人事業務のアウトソーシング、メリット・デメリットは?

人事担当者

 

■人事業務のアウトソーシングとは?

「アウトソーシング」とは、業務を外部委託することで、外部の専門的な知識やノウハウを有効に活用し、自社の目的とする事業(・業務)に戦力を集中する戦略的な経営手段として用いられています。

その中でも人事業務のアウトソーシングとしては、給与計算、採用、社員研修などが主な対象になります。

企画立案を社内で行い、業務遂行のみを委託するものから、企画立案から業務遂行までをトータルで委託する場合もあります。

 

■アウトソーシングするメリット

多くの企業がアウトソーシングをしている理由はなぜでしょうか?ここではメリットを紹介していきます。

コア業務に集中できる
毎月必ず行う給与計算といった定型業務をアウトソーシングすることによって、その処理に関わっていた人材や時間をより重要な人事のコア業務に振り分けることができます。

例えば、人事制度の策定や教育研修の企画立案、面接業務などがコア業務にあたります。

ちなみに給与計算の場合、毎年変更になる法律関連への理解という専門性や1円でも間違えられないという責任など、定型業務とはいえ担当者の負担は相当大きくなります。コア業務に専念させたくともできない環境であればアウトソーシングはひとつの解決方法になります。

人事業務のクオリティが向上する
労働関連法令や社会保険制度などは、毎年のように改正されます。その内容に沿って社内規程の変更や業務フローの改定といった煩雑な業務が常に求められます。

また社員教育・研修は、アウトソーサーを介し外部のベストプラクティスを参考にすることで効果が向上することがあります。

こうした専門性の高い分野をアウトソーシングすることによって、外部のノウハウをうまく活かした業務ができます。

コストの削減になる
アウトソーシングする際に既存の業務フローを再確認することによって、無駄な業務の削減のきっかけになります。
また、人件費や給与計算などの管理システムなどを含めてアウトソーシングすることで、結果的にコスト削減につながります。

 

■アウトソーシングするデメリット

アウトソーシングすることにより様々なメリットが得られますが、必ずしも良い事ばかりではありません。
ここでは起こりうるデメリットの一例についても紹介します。

自社にノウハウが培われなくなる
専門性の高い業務を外部に任せきりにしてしまうと、委託した部分のノウハウを組織の中に蓄積する事が困難になり、自社にノウハウが培われなくなってしまいます。
これを防ぐためには、委託先に業務仕様書を作成してもらうことや、定期的なすり合わせをしておくことなどが必要となります。

考え方として、「アウトソーシングする業務=そもそも社内のリソースでやるべきではない業務」と定義することができ、“ノウハウが培われなくなる”というデメリットは実はそれほど大きな問題ではないといえます。

ただし、依頼していたアウトソーサーがサービス撤退や倒産する可能性もあるため、全くノウハウがない状況はリスクが高く、ある程度の情報は把握しておくべきでしょう。

費用がかかりすぎる場合がある
アウトソーシングをすれば必ずコストの削減ができるかというとそうではありません。
イレギュラー業務の対応やシステムの機能の修正、オプションサービスの追加などをして追加料金がかかってしまい、結果、従来よりも費用がかさんでしまうこともあります。

これをある程度防ぐためには、あらかじめどの部分をアウトソーシングするのか、またそれによって追加費用が発生してしまうようなことはないか、全体像をはっきりとさせた計画を立てることが重要です。

自社で対応した方が高い質を得られる場合もある
アウトソーシングでは、あらかじめ決められた手順に沿って業務を行うので、手順から外れたイレギュラーな業務の対応はできません。「イレギュラーや依頼範囲外の業務が原因で“手戻り”が発生し、結局自分たちで処理をし直し、導入前より時間がかかってしまった」という事態もおこりえます。

就業規則やシステム導入の環境などにより状況は変わりますが、100名以下の給与計算業務は自社で対応したほうが良い場合があります。それでもアウトソーシングを導入する場合は、なるべくイレギュラーな事態が発生しないような環境を構築しましょう。

個人情報の取り扱いに不安がある
アウトソーシングはその特性上、個人情報などの重要な社内データを受け持つことになります。そのため、しっかりとした設備を整えているアウトソーサーを選ぶことが大事になります。料金の安さだけで決して選ばないように、検討しているアウトソーサーの施設見学や保有認証資格の確認は面倒がらずに行いましょう。

ちなみに、「外部に個人情報を預ける=個人情報漏えいのリスクが高い」というのは一概に言えません。実は個人情報の漏えいのトップは社内で発生することが多いのです。
参考までに以下サイトをご紹介します。是非こちらも参照してみてください。

参考:NPO日本ネットワークセキュリティ協会Webサイト
   2015年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書

 

■人事業務アウトソーシングの導入事例

実際に人事業務のアウトソーシング例を、当社の導入事例でご紹介します。

事例1:投資信託会社U様

投資信託会社U様では、勤怠管理をエクセルで集計しており、ミスが多く残業量も問題視されていました。
そこで勤怠管理システムの導入、給与明細配布システムの導入、その他ノンコア業務の委託などをアウトソーシングし、結果、担当者の負担減、ミスのない業務運用が実現できました。

詳しくはこちら
投資信託会社 U社様
ミスが多発していた給与計算の委託会社変更し、コア業務に専念

事例2:大手コンビニエンスストア様

大手コンビニエンスストア様では、事業拡大のため、フランチャイズ店舗への経営コンサルティングができる人材採用を実施するにあたり、採用担当者自身が全国の拠点を巡りつつ面接をしているため、エージェント管理や応募者管理などがおろそかになる可能性がありました。
NOC採用事務局で応募、面接進行、システム運用を一括管理し、応募から選考、結果までの時間を大幅に短縮することに成功し、さらに面接の効率化、採用担当者が面接へ集中することができました。

詳しくはこちら
大手コンビニエンスストア様
業容拡大に伴い、キャリア採用を積極的に行うことになった大手コンビニエンスストア様の事例

 

■まとめ

人事業務のアウトソーシングとしては、給与計算、採用、社員研修などを外部のアウトソーサーに委託することが多く、業務遂行のみを委託するものから、企画立案から業務遂行までをトータルで委託する場合もあります。

人事業務は対象範囲がある程度はっきりしているため、比較的切り出しやすいといえます。例えば給与計算は、「給与明細」というどこの企業でも同じようなアウトプットになるため、あとはそのプロセスをアウトソーシングするか否かを判断すればよいのです。
アウトソーシングすることによってコア業務にリソースを割けることやコストの削減など、メリットはかなりあります。

一方、計画をしっかり立て、どこまでの業務を対象とするのか明確にしておかないと逆に費用がかさむことになったり自社にノウハウの蓄積がされなくなったりするといったデメリットも起こる可能性があります。
いくら切り出しやすいからといっても、上の給与計算の例でいえば、複雑な処理であったり、月末締め翌月5日払いのような短納期であると手戻り、コスト高などのデメリットが出てくることがあります。アウトソーサーにも得手不得手がある点も念頭に入れて検討することも重要です。

以上のように、すぐにアウトソーシングを導入して、「コストを下げたい」「楽したい」と考えてしまうのではなく、十分に検討し、適切な手順を踏んで進めていきましょう。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」