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2019.06.20 掲載 2023.12.08 更新

総務の理想の姿とは? 3つのファシリティマネジメントの意味から読み解いてみた

個人のスキルに影響されがちな庶務業務を平準化

庶務業務サービス


 
総務のお仕事といえば、何が浮かぶでしょうか。備品の管理からオフィス空間の整備・維持、パソコンの初期設定…など社内ヘルプデスクのような「縁の下の力持ち」という印象がありますよね。
総務のお仕事とは本当に影から支えるものだけなのでしょうか。
NOCは総務のミッションは「真のファシリティマネジメント」であると伝えています。では「真の」ファシリティマネジメントとはどういう意味でしょうか。一言で「ファシリティマネジメント」といっても世の中では3つの意味に捉えられています。
本稿では3つの意味とNOCが定義したい総務の理想の姿を理解していただき、自社の総務のあり方について考える機会となれば幸いです。
 

ファシリティマネジメントとは

ファシリティマネジメントという言葉は3つの意味で使われています。
1.オフィス什器(じゅうき)の管理・最適化
2.組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動(日本ファシリティマネジメント協会の定義)
3.投資対効果を意識したオフィス環境の最適化
一般的に日本で主に使われているファシリティマネジメントとは1や2を意味していることが多いでしょう。詳しく解説をしていきます。
 

1)オフィス什器の管理・最適化

什器とは、たとえば椅子・机・収納用具などのオフィス家具のことです。オフィス什器といえば有名なところではオカムラさんやコクヨさんですね。
1つ目の意味は「ファシリティ=什器の最適化」で、主にオフィスで社員が安心して働けるよう環境整備・運営・維持をする総務業務のことです。例をあげてみましょう。
●社員数の変化に伴うレイアウト変更から椅子や机の管理・手配。利用年数の長いものの入れ替えや、快適な椅子の提案
●円滑なコミュニケーションを促す机やホワイトボード、装花や植栽などの装飾もふまえた環境を提供
●緊急時に備えた防災備品などの保管。定期的な点検・管理
●オフィス空間の空調・明るさ・音の管理、及びビル管理者との連携
総務といえば、他部署の方からも一番最初に思いつく業務ばかりでしょう。オフィス家具を中心とした環境の最適化を掲げています。オフィスの各空間の環境は、社員の生産性に関わる重要な要素の一つです。オカムラさんやコクヨさんがオフィス什器を中心に古くからサービスを提供しファシリティマネジメント(ここではオフィス什器の最適化)をうたっていました。そのため、世間で最も広く浸透している意味といえます。
最近では、オカムラさんやコクヨさんについては昨今の「働き方改革」や「健康経営」を取り入れた工夫が見られます。「長く座っても疲れない椅子」「体の動きに合わせた椅子」、多様化するオフィス空間に対応する什器のラインナップ…など、時代にあわせた変化は非常に興味深いです。
 

2)組織のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動(日本ファシリティマネジメント協会の定義)

まずは公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(通称:JFMA、以下JFMAと略)について説明します。JFMAとはファシリティマネジメントに関する資格認定事業、教育研修事業などを行っている団体です。その名の通り「ファシリティマネジメントという概念を広めていく」ことを目的とし、資格認定事業や教育・研修・表彰制度・研究・交流活動などを行っています。
JFMAは主たるファシリティマネジメントについて「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」と定義しています。
引用元:ファシリティマネジメント(FM)とは(日本ファシリティマネジメント協会)
それでは、具体的にどのようなスキルが必要でどのような業務を含んでいるのかご紹介しましょう。
基本的な考え方とスキル
(1)建物のライフサイクルコスト(LCC)を理解する
(2)ファシリティを経営資源として捉えること
(3)市場や環境の変化を知る
(4)幅広い知識とマネジメントスキル
具体的な業務
(1)統括マネジメント
(2)FM戦略
(3)中長期実行計画
(4)ワークプレイス
(5)施設賃貸借
(6)不動産取得
(7)建物建設
(8)大規模改修
(9)維持保全
(10)運用管理
(11)サービス等の業務
つまり「施設や環境を中心としたオフィスの最適化」のことです。組織においてファシリティマネジメントは事業を支える重要な分野であり、総務の大事な仕事であるといいます。確かに、施設に関わる費用は莫大であり、運用費が最適化されることは非常にメリットの大きな話です。最近、話題にあがるABWもそのひとつといえ、社員が業務に集中できる環境を整えて生産性が向上するような仕組みを支援していくことも重要です。
それでは、最後にNOCの考えるファシリティマネジメントについてご紹介していきます。
 

3)投資対効果を意識したオフィス環境の最適化

NOCが推進したいファシリティマネジメントとは、什器管理やオフィスのレイアウト変更・施設や運営の費用最適化にとどまりません。もちろん、健康や業務遂行に長けたオフィス什器も、集中できる先進的できれいなスペース提供も重要です。ただし、その結果見込める売上(利益)、つまり投資対効果を最大化しながらオフィス環境を最適化をするということがファシリティマネジメントだと考えます。
ここでいうファシリティとは
●土地・施設から什器などのオフィスに関する「モノ」
●備品管理・受付・メール室、各空間の清掃など提供する「サービス(ヒト)」

全般と捉えています。
利益とは売上金額だけではなく、定性的な側面も含めて考えます。たとえば、社員の満足度・生産性向上(福利厚生の充実、残業時間の低減など)も含めて考えてほしいところです。
 

では、まずどこから始めるか

「始めてみたいが、総務はお金を生み出す部門ではないから費用はコストとみられてチャレンジしにくい」
まず、進めてほしいのは今かかっている「モノ」「サービス」の費用の最適化です。効果は見合っていますか?本当に必要ですか?そこから見直しましょう。
ファシリティで一番大きいのは施設に関わる費用です。もちろんコスト削減!と散々見直している方も多いでしょうから、単に「削減する、なくす」という発想ではなく、代替するアイデアを発想していくのです。
例えば某外資系企業では社員に影響のないよう空調コントロールを行い年間5,000万円を削減し、代わりに社員へコーヒーと軽食を提供しコミュニケーションの活性化を図った事例もあります。管理部門が自分たちで社員に影響を与えずに費用を削減し、その分新たな価値を社員へ還元する、この流れが理想とするファシリティマネジメントなのです。
引用元:グローバル企業の総務と日本企業の総務はこんなに違う!(ダイヤモンドオンライン)
 

NOCがファシリティマネジメントにこだわる理由

それぞれの意味はご理解いただけましたか。総務部門の方にはしっかり理解していただきたいファシリティマネジメント、なぜここまでNOCがいうのか?それには2つ理由があります。
 

1)アウトプットの質が変わる

長年、総務アウトソーシングを提供して「ファシリティマネジメントを意識して行動すること」によりアウトプットの質が大きく変わることを実感してきました。質が変われば成果も変わります。ここが、事務代行や他の類似サービスとは異なる点で、「依頼されたまま作業だけを行う」のではなく、設計から理解した上でプラスアルファの対応、または作業の見直しをご提案させていただきます。
事例でご説明しましょう。
某飲食業のお客様から社内向けサービスカウンター設置に関する相談を受けました。
お客様のお悩み
(1)店舗の急増に伴い、現場からの問い合わせがさばききれていない。
(2)対応が遅れ社内の不満につながっている。
(3)正社員が対応に追われコア業務に従事できていない
NOCからの準備と対応
(1)他社事例や経験からのアドバイスを行い、スムーズなサービスカウンター設置を実現した
(2)よくある問い合わせなどを集めて社内用FAQサイトを構築。ユーザー側にはスピーディな業務遂行、事業運営を実現した
(3)同時にサービスカウンター側の業務軽減にも貢献した
(4)分析・改善のPDCAを回し、社員はコア業務に集中できる状態になった
このようにサービスカウンターを設置だけを行うのではなく、全体的な視野でものごとを考え提案・実行すること、そしてPDCAを回していくことで想定の以上の成果が得られます。これこそがファシリティマネジメントで実現できることです。
 

2)「維持・管理」を見越した設計が真のオフィス最適化になる

総務は、組織全体を横断してオフィス環境を最適化し会社の成長に寄与できる唯一の部門です。
「オフィス最適化」といわれると社員の生産性やモチベーション向上のためにデザイン性の高いユニークなオフィスや快適なオフィス什器が揃う環境と想定されたり、会議室管理や受付にも最新のシステムが活用されて効率性が向上すると考える方も多いでしょう。
しかし、おしゃれでデザイン性の高いオフィスは仕事導線を考えて設計されてますか?メンテナンスの費用はどうなりますか?受付や会議室のシステムは運用を想定して選定・導入されていますか?
このように導入して初めて無駄だった・無理だったとならないよう維持・管理を見越した初期設計をし運用が円滑に回ります。そこに、投資対効果を鑑みたオフィスの最適化が初めて実現できるのです。このような気づきがファシリティマネジメントの実践で得られるのです。
 

まとめ

話題の「働き方改革」や「テレワーク」、「ABW」という考え方が浸透する中、オフィスの環境を整えていくのは急務といえるでしょう。ただし、先述したとおり「きれいに」することだけがオフィス環境の整備ではありません。
総務部門は、オフィスに関わる全ての資源を活用して会社に貢献できる唯一無二の重要な部門です。全ての資源を活用するためには、高度な専門知識やマネジメントスキルも必要ですが、その分、個人も企業も大きく成長するでしょう。まずは「投資対効果」を意識した仕事を始めてみませんか。
 
 

個人のスキルに影響されがちな庶務業務を平準化

庶務業務は、オフィスにおけるあらゆる業務が該当し、備品の管理、郵送物の受け取り、受付対応など、その仕事内容は多岐にわたっています。それゆえに属人的になりやすく効率化する事が難しい業務とも言えます。NOCがそういった煩雑な業務を整理し、一括でサービスをご提供します。

サービスの特徴

  • 実績に基づくノウハウ
  • 柔軟な体制構築
  • ホスピタリティ
  • サービス領域の広さ
  • コミュニケーションの柔軟さやスピーディーな対応

NOCは、30年/1,000社以上のノウハウを活かし、御社のコア業務の生産性向上、バックオフィス部門のコスト削減に貢献します。

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パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。

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