働き方改革を推進!コミュニケーションを活性化するビジネスチャットツールの選定方法

2019年4月に働き方改革関連法の一部が施行され、大手のみならずすべての企業で重要な経営課題のひとつとなりました。

働き方改革では、多様な働き方の実現や業務効率化に伴う生産性の向上という目的が掲げられています。実現には、テレワークなどのフレキシブルなワークスタイルの導入や業務プロセスの見直しなど、様々な策を講ずる必要があります。職場環境が大きく変化しようとしている中で、注目されているITツールのひとつがビジネスチャットです。

様々な課題を解消する可能性を秘めているビジネスチャットツールですが、数多く存在する中から、自社に合うものを選定するにはどうすればいいのでしょうか。本記事ではツール選定のポイントや具体的なおすすめツールについて、詳しくご紹介します。

 

生産性を高める?ビジネスチャットが普及し続ける理由

近年急速に導入が進んでいるのが「Chatwork」や「Slack」などをはじめとしたビジネスチャットツールです。ビジネスチャットツールは、個人ツールとは異なり、セキュリティ面を強化し運用管理機能などを追加することで、ビジネスにマッチした次世代コミュニケーションツールとして発達しました。

ビジネスチャットを活用することで、社内コミュニケーションの活性化や情報の共有化、外部パートナーとのやりとりの円滑化が進み、業務効率の改善や生産性の向上が期待されています。

 

押さえておきたいビジネスチャットの基本機能

チャット機能

最たる基本機能です。文字やスタンプ、絵文字などを使って、会話をするようにコミュニケーションをはかることができます。従来のメールのように署名や挨拶などを必要としないため、より気軽にメッセージを送ることが可能です。またスタンプや絵文字を活用することで、コミュニケーションの活性化にも繋がります。
ほとんどのツールが、パソコン、スマートフォンやタブレットなどマルチデバイスに対応しており、時間や場所を問わずスムーズにコミュニケーションを取ることが可能です。

グループ作成機能

トークの閲覧を特定のメンバーに限定することが可能です。社内外問わずメンバーを限定することができるので、グループ間での情報共有やスケジュール管理を円滑に行うことができるというメリットがあります。

ファイル共有機能

利用メンバーにファイルを共有することができます。ExcelやWordなどのOfficeソフトをはじめとした様々なファイルに対応しており、文書以外にも画像や動画などのアップロードも可能です。

無料通話機能

インターネット回線を利用した電話料金のかからない通話ができます。ビジネスチャットでつながっているメンバーであれば他の情報がなくても手軽に利用できます。音声通話だけでなく、ビデオ通話にも対応しているツールがほとんどです。

その他

タスク管理やリマインド機能を備えているビジネスチャットが存在します。
依頼されたタスクを管理でき、期限や進捗をすぐに把握できたり、リマインドで双方のタスク漏れや納期遅延を防いだりと、円滑な業務進行を実現します。

 

ビジネスチャット選定の際のポイント

導入コスト

導入検討時にまず気になるのはコストです。
セキュリティ面や利便性・機能面に優れ、希望の要件を満たしていても、予算を超える場合には導入が困難になるでしょう。

多くのビジネスチャットには、有料プランだけではなく無料プランもあります。無料プランは機能が制限されるものの費用が抑えられるため、「予算をあまりかけたくない」「まず使ってみたい」という企業におすすめです。

機能

機能面の充実も重要なポイントです。チャット機能やグループ作成機能など、多くのチャットツールに標準で備わっている機能に加え、自社に必要な機能は何か、要件を整理しておくことがビジネスチャットツール選定の鍵となります。

柔軟性・拡張性

大企業など業務形態が複雑な場合、様々な業務フローに対応できる柔軟性に優れたツールを選ぶことが重要です。また、必要な機能を自由にカスタマイズできる優れた拡張性があると便利でしょう。

セキュリティ

様々なデバイスから気軽にコミュニケーションが可能な反面、セキュリティ対策の意識をしっかり持っていないと情報漏えい等のリスクが生じることも忘れてはいけません。
たとえば、

・無料で利用できるチャットツールではIP制限ができずID検索が容易にできてしまう
・やり取りしたファイルやテキストがどこかのサーバーに保存される
・ハッキングリスクによるアカウントの不正ログイン
・誤送信
・社員ひとりひとりが属人的に行うコミュニケーションによるトラブル発生

など多くのリスクを含んでいます。いろんな社内の情報が手軽に発信できるためコミュニケーションが活発になる分、管理が行き届かなくなるためセキュリティ対策が重要です。自社のポリシーに準じた仕様になっているかどうかという点もしっかり見ておきたいところです。

試用期間

導入前に、使用感や操作性を試すことのできるトライアル期間があるか、という点も重要です。
実際に利用してみると、思っていたサービスと違うと感じたり、思うような効果が出ないと感じたりすることは少なくありません。導入後の失敗というリスクを減らすためにも、トライアル期間のある・なしは重要な判断要素となり得るでしょう。
他にストレージ容量なども気になるところです。ファイル共有が多くなることが想定される場合には、プランに応じて容量をチェックしておいたほうが良いでしょう。

さて、ここまで機能や選定ポイントをご紹介してきました。とはいえ、ビジネスチャットツールは現在たくさん存在します。何十もの製品から自社に合うものは…と探すのは至難の業です。ここから弊社の見解ではありますが、いろんなケースから考えるおすすめのツールをご紹介していきます。より貴社に近しいケースがあれば幸いです。

 

具体的なケースから考えるおすすめビジネスチャット

①導入実績から考える

(1)新規導入の場合

新規で導入を検討する場合、手軽に利用できわかりやすいインターフェースを備えたツールを選びましょう。

手軽に始めてみるならGsuiteの「Hangout(ハングアウト)」はいかがでしょうか。簡単で、チーム内で安全にすぐ始められる手頃なツールといえます。ハングアウトについてはリリースが出ている通り10月にサービス終了予定で、「Hangouts Meet(ハングアウトミート)」と、メッセージアプリの「Hangouts Chat(ハングアウトチャット)」に分割されることが発表されています。現在はGsuiteユーザー限定で利用できるサービスですが、将来的には一般向けにも開放されることが公式サイトでもアナウンスされています。

また、「LINEWORKS(ラインワークス)」も初心者には優しいつくりです。画面も通常のLINEと親しく「既読・未読」の判別がつくところも魅力の一つです。

(2)リプレースを検討中の場合

すでにビジネスチャットを導入しているものの、いろんな理由でリプレースを検討しているというケースもあります。

他のビジネスチャットに移行する場合は、現状利用しているツールの課題や他システムとの連携面などのメリットを考えてみましょう。具体的な例を挙げてみます。

例①グループウェアのチャットツールを使っている場合

利用しているグループウェアのチャットツールを使っている場合は、「自社ではコミュニケーションに困っていない」と考えるかもしれません。しかし、職種によっては社外とコミュニケーションする必要があり、社外とのやり取りはChatworkやFacebook Messengerなど、別のツールを使っているという実態も多いのではないでしょうか。その場合、情報システム部門で管理できていないチャットツールを勝手に導入することで発生するセキュリティ面の不安や、無料プランでの機能制限から生じる業務上の不都合などが考えられます。

まずは業務状況に合わせて個別のチャットツール導入の必要性を検討し、それぞれに合うツールを考えてみましょう。

例②「Skype(スカイプ)」を利用中。ビジネスチャットとしての機能不足を感じる

コミュニケーションツールの先駆けといえるSkype(スカイプ)は認知度も高く、無料で高度なテレビ会議ができることで人気です。ただし相手がオフラインではファイル送信ができないなど、ビジネスチャットとして機能面での不都合を感じることもあります。また、エンジニアの場合他サービスとの連携が豊富でSkypeも可能なSlackや、他社との簡単なつながりやタスク管理機能もあるChatworkへ移行するパターンが多いでしょう。

なお、「Skypeにセキュリティ面の不安がある」「人数のキャパが不足している」という場合は「Microsoft Teams(Skype for businessの後継といわれています)」があります。セキュリティ対策、大規模人数対応など機能面では十分といえます。

②利用者の職種で考える

(1)エンジニア(技術者)が多い場合

プログラマーやシステムエンジニアなどの技術者が多い企業におすすめなのが「Slack(スラック)」です。Slackは2017年11月に日本語版がリリースされてから導入を進める企業が増えています。
Slackがおすすめな理由は、検索機能がある・プロジェクト管理をしやすい・外部サービスとの連携が豊富、そしてスニペット機能があるという点でしょう。
連携できる代表的な外部サービスはSkypeやTwitter・Instagram・Googleカレンダーなどで年々増え続けており、自分好みにカスタマイズして利用したいという方に向いています。また、プログラムソースコードを投稿できるスニペット(snippet)機能を備えていることで、業務に有益な情報を共有できる点も魅力です。

(2)営業など外部と連絡機会が多い場合

営業職などのように、社内のみならず、社外の人との連絡機会が多い企業におすすめなのが、「LINE WORKS(ラインワークス)」です。LINE WORKSの魅力は、使いやすいインターフェースと、コンシューマー向けLINEとも連携が可能であるという点です。
取引先や社外の協力者がLINE WORKSを利用していない場合でも、普段使用しているLINEでコミュニケーションを取ることができるため、手間や煩わしさがなく、気軽にやり取りできます。

また、プロジェクトごとに管理のしやすい「チャットワーク(ChatWork)」もおすすめです。22万社以上の導入実績(2019年6月現在)を持ち、タスク管理・ファイル共有・ビデオ通話など、ビジネスチャットの標準的な機能を備えており、一画面に様々な機能が表示される視覚的にわかりやすいインターフェースが魅力です。

③会社規模で考える

(1)大企業の場合

大企業では全社ではなく部署や職種単位で異なるチャットツールを併用していることも多いようです。

ここでは大規模向けに設計されている「Tocaro(トカロ)」「Microsoft Teams(マイクロソフトチームズ)」をあげてみます。

まず大企業向けビジネスチャットとして開発されたTocaroは、従業員数の多い企業で全社導入が行われるなど、多数の導入実績を持っています。
独自の横断機能検索や、高解像度で複数拠点を接続でき、かつ録画保存もできるビデオ会議機能が特徴です。社内外や部署間をまたぐプロジェクトに参加している場合や、国内外に支社を持つ大規模企業にもおすすめです。

Microsoft Teamsがおすすめな理由は、音声・ビデオ通話の最大参加可能人数やその他機能など、大規模利用を見越して設計されている点です。例えば、Slackの音声・ビデオ通話への最大参加人数が15名なのに対し、Teamsの最大参加可能人数は250名です。また、独自ドメインメールやOfficeアプリの利用、プロジェクト管理やストレージ容量の充実など、大規模利用を見越した製品設計がされています。もちろんそのためのセキュリティ整備も充実しており、複数支社があり、グローバル展開している企業などにもおすすめといえます。Officeとの親和性の高さも魅力の一つでしょう。

(2)スタートアップ企業の場合

スタートアップ企業の場合、業務に役立つ基本的な機能を有し、かつ費用面での導入障壁が低いツールを選択すると良いでしょう。

まず「WantedlyChat(ウォンテッドリーチャット)」。最大の魅力は無料プランでもメッセージ数や利用人数、チャットグループ数が無制限で利用できるという点です。メンションの一覧化機能や、チーム機能、全文検索機能など、スタートアップ時に重要なナレッジ共有の仕組みが整っている点も特徴です。

④事業形態で考える

多店舗展開をしている企業の場合

本部のある小売業など、多店舗展開している企業におすすめなのがPOLAさんの導入で名高い「WowTalk(ワウトーク)」「Direct(ダイレクト)」です。

WowTalkは、POLAさんや三愛さんなどの事例にあるように他店舗展開している企業での実績があり、3ヶ国語対応が可能です。チャット機能はもちろんのこと、ビデオ通話やタスク管理機能も備えており複数拠点にも対応しています。また、関連するプロジェクトごとにグループ設定できることも、使い勝手が良い機能です。

Directの一番の特徴は、店舗スタッフなど、実際の現場での利用者目線で開発されたツールであるという点です。LINEに似た違和感のない操作性と、画像や動画の共有を簡単に行うことができるのが魅力です。小売業などのビジネスシーンでしばしば起こる、店舗と本部間の認識の乖離を埋める手助けとなるツールといえます。

⑤セキュリティ面から考える

情報漏えいやサイバー攻撃などのセキュリティリスクを気にせず、安心してビジネスチャットを利用したいという企業におすすめなのが「Microsoft Teams」です。
一般的に入っているOffice製品との親和性の高さや、プロジェクトごとにメンバー管理が容易にできる点、ファイル共有や変更などが簡易であるといった特徴をはじめ、豊富すぎるといわれるほどの高機能でありながら堅牢なセキュリティを担保しています。容量面も安心で、他アプリケーションとも容易に連携できることが、導入促進の理由といえるでしょう。

 

自社にマッチするビジネスチャットの導入がコミュニケーション活性化の鍵

貴社に合うツールは見つかりましたか?一部のツールをご紹介しましたが、他にもツールはたくさんあります。「いつでもどこでもだれでも」と利便性を求める反面、企業としては機密情報の漏洩を防ぐために社員向けのルール整備や管理・監視なども蔑ろにできません。
しかし、リスクを恐れるあまり社外ネットワークで利用制限をするようなルールを設定してしまっては本末転倒です。

働き方改革が推進される中で、ビジネスチャットを導入する企業は今後ますます増加していくことでしょう。用途や利用シーン、業種や業態、企業規模などにより、最適なツールは異なります。ビジネスチャット導入の際には、それぞれの特色をしっかりと把握し、自社にマッチするツールを選択することが重要です。

最後に、本稿で紹介したビジネスチャットツールを含めた、代表的なチャットツールを表にしました。

 

 

ライタープロフィール

パプリカ

パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。