話題のフィンテックとは?一般企業への影響は?

フィンテック

最近、WEBのニュースなどで「フィンテック」関連の記事を目にすることが多くなりました。日経新聞ではこのような記事が取り上げられました。

「フィンテック、SBIがファンド 横浜銀やソフトバンク出資 」
“SBIホールディングスは、金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」に関わるベンチャー企業に投資する新ファンドを立ち上げる。SBIに加え、横浜銀行やソフトバンクなど計20社が出資し、当初の規模は150億円と同種のファンドでは国内最大。”
出典:2015年12月22日 日本経済新聞 電子版

 

■ フィンテックとは?

さてこのフィンテック(FinTech)ということば、金融(Finance)と情報技術(Technology)を組み合わせた米国発の造語で、「金融と情報技術の融合によるオープンな技術革新(企業)」を指します。もともと、金融×情報技術という取り組みはあり、かつては銀行等の金融機関の基幹系を中心とした情報システムの構築のためのテクノロジーを指していた用語とされています。銀行などのATM(現金自動預払機)やインターネットバンキングに関する技術は従来型のフィンテックの代表例と言えるでしょう。

しかし、2008年のリーマン・ショックをきっかけに、また、ほぼ時期を同じくして、スマートフォンとクラウドコンピューティングの急拡大が拍車をかけたことにより、金融システム全体を情報技術によって革新していこうという動きが活発化してきました。そして2014年頃から、フィンテックを標榜するスタートアップ企業(新興企業)に、冒頭に触れたニュース記事のように、投資家やファンドから潤沢な資金が集中するようになり、メディアの注目を集めるようになりました。日本国内でも同様の動きが活発になってきたようです。

そもそも金融業というと、現物の「お金」のイメージが強いかもしれませんが、その実態はデータに基づく情報産業です。身近な例で言えばキャッシュカードでの振込などは、現金は一切動いていませんし、企業が金融機関から受ける融資の際の審査などは、まさに情報そのものです。あるいは関東圏で利用されているSuicaやPASMOなどの電子マネーも同様です。つまり金融サービスと情報技術との親和性はより高いものなのです。

 

■ フィンテックのサービス領域

このようにフィンテックは、従来の金融サービスにおいて情報技術を駆使して、より利便性を高くしていく動きと言い換えることができます。では、一般企業や消費者にどのような影響や恩恵があるのでしょうか?現在のフィンテック企業のサービス領域をみてみましょう。

・融資
従来は金融機関が審査し融資の実行の可否を判断してきました。フィンテックでは、「ソーシャルレンディング(P2Pレンディング)」と呼ばれる資金の貸し手と借り手をマッチングするというビジネスが現れています。アメリカではレンディングクラブという企業が主要なプレイヤーです。おそらく小口の融資が中心となると思われますが、借り手は従来よりも融資の手数料や金利などの資金調達コストを下げることが可能となるでしょう。

・決済
B2Cのビジネスを実店舗やインターネット通販で展開している企業にとっては安全性が、消費者にとっては利便性が高まる領域と言えるでしょう。スマートフォンやタブレット端末そのものをクレジットカードの決済端末として利用するサービスについては、グーグルが「グーグルウォレット」を、アップルは「アップルペイ」と呼ばれる機能の実装を開始しました。この分野には他にも様々なプレイヤーが登場することになるでしょう。もちろん、その背景には消費行動を“ビッグデータ”として活用した企業の意図があることは言うまでもありません。(注 アップルは顧客データを収集しないことを公言しています)

・経理処理・管理
フィンテックで先行するアメリカでは、会計ソフトや家計簿ソフトに代表される経理・資金管理分野のソフトウェアも、従来のクライアント(サーバ)型からクラウド型へのシフトが進んでいます。家計や企業のデータを可視化しやすい形式にすることにより、金融機関等との手続きややり取りの簡素化・短縮化を図ることが目的だと考えられます。

一方、個人の資産管理についてはさらに一歩進んだサービスが始まっているようです。資産の管理だけではなくその運用に関する「投資顧問サービス」を低料金で活用できるというものです。AI(人工知能)の活用によるなど運用目標を達成するための工夫がさまざまになされているようです。

これら以外にも、決済や融資を実行するためのインフラに関する技術や、あるいは不正を監視する技術など、直接・間接を問わずいろいろなサービスがフィンテック企業から提供されることとなるため、多くの一般企業にとってのメリットは期待できるといえるでしょう。

 

■ 金融機関への打撃は?

先ほどから述べている通り、フィンテックが対象とするサービス領域は、従来、金融機関が独占してきた分野です。したがって、金融サービスの売上や利益を、旧来の金融機関の企業群とフィンテック新興企業群で奪い合うという図式は容易に想像がつきます。

2014年後半には世界に名だたる金融グループ(シティ・JPモルガンなど)が先を争うようにしてフィンテック企業の買収に走ったのは一刻も早く有力なフィンテック企業を傘下に収め、“奪われてしまうパイ”を少なくするという明確な意図があってのことです。

とはいえ、世界の金融サービス業が大きな地殻変動にさらされることは間違いないでしょうし、日本においても、日本の銀行が強い規制の枠の中にいるとはいえ、その地殻変動に因る外圧の影響がないとは考えられません。今後の動きにも注目です。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」