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2021.03.25 掲載 2022.04.13 更新

業務改善で注目されるRPAはどこまで自動化できる?メリットも解説

間接部門にロボットを導入し業務効率化

NOC RPA導入・サポートサービス

近年、企業のルーティン業務の自動化で注目されているRPAの概要と、具体的に自動化できる範囲について詳しく解説します。加えて、実際にRPAを導入するメリットについても説明するので、自社で導入を検討している方は参考にしてください。

 

そもそもRPAとは?

 

rpa 自動化

RPA(Robotic Process Automation)とは、これまで人間が行ってきた単純作業や定型業務をロボットによって自動化する施策のことで、デジタルレイバー(Digital Labor)や「仮想知的労働者」とも呼ばれています。

人間の行う業務手順を記憶させて、ブラウザやアプリケーション上で業務の自動化ができたり、サーバー内でロボットを稼働させて、特定のソフトウェアを自動で操作させたりできるのがRPAの特徴です。

 

定型の業務を効率化・自動化

これまで人間が担ってきた定型業務を効率化・自動化できるのがRPAのもっとも大きなメリットです。

たとえば、データの単純入力作業や任意のファイルを特定の場所に保存するといったルーティン業務をロボットが代替してくれるため、単純作業の負担を減らして、より生産性の高い仕事に人的リソースを割けるようになります。

さらに近年はブラウザやアプリケーションを横断的に移動して、複数のシステムにまたがって作業を自動化できるRPAも登場してきました。

表計算ソフト上のデータを別のアプリケーションに自動入力するRPAや、複数のシステムから必要なデータを抽出・加工してくれるものなど、さまざまな業務の自動化が可能です。

 

RPAの効果を測定する方法

RPAの導入効果を測定する方法として、定量評価と定性評価があります。

 

定量評価

定量評価はRPAの導入によって削減できた時間や人件費などを算出する方法で、数値化しやすく導入の成否が把握しやすいのが特徴です。

少し極端な例ですが、RPAの導入によって社員10名で担っていた業務が1名で済むようになった場合、9名分の人件費削減に成功したことになります。削減できた人件費からRPAの導入や運用にかかるコストを差し引ければ、RPAの投資対効果が算出可能です。

 

定性評価

一方、定性評価はRPAによる自社のサービスレベルの向上や人材不足の解消、人的ミスの防止などの効果を測るものですが、これらは数値化しづらいため、定量評価に比べると導入の成否が判断しづらい面があります。

ただし、RPAの導入前後で発生した人的ミスの数を計測したり、自社のサービスをいくつかのポイントに分けて指標化して比較したりすれば、RPAの導入効果を試算することは可能です。

 

Excelのマクロとの違い

RPAの導入を検討するうえで、Excelのマクロ機能との違いについて知りたい人も多いでしょう。

マクロ機能も複数の作業プロセスを自動化できますが、あくまでもExcel内での操作を中心とするマイクロソフトOffice系アプリ間に限った話です。一方、RPAは複数のアプリケーションを横断して自動化ができます。

本来、アプリケーション同士の連携にはAPI(Application Programming Interface)と呼ばれる接点が必要です。しかし、RPAはAPIを開発しなくても、他のアプリケーションやソフトウェアの自動操作が可能です。

RPAはマクロ機能に比べて自動化できる業務範囲が圧倒的に広く、自社にシステムの開発技術がなくても比較的簡単に導入・運用ができます。

 

AIとの違い

RPAとAIは同じような文脈で語られることも多いですが、両者の間にはさまざまな違いがあります。

RPAは業務の効率化・自動化を実現するための取り組みですが、AI(人工知能)は人間の脳と同じ記憶や学習、データに基づいた判断といった働きをコンピューターが行う技術です。

ただし、両者はまったく別物というわけではなく、AIはRPAに組み込まれて業務を実行したり、データに基づいて自律的に判断したりするのに使われています。

たとえば、RPAは次のようにクラス1に定義される定型作業の自動化を担うことが多いですが、クラス2やクラス3のように、自律型AIを搭載して人間の指示を受けて自ら思考して動くロボットも続々と登場中です。

 

クラス1(RPA:Robotic Process Automation)

定型作業の自動化がメインで、データの入力作業や情報の収集、検証など決まった作業をこなせます。

 

クラス2(EPA:Enhanced Process Automation)

RPAの発展形で、AI技術を活用することで大量のデータ解析や画像のカテゴリ分け、ビッグデータを用いた顧客の傾向分析などが可能です。

 

クラス3(CA:Cognitive Automation)

高度な自律型AIを搭載し、自社の売り上げデータや市場の流行などを加味した高度な意思決定を自動化できます。業務プロセスの分析により、新たな作業スキームの提案も可能です。

このようにAI技術を活用することによって、人間からの命令を受けて自ら考え、より付加価値の高い行動を起こせるRPAが続々と導入されはじめています。

 

今、RPAが注目されている理由

日本でRPAが注目されている理由として、主に次の点が挙げられます。

・少子高齢化への対策

・リモートワークなどの働き方改革が進行

・AIとの連携が可能

それぞれ見ていきましょう。

 

少子高齢化社会への対策

少子高齢化が進む日本では、2060年に人口の約4割が65歳以上になると予測されており、急激な働き手の減少が懸念されています。現時点でも多くの業界・業種が慢性的な人手不足に陥っており、年を追うごとに減少が加速しているのが実態です。

そこで、これまで人間の行ってきた業務をRPAをはじめとしたIT技術に代替させることによって、人手不足を補おうとする動きが出てきました。

以前から工場におけるライン作業を中心に、産業用ロボットによる業務補助が行われてきましたが、デスクワークが中心のホワイトカラー業務でも、人間に代わる労働力としてRPAの導入が進んでいます。

 

リモートワークなどの働き方改革が進行

リモートワークの推進など、政府主導の「働き方改革」も企業がRPAを導入する背景です。同改革は大企業のみならず、中小企業にも重要な経営課題として位置付けられており、社員の労働生産性を上げることが政府によって推奨されています。

その一環として、社員の長時間労働を減らすとともに、売り上げに直結するコア業務に人的リソースを割くための施策を考える企業が増えてきました。

RPAを導入すれば、定型作業が中心の間接業務をロボットに代替させられるので、人的リソースを人間による判断が必要なコア業務に振り分けることが可能になります。

そのため、働き方改革の実現を目指す多くの企業が積極的にRPAの導入を進めているわけです。

 

AIとの連携が可能

現状、RPAは社員の単純作業やルーティンワークを自動化するために導入されることが多いですが、高度なAIを組み込んだり他のAIと連携させたりすることで、効率化できる業務の幅が大きく広がります。

たとえば、RPAを導入済みのAIやAPIなどと組み合わせることで、企業の業務プロセス全体を高いレベルで自動化できるでしょう。

他にも上述のExcelのマクロ機能と連携させて、Excelで抽出したデータを基幹システムに登録するといった運用が可能です。

さまざまなシステムを同時並行で運用している企業にとって、それらを横断的に活用できるRPAは、使い方次第で企業全体の生産性を大幅に向上させられます。

 

RPAで自動化するメリットとは?

次に、RPAで業務を自動化する具体的なメリットについて紹介します。

・急な人材不足が発生しにくい

・24時間体制で稼働

・人的な業務ミスがなくなる

それぞれ解説していきます。

 

急な人材不足が発生しにくい

RPAは人間のように、転職や個人的な事情によって仕事を辞めてしまうリスクが一切ありません。

人海戦術で多くの業務をこなしていると、人材が辞めてしまうことで周囲の負担が大きくなりますが、RPAは一度導入すれば常に稼働し続けられるため、人に関わる不測の事態を軽減できます。

また、人材の交代による引き継ぎ業務も発生する心配がなく、新人の育成にかかるコストや時間も不要です。導入コストはかかるものの、全体としてみれば企業のコストパフォーマンスが大きく向上します。

 

24時間体制で稼働

24時間体制で稼働し続けられるのもRPAの強みと言えるでしょう。疲労の概念がなく、コンピューターやクラウド環境が正常ならば、休まずに仕事の継続が可能です。

これまでマンパワーだけで担ってきた膨大な定型業務をロボットに任せておけば、安定した速度で業務を遂行し続けてくれます。

 

人間系の業務ミスがなくなる

人間と違い、RPAはケアレスミスをしたり、長時間の労働によって効率が低下したりすることはありません。稀にエラーが生じる場合があっても、その部分を修正すれば、あとは業務を正しく遂行してくれます。

代行させる業務を人間の手で記憶させる手間はあるものの、間違いがあることを前提として業務フローを設計する必要がないのは、企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。

 

RPAで自動化した事例

続いて、実際にRPAを導入して業務の自動化に成功した事例を紹介します。

 

電設資材・産業機器メーカーが自動化した業務の例

送風機や乾燥機などの産業機材を提供しているメーカーでは、働き方改革の一環として一部社員の勤務時間の短縮を目指していましたが、なかなか残業時間を減らすことができませんでした。

そこで事務系の仕事を中心にRPAツールを導入し、20以上の業務範囲で定型作業の自動化を実行したところ、結果として月間で140時間もの短縮に成功しました。

特に顧客に対する納期の回答と請求書の確認作業を完全自動化できたことが大きかったようで、現在はRPAによって1日約600件もの案件を自動処理できるようになっています。

出典:https://www.usknet.com/useful/column/13087/

 

不動産会社がAIとRPAで自動化した例

都内にある総合不動産会社では、業務の工数削減とビジネス速度の向上を目指してRPAやAI技術の導入に踏み切っています。

不動産業界では不動産物件情報誌の帯部分を自社のものに書き換える工程が必要な会社が多くあります。この「帯替え」は単純作業ではあるものの、物件が大量になると相当な時間がかかってしまうものでした。

そこで同社ではRPAとAI技術を用いて全自動で「帯替え」を行うシステムを構築しました。人の手で行っていた作業を完全自動化することにより、年間で約2万時間もの工数削減に成功しています。PRAによる作業自動化の好例と言えるでしょう。

出典元:https://ledge.ai/openhouse-ai-case/

 

タイヤメーカーで事務作業を自動化した例

タイヤやスポーツ用品のメーカーでは、定期的に開かれる役員会のための資料作りに合計17時間もの時間がかかっており、異なる書式で作られた資料整理に時間をとられる社員が多くいる状態でした。

そこで資料作りの一部にRPAを導入したところ、わずか30分程度で資料を作成できるようになり、関わっていた社員の残業時間を1/3以下に減らすことに成功しました。

さらに、社員が空いた時間で詳細な分析作業に時間をかけられるようになったようです。同社のように、単純で面倒な事務作業にRPAを導入することで、業務効率を大幅に改善した企業はたくさんあります。

出典:https://news.mynavi.jp/article/20191119-925294/

 

RPAで自動化するサブスクも登場

これまで説明してきたように、RPAは業界・業種を問わず活用できる便利な技術です。しかし、現状は導入に相応のコストがかかるため、なかなか利用に踏み出せない企業も多くあるようです。

しかし、最近ではRPAのサブスクリプション(継続課金)サービスも登場し始めており、企業の業務フローのうち、必要な工程だけを切り出して自動化処理させることができます。

月額5万円程度から利用できるので、予算面で厳しいと感じている企業におすすめです。

 

在宅でも利用可能。業務をサブスクで自動化

たとえば、自動化したい工程があってもRPAの具体的な導入方法が分からない企業や、RPAの運用・保守に割ける人材がいない企業は少なくありません。

そこでサブスクリプションサービスを利用すれば、必要な部分だけを低コストで簡単に自動化でき、組織の業務効率化を実現できます。

さらに同サービスは小ロットの業務でも利用可能なので、在宅で仕事をしているリモートワーカーや個人事業主も気軽に利用できるのも魅力です。

RPAに関するサービスは今後さまざまな形態が登場すると予想されます。予算不足や導入に必要な人材がいないからと諦めずに、まずは自社の都合や環境に合ったサービスがないか探してみましょう。

 

まとめ

近年、働き方改革の推進で注目されているRPAの概要と自動化できる業務範囲、導入のメリットについて解説しました。

現状、RPAはルーティンワークの自動化を目的に導入されるケースが多いですが、今後はAIを組み込むことで複数のアプリケーションにまたがって高度な分析を行ったり、経営の意思決定のサポートが可能なシステムがさらに増えてくるでしょう。

高度なデータ処理が可能なサーバー型RPAは導入にかなりのコストがかかりますが、自社の状況に見合ったRPAの形態を選択することで、費用対効果の高い運用が可能になります。ぜひ、この機会にRPAの導入を検討してみましょう。

 

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ライタープロフィール

パプリカ

外資系総合商社と総合マーケティング支援会社にて法人向け営業職を経験。 世の中にあふれる情報をかんたんにわかりやすく、一人ひとりに合ったかたちで伝えることをミッションに活動中。

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