MENU

2022.01.05 掲載 2024.04.01 更新

これからのIT人材は採用から育成へ?~お客様との会話のなかで~

人事部門の主要業務を4つのサービスで強力にサポート

FOC人事アウトソーシング


2021年12月、ヤフー株式会社が最先端IT人材創出のため全社員を対象に再教育を施す、というニュースが出ていました。
参照:日本経済新聞「ヤフー、全社員を最先端IT人材に 8000人を再教育

さすが大手企業はすごいなぁと思いつつ、ここ最近お客様との会話でも、ほしいIT人材がなかなか採用できないので社員を教育させる、のような話をちらほら聞ききます。
数社の情報ゆえ偶然なのかもしれません。社会全体の流れと判断してしまうとミスリードしそうですが、確かにIT人材不足情報を鑑みますと、“あり”だと思います。

IT人材の不足

本記事の前提として、IT人材の定義は経済産業省の情報に則りますと、「情報サービス業、インターネット付随サービス業(ITサービスやソフトウェア等を提供するIT企業)及び、ユーザー企業(ITを活用する一般企業)の情報システム部門等に属する人)」とします。
その経済産業省の資料によると、2030年にはIT人材が40〜80万人の不足が生じる懸念があると試算しています。

参照:経済産業省「IT人材育成の状況等について」 ※PDF

また、2021年8月にdoda(運営会社:パーソルキャリア株式会社)が発表した転職求人倍率レポートによりますと、IT系の求人倍率が9.68、営業系が1.95、事務・アシスタント系が0.24(1.0を超えると転職者よりも求人数が多くなる、つまり売り手市場になります)です。
いわゆる管理部門系の職種としても現時点で、IT人材系は事務・アシスタント系に比べて圧倒的に不足しています。
参考:doda「転職マーケットの”今”を知る! 2021年8月19日発表 転職求人倍率レポート(2021年7月)

さらに総務省で公開されている情報でも1,000社の90%以上が「IT人材が不足している」とアンケートに回答しています。
日本には個人事業主を含めた法人数は約400万法人と言われています。極端に言えば、生産性向上、コスト削減を実現するDX推進のため400万法人でIT人材を取り合うことになると言えます。
参考:総務省 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd104300.html
参考:情報処理推進機構 
https://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

このように現時点でもIT人材の確保が困難な中、求人を出し続ける、もしくは人材紹介会社に期待し続けることが、自社のIT化、DX化推進にとってベストな手段かというと、ちょっと考えてしまいますね。
 

IT人材を採用する難度と退職リスク

少々ネガティブな話をします。(煽るようですみません)
有名企業やIT系の企業ならば、募集をかけても普通に採用できるかもしれません。
IT人材側も報酬が高い企業、スキルを活かせる企業、興味のあるプロジェクトを行なっている企業を優先的に転職先として探し応募するでしょう。

逆にこのような条件に当てはまらない企業が、自社のDX化に向けた人材採用、情報システム部員の採用となると、IT人材の興味をひくためには工夫が必要となり、困難が予想されます。
また良い人材が採用できたとしても、受け入れる環境が整備されていないと、「想像していたキャリアが描けない」「従業員のトラブルシューティングばかりでやりたいことができない」などの理由で、短期間で退職してしまう可能性もあり得ます。(圧倒的な売り手市場ゆえ、IT人材にとって我慢しなくても“次”があるのです!)
特に中途採用は、即戦力が求められるため、IT人材も「自分のスキルを活かし、DX推進に貢献したい」と考えます。

一方、そうはいっても採用側の企業は「DX推進に期待しつつも、まずは従業員対応やIT機器のセットアップやトラブル対応をしてほしい」と考えがちです。
とかくIT系部門は少数精鋭になりがちなため、ヘルプデスク的な仕事もマルチで対応する場合が多く、双方に希望と実態のギャップが生まれてしまいます。

実際にお客様情報システム担当の責任者の方から、このような理由で不幸にも「IT人材が退職してしまう」なんて話も、チラホラお聞きします。
IT人材の全ての退職理由がそうだ、ということではないでしょうが、中途採用で幾度となく、短い期間で退職されてしまう苦労されている結果から、プロパー社員でITの素養がある人材(もちろん意思も尊重したうえで)を育てるほうが、IT人材を確保できるという判断をされているのかと思います。
 

将来的を見据えてか、喫緊の課題なのか

とはいえ、プロパー社員への教育という選択をしても中途採用と同じ課題はあります。
活躍できる環境や評価制度がどれだけ整備できるかです。結局のところ活躍の場がなく、やりがいがなければ、プロパー社員であっても、いずれ辞めてしまうかもしれません。

日本企業のIT化が遅れている主な理由に、
・経営者のIT価値の理解不足
・IT導入を活かす組織の未整備(年功序列による硬直化、評価制度含む)
・終身雇用
・社員スキルの高さ(アナログ、かつ人力で仕事を遂行できてしまう)
などが挙げられます。

これらをどう改善していけるか、時間はどの程度かかりそうなのか。
人材教育で時間がかかっても解決するものなのか、待っていられない事態のか。
など、様々な視点で判断する必要があります。
理想を言えば、一時的に外部リソースを活用、もしくは中途採用もチャレンジしながら、プロパー社員のITスキルの底上げでしょう。

IT化やDX化の全てを内製化することは現実的ではないため、引き続きITコンサルやシステム会社にIT化推進の依頼をする選択肢は捨ててはいけないと思います。
(そもそも社内に外部に依頼するにしても社員にIT知識がないため要件定義すらできない、ゆえに会社にIT化の稟議も通せないという、笑えない事態がままあります。)

各企業、様々な事情はあるため、いきなりIT人材の教育に舵を切るのは難しいでしょう。とはいえ、ITと言われる分野が高度な知識が必要となっており、総務担当者の兼任、パソコンやインターネットに詳しい社員になんとなくお願いしている状況のままでは、ベストなIT環境、セキュリティ環境の整備、規則の整備は困難です。

もしかしたら競合他社に比べ厳しい状況になるかもしれません。
自社で、10人で処理している業務を他社はIT化により3人で処理しているかもしれません。また自社で、6行程かかる処理を他社は2行程で処理しているかもしれません。
かける人員数や時間がコストの差になり競争力の差になるのです。

そういった意味でもIT人材確保の競争激化の昨今、ある意味“骨太なIT化”を推進するうえでも外部から採用に期待するよりもプロパー社員の育成のほうが確実である、というのは取るべき方針としては十分に“あり”だと思います。。

まとめ


本記事は、数社のお客様との会話をもとに述べていますが、実際弊社FOCでもIT人材確保に苦戦しています。中途社員も活躍していますが、新卒で入社し、一からSEを目指し活躍している者もいます。もちろん外部の開発会社にも支援してもらっています。
こういったハイブリッドな体制が整いつつあることは良いことです。なかなかアウトソーシングの会社で情報システム担当になりたい、クラウドシステムの開発やりたい、という人に巡り合えないので、プロパー社員が軸になっているのは頼もしいです。まだまだ人材不足ですが、ここまで紆余曲折5年以上はかかっています。

一方で、会社全体で見てみると、依然ITリテラシーが低い社員もいます。(IT化の流れを理解しつつも、特にクラウドシステム利用について疑問を呈する社員もいます)
あるあるですが、私たちは、とかくシステムに機能面、セキュリティ面などに完璧を求めたがります。そのためリスクばかりを気にしてIT化を進められない、なんてこともあります。
これは社内にきちんとしたIT化の旗振り役がおらず、的確なリスク分析ができないほか、アナログな作業に慣れ、現状維持が“良い”と考えている社員を説得できない状況でもあります。

しかしながら私は会社の成長を阻害する、極めて重大な問題だととらえています。
(業務系システム関連は直接売上に関係しないため特にIT化が進みづらいと言えます。ですが、関節コスト削減においてボトムラインへの影響は大きいのです)

現在、世の中でIT人材の不足が叫ばれている、ということは、他社は顕在的な問題としてとらえ、なんらかの解決手段を講じている、ということになります。
その手段のひとつがIT人材の社内教育であり、冒頭の超大手のヤフー株式会社も社員教育にシフトしようとしているわけです。確固たる意志があり行動力のある企業は社員のIT知識の底上げに投資をしていこうとしているのです。

この流れを自分たちは「今はうまくいっているから」と様子見するのか、「一部の会社のことだろう?」と考えるのか。他山の石としてどう考えるかが「今後の企業のIT化、DX化の成否を左右するのかもしれないな」と、最近のお客様との会話の中で考えた次第です。
理想と現実、実際問題もどかしい話ですが最後は覚悟ですね。

ちなみに経済産業省もIT人材の育成のため様々な取り組みを行なっています。こちらもご参考にしてください。
参考:経済産業省 https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/index.html
 
 

人事部門の主要業務を4つのサービスで強力にサポート

人事アウトソーシングサービスは、給与計算、年末調整、社会保険業務や給与明細作成、その他業務支援等、解決したい課題に合わせて業務の範囲・種類をお選びいただけるフルスコープ型のサービスです。担当者に寄り添い、人事担当者の業務削減を考えて設計しています。

サービスの特徴

  • 給与計算や人事業務などのトータルアウトソーシング
  • お客様に対し正社員を中心とした専任スタッフが担当(One-to-One)
  • ご要望に合わせたサービス導入
  • 常駐にも対応
  • 独自開発の勤怠管理・配布管理・人事管理が一体となったシステム SMART LINK
  • 万全のセキュリティ

FOCは、30年/1,000社以上のノウハウを活かし、御社のコア業務の生産性向上、バックオフィス部門のコスト削減に貢献します。

FOC人事アウトソーシングに関する

ご相談・お問い合わせはこちら

03-5275-7137(平日9:00〜17:30)

ライタープロフィール

津久井 基喜

元FOC社員。主にマーケティング担当と営業推進を担当。企業の事業を推進するうえで基盤となる管理部門の方々の価値を高めるための情報発信、提案を行いたいと日々考えている。

津久井 基喜

人事・総務・経理部門の
根本的な解決課題なら

芙蓉アウトソーシング&
コンサルティングへ

03-5275-7137(平日9:00〜17:30)

MAIL MAGAZINE

メールマガジンで
役立つ情報をお届けしています

人事・総務・経理の課題解決メールマガジンを定期的に配信しています。
お気軽にご登録ください。

SERVICE

私たちは、お客様の
問題・課題を解決するための
アウトソーシングサービスを
提供しています

30年にわたり1,000社の人事・総務・経理など管理部門に対してコスト削減、業務効率化の支援をしてきたFOCだからこそできる、ソリューションをご提供します。
アウトソーシング・BPOの枠を超え、クライアントの本質的な課題解決のために、最適なサービスを提供します。