エクセルで勤怠管理をする方法、注意点、法改正への対応を解説

勤怠管理をどのように行っていますか。まだエクセルや手入力で行っている方も多いのではないでしょうか。2019年の働き方改革関連法案の改正により、エクセルによる勤怠管理は客観的な記録として認められるのかというリスクも伺えます。

そんな中でもエクセルによる勤怠管理を継続せざるを得ない企業もあるでしょう。本記事では、エクセルで管理ができる範囲、メリット・デメリットからエクセル以外での勤怠管理方法までご紹介します。

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勤怠管理では労働時間を適正に把握することから始まります。

今回のテーマはエクセルによる勤怠管理についてですが、まずは可能かという点から考えていきましょう。結論からお伝えすると可能です。

しかしエクセルでは、必ず人が介在するためトラブルがつきものであり、推奨はしにくいものです。エクセルで勤怠管理を行うと決めているなら、まず踏まえておきたい厚労省のガイドラインからご紹介していきます。

 

自己申告でOK?まず知っておきたい厚生労働省のガイドライン

勤怠管理の流れとそれぞれの問題点

1、社員が出退勤時刻、休暇情報を入力する
2、管理者が1のデータを集計し、チェック、承認する

が勤怠管理の主な作業になります。

非常にシンプルなお話ですが、それぞれ注意するべき点があります。

1、社員が出退勤時刻、休暇情報を入力する

ここでのポイントは客観的に認められる「正確な情報」であることです。客観的、という点では次に説明する厚労省のガイドラインにでてきますのでここでは割愛します。

エクセルで正確な情報を入力するとなると、出社してすぐパソコンを開き、エクセルを立ち上げ記録し、退勤時も直前に記録を残すことになります。

さらに管理者は自分のメンバーたちの出退勤記録が正確であるかを把握しておく必要があります。そのため、勤怠管理のエクセルを部署共有のドライブなどに保管し、都度確認しなければなりません。

有給休暇の取得申請数も合わせて記録する必要があります。

2、管理者が1のデータを集計し、チェック、承認する

2019年の働き方改革関連法案の改正により残業時間の規定・有休消化日数が定められました。

例えば残業時間については

・原則として、月45時間・年360時間をベース
・時間外労働 ・・・年720時間以内
・時間外労働+休日労働 ・・・月100時間未満、2〜6カ月平均80時間以内
・原則である月45時間を超えることができるのは、年6カ月まで

という複雑なルールになりました。

管理者及び人事部門は1のデータを集計して、残業時間が規定に反していないかしっかりとチェックしておく必要があります。

同様に有給日数も管理が必要です。

引用:
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf

 

厚労省のガイドラインとは

このように、全社員がエクセルのフォーマットに自身の出退勤時刻、休暇日数を入力し、管理者がデータをまとめて集計する作業は相当なボリュームになります。ボリュームがあれば当然、ミスが発生する可能性が高まり適切な管理ができるのかという不安も生じます。

管理者が目の前で全メンバーの出退勤の時刻を確認し記録と一致しているかを把握するのは実質的には不可能でしょう。そうなるとエクセルでは社員の自己申告制になります。タイムカードやICカードなどを使っていなければ、申告時刻の正確さを担保することは難しいでしょう。

また、36協定の上限に収まるよう実際よりも残業時間を過少申告できたり、また企業や上司が簡単に勤務時間を改ざんするリスクもあります。このような事態が起きないよう勤務時間の記録方法について厚生労働省がガイドラインを策定しているのです。

・使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること
・タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること

引用:厚生労働省『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン

つまり、エクセルでの入力が客観的な記録として認められるのか、という点が気をつけておきたいポイントと言えます。

 

エクセルで勤怠管理ができる企業とは?

大前提として勤怠管理はミスがあってはならないものです。社員の給与計算に関わってくること、社員の適切な健康管理ができなくなること、そして企業として遵守すべき法律があるからです。エクセルで勤怠管理をする場合、最もネックなのが手作業でデータを入力することです。人が介在すれば工数とミスの問題から切り離せないでしょう。

これらのことを理解した上で、エクセルで管理できる企業と言えるのは

・社員数が少ない企業
・給与体系がシンプルな企業

の2つが挙げられます。

まず手作業対象が少ないこと、つまり社員数がポイントです。先述したとおり、残業時間や有給の管理も必須となるため、対象が増えていけばいくだけミスや見落としにつながりがちです。また、当然ながら一人一台パソコンを所有していて、出退勤の際に自分で入力できることも前提になります。

また、2つ目は給与計算のパターンが少ない場合です。勤怠のデータは給与計算に活用するためエクセルで集計したデータを使って給与計算を行います。その際、給与体系が複雑であったり手当の種類も多い場合は更に、混乱して間違えるリスクが高まります。

給与支払いミスや漏れは、社員の生活に直結しますし企業の信用問題となります。ミスなく行う必要がありますし、失敗は許されません。これらを全て理解し実行できるという前提なら、エクセルでの勤怠管理を行うことのメリットはもちろんあります。

 

無料でカスタマイズ。エクセルで勤怠管理を行うメリット

メリット1、なんといってもすぐ、無料で使える

システムの初期費用や月額費用がかからず、すぐに無料で勤怠管理ができます。計算式の設定を完璧に済ませてしまえば、出勤・退勤時刻や休憩時間を記入するだけで実労働時間を算出でき、給与計算もそのまま可能です。

メリット2、カスタマイズしやすい

自社に合わせたカスタマイズがしやすいこともメリットの一つです。深夜残業や休日出勤など特別な対応が必要な集計が多い企業であれば、オリジナルの勤怠管理表を作成して対応できます。

メリット3、ペーパーレスの実現

紙の管理ではかさばったり紛失のリスクもありますが、エクセルであればPC上に置けるので紛失や保管場所に困ることもありません。

 

無料テンプレートを使ったエクセルでの勤怠管理

エクセルで勤怠管理を始める際に知っておきたいのが無料テンプレートの存在です。インターネットで検索をすれば、たくさんのテンプレートがでてきます。中には数値を記入するだけで、自動的に勤務時間を計算でき、すぐに活用ができるものもあるでしょう。

エクセルに詳しい担当者がいない、または表の作成や関数に不安があるのであれば、自社に合いそうな無料テンプレートを探して見るのも良いでしょう。

それでは、無料のテンプレートについて代表的なものをご紹介していきます。

◆bizocean(ビズオーシャン)

時給勤務の従業員向け、出退勤時間の入力のみ、など勤怠管理に関するテンプレートだけでも300点以上あります。

深夜時間や遅刻早退、休日出勤の管理、残業計算機能が付帯されていたり、給与明細のダウンロードができたりと、便利なテンプレートも利用可能です。アルバイトや契約社員、派遣社員など、勤務形態が複雑な働き方にも対応できるテンプレートもあります。

 

◆EXCEL勤怠テンプレート

深夜残業や休日残業、夜勤など勤務パターンごとに集計ができるテンプレートがあります。

テンプレートの利用用途がタイトルから分かるので閲覧しやすく、英語に対応したテンプレートも選べるのが特徴です。正社員用と時給勤務用に別々のテンプレートが用意されており、雇用形態に応じた選択もできます。

 

◆みんなのExcelテンプレート

「みんなのExcelテンプレート」は時給制で勤務するアルバイトやパート社員の勤怠管理におすすめです。1ページごとに1日分のシフトと実働時間を一元管理でき、時給と支給交通費から月々の給与計算もできます。ただし深夜の労働時間や残業時間の集計はできません。

 

◆勤怠管理表エクセルテンプレート

「勤怠管理表エクセルテンプレート」はスーパーやコンビニ、飲食店などの店舗におすすめのテンプレートです。企業利用は想定されていないテンプレートなので注意してください。飲食店でのアルバイトで土日祝日に時給が上がる働き方にも、8時間を超過した勤務への残業手当の自動割増にも対応できるテンプレートが選べます。

 
 
 

法改正に対応するならシステムに移行すべきか?

エクセル管理の課題

無料かつ手軽に勤怠管理できるエクセルですが、法改正に対応するには手作業で更新対応が必要です。エクセルの勤怠管理で一番問題なのは、全ての作業に人が介在することです。人が介在する以上、ミスや漏れの問題はなくなりません。たとえば法改正の更新についても、担当者が変わったら作業を忘れてしまう…という事態もありえるのです。

このように、働き方の変化が激しい今だからこそ、勤怠管理を侮ってはいけません。目先のコストに目を取られず、投資対効果を考えてシステムの導入を検討するのも重要です。

システムという選択肢は有益である

勤怠管理システムにはクラウド型とオンプレミス型があります。その中でクラウドの勤怠管理システムであれば、提供会社が常にアップデートを行ってくれるため自動的に法改正に対応してくれます。

先述した中でも、「時間外労働の上限規制」と「年次有給休暇の取得義務」が特に注意が必要です。違反すると罰則も適用されます。「時間外労働の上限規制」では、ルールを破った場合、雇用者に「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科されます。

年5日以上の有給休暇取得が求められる「年次有給休暇の取得義務」に違反した場合、雇用者に「30万円以下の罰金」が科されます。

罰金という金銭の出費だけでなく、このような罰則を受けることは企業としての信頼も落としかねないのです。

 

無料トライアルができる勤怠管理システム

それでも無料で使えていたエクセルからの脱却は、新たな予算の投資になるためなかなか踏み切れない方もいるでしょう。そんな方には無料トライアル期間がある勤怠管理システムはいかがでしょうか。いきなり勤怠管理システムの導入が難しい場合にも、無料トライアルで試してみるとよいでしょう。

◆jinjer勤怠

勤怠管理も含むすべての労務業務を一元管理できる「jinjer」は既に5,000以上の導入実績があります。勤務時間の管理だけでなく、シフトや休暇の管理、休暇の申請・承認などの機能もあり、勤怠管理を効率的に行えます。

契約継続率99.4%、サポート満足度91.6%と、導入企業から高い評価を受けています。英語だけでなく、タイ語、ベトナム語、インドネシア語などにも対応しています。

無料トライアル:要問合せ

料金:月額300円〜

 

◆KING OF TIME

市場シェア・認知度・顧客満足度がすべて1位の「KING OF TIME」は、リモートワークや時差出勤の管理もできます。オンライン上で出勤・退勤時間や時差出勤の報告ができ、自宅からでも上司は各種申請の承認が可能です。英語設定やタイムゾーン設定が可能で、海外支店でも利用できます。

無料トライアル:30日間

料金:月額300円

 

◆人事労務freee

「人事労務freee」は勤怠管理も含めた労務事務をまとめて行え、業務効率化を図れます。25万以上の事業者からの利用実績がある人事労務管理システムで、少数から中堅規模の起業まで利用いただけます。

無料トライアル:30日間

料金:月額1,980円〜(3ユーザーまで)、1ユーザーごとの追加料金 月額300円

 

◆ジョブカン勤怠管理

クラウド型勤怠管理システムで業界1位の「ジョブカン勤怠管理」は、10年以上にわたり6万社以上の導入実績を誇ります。サポート体制も充実しており、メールやチャット、電話で問合せができます。変形労働・フレックス・裁量労働などの勤務形態や、所属・雇用形態ごとに細かい設定、運用ができます。

シフト管理機能が充実しており、従業員が希望シフトを申請できたり、該当従業員に希望シフトを確認するメール送信ができたりと、便利です。予算に応じたシフト作成や、確定したシフトの公開・確認も簡単です。

無料トライアル:30日間

料金:有料プランは月額200円〜

 

◆ミナジン勤怠管理

「ミナジン勤怠管理」はサポート体制が充実した勤怠管理システムです。専任コンサルタントがつき設定などのサポートをしてくれます。休暇管理も柔軟にできるのが特徴で、細かなルールも設定でき、ルールに反した申請内容は承認できない仕組みになっています。

無料トライアル:30日間

料金:初期導入費400,000円、月額30,000円〜(30名まで)

 

 

 

まとめ|勤怠管理を適切に行うことは企業の必須要件!

エクセルでの勤怠管理はすぐに無料で始められて、馴染みがあるツールのため誰でも使いやすいというメリットがあります。無料のツールを活用しているとコストがかかるシステムにはなかなか移行しにくい、という企業も多いでしょう。

勤怠管理は出退勤時刻と有給日数の集計だけと思われがちですが、その裏では複雑な法律で固められていたり、給与計算とも大きく絡みます。特に注目を集めている働き方に関連するため、今後も相応の改正が見込まれます。法律を遵守して企業の信頼性も保ちつつ、社員が長く働きやすい環境を作るために、勤怠管理の重要性を理解するところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

ライタープロフィール

パプリカ

パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。