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2021.03.23 掲載 2022.04.13 更新

RPAとExcelはどう違う?それぞれの特徴と業務別の適性比較

間接部門にロボットを導入し業務効率化

FOCのRPA導入・サポートサービス

「RPAとExcelのマクロ機能の違いを詳しく知りたい」と思っていませんか?どちらも業務を効率化できますが、活用できる範囲に違いがあることを知っておかなければいけません。両者の業務別の適性を比較するとともに、RPAの活用事例を紹介します。

 

RPAとExcelの違い

 

rpa エクセル

まずRPAとExcelのマクロ機能の主な違いについて、重要なポイントを押さえておきましょう。

 

RPAの基本を知ろう

RPAは「Robotics Process Automation」の略称であり、一連の作業手順を記録・再現できるロボットをコンピューター上に駐在させることで、企業などで行われる定型業務を自動化する施策です。海外ではデジタルレイバー(Digital Labor)と呼ばれることもあります。

日本でも当初はPC上の作業を自動化するためにRPAの導入が進んできました。しかし近年は、自律型AI(人工知能)を組み込んだロボットをサーバーに駐在させ、異なるシステムやアプリケーションを横断的に自動化し効率化するタイプのRPAも続々と登場しています。

 

Excelマクロの機能と役割

マクロ機能はExcel内の一連の操作をプログラムによって記録し、簡単なトリガー操作で再現する機能です。

アプリケーションに標準搭載されており、Excelの場合は記録した作業手順をVBA(Visual Basic Applications)というプログラミング言語に変換して記録することで作業の自動化を実現します。

マクロ機能は複数の手順をワンセットにして登録し、必要に応じて実行すれば簡単に作業を効率化できるので、ExcelをはじめとしたMicrosoft製品の多くに実装されています。

 

RPAの特徴

 

rpa エクセル

RPAの特徴として、主に次の点が挙げられます。

・プログラミングの知識が不要
・PC上の操作は原則自動化可能
・データ処理が高速

それぞれ解説していきます。

 

プログラミングの知識が不要

プログラミングの知識が不要なのがRPAの特徴であり、利用者にとって大きなメリットです。Excelのマクロ機能もアプリケーション内の基本的な作業に限定すれば、詳しいプログラミングの知識は基本的には要りません。

しかし、より複雑な作業を自動化したい場合はVBAをはじめとしたプログラミング言語を理解する必要があり、企業で導入する場合は専門のスタッフが求められるケースは少なくありません。

一方、RPAの場合はプログラミングの知識がなくても比較的簡単に業務自動化を実現可能です。自動化の手順を仕様書やテンプレートなどの形式で準備しておけば、誰でも一連の業務を自動化できる強みがあります。

 

PC上の操作は原則自動化可能

RPAは基本的にPC上のあらゆる操作の自動化ができます。たとえば、作成したデータを別のシステムに移さなくてはならない場合、作業者はデータを作成するだけで、転記はRPAが自動で行ってくれるといった具合です。

同様の作業をマクロで行う場合、Excel内のデータ抽出や整理などはマクロ機能で効率化できますが、他のシステムを起動して作成したデータを書き込むのは人間の手で行わなければなりません。

特に多くのアプリケーションを組み合わせて業務を行う企業では、RPAを導入することで、さまざまなマクロ機能を使ったり、アプリケーション同士を連携させるAPIを開発したりする必要がなくなります。

 

データ処理が高速

クライアントPCのスペックに依存せずに、高速のデータ処理が可能なのもRPAの特徴です。

Excelのマクロ機能はすべてPC上で動作するため、基本スペックが処理時間に大きく影響してしまいます。低スペックのPCで大量のデータ処理を行った場合、フリーズしてしまうケースも決して珍しくありません。

RPAはクライアントPC上にロボットを駐在させるタイプもありますが、大容量のデータ処理を行う場合、企業のサーバーやクラウド環境でロボットを稼働させるタイプが多いです。

そのため、社員が日常的に使用するPCに余計な負荷を掛けることなく、膨大なデータの高速処理を実現できます。

 

Excelマクロより優れている点

 

rpa エクセル

RPAがExcelのマクロ機能よりも優れている点について、もう少し掘り下げてみましょう。両者を比較した場合、RPAの方が次の点で導入するメリットが大きいと言えます。

・他アプリとの連携が可能
・自動起動や定期的な作業も可能

それぞれ具体的に解説します。

 

他アプリとの連携が可能

RPAとExcelのマクロ機能を比較して、前者が優れている最大のポイントとしては、他のアプリケーションとの自由な連携ができる点です。

マクロ機能は自動化できる範囲が原則的にはExcel内の作業に限られるのに加えて、大量のデータの取り扱いは基本的に推奨されません。作業速度がPCのスペック次第だからです。

他のシステムと連携させたい場合、API(Application Programming Interface)を開発するか、連携する部分のみ人間の手で作業する必要があります。

一方、RPAはPCで可能な範囲であれば、ほとんどの作業に対応可能です。WindowsやWebアプリケーション全般について横断的に自動化でき、ロボットをサーバー上に置くことで、クライアントPCのスペックに依存せずに動作します。

 

自動起動や定期的な作業も可能

当然の話ではありますが、Excelでマクロ機能を利用する場合、まずExcel自体を起動させなければいけません。マクロで反復作業を実行する場合にも、その都度アプリケーションを起動して作業トリガーを実行する必要があります。

しかしRPAの場合、人間が起動させずとも事前に稼働予約やスケジューリングができるため、起動を含めた作業の完全自動化が可能です。たとえば、社員のいない深夜帯に高負荷の掛かる複雑な作業を任せるといった使い方ができます。

多くの企業がRPAを人手不足の解消のために導入しているのは、一度作業内容を設定してしまえば、人の手によらず決まった時間に定型作業を自動で実行してくれるからです。

 

どんな業務がRPAに向いているか

 

rpa エクセル

では、具体的にどういう業務がRPAに向いているのでしょうか?ここでもExcelのマクロ機能を引き合いに、具体的に見ていきます。

 

Excelのみだけではなく異なるデータを使う場合

すべての作業がExcel内で完結する場合は、無理にRPAで自動化を図るよりも、マクロ機能を使った方が効率的に作業が進められることが多いでしょう。

しかし、Excelの枠を飛び出して異なるデータを取り扱わなければならないケースでは、マクロ機能だけではカバーできず、人間による作業が必要になってしまいます。

上述のように、RPAならばPC上の作業はほとんどロボットによる代行が可能になるので、Excel以外の作業が発生する場合は、RPAを導入した方が全体の業務を効率化しやすいです。

 

プログラミング知識がない場合

業務担当者にプログラミング知識がない場合もRPAの導入がおすすめです。

RPAのロボットを独自に作成して運用するには相応の知識が求められるため、ほとんどの企業はベンダーからRPAツールを導入することになります。従って、管理のためのUIさえ覚えれば誰でも利用できます。

さらに最近では、ベンダーがコンサルティング形式で導入のサポートをしてくれるので、自社にプログラミングの知識を有する人材がいなくても問題ありません。

ただし、自社で導入作業のすべてを行う場合、ロボットを稼働させるためのファイルや管理ツールの設定が必要になるため、似たような工程を辿るソフトウェア運用の知識があった方がスムーズです。

 

膨大なデータの処理をしたい

膨大なデータを効率的に処理したい場合もRPAによる自動化が適しています。Excelのマクロ機能は自動化できる範囲が限られるだけでなく、処理能力はPCのスペックに依存してしまいます。

RPAを企業サーバー上に設置することで、異なるシステム間にまたがって業務自動化が可能になるため、特に日々膨大なデータを処理しなければならない大企業におすすめです。

たとえコンピューターへの負荷が気になる場合でも、事前に指定した日時に特定の作業を行ってくれるように設定できるので、社員がPCを利用しない時間に作業させるといった運用も可能です。

 

ミスなく24時間稼働させたい

RPAのロボットにはヒューマンエラーがなく、稼働環境さえ問題なければ24時間休まずに作業し続けられます。そのため、長時間にわたって単純作業を繰り返す必要のある業務や、マンパワーがかかりすぎる業務を代行させるとよいです。

人間の手のみで作業し続けると、どうしてもケアレスミスが発生したり、担当者によって作業内容にムラが出たりする可能性が高くなります。

RPAを導入することで作業のやり直しや出戻り工数の発生を防止できるので、業務の生産性が向上するとともに、成果物の品質も安定します。

 

RPAの事例紹介

 

rpa エクセル

続いて、RPAの具体的な導入事例をいくつか紹介します。自社の環境と照らし合わせながら、業務自動化を実現できないか検討してみましょう。

 

紙の請求書を自動化

情報・通信業の大手企業では、DX*(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環として、紙を扱う手作業の多くをRPAの導入によって自動化し、年間で6万時間以上の社員労働時間の削減と30%の業務生産性の向上を目指しています。

同社ではこれまで年間21万件以上の支払いを行わなければならず、膨大な紙の請求書の処理に追われていました。

そういった煩わしい事務作業から脱却するため、請求書を確認する手間と、金額や契約IDなどをシステムに登録する手順をRPAによって自動化させたことにより、年間で4,000時間以上の工数削減を達成できました。

(※DXとは、企業が業務にデジタル技術を活用して組織改革や競争優位性を確立すること)

出典:https://www.uipath.com/ja/solutions/case-study/nttcom-2

 

行政現場で多様化する市民ニーズに対応

愛知県にある自治体では、以前から役所職員の手間の削減と働き方改革による生産性の向上が課題とされていました。職員の時間外労働が常態化しており、作業効率化を図るためのITシステムの導入も、コスト面の不安から先延ばしにされていたのです。

そこで比較的コストのかからないRPAの導入を決定し、税務課の作業を中心に自動化を図ったところ、一部業務について80%超の作業時間を削減できました。

役所の職務上、窓口対応で頻繁に作業を中断せざるを得ないケースが多いですが、一部の作業を自動化したことで職員の負担が軽減され、これまで以上に多様化する市民ニーズに対応できるようになったわけです。

出典:https://rpa-technologies.com/case/case038/

 

Google Workspaceとの連携

都内の総合不動産会社では、膨大な数の物件情報を手作業で基幹システムに入力を行っており、業務効率化の足枷になっていました。

そこでまず、自社で独自に簡易的なRPAを開発し、従来のシステムで網羅できていなかった業務やマンパワーでの入力作業などを自動化したことで、短期間で業務効率化を実現できることを確認しました。

その上で、RPAツールを正式にベンダーから導入して全社的に展開したことで、さらなる業務スピードの向上を達成しています。

現在はコミュニケーションの基盤として活用しているGoogle WorkspaceとRPAを連携させながら、ワークフローを総合的に管理しているようです。

出典:https://www.uipath.com/ja/solutions/customer-success-stories/open-house

 

教育現場で活用。人材育成のきっかけづくり

埼玉県にある高校では、RPAを活用できる人材の育成が教育現場で求められていると考え、RPAの体験授業を実施しました。各々の学生が講師の指示を受けながらRPAのロボットを作成する取り組みです。

同校では学生が自動化ツールを作成することにより、自ら考えてプログラムを構築できる人材の育成を目指しています。

出典:https://winactor.com/case/educational-initiatives/15966/

 

業務効率化に成功

日本を代表する損害保険会社の例では、業界に先駆けてRPAを災害対応プロセスに導入しました。

損害保障サービスで扱うさまざまな業務システムにRPAロボットを活用し、自然災害が発生して業務負荷が集中する状況に陥っても、サービスの品質を維持できる体制を整えています。

導入前は自然災害の発生で支払対象案件が急増し、迅速に対応できないケースが頻発していましたが、RPAの活用によって台風や地震などの災害対応業務に必要な工数の40%を削減でき、顧客満足度の維持向上を実現しました。

出典:https://www.uipath.com/ja/solutions/customer-success-stories/aioi-nissay-dowa-insurance

 

まとめ

RPAとマクロ機能の違いについて、それぞれの特徴と導入におすすめの環境について解説しました。

マクロ機能は業務がExcel内でのみ完結する場合には便利ですが、複数のアプリケーションを連携させるケースや、Excelのデータを他のシステムに反映させる際には人間の手が必要になります。

一方、RPAはPC上での作業であれば基本的に自動化が可能で、アプリケーション同士を横断的に利用したい場合におすすめです。

企業全体の業務効率化を図るのであれば、Excelのマクロ機能よりもRPAの方が圧倒的に有用です。業界・業種を問わずどんな企業でも活用できるので、この機会に導入を検討してみましょう。

 

間接部門にロボットを導入し業務効率化

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ライタープロフィール

パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。

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