人事考課はどう行う?評価者が行うことやコメントの例文を解説

人事考課

人事考課は人事の仕事の中でも重要な1つです。社員にとっても今まで働いてきた結果が評価されるため一大イベントです。企業の規模によっては考課や評価は人事部ではなく直属の上司そして役員が行うこともあります。しかしそのための前準備(シート作成や規定作成など)は人事部の仕事です。

今回は前準備についてではなく、人事考課の目的や自身が評価者である場合の心構えとコメントの例文などを解説します。

 

■人事考課とは

「人事考課」は、一見難しい言葉の響きに難色を示す人も多いですが、分かり易くいえば「社員の成績表」です。ある一定期間の中で、社員がどんなことを成し遂げたか、成長したか、どのような点が課題であるか、といった点を評価します。

大抵、人事考課は賞与の支給基準であったり、会社の今後を左右する人材運営、例えば人事異動や昇給、昇進などの考査の為に用いられます。

人事考課の基準や考え方は企業によって異なりますが、企業も社員も「将来」が関わってくる大切なものです。ですから、人事考課は「公正で平等」であることが求められます。
「お気に入りの社員だけ特別」などと「私見」はあってはなりませんし、私見で判断を行ってしますと、企業という組織は不透明な存在になってしまい、社会という環境で生きていくことも難しくなってしまいます。

こうなってしまっては、評価される立場も、「公正な判断でないのなら、あってもないものと同じである」と感じてしまい、業務に対する志気が下がってしまいます(ただ、現実として公正で平等な人事考課ができている企業は少ないと考えられます)。

これらの点から、「人事考課」がいかに大切なものか、評価を行う立場の人は「重大なものである」ことを認識した上で行っていく必要があります。

 

■人事考課の時期と流れ

人事考課の時期は賞与支給前や、期末であることが多いです。年に3回賞与支給がある場合、その都度行っている企業もあれば、期末だけ、年に2回だけ実施する、という企業もあります。中にはそもそも「人事考課制度がない」という中小企業もまだまだたくさん存在しています。人事考課の時期や手順については、企業の運営姿勢や状況、環境によって異なってきます。

また、人事考課の流れですが、その部門長が直接評価する方法(対象社員と面談しない)や、面談を交えて評価シートを記入する方法(自己評価と客観的評価)、所属が大勢いる部署においては「世話係(いわゆる先輩)から「主任」、「係長」、「課長」、「部長」、と段階を踏むものもあります。評価対象者(つまり、自分自身)だけの評価シートでは、客観的評価ができず、また、部署内での優劣や総合的判断もできないので、自己評価と同僚や上長評価を併せた評価を行うことが大切です。この評価をもとに、人事担当者は賞与や人事異動などを検討していきます。

 

■評価者のコメントの例文

人事考課を行った担当者は対象者に対して返事、つまりコメントを返すことが人事考課の一番大切なことになります。評価シートを記入して、何も連絡がないまま終わってしまうというのは、一方的です。それに、評価に対してプラスなコメントやマイナス(課題)の返答があれば、次の目標や課題に繋がり、それは次の将来に向かっていくモチベーションになるからです。

人事考課の記入シートには、一般的にコメント欄があり、記入して本人に戻します。(口頭で返す場合もあります。)コメントは、なぜこのような評価になったのか、を分かり易く簡潔にまとめ、プラス、マイナス(課題)点をそれぞれ記載します。

たとえば、
『今期提案のあった○○は、これまでの業務がより効率よく進むことになり、とても良いアイディアであると感じました。これからも□□さんの視点で業務を捉え、進んでアイディアを出してもらうことを楽しみにしています(期待しています)。』
具体的に実績を挙げ、今後に対する期待や文面がプラス(積極的)な終わり方でまとめると良いでしょう。

一方、自己評価より返ってきた評価が低く、課題も多く挙げられた社員に対しては、「○○が必要」、「○○を改善しなさい」、「もっと頑張れ」など一方的なコメントは避けるべきです。出来ていなかったことやダメな点だけを記述してしまうと、誰だってがっかりし、気落ちしてしまいます。これは社員の志気を下げる要因となり、志気の低下は人事考課の本来の目的ではありません。ですから、「何故この評価になったのか、今後に向けてこういったことを(一緒に)やっていこう」ということを併せて記述すると良いでしょう。

例文としては
『今期、□□さんは、○○の資料の整理をしてくれました。しかし、整理をするまでに時間がかかってしまっていたので、これをよりスムーズに進めることが出来ると非常に助かります。次回の評価ではもっと出来ることや仕事の質を上げることが出来るよう、私や先輩社員と共に励んでいきましょう。』

コメントは、難しい言葉で書く必要はありません。対象者の心に伝わり、「○○を評価してくれた。□□をこれから頑張っていこう」など、振り返りが出来るよう、客観的で分かり易い言葉で記入することが大切なことです。

 

■評価者が設定するべき目標設定の例

人事考課にはある一定期間の評価(振り返り)と、今後に向けての目標設定を併せて行うことが大切です。同時に行うことで、期間が空くことなく次の目標に向けてステップを踏むことが出来ますし、いっぺんに行えば何回も面談をすることもなく効率が良いからです。

目標設定は、対象社員の社歴や持っている能力等を考慮して設定します。新入社員と社歴5年の社員が同じ目標であるのはおかしいですし、部署内の業務活動も前進しないからです。

これらの点を踏まえながらも、部署の活動、企業活動を視野に入れて目標設定を行います。たとえば、社内全体で「利益を上げる」という課題があれば、部署ごとでどういった活動で目標達成できるか、何が貢献できるかといったことを考えれば目標設定は出来るはずです。極端で大事な目標である必要は全くありません。

また、目標はできるだけ「数値で確認できるもの」が望ましいです。定性的な目標は人によって基準が異なるので、互いが納得できる評価は難しいといえます。

 

■まとめ

人事考課は企業と社員がお互いを知ることが出来る重要な機会です。「考課」という言葉をマイナスに捉えず、「これからどんな未来をつくるのか」、「どういうキャリアを歩んでいくのか」など積極的な考え方で捉えて実施していただきたいと思います。評価をする人は大きな責任を担いますが、互いが納得できる結果になるよう身構えず、挑戦してください。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」