業務調査とは?自社でやるか外部に依頼するか?

 

業務調査とは

業務調査とは、いつ、誰が、どこで、どんな業務を、どうやって(使用しているシステム)、どのくらいの量をやっているかを一覧にしていく作業を言います。業務量調査ともいわれる作業です。

また同じような作業に業務分析、業務評価(業務デューデリジェンス)があります。

こちらは業務調査によって現状が明確になったうえで、その業務が目的に対して、正しく行われているものなのか、効率化すべきものなのか、やめるべき(省略すべき)ものなのかを判断する作業になります。

一般的には、業務調査と業務分析はほぼ同じようなイメージをもたれている人が多いと思われます。

 

業務調査に対する期待感と実態

昨今、コロナ禍やDXといった点から管理部門の効率化を進める企業が、数年前に比べて多くなってきている印象です。

現状のやり方に課題を感じ、「標準化したい」「システム化したい」「アウトソーシングしたい」と考える企業が多くなっています。

そこで最初にやるべき作業が現状把握です。どのような手段を講じて改善をしていくにしても、「今がどうなっているか」を理解することが重要なのです。

「手順書がない」「部門内で誰が何をやっているか把握できていない」「そもそも何が課題なのか具体的にわかっていない」。これらを明確にするために業務調査が必要というわけです。

しかしながら、この業務調査は実にやっかいな作業です。

日常業務をこなしつつ自分たちの業務を「いつ、誰が、どこで、どんな業務を、どうやって(使用しているシステム)、どのくらいの量をやっているか」を一覧にしていくのです。元になる情報があればよいのですが、属人化している業務を、就業時間内でやりきることができるのは相当厳しいです。

ましてや業務調査をやったことがない人であれば、調査方法や一覧表の作り方など知っているわけでもなく、不慣れな仕事であるゆえ、なかなか作業が進まないことも多々あります。

(本当に改善したいならば、時間がないではなく、時間をつくるべき。できないなら誰ができる人を業務調査担当にすればよい。という声が聞こえてきそうですが、正直乱暴な意見だと思います)

私たちアウトソーシング会社にも、「業務調査を行いたいが、なかなか作業が進まないから手伝ってほしい」というようなこのようなご相談をいただくことが多くなってきています。

もちろん業務調査サービスをご用意しているため、ご支援することはあるのですが、毎回、業務調査をご用命いただくことはそれほど多くはないのです。

(弊社はアウトソーシング会社ゆえ、純粋に業務調査をしたい、と考えている企業からご相談をうけることが少ないのかもしれません。業務調査をお願いしたいと考える企業は、まずはコンサルティング会社等に相談するようですね。)

何故、実際に業務調査実施までいかないのか。

弊社にご相談いただき、結局ご用命いただけなかったお客様に確認したところ、現場担当者は、自分たちでやれないことはわかっているので外部の会社に依頼したい。しかし、いざ稟議をあげると会社から却下されてしまったそうです。

会社の判断としては、自分たちの仕事を“一覧にするだけ”なのだから、すぐできるだろう。ましてや自分たちの仕事は自分たちが一番よくわかっているのだから自社内で完結すべき。「業務調査」だけでは費用対効果が悪いと判断され稟議がおりないようです。

たしかに納得できるのですが、実際は、日常業務をやりながら、調査自体おざなりになり、時間だけが進み自然消滅になっているように見受けられます。

現状把握のための業務調査といっても、仮に外部の会社がしっかり入って作業を行えば、月100万円近くかかることもあります。会社視点でいえば、実際にやっている業務を明文化するだけで、100万円かかります、と言われたら、「それだけの価値あるの?」と思ってしまうのも理解できます。

このように業務調査は、現状を改善していくためには必要なプロセスであるものの、誰がやるかという点で非常にやっかいな作業なのです。

 

業務分析、業務評価という付加価値

 

業務調査だけでなく業務分析、業務評価(以下、業務分析で統一)もやってほしいというご要望もあります。

業務分析であれば、外部会社のノウハウやメソッドを活用して自社では思いつかないような改善策が出てくる期待から実施する価値も見出すこともでき、業務調査よりお金をかけるべきという判断もありえます。

しかし、こちらはこちらで留意すべき点があります。

分析もしくは評価をするということは、何かしらの“基準”があって、それをもとに良いのか悪いのかを判断し整理していくことになります。

その基準がなんのかが重要で、基準の設定を間違うと効果が薄れる可能性が高いのです。

基準は、自社内で分析をするのであれば、目的が明確になっているかが重要です。
さらに外部に依頼するのであれば、依頼会社によっても基準が変わることがあります。

自社で分析

業務調査をし、さらに分析する目的は何なのか、その目的を達成するためにはどのような基準をもって分析をすればよいのか、が重要です。

例えば、ヒューマンエラーを限りなくゼロにしたいならば、システム化できる業務は何なのかかという基準で業務を分析していきます。

外部に依頼

目的を明確にすることはもとより、依頼する会社のコアサービスが何なのかも重要になります。

システム会社に依頼すれば、システム導入が基準となり、アウトソーシング会社に依頼するならば、アウトソーシングできるか否かが業務を分析する基準になります。

一般的には業務分析を行いたいと考えた際は、コンサルティング会社に相談することが多いかと思います。

戦略系、会計系など様々なコンサルティング会社が存在します。そのいずれかに依頼するにしても、コンサルティング会社は独自のメソッドとともに様々な企業をコンサルしたノウハウをもっており、分析といった点では有用です。またコンサルティング会社はプロジェクトマネジメントにも強く、業務調査から分析まで完遂できるノウハウを持っています。

弱点があるとすると、コンサルティング会社はシステムを自社で開発しているわけでもなく、対象となる業務を実際に請負っているわけでもないため、実務視点という点では、現場担当者の納得感を得られない場合があります。
(コンサルティング会社の中にも実務の分析に強い会社はあります)

外部に依頼する場合は、漠然とした改善したいという考えではなく、具体的な目的をもって、できれば仮説をたて、依頼先を選定することが重要になります。

 

業務調査から分析の流れ

自社で業務調査から分析までやるのがキャッシュアウトもなくベストです。

ここからは簡単になりますが、業務調査から業務分析の流れをご紹介します。
(対象となる業務はある程度目途がついているのが前提です)

業務一覧表の作成

まずは図のような表をエクセルなどで作成します。

項目は、

・業務名
・業務の簡単な説明
・担当者
・インプットデータ
・インプットデータ提供元
・処理工程
・アウトプットデータ
・アウトプット納品先
・使用システム
・処理納期
・発生頻度
・頻度ごとの処理件数
・処理にかかる時間(工数)

です。

これらをまずは日次、週次、月次などの軸で書き出していきましょう。

最初は粗目の業務項目で結構です。すべての業務が洗い出せたら「粒度」を合わせていきます。

ここまでできれば外部への依頼も楽になります。

業務分析の仕方

まずは工数(人の手)が一番かかっている業務を優先的に評価していきます。

1.やるべき仕事、やめることができる仕事、納期や処理を延ばせる仕事、省略できそうな仕事の判断をします。

2.やるべき仕事であれば、誰がやるか(正社員、パート、派遣社員といった雇用形態、社歴の浅い従業員、マネジメントなど役職別)を判断します。他部署に移管することも検討します。またシステム化やアウトソーシングできる業務も検討します。

3.納期を延ばせる、省略できそうな仕事のルール変更可否の判断をします。

4.コア業務、業績に影響するような業務は社員が責任をもってやるべきです。それ以外の業務はシステム化、アウトソーシング化を検討します。

業務分析において重要なのは、0か100かの判断ではなく、70はシステムで残り30は人の手で処理するなどの判断です。真面目に考えすぎると100%を求めがちですが、効率的でなかった業務は70%改善するだけでも大きな結果になります。

 

まとめ

社内で業務調査や分析を行うと、担当者からの反発を招くことがあります。
これは人間が判断すべきもの、社員がやらないと駄目なもの、と現状を変えることの恐れから反発があります。そこには今までやってきた自負や自分の仕事がなくなる恐れが背景にあります。

業務調査、分析のあと、どうなるかを対象となる業務を担当している社員にはきちんと説明する必要があることも忘れてはいけません。

とはいえ、変化するマーケットの中で現状維持がベストな判断なのか、競合他社に負けない会社にしていくためにはどうしたらよいのか、やはり視座を高くもって判断する必要があります。

どうしても社内で業務調査、業務分析ができず、次の一手を打てない会社は外部の力を借りるという判断をすべきかと思います。

 

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」