くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業の業務プロセスを外部の専門業者に委託する経営手法で、人手不足や働き方改革が求められる現代において、自社のリソースをコア業務に集中させ、企業競争力を高める有効な手段です。
本記事では、BPOの基本的な意味やアウトソーシングとの違い、導入に適した業務内容、コスト削減や業務効率化といったメリット、さらに実際の導入事例まで網羅的に解説します。
この記事の目次
BPO(Business Process Outsourcing・ビジネスプロセスアウトソーシング)とは、企業が自社の業務プロセスを包括的に委託する手法です。単なる作業の外注ではなく、業務プロセス全体の設計から運用、改善までトータルで委託する事が特徴です。
人事、経理、カスタマーサポート、IT関連業務など幅広い業務がBPOの対象になるため、企業は自社のコア業務に経営資源を集中させることができ、競争力の強化につながります。
近年では、働き方改革の推進や人材不足の深刻化により、BPOを活用する企業が増加傾向にあります。
BPOとアウトソーシングは混同されがちですが、委託する範囲と関与の深さに明確な違いがあります。
アウトソーシングが「特定の作業を外部に任せる」のに対し、BPOは「業務プロセス全体を戦略的に委託する」という点で大きく異なります。
例えば経理業務の場合、請求書の入力作業など特定の作業のみを委託するアウトソーシングに対し、BPOは経理業務全体のフロー見直し、システム導入や業務プロセスの再設計まで含めて委託するという違いがあります。
シェアードサービスはグループ企業内の共通業務を一か所に集約し、社内横断的に提供する仕組みのことです。
BPOが外部企業に業務プロセスごと委託するのに対し、シェアドサービスはグループ内に専門組織を設立して業務を集約する点が大きな違いです。シェアドサービスはノウハウや情報を社内に留めておけるメリットがある一方、組織の立ち上げや運営にコストがかかるため、導入にあたっては自社の規模や戦略に応じた検討が必要です。
BPRは業務プロセスを根本から見直し、組織や仕組みを再設計することで抜本的な改革を目指す手法です。
BPOが「業務プロセスを外部に委託して効率化する」のに対し、BPRは「業務プロセス自体を自社で根本から作り直す」点が大きな違いです。なお、BPRで業務プロセスを再設計した後に、その運用をBPOとして外部委託するといった組み合わせで活用されるケースも多く、両者は対立するものではなく補完的な関係といえます。
近年、企業規模を問わずBPOの導入が急速に進んでいる背景には、日本企業を取り巻くビジネス環境の大きな変化があります。
総務省の統計によれば、日本の生産年齢人口は1995年をピークに減少を続けており、多くの企業が必要な人材の確保に苦戦しています。特に専門性の高い業務や定型的なバックオフィス業務において、適切な人材を採用・育成することが困難になっています。
働き方改革の推進により、長時間労働の是正や業務効率化が企業に求められるようになりました。従業員の労働時間を削減しながらも生産性を維持・向上させるためには、ノンコア業務を外部に委託し、社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整える必要があります。
企業が競争力を維持するためには、最新のテクノロジーやデジタルツールを活用した業務改革が不可欠ですが、自社で全ての技術やノウハウを保有することは現実的ではありません。
BPO事業者は最新の技術やシステムを導入しているため、それらを活用することで効率的にDXを推進できます。
固定費である人件費を変動費化することで、事業規模や業務量の変動に応じた柔軟なコスト調整が可能になります。特に景気の不透明感が続く中、経営の柔軟性を確保することは企業にとって大きな課題です。
限られた経営資源を自社の強みであるコア業務に集中させ、競争優位性を確保することが、企業の生き残りに直結します。BPOを活用することで、経営資源の最適配分を実現し、市場での競争力を高めることができます。
これらの複合的な要因により、BPOは単なるコスト削減の手段ではなく、企業の持続的成長を支える重要な経営戦略として位置づけられるようになっています。
BPOによって高い効果が期待できる5つの業務分野を解説します。
IT関連業務は、専門性の高いうえに技術の進化が早いため、BPOに適した業務領域です。
| 業務内容 | 具体的な対応内容 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| システム運用・保守 | サーバー監視、障害対応、バックアップ管理 | 24時間365日の監視体制構築、専門技術の活用 |
| ヘルプデスク | 社内問い合わせ対応、トラブルシューティング | 対応品質の標準化、コスト削減 |
| システム開発 | アプリケーション開発、テスト、保守 | 開発リソースの柔軟な確保、最新技術の導入 |
| インフラ構築 | ネットワーク設計・構築、サーバー導入、クラウド環境の整備 | 専門業者による迅速な環境構築、自社リソースのコア業務への集中 |
特に中小企業では、高度なIT人材を常時雇用することが難しいため、BPOを活用することで最新の技術力とサービス品質を確保でき、急激な業務量の変動にも柔軟に対応できるようになります。
人事業務は定型的な作業が多い割に、常に最新の法令に準拠した処理が求められるなど、専門知識を必要とする業務が混在しているため、BPOとの相性が良い領域です。
| 業務内容 | 具体的な対応内容 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 給与計算 | 月次給与計算、賞与計算、年末調整 | 法改正対応、計算精度向上、機密性の確保 |
| 社会保険手続き | 入退社手続き、各種保険の資格取得・喪失 | 手続きの正確性、期限管理の徹底 |
| 採用支援 | 求人媒体管理、応募者対応、面接調整 | 採用業務の効率化、候補者体験の向上 |
| 研修運営 | 研修企画、教材作成、実施サポート | 専門的な研修プログラムの提供 |
| 労務管理 | 勤怠管理、就業規則の整備、労使協定の締結支援 | 法令遵守の徹底、労務リスクの低減、従業員満足度の向上 |
経理業務は正確性が求められる上に月次・年次で繰り返し発生する定型業務が多いため、BPO導入による効果が高い業務領域です。
| 業務内容 | 具体的な対応内容 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 記帳代行 | 仕訳入力、帳簿作成、試算表作成 | 記帳精度の向上、決算準備の効率化 |
| 請求書処理 | 請求書発行、送付、入金管理、消込 | 請求漏れ防止、入金管理の確実性向上 |
| 経費精算 | 申請内容確認、仕訳処理、支払処理 | 精算業務の迅速化、不正防止 |
| 買掛金管理 | 支払予定管理、支払処理、債務残高管理 | 支払漏れ防止、キャッシュフロー管理 |
営業業務においては、営業担当者が本来注力すべき「商談や顧客との関係構築」といった業務以外の、営業事務や営業支援業務がBPOの対象となります。これにより、営業担当者は売上に直結する活動に集中できます。
(製造業など、開発や製造する機能はあるものの営業機能がない会社もあります。その場合、営業そのものをBPOとする経営判断もありえます。)
| 業務内容 | 具体的な対応内容 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| テレアポ・インサイドセールス | 新規顧客開拓、アポイント獲得、顧客育成 | 商談機会の増加、営業効率の向上 |
| 営業事務 | 見積書作成、受注処理、データ入力 | 営業担当者の負担軽減、処理スピード向上 |
| 顧客データ管理 | CRM入力、データクレンジング、分析 | データ品質向上、営業戦略の精度向上 |
| 営業資料作成 | 提案書、プレゼン資料の作成・更新 | 資料品質の標準化、作成時間の短縮 |
| リード(見込み客)管理業務 | 見込み顧客情報の整理、スコアリング、ナーチャリング活動 | 商談化率の向上、営業活動の優先順位の最適化 |
| カスタマーサクセス業務 | 既存顧客のオンボーディング支援、定期的なフォローアップ、利用状況の分析 | 顧客定着率の向上、解約防止、LTV(顧客生涯価値)の最大化 |
コールセンター業務は顧客対応の専門性が高く、設備投資や人材育成にコストがかかるため、多くの企業がBPOを活用しています。
| 業務内容 | 具体的な対応内容 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| カスタマーサポート | 製品・サービスの問い合わせ対応、使い方説明 | 24時間対応の実現、対応品質の安定化 |
| テクニカルサポート | 技術的な問題の診断、トラブルシューティング | 専門知識を持つオペレーターの確保 |
| 受注受付 | 電話・メールでの注文受付、在庫確認 | 受注機会の最大化、処理の正確性向上 |
| テレマーケティング | キャンペーン案内、市場調査、アポイント獲得 | 効率的なアプローチ、成果の可視化 |
近年では、電話対応だけでなく、メール、チャット、SNSなど複数のチャネルに対応するマルチチャネルコールセンターのBPOも増えており、企業側は各チャネルの問い合わせを統合管理できます。
また、AIやチャットボットとの組み合わせにより、よくある質問は自動応答で処理し、複雑な問い合わせのみをオペレーターが対応するハイブリッド型のコールセンターも実現されています。これにより、コスト削減と顧客満足度向上の両立が可能となっています。
ここでは、BPO導入によって得られる4つの主要なメリットについて詳しく解説します。
BPOを導入する最大のメリットの一つは、自社の限られたリソースをコア業務に集中できることです。ノンコア業務を外部の専門業者に委託することで、社内の人材や時間、予算を本来注力すべき事業に振り向けることが可能になります。
例えば、経営層や管理職は経営戦略の立案や新規事業の開発、顧客対応の質向上など、企業の成長に直結する業務により多くの時間を割くことができますし、従業員は定型的な業務から解放されることで、より創造的で付加価値の高い業務に集中でき、仕事へのモチベーション向上や離職率の低下にも効果が期待できます。
BPO事業者は特定の業務分野において高度な専門知識と豊富な経験を持っていますので、
最新の法改正や技術トレンドをキャッチアップする必要がある業務などでは、高品質なサービスを受けられます。
また、BPO事業者は複数の企業の業務を請け負っているため、業界のベストプラクティスや効率的な業務フローを熟知しています。こうした知見を自社の業務改善に活かすことで、業務品質の向上や新しい視点の獲得が可能になります。
| 専門分野 | 活用できるスキル | 期待される効果 |
|---|---|---|
| IT業務 | 最新技術、セキュリティ対策、システム運用 | システムの安定稼働、セキュリティリスクの低減 |
| 経理業務 | 税務知識、会計基準、財務分析 | 正確な決算処理、税務コンプライアンスの確保 |
| 人事業務 | 労務管理、採用ノウハウ、人材育成 | 法令遵守、効率的な採用活動 |
| コールセンター | 顧客対応、クレーム処理、データ分析 | 顧客満足度の向上、対応品質の標準化 |
また、業務プロセスの各段階でKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的なレポーティングによって、業務の改善点を明確に把握できます。こうしたデータに基づいた改善活動で継続的な業務効率化が実現します。
コスト削減効果は、多くの企業がBPOを検討する主要な理由の一つです。人件費や設備投資、教育研修費などの固定費を変動費化することで、経営の柔軟性が高まります。
正社員を雇用する場合の、給与、社会保険料や福利厚生費、採用コスト、教育研修費などを含めて委託料として支払うことにより、全体として人件費を抑えることが可能です。
例えば、コールセンター業務をBPO化すれば、電話システムの導入や専用オフィスの確保、管理システムの購入といった初期投資が不要になり、閑散期には必要な分だけのリソースを確保すれば良いため、固定費の圧縮に大きく貢献します。
業務の属人化を防ぐことで、従業員の退職時に発生する引き継ぎコストや業務停滞のリスクも軽減できます。BPO事業者は標準化されたプロセスで業務を遂行するため、担当者の交代による影響を最小限に抑えられます。
BPO事業者は効率的な業務プロセスと、最新の自動化ツールやRPA(Robotic Process Automation)などを活用しており、処理スピードの向上や人的ミスの削減が期待できます。
また、BPO導入時の業務プロセスの見直しにより標準化が進み、属人化の解消や品質の安定化、教育コストの削減にもつながります。
BPO導入における主な4つのデメリットについて詳しく解説します。これらのデメリットを事前に把握し、適切な対策を講じることで、BPO導入の失敗リスクを軽減できます。
BPOでは業務範囲や内容が明確に定義されているため、契約外の業務や急な仕様変更には迅速に対応できないケースがあり、業務の柔軟性が低下する可能性があります。
自社で業務を行っていれば即座に対応できる小さな変更でも、追加契約や変更手続きが必要になったり、契約内容によっては柔軟なリソース配分が困難になったりする場合があり、時間とコストがかかることがあります。
このため、契約時には将来的な業務変更の可能性を想定し、柔軟な対応が可能な契約条項を盛り込むことが重要です。
BPOで外部に委託した業務に関する知識やスキルが自社内に蓄積されにくくなるという問題があります。これは長期的な視点で見ると、企業の競争力低下につながる可能性があります。
業務を丸投げしてしまうと、社内に業務を理解している人材がいなくなり、将来的に業務を内製化したい場合に再構築が困難になります。また、BPO事業者との契約終了や事業者の倒産など、緊急時に自社で業務を継続することが難しくなるリスクもあります。
特に、企業の競争優位性に関わる可能性のある業務については、完全にノウハウを手放してしまうことは避けるべきです。定期的な業務レポートの共有や、一部の業務を自社に残すなど、最低限のノウハウを社内に保持する仕組みを構築するようにしましょう。
個人情報を扱う業務や、企業の重要な戦略情報に関わる業務において、情報漏洩は深刻な問題になります。もしBPO事業者のセキュリティ管理体制が不十分な場合は、サイバー攻撃による情報流出、従業員による不正な情報持ち出しなどのリスクになってしまいます。
実際に、BPO事業者を経由した情報漏洩事件は過去に複数発生しており、企業の信頼を大きく損なう結果となっています。
| セキュリティリスク | 具体的な内容 | 対策例 |
|---|---|---|
| 情報漏洩 | 顧客情報や機密情報の外部流出 | 秘密保持契約の締結、ISO27001等の認証確認 |
| 不正アクセス | サイバー攻撃による情報窃取 | 暗号化通信の徹底、多要素認証の導入 |
| 内部不正 | BPO事業者の従業員による不正行為 | アクセス権限の厳格な管理、監査の実施 |
情報漏洩リスクの軽減には、プライバシーマークやISMS認証を取得している事業者を選定することや、契約時にセキュリティ要件を明確に定義し、定期的な監査を実施することが重要です。
初期導入コストや運用中の追加費用により想定以上の費用がかかってしまい、期待した費用対効果が得られない場合もあります。
| 費用項目 | 発生タイミング | 見落としやすいポイント |
|---|---|---|
| 初期導入費用 | 契約開始時 | 業務標準化、システム連携、研修費用 |
| 月額基本料金 | 運用期間中 | 最低契約期間、自動更新条項 |
| 追加オプション費用 | 必要に応じて | 契約外業務、繁忙期対応、緊急対応 |
| 管理コスト | 運用期間中 | 社内管理担当者の人件費、品質チェック |
| 契約解除費用 | 契約終了時 | 解約違約金、業務引き継ぎ費用 |
BPO導入時には業務の洗い出しや標準化、マニュアル作成、システム連携などの初期投資が必要ですが、これらの準備作業には相応の時間と費用がかかり、小規模な業務委託では初期投資を回収できない場合もあります。
契約に含まれない業務が発生した際の追加費用や、業務変更に伴う改修費用などが予想外に発生することがあります。もし業務範囲が曖昧なまま契約を結んでしまうと、「これは契約に含まれていない」という事態が頻発し、都度追加料金が発生する可能性があります。
特に、オフィスに委託先スタッフが常駐するオンサイト型のBPOは、人数分の「チャージ費」がかかるため、想像以上にコスト高になることあります。
チャージ費は、確実に日本の最低賃金以下の費用にはなりませんので、見落としがちなポイントです。
定期的な報告会議や、品質チェック、問題発生時の対応などには自社の人員を割かなければならず、これらの間接的なコストを見落としてしまうケースもあります。
これらの想定外の費用を避けるためには、導入前に詳細な業務分析を行い、契約範囲を明確に定義することが重要です。また、見積もり段階で隠れたコストがないか十分に確認し、複数の事業者から相見積もりを取ることで適正価格を把握することも有効です。
BPOの運用形態は、業務を実施する場所によって大きく2つのタイプに分類されます。
業務内容やセキュリティ要件、コスト面での優先事項に応じて、最適な運用形態を選択することが重要ですが、近年では2つのタイプを組み合わせたハイブリッド型を採用する企業も増えています。
BPO事業者のスタッフが委託元企業のオフィス内で業務を行う運用形態です。専門スタッフが常駐し、社内環境で業務を実施します。
業務に関する質問や調整が即座に行えるため、業務の品質管理がしやすく、人事、経理などの機密性が求められる業務や、頻繁な社内調整が必要な業務で採用されることが多い形態です。
ただ、常駐スタッフが使用する作業スペースや設備を用意する必要があり、初期費用や運用費が高くなる傾向があります。
BPO事業者が自社の拠点やセンターで業務を行う運用形態です。
委託元企業はオフィススペースや設備への投資が不要ですし、委託先は複数のクライアントの業務を集約して効率的に運営できるため、比較的低コストでサービスを提供できます。
データ入力業務、コールセンター業務、定型的な経理処理など、標準化しやすい業務が適しています。近年では、セキュアな通信環境やクラウドシステムの発展により、機密性の高い業務でもオフサイト型を採用する企業が増えています。
BPOの契約形態には、請負契約、委任契約、準委任契約の3つがあります。
| 契約形態 | 特徴 | 適している業務 |
|---|---|---|
| 請負契約 | 成果物に対して報酬を支払う。業務遂行の指揮命令権は委託先にある | 明確な成果物がある業務、定型業務 |
| 委任契約 | 業務の遂行に対して報酬を支払う。結果ではなくプロセスを重視 | 専門的判断が必要な業務、コンサルティング |
| 準委任契約 | 事実行為の委託。業務の遂行そのものが目的 | 継続的な業務処理、システム運用 |
成果物の完成に対して報酬を支払う形態で、データ入力やシステム開発など、明確な成果物がある業務に適しています。成果物が契約内容を満たさない場合は、委託先が責任を負います。
業務の遂行そのものに対して報酬を支払う形態で、コールセンター業務や経理業務など、継続的に発生する業務の処理に適しています。この場合、善良なる管理者の注意義務をもって業務を遂行する責任が委託先にあります。
BPOの契約形態は、費用の算定方法や契約の柔軟性によっていくつかのタイプに分類されます。企業の業務特性やコスト管理の方針に応じて、最適な契約形態を選択することが重要です。
| 契約形態 | 特徴 | メリット | 適した業務 |
|---|---|---|---|
| 従量課金型 | 処理件数や時間に応じて費用が変動 | 業務量の変動に柔軟に対応でき、無駄なコストが発生しにくい | 季節変動のある業務、問い合わせ対応 |
| 月額固定型 | 毎月一定の料金を支払う | コストが予測しやすく、予算管理が容易 | 業務量が安定している定常業務 |
| 成果報酬型 | 達成した成果に応じて報酬を支払う | 成果に直結するため費用対効果が明確 | 営業支援、マーケティング業務 |
| ハイブリッド型 | 基本料金と従量課金を組み合わせる | 安定性と柔軟性のバランスが取れる | ベース業務量があり変動もある業務 |
処理した件数や稼働時間に応じて費用が決まる契約形態で、業務量の繁閑差が大きい企業や、BPOを初めて導入する企業に適しています。コールセンター業務やデータ入力業務など、件数で測定しやすい業務でよく採用されています。
業務量に関わらず毎月一定の金額を支払う契約形態なので、予算管理がしやすく、長期的なコスト計画が立てやすい事が特徴です。経理業務や人事業務など、業務量が比較的安定している業務に向いています。
設定したKPI(重要業績評価指標)の達成度合いに応じて報酬を支払う契約形態です。成果に直結した費用対効果が期待できますが、成果の測定方法や評価基準を明確にしておくことが重要です。
基本料金と従量課金を組み合わせるなど、複数の契約形態を組み合わせたハイブリッド型を採用する企業も多く、コストの予測可能性と業務量変動への柔軟性を両立させることができます。
BPOを導入する際には、メリットを最大化しデメリットを最小限に抑えるため、導入前の準備から契約、運用開始後まで、各段階で慎重に検討すべきポイントを理解することが成功への鍵です。
BPOの契約書は業務遂行の基盤となる重要な文書です。曖昧な契約内容は後々のトラブルの原因となるため、細部まで詰めておく必要があります。
契約書には、業務範囲、納期、品質基準、料金体系、契約期間、解約条件、損害賠償の範囲、知的財産権の帰属、機密保持義務などを明記しましょう。特に料金については、基本料金だけでなく、追加作業が発生した場合の費用、業務量が変動した場合の料金調整方法なども具体的に定めておくことが重要です。
また、SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)を締結し、サービスの品質基準や対応時間、達成できなかった場合のペナルティなども明確にしておくと、双方の責任範囲が明確になります。
BPO導入は、該当部署だけでなく組織全体に影響を与える変革です。社内の理解と協力が得られなければ、スムーズな導入は困難です。
経営層から現場の担当者まで、BPO導入の目的やメリット、業務の変更点などを丁寧に説明し、導入の理解を得ることが必要です。特に、業務を委託される部署の従業員は、自分の仕事がなくなるのではないかという不安を抱く可能性があるため、導入後の役割や今後のキャリアパスについても明確に示すことが重要です。
また、BPO業者との窓口となる社内担当者を明確に定め、適切な権限と責任を与えることも忘れてはなりません。
BPOを効果的に活用するためには、委託する業務が標準化されており、明確なマニュアルやガイドラインが整備されている必要があります。属人化した業務や、明文化されていない暗黙知に依存した業務は、外部委託に適していません。
導入前に業務プロセスを見直し、無駄な工程を削減するとともに、作業手順を文書化しましょう。業務フローチャートや作業マニュアル、判断基準などを整備することで、BPO業者への引き継ぎがスムーズになり、品質維持も容易になります。
また、標準化の過程で業務の無駄や改善点が明確になることも多く、BPO導入前から業務効率化のメリットを享受できる場合もあります。
いきなり大規模な業務をBPOに移行するのではなく、まずは小規模な業務や一部の工程から段階的に導入することをおすすめします。段階的アプローチにより、リスクを最小限に抑えながら、自社に最適な運用方法を見つけることができます。
パイロット導入を行い、その結果を評価してから本格展開を判断することで、想定外の問題や課題を早期に発見し、対策を講じることが可能です。また、段階的導入は社内の抵抗感を軽減し、変革への適応を促進する効果もあります。
BPOは継続的な業務改善をすることが成功の鍵です。市場環境や事業戦略は常に変化するため、それに合わせてBPO業務の内容や範囲も見直していきましょう。
継続的な業務改善には、どこにボトルネックや無駄があるのかを明確にし、BPO事業者に業務フローの見直しや効率化の提案を求めることも有効です。
具体的な改善活動としては、以下のような取り組みが効果的です。
特に近年では、RPAやAIなどの技術革新が進んでおり、これらを組み合わせることでさらなる効率化が期待できます。BPO事業者が提供する最新のソリューションについて情報収集し、自社の業務に適用できるか検討することも重要です。
また、改善活動は一方的に要求するのではなく、BPO事業者と協働で取り組む姿勢が大切です。双方の知見を持ち寄ることで、より実効性の高い改善策を導き出すことができます。
BPOを成功させる最も重要な要素の一つが、委託先事業者との良好な関係構築です。単なる発注者と受注者という関係ではなく、同じゴールを目指すパートナーとして信頼関係を築くことが、長期的な成功につながります。
効果的なコミュニケーションには、双方で責任者と実務担当者を明確にし、連絡体制を整備すること、複数の部門が関わる場合は、情報共有の仕組みも構築しておくと良いでしょう。
定期的なコミュニケーションの場としては、以下のような機会を設けることが推奨です。
| 会議の種類 | 目的 | 頻度 | 参加者 |
|---|---|---|---|
| 定例ミーティング | 日常業務の進捗確認と課題共有 | 週次または月次 | 実務担当者レベル |
| KPIレビュー会議 | 目標達成状況の確認と評価 | 月次または四半期 | 責任者レベル |
| 戦略ミーティング | 中長期的な方針や改善策の協議 | 四半期または半期 | 経営層・マネジメント層 |
また、緊急時や問題が発生した際の連絡方法についても、事前に取り決めておくことが重要です。エスカレーションフローを明確にし、迅速な対応ができる体制を整えておきましょう。
コミュニケーションにおいては、課題や不満を伝えるだけでなく、うまくいっている点についても積極的にフィードバックすることが大切です。良好な関係を維持することで、BPO事業者側のモチベーション向上にもつながり、より質の高いサービス提供が期待できます。
さらに、BPO事業者の担当者が変更になった場合でも、業務の質を維持できるよう、業務内容や要件を文書化し、引き継ぎがスムーズに行われるような仕組みづくりも必要です。契約書やSLAだけでなく、日々のコミュニケーションの中で認識を合わせていくことが、長期的なパートナーシップの構築には欠かせません。
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こんな課題を解決します
FOCは、30年/1,000社以上のノウハウを活かし、御社のコア業務の生産性向上、バックオフィス部門のコスト削減に貢献します。
ライタープロフィール
くもと編集
マーケター兼編集者
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