くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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「RPAの導入を検討しているが、どうやって効果測定をするのか知りたい」と思っていませんか?本記事ではRPAの効果測定に加えて、投資対効果や費用対効果の算出方法を説明します。RPAの導入効果の確認方法について知りたい方は必見です。
RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボットを使った業務自動化を指す言葉で、「デジタルレイバー(Digital Labor)」あるいは「仮想知的労働者」と表現されることもあります。
企業が日常的に行っている定型業務や繰り返し作業を自動化することをいい、2000年代の初めからRPAの概念が登場しはじめ、16年ごろから日本でも本格的に注目されるようになりました。
元々コンピューターの機械学習や自然言語処理の発展にともなって考えられるようになった取り組みですが、AI(人工知能)の進化と相まって、近年はRPAとAI技術を統合することで、より複雑な業務の自動化を目指しています。
注目を集めるRPAの特徴
RPAは主に企業の定型業務やルーティン作業を自動化することで、生産効率を上げることを目的に導入されます。
人が担っていた業務をロボットが代替するため、24時間体制でミスのない業務遂行が可能になるので、人手不足の解消に活用する企業も増えているようです。
さらに、高度な自律的AIを組み込むことで大量のデータ解析や画像処理ができるのに加え、売り上げデータや市場のトレンドを計算に入れた意思決定の自動化も可能なロボットも登場し始めています。
RPAの導入にあたっては、企業が導入済みのシステムやアプリーケーションを変更する必要がなく、設定にそれほど知識やスキルが求められないのも特徴です。
では、企業がRPAを導入した場合の効果測定方法について解説します。大きく分けて定量的効果測定と定性的効果測定の2種類があり、前者は数値的に測定が可能ですが、後者は導入効果の判断に工夫が必要です。それぞれ解説していきます。
RPAの定量的効果とは?
RPAの定量的効果とは、企業の業務遂行に必要な時間的コストや人件費、外部委託費などがRPAの導入によってどの程度削減できたかを測る指標です。これらの項目はいずれも数値化しやすいため、導入の成否が判断しやすい特徴があります。
ここでは時間的コストと人件費の2つの指標について、簡単な例を用いて具体的な測定方法を紹介します。
◆業務を自動化して時間を削減
特定の業務遂行に関する時間を計測してRPAの導入効果を知るには、単純に自動化した一連の作業を人間が行った場合と、RPAで自動化させた場合に要した時間を比較すれば、時間的コストの削減効果が分かります。
例えばデスクトップ上で一連の作業を行うのに、人間であれば毎日60分かかっていたところを、RPAによる自動化の結果、5分の作業で済むようになったとします。すると、時間的コストは1/12になったと判断できるでしょう。
この作業を平日の営業日に必ず行っていたとして、企業の年間営業日を240日とすれば、1日55分で年220時間程度の時間が削減できたことになります。
◆人件費を削減
RPAの導入によって社員の労働時間の短縮が可能になり、残業代をはじめとした人件費が削減できるケースも多いです。人件費の削減効果も、自動化の対象となった業務にかかっていた時間や、担当者の時給などが分かれば算出ができます。
例えば、担当者が1件の業務を処理するのに平均15分かかっており、毎日4件ずつ処理していたとしましょう。年間の営業日数を240日とすると、約240時間(60分×240日)を使って年間960件ほどの処理を行っていたことが分かります。
RPAの導入で当該業務が完全に自動化できたとして、担当者の時給が1,500円だったとすれば、削減できた人件費は「240時間×1500円=36万円」と算出できます。
◆削減した人件費の計算式
上記の計算を簡単な式にまとめると
「削減できた年間の人件費」=「対象業務1件の処理にかかった時間(※単位:時間)」×「年間処理件数」×「業務担当者の時給」
となります。
処理担当者が複数人の場合、業務にかかる時間は社員それぞれで違ってきますが、処理にかかった時間や時給の平均値を出して計算することで、大体の試算が可能です。
RPAの定性的効果とは?
定性効果は定量効果に比べて数値で把握しにくい項目であるため、RPAの費用対効果の測定には向きません。例えば人為的なミスの削減効果や業務品質の向上効果、RPAの導入によるセキュリティの向上効果などが定性効果として挙げられます。
これらは付随的効果と考えて無視することもできますが、数値的に計測こそ難しいものの、かなりの効果が期待できるのは間違いありません。
◆人為的なミスの削減
RPAの導入によって、人為的なミスを大幅に削減可能です。
一連の業務を完全自動化できれば、ヒューマンエラーによる調査や再処理にかかる時間的コストなども減らせます。顧客に迷惑がかかることによる営業機会の損失も防げるでしょう。業務品質が安定することで顧客満足度の向上も期待できます。
◆セキュリティ対策が万全
人間に代わってロボットが業務を行うことにより、故意・過失による情報漏えいや情報改ざんのリスクが抑えられ、セキュリティレベルが向上します。
意図的に不正を行う者がいなかったとしても、人間が業務を遂行するうえでミスを完全に防ぐことはできません。
RPAを導入したからといって、情報漏えいを100%防げるわけではありませんが、ケアレスミスやうっかりミスによってトラブルが起こるリスクは避けられます。
ただし、RPAの導入は人間の手で行う必要があるため、初期段階でのセキュリティ対策は万全にしておきましょう。
次に、RPAの具体的な導入費用について解説します。RPAは次の3つに分類でき、それぞれライセンス費用の相場が変わってきます。
・デスクトップ(クライアント)型RPA
・サーバー型RPA
・クラウド型RPA
いずれも導入する規模によっては数百万円かかる場合もありますが、一般的にデスクトップ型、クラウド型、サーバー型の順にライセンス費用の相場が高くなります。それぞれ具体的に見ていきましょう。
◆デスクトップ型RPA
クライアント型RPAやRDA(Robotic Desktop Automation)とも呼ばれ、デスクトップ上の業務自動化に特化したタイプです。個人での導入や企業の特定部門で利用するのに向いています。
導入相場は数十万円程度(年額)ですが、パソコン1台から利用できる小規模なものは10万円以下で導入できるケースもあります。
◆サーバー型RPA
サーバー内で稼働するタイプのRPAで、大量のデータを管理したり、複数のシステムを横断的に処理したりするのに最適です。同一サーバー内で複数のロボットを稼働させられるものもあります。
デスクトップ型やクラウド型に比べて相場が高く、年額で数百万円以上、高いもので一千万円以上する場合もあります。大量のデータを日常的に処理したい大企業向けといえるでしょう。
◆クラウド型RPA
クラウド環境でロボットを稼働させてブラウザの操作を自動化させるタイプのRPAです。サーバー型に比べて安価に導入でき、月額数万~数十万円程度が相場となっています。
なお、RPAの導入にはライセンス費用に加えて、ロボットを稼働させるコンピューターや端末にかかる費用、導入支援スタッフや保守運用チームにかかる人件費も考慮しなければなりません。
導入規模によってまったく金額が変わってくるので、事前にしっかりと予算を検討するようにしましょう。
RPAの保守費用はどれくらい?
RPAの導入後も、安定して運用し続けるために保守費用やメンテナンス費用がかかります。自社で運用する場合は管理チームの人件費がかかり、保守作業を外注する場合は依頼費用が発生します。
さらにライセンスの更新費用や、ロボットが稼働するハードウェアの部品代などがかかる場合もあるでしょう。
当然、導入規模やロボットのライセンス数などによって保守運用の相場も大きく変わりますが、一般的には作業時間ベースで「5000円〜/時間」が相場といわれています。
RPAの導入効果の測定方法について説明しましたが、RPAの投資対効果や費用対効果もチェックしておきましょう。
RPAによる投資対効果はどれくらい?
投資対効果とはRPAの投資額に対して、長期的にどれぐらいのリターンが得られたかを示すものです。
RPAの導入によって企業が将来的に得られる利益を試算するものであるため、人件費の削減効果をはじめとした具体的に数値化できる項目に加えて、中長期的に企業の利益につながるRPAの定性的効果もできるだけ加味して考える必要があります。
◆投資対効果の算出方法
具体的には、まずRPAの導入によって削減できた人件費に加えて、社員がコア業務に集中できることで得られた収益向上効果、人為的ミスの削減効果や業務品質の向上などによってもたらされる利益の合計を試算します。
そこからRPAの導入と運用にかかる費用(1年分のライセンス費用や保守運用にかかる費用)を差し引けば、RPAの導入効果(1年間にもたらされた収益)が計算可能です。
ミスの削減効果や品質向上効果などは定性的効果なので試算が難しいですが、例えば、RPAの導入前に発生していた人為的ミスの修正にかかった時間に対して、どれぐらいの人件費がかかっていたかを計算する方法などが考えられます。
◆投資対効果を大きくするには?
投資対効果を大きくするためには、RPAの導入費用を抑えつつ、できるだけ人件費を削減する必要があります。自社の規模と事業環境に見合ったRPAを選択するようにしましょう。
人件費を抑えるために社員を解雇しなければならないと考える人もいるかもしれません。RPAの導入によって多くの人材がリストラされると懸念する声もあります。
しかし、RPAの導入の本来の目的は生産性の向上であり、ノンコア業務を自動化し生産性が向上すれば、人員整理を行わずとも投資対効果は上がります。
多くの企業ではRPAの導入により、定型業務を行っていた社員を売り上げに直結する仕事に振り分けることで収益向上を実現しています。
RPAによる費用対効果はどれくらい?
RPAの導入によって中長期的に得られる収益を試算するのが投資対効果の測定ですが、費用対効果はどちらかといえば短期的(即時的)なリターンを計算するものです。
多くの場合、人件費の削減効果や人為的なミスによる出戻りが解消された効果など、短期的に数値化できる項目を中心に効果を試算します。
◆費用対効果の算出方法
費用対効果の金額は次のように比較的簡単に導き出せます。
「RPAの(短期的な)導入効果=削減できた人件費の合計-RPAの導入費用」
実際のところ、どんな項目を費用対効果の試算項目に加えるかは、導入目的やRPAのタイプなどによって変わるものです。
しかし、あくまでも短期的なリターンを把握するのならば、単純に削減できた人件費の合計からRPAの導入費用を差し引けば、おおよその導入効果は把握できます。
中長期的な収益を試算したい場合は、上述のように、定性的効果まで計算に加えた投資対効果を計算する方が良いでしょう。
◆費用対効果を大きくするには?
費用対効果を大きくする方法も、基本的に投資対効果の最大化の施策と同じです。できるだけRPAの導入費用を抑えつつ、多くの人件費を削減すれば費用対効果は上がります。
業務のどの部分を自動化するのかを明確にして、それに適したRPAのタイプを慎重に選択するのがポイントです。
RPAの導入効果の測定方法について解説しました。RPAの導入によって人件費を削減でき、人為的ミスによる機会損失の削減や、社員のコア業務への配置転換による売り上げ増加が期待できます。
しかし、せっかくRPAを導入しても効果測定をしなければ、どれぐらい業務の効率化が実現できているかが分かりません。少なくとも、RPAによって削減できる時間的コストや人件費についてはしっかりと計算しておきましょう。
当然、勘案する効果項目や費用の種類によって算出結果は変わってきます。定量的効果だけでなく定性的効果にも目を向けて、総合的に効果測定を行うことが重要です。
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宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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