クラウド勤怠管理システムがアツい。機能やメリット、代表的なツール比較表もご紹介

インターネット上で社員の勤怠が簡単に管理できるということで、クラウドサービスが主流となってきました。2019年4月に働き方改革関連法案も改正され、法律を遵守した健全な企業運営に適切な勤怠管理は非常に重要です。

変わりゆく法律にしっかりと対応しながら、社員の健康を守り企業を成長させていくために、適切で簡単にできる勤怠管理システムは知っておきたいところです。

タイムカードや紙での勤怠管理ではなく、オンライン上で出退勤などの勤怠を管理できるクラウド勤怠管理システムを導入する企業が増えてきました。この背景としてはクラウドサービスの盛況の他に2019年に改正された働き方改革関連法案の一つとして、社員の労働時間を客観的に把握することが義務付けられたことも一因といえるでしょう。

エクセルや手書きで勤怠管理を行っている場合「客観的記録」として認められるのかというリスクも生じてくるからです。

引用元:https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/070614-2.pdf

このような流れから紙や手作業での限界を感じ、クラウドサービスへの世の中の関心が高まり、さまざまな種類のサービスが提供されるようになりました。

提供会社によっては、他の管理システムと連携して人事管理や給与計算などバックオフィス全体を効率化できるサービスを提供している場合もあります。

今回はこのクラウド勤怠管理システムに焦点をあて、機能、導入メリット、代表的なサービスまでご紹介していきます。

 

 

クラウド勤怠管理システムとは?機能・メリットも紹介

社員の出退勤の時刻や残業、休暇などの状況をインターネット上で完結できるのがクラウド勤怠管理システムです。

オンプレミス型と比較して低コストで適切な勤怠管理が実現でき、入力されたデータをもとに、社員の出勤状況と雇用形態に応じた給与計算を自動的に行うことができるシステムもあります。

クラウド勤怠管理システムの基本機能とメリット

代表的な機能は以下の通りです。
・出退勤時刻の打刻
・休暇・残業の申請、承認
・勤怠情報の集計
・シフト管理
・アラート機能
・プッシュ通知機能
・社員への一斉メール送信

クラウド勤怠管理システムでは、パソコン、スマホ、ICカード等で打刻方法の選択肢が多く、社員の浸透が早いのも特徴です。打刻漏れの防止につながることでリアルタイムの勤怠管理ができ、「締めてみたら残業時間が超過していた」という事態に陥ることもありません。詳しくメリットを見ていきましょう。

メリット1.いつでもどこでも勤怠情報を集計・把握できる

まず打刻率の向上が期待できます。外出が多い営業職や流通業の方々も自分のスマホや外出先から打刻できることは非常に便利です。

また、不正打刻で悩んでいる場合は社員証ICカード、生体認証が使えるサービスもあります。自社で導入するよりも、その機能を備えているサービスを利用することでコストを抑えて課題を解決できるといえるでしょう。

社員が打刻を正確に行ってくれる結果、正確な出勤・退勤時刻を集計できるようになります。その集計結果もインターネットでいつでもどこでも確認、把握できるため管理職の方も安心です。

メリット2.変動の多い法改正にもタイムリーに対応

労働基準法や労働安全衛生法などの改正・変更に、クラウド勤怠管理システムであればすぐに対応できます。

従来であれば給与計算の方法を変更したり、有給休暇の取得日数を手計算で把握したりしますが、無償でアップデートされるので、担当者が手作業で変更する必要はありません。適切な労務管理にもつながり会社としても有益です。

メリット3.スピーディでリーズナブルな導入が可能

クラウドサービス全般に言えることですが、すぐに導入が可能です。自社の就業規則などルールに沿っているかの確認を終えて設定さえ済めば、即時利用できます。

オンプレミスと異なり、初期コストが抑えられることも初めて勤怠管理システムを活用する企業にとっては嬉しいポイントでしょう。

もちろん社員数や設定したい自社のルール内容によってクラウドでは割高になったり、設定しきれないケースもありえますのでご注意ください。

メリット4.データの連携と活用

例えば給与計算は勤怠データを活用します。自社で活用しているシステムとデータ連携ができる、またはCSVで落としてデータのインポートが可能になれば給与計算業務がスムーズに実行できます。

また、クラウド勤怠管理システムのダッシュボードを使えば、社員の総労働時間や人件費を簡単に算出できるようになり、予定と実績の差をひと目で確認できます。

残業時間や変動なども可視化できるので、繁忙期や人の過不足が読み取れます。組織を決める際の人員配置も適切に行えるのではないでしょうか。勤怠管理と一言でまとめるだけではなく、会社全体の利益底上げや適切な事業運営に欠かせない部分といえるでしょう。

 

 

【選び方】クラウド勤怠管理システムの比較ポイント

クラウド勤怠管理システムを提供するサービス会社は多く存在しますが、どのように比較検討すればよいのでしょうか。見ておきたいポイントをご紹介します。

ポイント1.自社に最適な打刻方法が選べるか

当たり前ですが勤怠管理システムで最も重要なことが出退勤の記録です。そのため、自社の働き方に合う打刻方法を備えているかという点が重要です。

選択できる方法とは、
・パソコン打刻
・モバイル打刻
・ICカード打刻
・生体(指紋、静脈)認証、顔認証
・パスワード打刻
・GPS打刻
・QRコード打刻
・タイムカード打刻
・POS連携

というように数多くあります。外勤や他の支店、店舗間の移動が多く出勤場所が安定しない場合はモバイル打刻が便利でしょう。

個人PCをもたない販売員さんや工場のスタッフが多い場合は、共通の利用端末を置けるか、個人所有のスマホで打刻できるかなど、方法を模索しておきましょう。不正を防ぐには、ICカードや生体、顔認証がおすすめです。

ポイント2.自社の状況に対応できるか

自社の勤務ルール、状況に対応できるのかも重要です。たとえば病院や百貨店などのシフト勤務が多い業種の場合は、対応できる機能があるかどうか確認が必要です。

また、昨今のテレワークの流れからフレックスタイムを導入している企業も多いでしょう。導入するタイミングでは自社の勤務ルールがどのようになっているのか、導入担当者が正確に把握しておくこくことも失敗しない導入のポイントです。

ポイント3.利用中の他システムと連携できるか

勤怠データを必要とする重要な業務が給与計算です。すでに給与計算においてはシステムを利用している企業が多いでしょう。

自社で使っている給与計算システムと連携できる勤怠管理システムであるかは重要です。連携ができない場合、勤怠管理システムのデータを集計して給与計算システムに入力し直すという工数が発生します。人が介在するとミスも起こりやすく効率的ではありません。そのため、しっかりと事前に確認しておきましょう。

他には、通知機能もあります。申請承認フローのリマインドメールや、チーム内での勤務状況共有、全社社員の勤務状態の定期報告などの機能があると「気づかなかった」ということがなくスムーズに管理できるようになるでしょう。

 

 

【比較表】代表的なクラウド勤怠管理システム

それでは、代表的な勤怠管理システムを比較表にまとめてご紹介します。過去の記事でまとめた内容ですが、主な特徴を比較表にしてまとめたので、参考にしてください。他のシステムとの連携や、勤怠管理以外の機能はオプションで付け足せる場合があります。

参照記事:https://www.noc-net.co.jp/blog/2019/10/column_295/

ツール名 提供ベンダー 向いているシーン 特徴
Recoru 中央システム株式会社 コストを抑えたい場合 初期費用0円、月額ひとり100円
kinnosuke HOYA株式会社 数十人〜大規模向け、複雑な就業規則も可能 数十人規模なら
kinnosuke self edition  初期費用0円、月額ひとり300円(税抜)100人以上ならkinnosuke  月額ひとり350円(税抜)※初期費用 見積り
Moneyforwardクラウド勤怠 株式会社マネーフォワード コストを抑えたい場合、マネーフォワード社の他ツールと連携させたい場合 無料トライアル、6名以上の利用で社員1名につき月額300円(税抜)
SMART LINK勤怠管理システム NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社 雇用形態、勤務形態が多様な場合 多様な就業形態に対応できる
ジョブカン勤怠管理 株式会社 Donuts 初めて勤怠管理システムを導入する場合 あらゆる勤務形態に対応、万全のサポート体制、機能の単独利用可能
IEYASU勤怠管理 IEYASU株式会社 コストを抑えたい場合、ベンチャー企業 完全無料で利用可能、有料プランは様々な便利機能付き
CLOUZA アマノビジネスソリューションズ株式会社 コストを抑えたい場合 初期費用0円、月額ひとり200円
King of Time 株式会社ヒューマンテクノロジーズ 店舗・工場などオフィス以外で利用したい場合 多彩なタイムレコーダー
TimePro-VG アマノ株式会社 危機管理、コンプライアンスを重視したい場合 経験豊富な専門SEによるトータルサポート、多彩な機能
バイバイタイムカード 株式会社ネオレックス 従業員が多い場合、店舗・工場などオフィス以外で利用したい場合 多種多様な打刻方法、柔軟なカスタマイズ対応
TeamSpirit 株式会社チームスピリット 中小企業〜大企業 有休の自動付与も可能、労基法対応も万全
Gulf CSM勤怠管理 株式会社 ガルフネット 流通小売、サービス、飲食業等 多様なニーズに対応する導入プラン、有名チェーン店も採用の豊富な実績
Touch on Time 株式会社デジジャパン 出張、直行直帰などが多い職場 マルチデバイス対応
jinjer 株式会社ネオキャリア コストを抑えたい場合、外国人社員が多い場合 多言語対応、初期費用0円、月額300円〜
Roco Times 株式会社ロココ 不正利用の防止をしたい場合 英語対応、多彩な機能
AKASHI ソニービズネットワークス株式会社 福利厚生に力を入れたい場合 あらゆる法改正や複雑な就業ルールに対応

 

 

クラウド勤怠管理システム導入の注意点

最後にクラウド勤怠管理システムの導入に関する注意点を考えてみました。

注意点1、セキュリティ

クラウド全般の課題として、他社のサーバーに自社の社員情報を預けることになります。自社のセキュリティポリシーによってはNGの可能性もあります。

そのため、情報管理に厳しい業界やセキュリティを重んじる大手企業であれば、オンプレミスで構築し自社でサーバーを管理する選択をすることが多いでしょう。

導入担当者が自社のポリシーを理解しておくことで、クラウドかオンプレかの選択をまずしておきましょう。

注意点2、社員数が多い場合、コストが割高になる可能性がある

クラウドサービスは社員数に応じた従量課金であることがほとんどです。そのため、社員数が多い企業ほどコストが上がるため、初期費用はかからなかったけど長期的に見たらオンプレで構築した方が安かったというケースもありえます。

勤怠管理は永続的に続きます。初期の費用や0円という聞こえのいい言葉に踊らされず、長い目で見た時に自社で構築した場合の初期構築費用、サーバー費用、保守・運用費…など必要な項目を洗い出し年間単位での試算をして比較してみましょう。

注意点3、将来を見越した自社のルールに合うかを考えよう

現状の就業規則に合うシステムであるかを考えるのはもちろん必要です。しかし規則は世の中の流れや会社の変化により見直されることが往々にしてあります。最近のように、急速に国からリモートワークを求められるようになり、会社の制度を慌てて整備した会社もあることでしょう。

世の中の流れまでも予測することは難しいですが、理想論としてはどのような働き方を受け入れていくかを見越してツールの選定ができるとベストです。

例えば、若い世代が多い会社なら育児時期を見越して時短制度の内容は時代に合っているかどうかも見ておくべきでしょう。また、諸事情でフレキシブルな働き方を望む社員が出てくればフレックス制やフルリモートで働くことは会社として認めるのかも、今後考えていきたいところです。

最後に、クラウド勤怠管理システムを導入しても解決できない問題もあります。それは、勤怠打刻の不正を完全になくすことです。2017年から厚労省がブラック企業を公表することになり、企業としては行ってはいけないという認識は根付いていますが、それでもまだ退勤打刻後にサービス残業を強いる管理職や、残業代狙いでわざと退勤打刻をしない社員もいます。

これはシステムや性善説では解決できません。社員や管理職に対するしっかりとした教育が必要です。会社として不適切な勤怠を認めないという断固たる姿勢で取り組んでいきましょう。

 

 

まとめ|自社の勤怠ルールを見直し、適切な管理方法を選ぼう

クラウド勤怠管理システムは客観的で正確な勤怠管理ができ、給与計算もスムーズにミスなく実施できるようになります。クラウドだからこそ、法改正にもすぐに対応しますし、システムのアップデートも頻繁に行われ、使いやすい状態を保つことができます。

勤怠管理を正確に行い、給与を払って社員が高いモチベーションを持って働き続けてくれることは企業にとって重要です。不正などが発生しないように、管理者・一般社員の教育は継続して行っていきましょう。

また、社員は会社の財産です。適切な勤怠管理を行うことで、世間からみた健全な会社になるということだけでなく、社員の健康管理が可能になるのです。大切な社員が、健康で長く働き続けてくれるよう心がけていきたいですね。

 

 

ライタープロフィール

パプリカ

パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。