償却資産とは?償却資産税の計算方法から申告時期まで詳しく解説

「償却資産税」という言葉を聞いたことがありますか?償却資産税とは固定資産税の一種です。固定資産税は土地や家屋だけではなく、機械や備品など、いわゆる償却資産にも課されます。

 

■償却資産と償却資産税

償却資産税とは固定資産税のうち、償却資産に課せられる税金です。毎年1月1日に所有している償却資産について、個人、法人を問わず申告しなければなりません。
課税対象となる償却資産とは、事業用の固定資産で、法人税法や所得税法で減価償却費が損金算入されるものです。(ちなみに土地や家屋、自動車車両などは課税対象になりません)

 

■申告の対象となるもの

それでは、具体的に課税・申告の対象になるものを見ていきましょう。
注意しなければならないのは、現在使用していない機材などについても対象となることです。(10万円超30万円以下の償却資産で全額を一括損金算入したものを含みます)

構築物
路面舗装、門、弊、看板等

機械及び装置
各種製造設備、機械式駐車設備等

船舶
ボート、釣船、漁船、遊覧船等

航空機
飛行機、ヘリコプター、グライダー等

車両及び運搬具
大型特殊自動車等(自動車税、軽自動車税の対象となる車両は対象外)

工具・器具及び備品
パソコン、理美容機器等

 

■申告の対象にならないもの

逆に、以下のような資産は課税・申告の対象から除かれますので、注意が必要です。

・自動車税、軽自動車税の課税対象となるべきもの
・ 無形固定資産 (例:アプリケーションソフトウェア、特許権、実用新案権等)
・ 繰延資産
・ 平成10年4月1日以降開始の事業年度に取得した償却資産で、耐用年数が1年未満又は取得価額が10万円未満の償却資産について、税務会計上固定資産として計上しないもの(一時に損金算入しているもの)
・ 取得価額が20万円未満の償却資産を、税務会計上3年間で一括償却しているもの
・ 平成20年4月1日以降に締結されたリース契約のうち、所有権移転外リース及び所有権移転リース資産で取得価額が20万円未満のもの

また、償却資産税は、法人税や所得税とは異なり、納付先の市区町村が申告書を基に税額を計算する賦課決定方式が採用されていますので、申告時に税額計算を行う必要はありません。
とはいえ、予め納税額を推計したいという方がほとんどではないでしょうか。納税額の計算方法は以下をご参照ください。

 

■申告の流れ

申告書の提出先は、法人事業税や事業所税と異なる場合があるため注意が必要です。例えば東京都23区では償却資産が存在する区にある都税事務所に申告します。
申告書は、賦課期日である1月1日に所有している償却資産について、その年の1月31日までに提出します。

申告から課税までのおおまかな流れは、以下の通りです。

①申告書の提出
1月31日(1月31日が休日の場合はその翌日)までに、申告書を提出します。(東京都23区であれば都税事務所宛)

②価格等の決定及び課税台帳への登録
申告および調査に基づき、償却資産の価格等が決定されます。価格等が決定された償却資産は、「償却資産課税台帳」という償却資産の状況や評価を明らかにするための台帳に登録されます。

③課税台帳に登録した旨の公示
償却資産が償却資産課税台帳に登録されたら、その旨が公示されます。

④課税台帳の閲覧
課税台帳に登録した旨が公示されると、所有者等、固定資産税の課税に直接関係を有する人は、都税事務所において、課税台帳に登録された価格等を閲覧することができるようになります。

⑤審査の申出
課税台帳を閲覧し、価格に不服がある場合には、審査の申出をすることができます。

⑥税額の算出および納税通知書の交付
毎年6月上旬になると納税通知書が交付されます。ただし、価格等を算出した結果、課税標準額が150万円未満の場合は課税されませんので、納税通知書も交付されません。

⑦審査請求
課税内容に不服がある場合には、審査請求をすることができます。

⑧納期
通常4回の納期があります。東京都23区の場合、第1期:6月、第2期:9月、第3期:12月、第4期:翌年2月が納期となります。年によって、曜日の関係で前後しますので、ご注意ください。

(出典:東京都主税局Webサイト 固定資産税(償却資産) 償却資産の申告から課税までのながれ

 

■計算方法

税額の計算方法は、以下の通りです。

償却資産税(100円未満切り捨て) = 課税標準額(1,000円未満切り捨て) × 税率

なお、税率は1.4%の市区町村が多いですが、一部1.5%などの税率を用いる市区町村もありますので注意ください。

税額を算出するには課税標準額をどのように算定するのかが重要ですので、その算定方法を見ていきましょう。
課税標準額は、減価償却の考え方に基づき、以下のように求めます。

① 償却資産の取得価額に減価率を乗じて、評価額を算定する

初年度…評価額 = 取得価額 × (1-減価率×1/2)
2年目以降…評価額 = 前年度評価額 × (1-減価率)

② 各資産の評価額を、資産が所在する区ごとに合算した額である決定価格を算出する

決定価格の1,000円未満を切り捨て、課税標準額を求める

注意が必要なのは、①の償却資産の評価額の算定です。減価償却の定率法により算出しますが、初年度については、取得時期に関わらず、減価率に1/2を乗じます。つまり、ちょうど半年経過時に当該資産を取得したと見做すということです。

 

■申告漏れがあった場合は?

申告漏れがあったことに気付いた場合は、過去5年以内のものであれば申告が可能です。逆に言えば、当局に申告漏れを指摘された場合、過去5年遡って、納税を求められるということです。

 

■困った場合には外部の信頼できる委託先を探そう

ここまで償却資産税の計算方法を見てきましたがいかがでしたでしょうか。
各々の資産のその年度における評価額が課税標準額となる点がポイントです。また、経理・税務などの専任担当がいないときやリソースが足りない場合は、クラウドサービスを利用したり、専門家にアウトソーシングしたりするのも効率的な方法です。ご検討ください。

なお、各市町村によっては税率や細かいルールが異なる場合がありますので、興味のある方は対象市町村のウェブサイトを確認してみてください。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」