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2020.08.13 掲載 2024.04.02 更新

BPOとは?アウトソーシングとの違い・業務内容・導入のメリットを解説

「社内のリソース不足で重要事業に集中できない」「業務プロセスを見直して生産性を上げたい」といった悩みを抱えている企業は少なくありません。それらの悩みを解決するひとつの方法として、BPOの導入があります。

ここでは、BPOをよく知らない方でも具体的にイメージできるように、BPOとは何か、アウトソーシングとの違い、メリットとデメリットを解説します。

BPOとは?

BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは、企業の業務プロセスを一括して外部の企業に委託する経営戦略のことを言い、欧米企業を中心に積極的に活用されています。

もともとBPOの対象となる業務は、総務・経理・人事などの間接業務が中心でしたが、現在では営業やマーケティング領域など、その業務領域は拡大しています。

BPOを導入することで、間接業務一連のプロセスを外部企業に任せることができるため、結果自社の重要事業に注力でき、他社にはない核となる能力や競合優位性を獲得するコア・コンピタンス経営の確立に役立ちます。

また、BPO会社は業務のプロであるため、専門領域のノウハウの蓄積や高いスキルを持つ人材を抱えています。

自社で一から人材を育成するにはコストがかかるうえ、退職や異動によって業務を継続できないリスクが常に発生しますが、BPOを利用することで、初めから専門領域に強い人材が、効率的かつ安定的に業務を代行してくれるため、低コストに業務の生産性を上げることができます。
さらに自社にない業務ノウハウを取り入れられる点もBPOの魅力です。

アウトソーシングや業務委託との違いとは?

アウトソーシングは、仕事を担う人やサービスを契約によって外部から調達もしくは業務を代行してもらうことで、企業経営を強化する手法です。

これにより、企業は業務の効率化や組織の再構築を通じて、自体が他社との競争に勝つための企業間競争力を強化します。

その対象は、総務・人事・経理・情報システム開発や運用、コールセンター、製造ラインなど幅広く、関節業務から単純作業までが範囲となります。

一方BPOは、部分的な業務の委託ではなくビジネスプロセスごと外部に移管することで、単純なオペレーションのみならず経営レベルでの改革を行うための経営戦略のひとつであるのが特徴です。

業務委託は、アウトソーシングと同じ意味で使われます。

一般的にビジネスシーンで使われるBPO、アウトソーシング、業務委託、代行などの言葉は、明確な使い分けがされているわけではありませんが、企業として経営的な意思決定が必要な順でいうと、BPO、アウトソーシング(業務委託)、代行となります。

BPO導入に向いている業務内容

BPOの対象となる業務にはどのようなものがあるのでしょうか。BPOは企業のノンコア業務や、運用ノウハウのない業務を専門業者に委託するサービスであり、元々は総務、経理、人事といった作業が中心でした。

現在ではBPOサービス業者も増加し、対応できる業務の幅も広がっています。対応業務の例は、総務、人事、経理、バックオフィス(営業事務)、コールセンター、人材採用、人材育成、マーケティングなどが挙げられます。

経理業務

経理はBPO会社のセンターで対応することが多く、支払業務、買掛金管理、経費精算、請求書発行、売掛金管理などの一連のプロセスがBPOの対象業務になります。
(経理全体の判断業務や意思決定を除く一括のケースもあれば、買掛金管理のプロセスといったレベルのケースもあります)

以前は中国など近隣の国で毎月大量の支払や請求処理を行うオフショア型が注目されていましたが、現在は国内でも対応できるBPO会社が増えてきています。

営業業務

アポイント獲得だけではなく、営業業務もBPO導入が可能です。営業プロセスの設計、営業先選定、アポ取り、商談、顧客管理などを一括で対応してくれます。
主に研究開発やエンジニアが多く営業行為が得意ではない企業が導入していることがあります。

コールセンター業務

コールセンターのイメージは、テレアポ、お客様相談窓口などが一般的ですが、BPOの場合、上記業務のほか、顧客管理(データクレンジング)、資料送付、資料送付後の後追い電話(インサイドセールス)などコールに関連する一連のプロセスも対応します。 

BPO導入する4つのメリット

BPOは部分的なアウトソースではなく、企業のビジネスプロセスごと委託する経営戦略です。企業を成長させるには重要度の高いコア業務に注力することが求められます。しかし、現実には事業を行うにはコア業務以外の間接業務が多く発生し、それを避けることはできません。

BPO会社は、特定の業務領域に対し、専門的なノウハウや業務に適したプロフェッショナル人材を抱えています。そのため、ビジネスプロセスそのものを専門業者に任せることで事業構造のスリム化や、業務効率の向上が期待できます。

BPOサービスのメリットは以下の通りです。

リソースをコア業務に集中させられる

BPOサービスを利用することで得られるメリットのひとつが、社員をコア業務に集中させることができ、企業収益の向上に繋がる点です。

自社には様々な部門と業務が存在していますが、その中には自社で行う必要が低い定型業務があります。こうした業務は必要ではあるものの、企業収益に直接繋がらないため、BPOとして外部委託します。

このBPOによって、コア業務に集中させる人材・活動資金を投入することができ、自社のコア事業の独自性・優位性を強化することが可能になります。これらが強化され、市場でのシェアを拡大することができたり、新しい付加価値を付けた商品の投入により企業収益の向上が可能になります。

専門業者のスキルを活用できる

BPO導入を検討する企業が、コア業務へのリソース集中に続いて期待するのが専門業者のスキル活用です。

BPOサービス業者は受託業務に関して専門的なノウハウや、その分野のスペシャリストを抱えているので、特定業務の高いスキルや自社にないリソースの獲得が期待できます。

専門業者に委託するメリットは単に高いスキルの獲得だけではありません。例えば税務や会計といった分野は頻繁に法律や規制が変わり、年々複雑化しています。こういった専門的な情報を常にキャッチアップし、対応し続けることは容易なことではありません。そこでBPOサービスを利用し、精通した専門家に業務を依頼すれば法律や規制に対応できないといった心配から解放されます。

ビジネスプロセスを丸ごと専門業者に委託することによって、任せた業務に関して心配する必要がなくなり、結果として自社の主力業務に注力できるのは大きなメリットです。

・コストを削減できる

BPOを導入することによって人件費の削減といったコスト削減が期待できます。

企業の業務内容は大きく以下の3つに分類できます。

• 入力業務など比較的簡単な高いスキルを必要としない作業
• ある程度専門性が必要で一定量の知識が求められる作業
• 高度な判断や高い専門性が求められる作業

もちろん、全てに対応できるハイスペックな人材を揃えられれば業務上の問題はありませんが、ハイスペックな人材は人件費も高くなりがちです。

そういった状況に対応するため、通常の場合、企業はスキルが低いけれど人件費が安い人材や、ある程度専門的な仕事にも対応できるけれど人件費が高めの人材などを組み合わせて社内の業務を行い、高度で専門的な仕事は、その都度外部のスペシャリストに依頼するなどの方法で工夫しているかと思います。

しかし、企業の業務量は常に一定ではなく、繁忙期と閑散期が存在します。繁忙期に合わせて人材を揃えると閑散期に人が余って無駄なコストがかかる結果になりかねません。

BPOサービス業者であれば、全てに対応できる人材が揃っているだけでなく、他の企業からも業務を受託しているので、業務に必要な人員だけを必要なタイミングに割り当てることができ、全体のコストを一定水準に保つことが可能です。

本来固定費である人件費を、外部委託費として変動費化(必要に合わせて調整)できることはBPO導入の強みのひとつです。

業務を効率化できる

業務の非効率を改善するためにBPOを導入したいと考える企業も少なくありません。それだけ業務の非効率性に悩んでいる企業が多いことがわかります。

日常の業務を思い返してみると該当する部分があるのではないでしょうか。例えば「部門間の連携が悪く、似たような作業を重複して行っている」「昔からある書式を慣例的に使用しているが、似たような書類が多くあり無駄な書類作成を行っている」といったケースです。慣例的に行っている業務は何のために決めたのかわからないルールによって複雑化していることが多く、無駄なコストがかかってしまいます。

そういった業務状況はBPOを導入することで改善可能です。BPO導入時にはボトルネックの分析やマニュアルの整備、書式や処理方法の統一、ITシステムの導入などといった業務プロセスの改善を行います。

もちろん自社で業務改善を行うことも不可能ではありませんが、社内のしがらみによって改革を進めることが難しい場合もあります。BPOサービス業者は第三者の立場から戦略を立てられるため、しがらみにとらわれない改革が期待できます。

BPO導入する2つ+αのデメリット

BPOは残念ながら魔法の杖ではありません。メリットもあればデメリットもあります。

柔軟性な対応ができない場合がある

BPOはプロセス全体を自社から切り出すため、効率的に業務を行うためにも事前の準備や設定に時間がかかります。業務手順や自社とBPO会社とのどんな情報をやり取りするか、頻度や納期のルールなど、しっかり決める必要があります。

そのため急に依頼したい業務がある、組織が変わったため一週間後から手順を変えたい、一部業務を自社に戻したいなどの対応が柔軟にできないがあります。

自社にノウハウが蓄積されない

BPO会社に依頼した業務プロセスにおいて社内にノウハウが蓄積されないため、BPO会社を解約した場合、だれも対応できないという事態になります。

マニュアルや仕様書があっても実際にできることは違います。対応する人材やノウハウがなければ最悪業務が滞ってしまうこともあります。

その他

その他、セキュリティにリスクがある、想定よりも無駄な費用がかかる、などのデメリットもあります。

セキュリティについては、物理的にBPO会社という外部に情報が出ていくため、情報漏洩はリスクになります。しかしながらテレワークが進んだ今では、大きなデメリットではなくなってきており、BPO会社の設備や管理方法を評価できれば大きな問題ではなくなってきています。
(情報漏洩はインフラ的な原因ではなくヒューマンエラーが圧倒的に多いため自社内であっても同じレベルのリスクです)

また無駄な費用とは、最初の設計であれもこれもと依頼した結果、起こるデメリットです。費用のわりに効果が出ていない場合はイレギュラー対応や必要のない業務の委託が依頼業務に含まれている場合もあり、定期的に見直すことでデメリット感は低減することが可能です。

BPOを導入する時の注意点

BPO導入の効果を最大限に高めるためには、BPOサービス業者と委託側の企業双方の協力が不可欠です。

たしかに、BPOサービス業者は特定領域のスキルやノウハウを持ち、多くの導入実績があるため、業務効率の改善や事業の推進といった効果が期待できます。

しかし、その効果を最大限発揮するためには委託側の企業が体制を整えておくことが必要です。例えば、BPOを導入する目的を明確にすることはまず行っておく必要があります。

また、社内の課題点を洗い出しておくことも重要です。BPO会社も導入時にヒアリングや事業構造の分析などを行いますが、あいまいなまま丸投げにするのではなく、社内で事前に準備しておくことにより導入がスムーズに進み、より高い効果が期待できます。

さらに、BPOを導入して終わりにせず、常に改善の余地を探していくことも大切です。
BPOの効果を高めるコツとしては、以下のようなものが挙げられます。

• BPOを導入する目的を明確にする
• 社内の問題を洗い出す
• BPO会社に開示する情報を明確にする
• 自社業務の内、本当に外部に任せても問題がない業務を選定する
• BPO会社としっかりコミュニケーションを取る
• コストの削減のみを目的としない

対応業務の範囲や専門性はBPO事業者によって全く異なります。どの事業者を選ぶかによって任せる業務プロセスの出来不出来に大きな影響が出るため、事業者選びは慎重に行わなければいけません。

例えば導入コストは単に安ければいいというものではなく、業務品質や業務量、対応可能な範囲など、総合的に比較したうえで判断する必要があります。担当領域が曖昧な業務やイレギュラーの仕事などにどの程度対応できるのかも合わせて検討することが大切です。

他にも忘れてはいけないのが、情報漏洩などセキュリティに対しての意識の高さです。コンプライアンスの順守が重要視される現代では、情報漏洩ひとつが致命的なダメージにつながりかねません。

BPO導入に至るまでの対応の速さも重要なチェックポイントです。事業者によってサービス導入に至るまでの対応の速さは違います。すでに業務が滞っている状況にある場合には、早急な課題解決のためにも導入に至るまでのスピードが重要です。

BPO導入成功事例2社を紹介

弊社芙蓉アウトソーシング&コンサルティングでの事例を2社紹介します。

給与計算BPO 全日空商事株式会社様

会社の人事制度の見直しに伴い、関連業務の再検証を行ったところ、定期的な処理業務に時間がとられていることにわかり、いかに社員を企画・立案・調整というコア業務に集中させるかが課題になっていました。

そこでFOCとともに社内で行うべき業務とアウトソーシングできる業務の整理し、アウトソーシングできる業務移管のための体制構築を行いました。

就業規則に沿ったクラウド型勤怠管理システムの導入、給与計算BPOを導入し、これまでの業務対応人数を1/3に縮小することができ、業務担当者を別のコア業務にシフトさせることに成功しました。

また、担当者交代時の引継ぎの短縮化(専門知識がなくても精度の高い人事業務を継続できる)を実現しました。

総務BPO 外資系コンサルティング会社

急激な社員増加にともない、複数拠点のオフィス増加、さらに管理部門の役割の変化があり、対応できる人員不足が課題になっていました。

総務庶務、メール室、施設管理、ドキュメントセンター運営など、FOCの総務BPOを導入することで、定型業務を集約し、一次対応を「カウンター対応」にする事により人員削減を図りつつ社員はコア業務に集中できるようになりました。

また、FOC内でチームを組成し、複数拠点の総務業務の情報連携が一元化することができ日々の問題や課題を早期発見・解決、業務効率化のPDCAを高速化することができました。

さらに会社の方針や業務拡大に伴い、会社・従業員のニーズを反映しつつ、拠点ごとのローカルルールを廃し、統一した環境構築しました。

結果、全国従業員への利便性の向上、品質の均一化を図ることができました。

まとめ BPO導入でコア事業推進を

BPOを導入することにより、事業を成長させるうえで重要な専門知識とリソースを自社に取り入れることが可能です。BPOの導入は重要事業への集中、コストの削減、業務の効率化など、企業のコア事業を推進させるための大きな力となります。BPOサービス事業者によって専門領域や対応事業規模は異なるため選定には慎重を期す必要はありますが、コアビジネスにリソースを集中させるためにも導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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ライタープロフィール

くもと編集

マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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