リアルオフィスをバーチャルで体験! 流行りのバーチャルオフィス「oVice」を使ってみた

働き方改革の推進と同時に普及し始めたリモートワークですが、コロナ禍を機に一気に加速し、中には全従業員がフルリモートワークという企業も出てきました。

同時に問題になっているのが従業員同士のコミュニケーションです。オフィスに出社していた時に出来ていた、顔を突き合わせてのコミュニケーションが難しくなっている今、リモートワーク下でも同様のコミュニケーションを取るには、どういった方法があるのでしょうか。

様々なツールがある中、今回は「バーチャルオフィス」について、筆者が体験した所感も交えながら紹介します。

 

バーチャルオフィスとは

バーチャルオフィスとは、物理的な場所を必要とせず、事務所としての機能を持たせる仕組みのことで、クラウド上にオフィス空間を実現する、文字通り「仮想の事務所」です。日本では2006年ごろから普及し始め、リモートワークの拡大を機に、認知されるようになりました。

バーチャルオフィス内では、従業員はリアルオフィス同様、上司や同僚に声をかけ、立ち話をします。また重要な打ち合わせは会議室を利用し、第三者に知られないようにすることも可能です。打ち合わせではweb会議同様、カメラで自分の姿を映したり、画面共有も行うことができます。

oViceでのオフィスの様子

バーチャルオフィスのツールとしては、以下のようなものがあります。どのサービスも実際のオフィスにいるかのような感覚で利用することができ、予定表やweb会議ツールとの連携も可能です。

・ Remotty
https://ja.remotty.net/

【プラン・料金】
・無料トライアル期間有り
・詳細は要問い合わせ

・ Sococo
https://www.telework-management.co.jp/services/tool/sococo/

【プラン・料金】
・無料トライアル期間有り
・月/1ユーザー/2,500円(税込2,750円)
※最低契約期間、3か月から
※最小契約ユーザー数、10ユーザーから

・ roundz
https://roundz.jp/vo/

【プラン・料金】
・ベーシック(基本機能全て利用可能)980円/1ユーザー/ 月(税込)
・プラス(高解像度での画面共有が可能)1,280円/1ユーザー/ 月(税込)
・エンタープライズ(大企業向け)要問い合わせ
※2週間の無料トライアルあり
※1ヶ月単位での契約
※初期費用、最低契約期間なし

 

バーチャルオフィスのメリット・デメリット

バーチャルオフィスにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

実際の体験も交え、それぞれまとめました。

◆メリット
・気軽に話せる(他のコミュニケーションツールより話しかけやすい)
・オフィス全体を見渡せる(どこに誰がいるか、すぐにわかる)
・打ち合わせ等で会議室や設備を都度予約する必要がない(空いていれば利用できる)
・物理的に離れた事務所にいる従業員とも、気軽にコミュニケーションが取れる(一体感がある)

最大のメリットは、他のコミュニケーションツールに比べ、実際にオフィスにいるような感覚で親近感を持って話ができる、という部分です。レイアウトも実際のオフィスに近いものが複数用意されており、リアルオフィスで話をしているような感覚で話ができます。

わざわざ打ち合わせを設定するほどではないが、チャットで文章を打ったり、返答を待つのが面倒な場合など、軽く立ち話をする感覚で用事を済ませることができます。

また重要な会議などは、設置した会議室に関係者で入室することで、外部との音声通話を遮断することができます。会議室は中からカギをかけることもでき、密談が可能です。

さらに、集中ブースのような場所を設置すれば、中に入ることで外部ともブース内のメンバーとも遮断することができるので、集中して作業したい時や電話対応中の場合、リアルで話しかけられている時などに、話しかけられないよう逃げ込むこともできます。

◆デメリット
・各自サイトにログインしなければならない(自動ログインできない)
・ログインを忘れる(別のweb会議の後など)
・話しかけたい人がログインしていない
・話しかけづらい(相手が話しかけて良い状態かわからない)
・話しかけてほしくない時に話しかけられる(集中ブースに入るのを忘れた場合など)

デメリットで最も困るのは、ログインを忘れる、というものでした。自動ログインではないため、自身もそうですが他のメンバーもログインを忘れ、バーチャルオフィス内に誰もいない、といった日もありました。

また、相手が今話しかけて良い状態なのか(会議室や集中ブースではなく、通常の席にいる場合でも)わかりづらく、話しかけづらいという意見もありました。特に入社したての従業員の場合、リアルで話したことのないメンバーや上司などには特に話しかけづらい、とのことでした。同様に話しかけられる側としては、うっかり通常の席にいる状態で電話したり(別のweb会議ツールで)打ち合わせをしている場合などに話しかけられ、対応できず無視してしまった、という意見もありました。このあたりは、社内ルールのようなものを用意する必要があると感じました。

 

 実際に使ってみたのは「oVice」

◆oViceとは

oViceとは、oVice株式会社が提供しているバーチャルオフィスサービスです。
https://ovice.in/ja/

クラウド上のサービスのため、インストール等の面倒な設定は必要ありません。利用人数に応じて、月額5,500円(税込)~オフィススペースを提供しています。

本格導入の前に、トライアルとして2週間無料で全機能を利用できます。

管理者は自社オフィス内に会議室や集中ブース、掲示板などを自由に設置することができ、レイアウト変更やメンバーのログ管理、ユーザーの入室制限(ホワイトリストの作成)のほかに、他の従業員を準管理者として権限を付与することも可能です。

自社のオフィススペースのURLを共有すれば、お客様や関連会社など、外部の関係者を招待し、打ち合わせすることもできます。

レイアウトはオフィススペースに応じて数十種類あり、自由に変更できる

弊社ではメンバーから好評だった、お花見を採用しました。

 

・web会議ツールや、他のチャットツールとの違い

Zoomなどのweb会議ツールや、Teamsなどのチャットツールとの最大の違いは、両者が打ち合わせに際し、事前にインビテーションを受け取るか、会議中に招待を受けなければ打ち合わせに参加できないのに対し、oViceでは図のように、黒い円の中に入るだけで会話に参加できるという点です。

お互いの黒い円が重なったエリアでは、会話の内容が聞こえる

また黒い円は任意で大きくすることもできるので、オフィス内全体に広げ、社長訓示や朝礼等に利用することもできます。

◆トライアルでやってみたこと

トライアルでは、様々な機能を利用してみながら、社内周知を行いました。やはり他のサービス同様、どういう使い方をすればいいかわからないメンバーや、ログインが習慣化せず、ほとんど入室してこないメンバーなどがおり、部門ごとにデモを行いながら説明する必要があり、トライアル期間の前半はその対応で終わってしまいました。

後半では、こういった新しいサービスに適応が早いメンバーや、使い勝手の良さがわかったメンバーなどが、積極的にオフィス内で打ち合わせ等を行っていました。

弊社が申し込んだ時はちょうどキャンペーンで期間が1か月に延びていたのですが、通常の2週間では正直短いと感じました。

NOCならではの感想

実際に利用してみての感想ですが、弊社のように出社とリモートワークを併用している場合、リアルオフィスに出社している従業員がoViceを利用するのに、不便に感じることが多いことがわかりました。

例えば音声ですが、oViceの場合は常にスピーカーをオンにしておかなければログインできません。oViceのスピーカーをオンにしていても、PC自体のスピーカーをミュートにしておけば、周りに音が漏れることはありませんが、その場合、話しかけられた等の通知を見逃すと相手を無視してしまうことになります。

また実際のオフィスではoViceでの会話の際イヤホンを装着することになります。そうするとオフィスに出社している別の従業員が話しかけようとしても「イヤホンをしているからweb会議かウェビナーを聴いているのかな」と思い、躊躇してしまいます。さらにイヤホンをしている側も、丸一日イヤホンをし続けるのは耳が痛い、と言っていました。

完全リモートワークを実施している企業には最適なサービスですが、弊社のように半々で実施している企業では、課題があると感じました。

・特に良かった使い方紹介

弊社は定期的にウェビナーを実施しており、そのバックヤードでのコミュニケーションの手段として今回oViceを利用してみました。

ウェビナー中は音声による会話ができず、トラブルが発生した場合など他のコミュニケーションツールでテキスト入力し連携を取っていたのですが、文字を入力するためタイムロスもあり、即時対応ができませんでした。

表でウェビナーを動かしながら裏でoViceを利用したところ、スピーカーの切替えなど設定は必要でしたが、ウェビナーを確認しながらoViceでの会話ができ、リアルタイムにトラブルやQAにも対応できました。web会議システムを複数起動するとPCには相当な負荷がかかりますが、oViceはクラウドでの利用のためそれほどの負荷はなく、ウェビナー自体にも不具合はありませんでした。これはバックヤードでサポートしていたメンバー全員が「便利だ。次も利用したい」と高評価でした。

◆活用事例紹介

弊社のパートナー企業であるtoBeマーケティング株式会社では、7カ月前からoViceを利用しています(弊社も勧められてトライアルを利用しました)。

同社は100名弱の会社ですが、リモートワーク率が高く、従業員全員にoViceのアカウントが付与されています。

当初は弊社同様利用率が悪く、なかなか定着しなかったそうですが、マニュアルやルール(アイコンを顔写真にする、必ずログインするコアタイムを設定する等)を整備し、インフルエンサーを登用することで、oViceの活用を積極的に促しました。

今では7割近いメンバーが毎日ログインしており、社内アンケートでは7割以上が「コミュニケーションが増えた」と回答しています。

toBeマーケティングが実施したoViceに関する社内アンケート

またoVice内での打ち合わせが増えたため、会議室の予約をGoogleカレンダーで管理し、重複が起こらないようにしているそうです。時間を過ぎても会議室から出てこないメンバーには、会議室の外に並んで待機しプレッシャーを与えるといった、リアルオフィスに近い運用もでき、トラブルなく利用できているとのことでした。同社は今後のさらなる利用率向上に向け、現在も様々な施策を実施しています。

 

まとめ

バーチャルオフィスは、リモートワークの従業員同士のコミュニケーションツールとしては、web会議ツールのようにあらかじめ設定する必要がなく、気軽に利用できるという点で非常に価値のあるサービスだと思います。普段外出の多い営業担当からも非常に高評価でした。また完全リモートワークを実施している企業などは、このサービスを利用することで、リアルオフィスを解約するところも出てきているようです。新卒・中途入社の従業員フォローで悩んでいる会社にも、コミュニケーション手段の一つとして有用ではないでしょうか。

一方で、弊社のように出社とリモートワークを併用している企業では課題もあります。また利用にあたっては、一定のルールの制定が必要です。

ただ使い方次第で、単なるコミュニケーションツールとしての役割を超えた使い方もできることがわかりました。

今後こういったサービスはますます便利になってくるでしょう。いろいろ試してみながら、自分たちに合ったサービスを見つけてみてください。

 

 

ライタープロフィール

黒柴

黒柴

NOCマーケティング担当。 社会人スタートは公務員という異色の経験を持ち、保険・IT・メーカーで広報・マーケティングを担当。 未経験業界に戸惑いながらも、当たって砕けろの精神でどんな難題にも果敢にチャレンジしている。

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