【元号改正と祝日変更に備えよう】改正に伴う手続きと連休中の業務を整理しよう

今上天皇の生前退位と新天皇の即位・元号改正を祝して、今年のゴールデンウィークは10連休になることが決定しました。天皇の生前退位はなんと約200年ぶりのこと。国を挙げての祝賀ムードのなか、元号改正といまだかつてない10連休に、企業はどのような対応を取る必要があるのでしょうか。

本稿では、「なぜ今年に限り10連休になるのか」「元号改正と10連休におけるバックオフィス部門の業務」についてご紹介していきます。

すでに、各社で準備はされていることと存じますが「うっかり」がないよう振り返ってみてくださいね。

 

なぜ10連休?!祝日法とは

政府は昨年、皇太子さまが即位し改元される2019年5月1日と、「即位礼正殿の儀」が行われる10月22日を、本年に限って祝日扱いとする法案を閣議決定しました。5月1日が祝日扱いとなると、祝日法の「その前日および翌日が、国民の祝日である日は休日とする」という規定に則って、4月30日と5月2日も休日になります。その結果、4月27日(土曜日)・28日(日曜日)・29日(昭和の日)・30日(休日)、5月1日(皇太子さま即位・改元)・2日(休日)、3日(憲法記念日)・4日(みどりの日)・5日(土曜日)・6日(日曜日)と、10日連続の休みが続きます。かくして、ゴールデンウィークの長期休暇が実現したのです。

元号改正にともない、各担当者が行うこと

元号改正に向けて、企業の各担当者はどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか。全部門に共通して行っておくべきことと部門特有の事項を確認しましょう。

 

1.和暦・西暦の使用状況の把握

はじめに行いたいのが、帳簿や書類の和暦と西暦の使用状況確認です。役所や銀行などへの提出書類、自社や取引先が作成した書類なども整理し、閲覧性の向上をふまえて可能なものは西暦に統一しましょう。

新元号が公表されるのは改元1カ月前の4月1日です。公表から改元までの期間が短いため、準備が間に合わないこともあるでしょう。ちなみに昭和から平成に変わる際、東京都杉並区では、旧元号による表記の効力について以下の通知を出しています。

“2 旧元号による表記の効力
現行の条例、規則及び規程等のほか既に施行した契約書、許可証、証明書等の文書で改元期日以後の日を旧元号(昭和)により表示しているものについては、元号が改められることによっても、その法律上の効果が変わることはないので、有効なものとして取り扱うものとし、旧元号によって特定された日を新元号による応当日に読み替えて適用するものとする。”
引用:改元に伴う文書の取扱いについて(通知)

5月1日の改元においても、同様の通達が各行政からはいる可能性がありますので関連するリリースを調べて段取りをしておけば安心です。

また、ExcelGoogleスプレッドシートなどの計算シートもチェックしましょう。和暦で計算式が組まれている場合、新しい元号で計算しても正しい結果が出るように、修正を行う必要があります。

意外に忘れがちなコーポレートサイトやサービスサイトなど自社が運営するサイトの中に和暦利用の有無もしっかりチェックしておきたいところです。

 

2.業務用ソフトの対応状況や社内システムを調べる

会計や在庫管理などで業務用ソフトを使用している場合、和暦が使用されているものがないか確認しましょう。該当するソフトがあれば、ベンダーにどのような対応になるのか、事前に問い合わせておくと安心です。

社内システムの改修が必要になる場合もあるので、どの帳票に和暦の表記があるのか、早めのチェックが必要です。各部門で関連しそうなシステムをご紹介します。

 

人事・労務 ●電子申請関連
人事労務に関する手続きを電子申請している場合は、利用しているシステムのチェックが必要です。政府提供の電子申請「e-Gov」の問い合わせ先は「電子政府利用支援センター」や年金事務所、ハローワークの電子申請担当部署です。
●人事システム
経理 ●会計システム
利用中システムの公開情報をチェックしましょう。例えば「弥生会計」の場合、クラウド型は新元号の公表後、ユーザーの業務に支障が出ないタイミングで対応する予定です。デスクトップアプリは、新元号の公表後にユーザーの業務に支障が出ないタイミングで、あんしん保守サポートで対応とのこと。「勘定奉行」も、もちろん元号改正に対応しますが、プログラムの変更が必要です。このようにツールによって異なりますので自社のシステムをしっかり確認し、必要に応じて情報システム部門との連携も対応しましょう。
営業事務
カスタマーサポート
●受発注システム
自社の利用するシステムに和暦利用があれば、ベンダーサイトの公開情報をチェックして対応を把握しておきましょう。
情報システム ●新元号へのアップデート
各種ソフトウェアに和暦を使用しているものがあれば、新元号に対応したバージョンへのアップデートを行います。各ベンダーの情報を確認し、適用時期と方法、影響などを確認しましょう。自社でシステムを構築・改善する場合は、部門別にどのシステムの帳票に元号の表記があるのか調べるところから始めます。その後、工数や期間の見積もりを経て、社内SEが改修作業を行います。
元号出力のプログラムにソースコードレベルの改修が必要かもチェックしておきましょう。
●外部連携システムの確認
API連携などをしているシステムについても先方の対応状況を確認しましょう。外部連携も含めたテストが必要です。

 

3.各種書類の洗い出し

携わっている仕事に関わる必要書類を洗い出しておきます。

 

人事・労務 税申告関連、社会保険関連、年末調整関連、統計資料、証明書など
総務 雇用契約書、申請書類、稟議書類、誓約書、管理帳票など
経理 税申告関連、手形、支払調書、源泉徴収票、償却資産申告書、明細書、証明書、帳簿など

中でも公的機関に提出する書類は和暦の表記が多いです。すぐに新しい書式が行き渡らないケースも想定し、新元号の公表時期になったら、提出先の各機関に確認しましょう。

元号改正に関する手続きはご理解いただけましたでしょうか。では続いて、10連休にそなえての準備についても触れていきます。

 

いよいよ2ヶ月後!10連休を見据えた業務整理をしよう

もう連休まで2ヶ月ですね。各担当業務ごとに備えておきたい代表的なことをまとめてみました。

【総務の方へ】 クライアント・パートナー・関係各社への告知を忘れずに

総務 ●社外向け
パートナー企業へ自社営業時間及び請求書受理希望日時の連絡をする”
●社内向け
オフィスビルの休館日をチェックし社内告知”休日出勤などで出社しないよう注意喚起する
・緊急時の対応フロー(警備室の運営時間確認、トラブル発生時の責任者設置・緊急連絡網作成など)を整理する
営業事務
カスタマーサポート
クライアント企業へ自社営業時間・5月請求書発行日などを周知し、状況によっては4月中の発行などの事前確認を行う

10連休にトラブルが発生しないとは限りません。トラブル発生時、どの部署の誰に連絡をすればいいのかがわからず対応が後手になり被害が甚大化しないよう要所の責任者と緊急時の連絡先も確認、周知しておきましょう。
また、移転やオフィスレイアウトの変更などを考えている場合は、不測の事態にそなえて関連するパートナーの緊急連絡先も確認しておくといいですね。

このような対応は総務部門が舵取りをして各部署との連携を蜜にする事が重要です。

業種によっては10連休でないことや、連休明けに請求書発行では処理が間に合わない企業様もあります。事前の告知と確認、イレギュラー時の対応フローなどを協議しておくとスムーズです。

【人事・労務の方へ】 有給管理や連休前後の取得促進を検討する

業種によって土日勤務の方もいますが、基本的には就業規則に沿って国民の祝日はお休みの企業が圧倒的でしょう。
今年の4月から5日間の年次有給休暇取得を義務化されることになりました。この機会に連休前後にプラスして繁忙期を避けた余暇を過ごすために、取得推進を働きかけるのも検討のひとつとして考えてみてください。
引用:年次有給休暇の時季指定義務(厚生労働省)

【経理の方へ】 給与計算や入出金管理、期末決算への影響は?

連休前後の業務では、給与計算の日程にも影響がでます。給与支払日が金融機関の休日に当たるときは、休前日に支払いをすることが一般的でしょう。今回の連休では、給与支払いが「末日払い」「5日払い」の会社はまさに対象です。休前日の規定に則ると4月26日(金)が支払い日です。振込支給では、3営業日前の19時まで、すなわち4月23日の19時までに振込手続きを終える必要があります。20日締めの会社は、3日間しかありません。この4月に限って、締め日を早めることも検討したいところです。また、入出金管理も同様です。出金管理をいつまでにするか・入金管理をいつするかなど銀行の営業日を見ながら事前に計画を立てましょう。

【情シスの方へ】 連休前にテスト実施を入念に!

10連休中に新元号に切り替わります。連休中に支障がないよう、4月1日に新しい元号が発表されたらすぐに先述した通り対応し、改変後を想定したテストを入念に行っておきましょう。

 

まとめ

元号改正に、初となる10連休のゴールデンウィーク。業務の整理を考えると大変なこともありますが、せっかくの10連休!本記事でお伝えした内容で今一度、対応漏れがないかを振り返っていただき元号発表後に慌てないようにしておきましょう。

そしてプライベートでは事前に計画を立てて楽しい休暇を過ごしてくださいね。

 

 

ライタープロフィール

パプリカ

パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。