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RPAシナリオはRPAツールの使用に欠かせないものです。難しそうに見えるシナリオ作りも、コツを押さえると簡単にできるようになります。小さな作業のシナリオから始め、徐々にステップアップを目指しましょう。シナリオ例も紹介します。
RPAとは『Robotic Process Automation』の略語で、ロボット(デジタルレイバー)による作業の自動化のことです。定期的に発生する定型的な作業をロボットに任せることで、業務の効率化に効果を発揮すると期待されています。
企業への導入が広がっているRPAは、『業務効率化』と『生産性向上』に役立つ手段として注目されています。これまで人が行ってきた作業をロボットが担うことで、人がより生産性の高い仕事に取り組めるからです。
RPAに注目が集まっているのは、生産年齢人口(15~64歳)が減り続けていることと関係しています。総務省によると、日本の生産年齢人口は1995年の8,716万人をピークに減少し続け、2015年には7,629万人まで下がり、全人口の6割ほどとなっています。
働く人が減る中、人材の確保が難しくなっているため、不足した部分をRPAで補う流れがあります。また、先進7カ国中、20年連続最下位の労働生産性を向上させる狙いもあるでしょう。
生産性の低い作業をロボットに任せ、1人あたりの生産性を高めることが期待されています。
総務省|平成29年版 情報通信白書|期待される労働市場の底上げ
RPAを動作させるには、実行してほしい処理の流れを可視化したシナリオが必要です。RPAのシナリオとはどのようなものなのでしょうか?まずは基礎知識を押さえましょう。
シナリオというとドラマや映画の台本を思い浮かべるかもしれません。しかし、RPAのシナリオというと、『作業手順』のことを指します。例えば、Excelで請求書を作成するシナリオは下記の通りです。
1.Excelを開く
2.請求書フォーマットを開く
3.提出先名の入力
4.件名の入力
5.商品やサービスの入力
6.数量の入力
7.名前をつけて請求書を指定場所へ保存
8.請求書の印刷
このように請求書作成という一つの作業をステップに分け、ロボットに任せること・担当者が把握する全体像・置き換えた作業の手順が、分かりやすく示されているものがシナリオです。
シナリオには簡易型と開発型があります。必要なシナリオの要素は同じですが、シナリオの作成の仕方によって分類されているのです。RPAによって採用している作成方法が異なります。
『簡易型』はプログラミングの専門知識がなくてもシナリオの作成が可能です。RPAの機能でパソコンの操作を記録することでシナリオ作成ができるため、いつも通り作業するだけで再現性の高いシナリオを作れます。
社内にシナリオ作成の専任者がおらず、現場の業務担当者がRPAのシナリオ作成を担う場合、簡易型がよいでしょう。簡単なレクチャーを受けたり、解説動画を見たりするだけで、基本的な操作ができます。
研修やeラーニングの仕組みを備えているベンダーもあるため、シナリオ作成をしながら学ぶことも可能です。
一方、『開発型』ではプログラミングの知識も必要です。基本的には、デフォルト動作にある機能を組み合わせる、ドラッグアンドドロップによりシナリオを作成します。
しかし、機能に含まれていない部分はプログラミングによる組み込みが必要です。そのため、複雑な作業のシナリオ作成をするには、1から開発するよりも公開されているAPIを使ってデータ連携、自動化した方が開発も速く、精度も高いので、APIを使用するとよいでしょう。
プログラミングやソフトウエア開発の経験者がシナリオ作成を担当している場合には、開発型も無理なく使えます。ただし、専門知識のある担当者が不在の場合には、難易度が高く感じられるでしょう。
シナリオ作成時にはいくつかの注意点があります。RPAを業務効率化や生産性向上に活かすには、紹介する注意点を意識した作成が大切です。
まずはRPA活用の『目的をはっきり』させましょう。RPAで業務の負担を軽減して何を実現したいのでしょうか?
残業時間を削減して働きやすさを高めることや、新しいアイディアを実行に移し新たな新規事業やサービスを作ることなど、部門内ではっきりとしたビジョンを共有することから始めます。
目的がはっきりしていれば、その実現に向けたシナリオ作成が可能です。当初想定していたシナリオからは考えつかないような、画期的なシナリオを作れる可能性もあります。
先に目的を設定することで、RPAを使った業務改善を成功に導きやすくなるでしょう。
目的を明確にする手段としてマインドマップ『XMind』を利用する方法も有効です。無料で使えるため、手軽に分かりやすいマインドマップを作れます。
マインドマップを作成すると、仕事の内容や手順・ビジョンなどを直感的に分かりやすく整理可能です。業務内容の全体像を整理し把握する中で、もっとこうしていきたいという希望が出てくることもあるでしょう。
サービスサイト:XMind
次に業務の手順を『可視化』しましょう。自動化する業務の操作手順を一つずつはっきりさせていくのです。
書き出すことで、普段何気なく行っている業務にも、さまざまな分岐があり判断しなければいけない部分があることに気付くでしょう。例えば、使用するデータやフォーマットは何かといった項目です。
同時に、例外も洗い出します。例外があった場合の動作をシナリオに設定しない場合、動作がストップすることもあるでしょう。例外時にどのように処理するのか定めることで、スムーズな動作につながります。
シナリオ作りには『第三者』にも参加してもらいましょう。自動化対象の業務担当者だからといって、必ずしも良いシナリオを作成できるとは限りません。
いつも通りの作業手順が念頭にあるため、シナリオにうまく落とし込めないこともあるのです。第三者に素案をチェックしてもらうと、1人では気が付かなかった改善案が見つかることもあるでしょう。
積極的に意見をもらう機会を設け、良い意見を取り入れていく姿勢が大切です。
より簡単にシナリオ作成をするためには、どのようなポイントを意識するとよいのでしょうか?複雑に感じるシナリオ作成を簡単にする方法を紹介します。
一つ目のポイントは『ショートカットキーを利用する』ことです。簡易型のシナリオ作成では、RPAに実際の操作を記憶させます。このとき、マウスの操作よりもショートカットキーの方が正確に認識させられるのです。
マウスよりも操作数が少なく、時間の短縮につながるのも利点と言えます。代表的なショートカットキーは下記の通りです。
・コピー:Ctrl+C
・ペースト:Ctrl+V
・全選択:Ctrl+A
・検索:Ctrl+F
・印刷:Ctrl+P
・元に戻す:Ctrl+Z
・スタートメニューを開く:Ctrl+Esc
・アクティブウィンドウの切り替え:Alt+Tab
・アプリケーションの終了:Alt+F4
・最新情報に更新:F5
『小さな業務』からシナリオを作成するのもポイントです。例えば、「作業や文書をコピーし貼り付ける」「Excelの顧客情報をシステムで登録する」といった作業は、比較的シンプルでシナリオ作成しやすいでしょう。
最初から複雑で大掛かりなシナリオ作成に着手するのは大変です。うまく動かせず挫折することもあるでしょう。
最終的には全体に関わるような大きなシナリオの作成を目指すケースでも、まずは業務を細分化し一つの小さな部分から始めます。部分的に作成し始めることで、徐々にシナリオの完成に近づくはずです。
シナリオをイチから全て作るのは大変な作業です。そこで、サンプルを参考にしましょう。初めて作る場合や、複雑なシナリオにチャレンジする場合でも、サンプルがあれば作成しやすいでしょう。
利用頻度の高いシナリオは、RPAのベンダーで用意していることもあります。
シナリオにはアプリケーションやブラウザの操作を組み込むことも可能です。例えば、下記のようなシナリオサンプルがあります。
・マウスによる範囲選択を行う
・カーソル位置に文字入力する
・Excelファイルのシートを統合する
・複数のExcelファイルからデータを抽出して集計する
・Outlook機能を使いリマインドメールを送る
・ブラウザで認証画面にログインする
・ブラウザで利用する外部連携サービスへのデータ登録
・WebページのテーブルをExcelへ出力する
・Webページの画面をキャプチャし保存する
・Webページの画像マッチング
また、複数の異なるアプリケーションやブラウザを横断した作業も、シナリオ次第で自動化が可能です。
シナリオ作成は専門の業者へ『外注』もできます。簡単なシナリオはできても複雑なシナリオは難しくできなかった、どうしてもエラーが出て動作が止まってしまう、といった場合には、外注を活用しましょう。
なかなか進まなかったシナリオ作成も、専門業者に任せれば5日間ほどで実装可能なケースもあります。プロの技術により、安定して動作するシナリオができるため、RPAを安心して業務に活用可能です。
業者によっては、シナリオ実装後の保守管理に対応していることもあります。サポートを受けながら使えるため、長年使い続ける中で自動化した業務がブラックボックス化することを避けやすいのです。
RPAのシナリオは作業手順のことを指します。RPAの導入により実現したい目的をはっきりさせた上で作成しましょう。
自動化する上で欠かせないシナリオの作成方法は、簡易型と開発型の2種類です。現場の業務担当者がシナリオ作成をするなら簡易型が、プログラミング経験のある担当者がいるなら開発型が向いています。
はじめから複雑で大きな範囲のシナリオを作成しようとしても、うまく行かずつまずいてしまうでしょう。まずは小さな作業のシナリオ作成から始め、徐々に範囲を広げていくのがおすすめです。
シナリオのサンプルや外注を利用するのも良いでしょう。自社の予算や人材に合わせた方法でシナリオ作りをすることが大切です。
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