RPAの費用対効果はどうやって測定?定量的効果と定性的効果も解説

RPAの費用対効果はどのように測定すれば良いのでしょうか。RPAを導入するに当たってかかるコストと効果を把握し、自社のRPAの運用がうまくいっているのかどうかを把握しましょう。RPAにおける定量・定性効果の項目についても解説します。

 

RPAの費用対効果は?

 

rpa 費用対効果


RPAを導入する上で、ツールの選定や運用の改善を行うために費用対効果を計測することは重要です。RPAの費用対効果は、どのように算出すれば良いのでしょうか。

RPAの普及状況や費用対効果を計算する方法を解説しますので、自社のRPAが的確に運用できているかの指針としましょう。

 

RPAの普及状況

国内でのRPAの普及状況について見ていきましょう。ITリサーチ会社「MM総研」の調査結果によれば、2019年11月時点でRPAを導入している企業は全体の38%、そのうち年商1,000億円を超える大企業の普及率は51%にもなっています。

RPAの今後の利用方針についても、「利用に前向き」と回答している企業が8割を超えており、今後RPAの普及率はますます向上することが予想されています。

 

RPAの費用対効果を計算する方法

費用対効果とは「投資に対してどのぐらいの見返りがあるのか」を表すものです。そのためまずは「RPAの導入・運用にかかっている費用」と「RPAによってもたらされる削減できる費用や収益などの効果」を求める必要があります。

RPAの導入・運用にかかる費用は、導入にかかった初期費用やライセンス費、RPA担当者の人件費などです。

一方、RPA導入による効果とは、削減できる人件費や、コア業務に注力できるようになったことで得られる収益増加などがあります。これらの効果については、定性的効果と定量的効果があり、一概に数値では算出できない面もあります。

定性的効果と定量的効果について、次で詳しく説明します。

 

定量的効果とは?

 

rpa 費用対効果

定量的とは「数値化して表せる状態、状況」のことです。

例えば「人件費が10%削減できた」などといった具体的に数値にできるものは、定量的効果と言えるでしょう。定量的効果は、誰の目から見ても情報が分かりやすく、明確に共有することができます。

RPAにおける定量的効果とは、どのような項目について指すのでしょうか。

 

RPAの定量的効果について

RPAとは「人間が行っていた定型業務を、ロボットが自動で行うこと」です。そのため定量的効果としてもっとも大きな指標は「削減できた人件費」になります。

年間を通して人件費がどの程度削減できたかは、以下のような計算式で求めることが可能です。

削減できた人件費=1件の処理にかかる時間×1年で処理できた件数×担当者の時給

費用対効果を測るには、現在の同じ業務量に対してどれだけのコストがかかっているのかも算出し、RPA導入後の同様の業務でかかった費用を比較することです。

削減できた人件費から、RPAを導入するためのライセンス料や保守・運用にかかる担当者の費用、外部委託の費用を引くことで、費用対効果を求めることができます。

 

その他のコスト削減

単純な人件費の比較のみでなく、その他にも定量的に評価できる効果がいくつもありあます。

例えば、「時間削減」です。ロボットが作業を行うことで、業務スピードの向上や効率化も見込めます。1つの業務にかかっていた時間をどの程度短縮できたかを具体的に算出することも、定性的効果の指標と言えるでしょう。

他には「外部委託費の削減」「導入コスト」など、成功か失敗かが数値として具体的に可視化できるのが定量的効果の特徴です。

 

定性的効果とは?

 

rpa 費用対効果

「定性的」とは、定量的とは真逆で、数値で表すことのできないものに対する考え方のことです。バックエンドの作業や新入社員の勤務態度やスキルなど、数値では表しにくいものを評価するのに使われます。

RPAを導入することによって、どのような定性的効果を推し量ることができるのかを解説します。

 

RPAの定性的効果について

RPAを導入することで現れる定性的な評価で大きなものは「ミスの削減」です。

RPAはロボットが自動で業務を行うため、人間が行う際に発生する入力・編集ミスや連絡ミスといったことが起こりません。ミスの数や割合自体は定量的効果と言えますが、そこから派生する「顧客の信頼度向上」や「会社の信用」といった効果は定性的効果と言えます。

また、ミスによる損害の発生や機会損失もなくなるとともに、作業熟練度による差も生まれにくいので一定の品質を確保できるというのも、効果として見込めるでしょう。

その他にもさまざまな定性的効果が見込めますので、それは次に紹介します。

 

社員のストレス軽減

RPAによる自動化の対象となる業務は、データのコピー&ペーストやマウスによるクリック、細かい数字の確認作業などの膨大な定型業務です。

終わりの見えない細かく膨大な業務はミスも許されないので、業務に取り組むことを苦痛に感じたり、長時間同じ姿勢を保つことによる肉体的な負担が、肩こりや腰痛となって現れることもあります。

RPAでこうした業務を自動化することによって、社員の心身的な負担を大幅に減らせることに期待が持てるのです。

その他にも、業務上のミスや人事異動、注意などの伝えにくいことをRPAによって代行してもらうことで、社員のコミュニケーションにかかるストレスを減らすことにもつながります。

「社員のストレスを減少させることで、社内の労働環境を改善する」という定性的な目標に、RPAは大きく貢献できる可能性を秘めています。

 

セキュリティ対策の向上

「セキュリティの向上」に課題を置いている企業も多いのではないでしょうか。人が行う業務の場合、意図的であってもそうでなくても、情報漏洩のリスクは存在します。

RPAの場合、初期設定やセキュリティ対策をしっかりと施しているツールを活用することで、セキュリティ上の漏洩リスクを、ある程度防止することにもつながります。

 

人材不足問題の解消

RPAで業務を自動化することで、これまでその業務に費やしていた人材や時間を他に振り分けることが可能になります。人手不足の部門・部署に空いた人材リソースを回し、人材不足の問題を解消することにも役立ちます。

またRPAは24時間休日なしで働くこともできます。離職や移動の心配もありません。人の場合は移動や離職によって人材不足や熟練度の高い社員がいなくなることが危惧されますが、こうした不安をRPAで解消することができます。

人材不足の問題解消や採用コストの削減といった定性的効果に、RPAは大きく貢献できる可能性があります。

 

RPA導入にかかるコストはどれくらい?

 

rpa 費用対効果

費用対効果を算出するためにも、RPAを導入することによってどの程度のコストがかかるのかも、把握しておきましょう。

初期費用が月額、保守・運用にかかる費用を紹介します。

 

初期費用(導入時にかかる費用)

一口にRPAといっても、スモールスタートに最適な小規模なものや、1,000人以上で働く大企業向けのものなどさまざまです。初期の導入コストは、無料から1,000万円以上と、広い価格帯が存在します。

内訳としては、ソフトのライセンス料やサーバー代、パソコンなどの機材代や、外注を入れるならコンサル料などがかかります。

クラウド型であれば、サーバー代がかからないので初期費用を比較的抑えることも可能です。ライセンス型かクラウド型か、デスクトップ型かサーバー型かといったタイプの選択も、初期費用に関わる要素となります。

 

月額費用

買い切り型ではなく、月々に利用料を払う場合もあります。クラウド型のサービスが主ですが、1アカウントにつきいくら、という利用料金が発生します。

料金はソフトによって違います。デスクトップ型でPC1台ずつ利用料を払う場合は、数千円程度から、数万円かかるものもありますし、サーバー型の場合は1アカウントにつき数万円から数十万円かかるものもあります。

長期利用しても月額費用が負担にならないかは、導入前に検討しなければなりません。

 

サポート費用

導入にあたっては、サポート費用も検討する必要があります。

導入前にはRPAのシナリオ(人間によって設定されたルール)作成や担当者のトレーニング、ガイドラインやマニュアル作成など、導入後にはシナリオの保守やRPAの仕様変更に伴うシナリオの修正作業など、さまざまなサポートを受けることもあるでしょう。

有償サポートは項目数や内容によって費用が変わってきますが、自社にRPAツールを運用するノウハウがない場合は、多額の費用が発生する可能性があります。

有償サポートは、導入後もコンサルティング業務やトラブルの解消などのために長期的に行ってもらう可能性があるでしょう。費用対効果を算出するためには、有償サポートの見積もりも必要になってきます。

 

保守費用

RPAを運用していく上では、業務内容や社内環境によって、自動化している業務内容は変化しますし、RPAのソフト自体のアップデートによっても、内容やシナリオを調整する必要が出てくるでしょう。エラーへの対処も必要になります。

RPAが自動で動き続けられるように、保守する費用も導入時に考えておきましょう。保守業務は、通常業務と並行で行うことが難しかったり、専門部署を立ち上げて対応することが予算的に難しかったりすることも考えられます。

そうした場合、外部企業に保守を委託することになります。外部企業の選定や、内部で行うのかどうかも費用対効果向上のためによく検討しましょう。

 

まとめ

RPAの費用対効果を算出するためには、定性的・定量的の両方の項目から効果を検証すると同時に、導入・運用にかかる費用を算出して、双方の関係性から考える必要があります。

定量的な数値だけでなく、社員のストレスやセキュリティリスクなど、定性的な要素にも注目して、総合的に判断をしましょう。

費用対効果を向上させるには、導入費を抑えることもポイントです。自社にマッチングしたツールと適切なサポート、場合によっては保守などを外部に委託することで費用や人件費を抑え、費用対効果を高めることができます。

 

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」