイントについて見ていきます。

提供形態
勤怠管理システムは、まずサービスの提供形態で二分されます。クラウド型とパッケージ型です。二者の違いは、データをどこに保存するかの違いです。クラウド型はウェブ上にデータを置き、パッケージ型はローカルサーバーにデータを置きます。

価格
クラウド型とパッケージ型を価格の観点で比較すると、クラウド型が月額課金であるのに対し、パッケージ型は初期買取が主流となっています。そのため短期的にはクラウド型が低コスト、長期的にはパッケージ型が低コストとなるというのが一般論です。

ただし、パッケージ型の場合、上述の法改正などにタイムリーに対応しない場合もありますので、注意が必要です。その点クラウド型は、計算ロジックもデータもクラウドサーバー側にあるため、法改正にもタイムリーに対応します。この点を考慮に入れると、クラウド型の方が安価、高コストパフォーマンスということになるかもしれません。

給与計算ソフトと連携できる
給与計算ソフトとの連携可否も検討項目です。多くの企業の場合、給与計算ソフトは既存システムが存在していますので、過去データとの連携が可能なシステムに対する要請が強い傾向にあります。ただし、長期的視点で見れば、勤怠管理と給与計算の性質上、高い親和性が求められますから、一括してシステム変更する企業が多いのが実態のようです。

通知機能(メール配信)がある
ここからはやや枝葉の項目になりますが、通知機能(メール配信)があるかどうかも検討項目です。申請承認フローのリマインドメールや、チーム内での勤務状況共有、全社従業員の勤務状態の定期報告などの通知機能があるとより安心して業務に当たることができるかもしれません。

外部デバイスとの連携
外部デバイス、たとえばスマートフォンとの連動機能があるかどうかも検討項目です。営業職など社外での勤務時間が長い職種の場合、勤怠管理が社内のイントラ経由でしかできないというのは手間がかかります。そのため外出先からスマホで申請ができれば便利ですし、上長もタイムリーに部下の動きを把握できます。

 

■イレギュラーな勤怠管理はどうする?

ここまでは一般的な企業・職種を想定して見てきましたが、ややイレギュラーな勤務形態の場合の勤怠管理は可能なのでしょうか。

販売員や工場などPC端末がない人たちの勤怠の場合
しばしば、PC端末を持たない職種の従業員の管理が問題になります。主な解決策として、①共通利用端末を設置する、②個人の携帯・スマホからアクセス可能なシステムを導入する、などが代表例です。

シフト制の勤怠の場合
また、シフト制の勤務形態の従業員の管理も問題になります。予定シフトと実際の勤務シフトの突合せ機能を有するシステム導入の必要があります。

人材派遣の派遣社員の勤怠の場合
派遣社員の場合、契約形態が複雑な場合もあることから議論となることがあります。ただし、派遣社員の勤怠管理を精緻に行うこと自体は、企業側・派遣会社・派遣社員の三者にとって望ましいことです。したがって派遣元企業との合意を前提として管理対象とするケースが多いようです。

 

■まとめ

企業と従業員が良好な関係を維持していくことで、従業員が気持ちよく働き、高いアウトプットを発揮できるよう環境を整備することは重要です。勤怠管理システムは、そのような職場環境を整備するための便利な道具となり得ることがご理解いただけたかと思います。

紙やエクセルで勤怠管理し、煩雑な業務に人事担当者が追われているのであれば、検討してみてはいかがでしょうか。

勤怠管理システムは、無料のものから少々高めのものまで、多数世に出回っていることに気づきます。どれが自分たちに合っているのか迷いますが、先述した「勤怠管理システム比較のためのポイント」のほか、自社の就業規則が複雑だと思う場合は、無料よりも有料のものを選ぶようにしましょう。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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