くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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AさんとBさんの会話です。
A:「先週末、山に登ってきたよ」
B:「それは大変だったね。やっぱり相当疲れたよね」
A:「いや、疲れというより気持ち良かったよ。だって近くの○○山だし」
B:「あ、なんだ富士山じゃないんだ」
最後は二人で笑って話題終了。
Aさんは近くの頂上まで30分程度で登れる山にハイキング行ったことを伝えるつもりでした。一方、Bさんは登山が趣味で最近、富士登山を計画していた影響もあり、山=富士山と勝手に連想してしまったので「それは大変だったね」と返事をしました。
こんな他愛のない会話はよくありますが、仕事においては、笑いごとで済まないこともあります。
例えば、業務の引き継ぎを行うため、相手方に自分の行っている仕事の内容をきちんと説明したつもりでも、業務が滞ることが多く、結局「全く意図が伝わっていなかった」なんてことはないでしょうか?
何故、このようなことになるのか考えてみたいと思います。
引き継ぎがうまくいかない原因は、伝える側、受ける側双方にあります。
伝える側は、“伝えること”に集中してしまい、受ける側の理解度まで意識が至らないからです。受ける側は、立場的に受動的になるため、わからないことがあっても質問しそびれるか、実業務が始まってから不明点を聞こうと思うからです。
もう少し詳しく分解してみます。
ある程度、社会人としての経験があったり、業務についての知識があったりすると、自分の過去の経験と照らし合わせて業務を想像してしまいます。
伝える側は、業務についての慣れや知識があるため、説明のスピードが早くなりがちで、説明もはしょってしまうことがあります。
受ける側は、過去の経験や知識をもとに業務を想像するため、情報を的確に理解できないことがあります。別の言い方をすれば先入観です。
先ほどの例でいえば、「近くの山」をAさんは「山」と表現し、Bさんは「富士山」と考えてしまったのはお互いの経験が影響しているためです。
組織内では、独自のルールが存在することがあります。それは組織の文化や業務をスムーズに行うためにできたルールであったりします。
例えば、全国に支店がある企業Cが、本部で売上管理を一元化することになったとします。
各支店での売上管理は、D支店では営業マンが毎日売上伝票を上げ、支店長管理し、E支店では支店全員が共有しているエクセルに売上金額を記入し、後日まとめて原票を提出計上する管理方法を取っているようなケースです。
支店の慣習や地域性、取引企業との関係などで各支店管理しやすい方法を取っていることも多く、独自のルールが存在することはよくありますが、一元化するにあたっては、これらルールの存在を考慮しておかないと間違った認識をしてしまいます。
略語や特殊な表現があったり、その業務を行う人たちだけで通じる言葉です。
例えば、関係会社の人からメール内に「その件については後日FBしてください」と書いていたとします。FBとは今でいえば「Facebook」ですが、正解はフィードバックの略です。また、銀行あるあるで有名な「だいて」も独自の表現であり、他業種では全く通じない言葉です。ちなみに、「だいて」とは「代手」、代金取立手形のことです。
このような独自の表現を使って引き継ぎの説明をしたり、専門的な用語が資料に書いてあると受ける側には全く伝わりません。
粒度とは「つぶ」の大きさです。粒度は同じ定義で共有できるように揃えることが重要です。
例えば「契約書管理」をF部署からG部署に引き継ぐことになったとします。F部署が引き継ぎたかった「契約書管理」の主な業務は、キャビネットでの原本の保管のほか、契約切れや更新管理、各部門から要望があれば原本の出し入れをするような全体的な管理でしたが、G部署では、今でも単純にキャビネットに契約者ごとに保管し、施錠しているだけだったので、自分たちの「契約書管理」でイメージしていました。
このような状況で引き継ぎを開始してしまうと、「そこまでやるのか?」「聞いていない」のようなトラブルになるのです。
言葉や資料に「契約書管理」と書くにしても、どこまでを行うかがきちんと定義、共有されていることが重要です。
先回りとは、相手の言葉を聞く、あるいは事前に資料を見て、想像を広げ先回りして勝手に答えを出してしまうようなことです。
総務担当のHさんは、「契約書管理」の引き継ぎ相談をされ、契約書内容の確認のため法務の知識が必要なのでは、と考えてしまい断ってしまったが、後々詳しい話を聞いてみると、キャビネットからの原本の出し入れだけだった。
逆に都合のよい解釈を先回りしてしまうこともあり、後々苦労したという場合もあります。
(その他、まったく話を聞かない、というのもありますが論外ですので省略します)
これらはアウトソーシングをご検討されているお客様とのヒアリングでも起こります。プロのアウトソーサーでも、今までの経験から先回りし、勝手に答えをつくりだしたうえで話を聞いてしまうこともあるのです。結果、お客様の本当の課題を見誤ることもあります。
メーカーI社から、「管理部門のアウトソーシングを検討している」ということで訪問し、話を聞いたところ「経理業務のアウトソーシングだった」ということがあります。
(FOCでは、管理部門のアウトソーシングと経理とは別の担当になるため、お客様のご要望にきちんとお応えするには2回お手間をかけることになってしまいます)
お客様の中では、経理=管理部門と考えていたためですが、これはお互いの粒度が違い、また、一般的に管理部門=経理とはいえないため、お客様の独自の言い回しに当てはまるケースです。
どこかで認識を一致させる作業が必要で、アウトソーシング検討初期としては、業務の棚卸をすることが解決のひとつになります。この棚卸表をもとにアウトソーサーも粒度の調整や業務の具体的な内容を把握することができます。
伝える側は、受ける側の立場を考えつつ話すこと、受ける側はわからないことはその場で聞いていくこと、当たり前ですが、このことを意識するだけで引き継ぎ時のトラブルは避けることができます。
人事・総務・経理など管理部門に対してコスト削減、業務効率化の支援をしてきたFOCだからこそできる、ソリューションです。今までのアウトソーシング・BPOの枠を超え、クライアントの本質的な課題解決のためにRPA・AI・クラウドシステムなどを組合わせ、最適なサービスを提供します。
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ライタープロフィール
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宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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