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2022.06.27 掲載

財務パーソンが活きる!ヒト・モノ・カネが躍動する企業とは?【第三十三回】 本当に執れているのか?他部署と財務部との連携

企業価値を高めるには外せない!他部署との連携。

筆者は本連載の中で、他部署との連携の大切さについて、何度か強調して記述しておりました。その理由は言うまでもなく、自社の成長・社会貢献、そして企業価値アップを図るためには、財務部の活動のみでは絶対に成り立たないからです。

しかしながら、一口に“連携”と言っても、明確な定義がないため、自社のケースが如何なものなのか、ピンとこない方も多いでしょう。何となく上手くいっているように思えても、単に“トラブルがない”“仲が良い”から、及第点であるとは言えないことは、皆が承知しているものの、どことなくモヤモヤしている日々を送っている方も少なくないかもしれません。

さて、あなたが身を置いている企業はいかがでしょう?
自社の規模や業種に応じ、実情は様々でしょうが、参考出来る箇所をあなたなりに見出し、実践してみてください。

部署相互間における尊重・理解が不可欠!

人はどうしても、自分を基準にして物事を考えてしまう生き物です。
筆者もその一人であり、“なぜ、あの人は解ってくれないのか?”“なぜ、これだけ強く言っても、伝わらないのか・・・”と、感じてしまう場面が日々あります。
しかしながら、これらの思いから生ずる言葉を客観視すれば、いずれにしても、原因追求を自分以外に向けているので、相手側からしたら、全く同様な思いを抱いているかもしれないのです。

もし、本項をお読みのあなたも、他部署の人と上手くコミュケーションを執ることが出来ず、連携などあり得ないと感じるのであれば、まずは、相手方の部署の役割・使命に焦点を絞って、理解、尊重することが不可欠なのでしょう。

さて、あなたが普段接している部署を思い返してみてください。
その部署は自社・社会に対し、どのように貢献しているでしょうか?そこで、思考が止まっても大丈夫です。
この度を契機にして、理解・尊重出来る策を見出し、僅かでも前進すれば良いのです。
まずは、どのように具体的に執り図れば良いのか、以下にヒントを紹介していきます。
あなたと自社の事情に応じて、取り入れてみてください。

★HINT1:経理部とは職務の本質を共有し合う。

財務パーソンであれば、自社の経営状況を数値化して、しかるべきステークホルダーに発信しているといった共通項のある経理部と何らかの接点を持っているでしょう。
しかしながら、これまでの具体的な実務面に焦点を絞って、突き詰めて再考してみると、軌道修正が必要な箇所が潜在するかもしれません。

筆者は経理部員対象の研修・セミナーやコンサルティング業務に当たることがありますが、いつも懸念するのは、企業の現場にて、経理部が担う仕事=経費精算&集計作業といった公式がごく当たり前のように存在している点です。
ひょっとしたら、財務パーソンの中にも、同様な認識を持っている方がいるかもしれません。もし、思い当たるところが少しでもあれば、経理部の職務の本質を追求し、財務部としての使命を果たす場を見出すことが急務でしょう。

経理部は自社内における商取引の全てが集積する唯一の部署です。
たとえ、スタッフクラスが担うデータ処理にしても、積み重ねて多角的な視点で分析すれば、上層部も気づかない動向が見えてくるはずです。
ひいては、他部署に対し、有効な情報を発信すれば、受ける側は、どのようにすれば需要創造や顧客満足度向上に結びつくのか、模索しながら、具体的な行動を執るようになるかもしれないのです。

こうした経理部の本質的な職務に対し、ニュートラルな意識で持って財務パーソンらも職務に当たることで、双方間での成長に繋がり、ひいては、外部の潜在投資家からも、高評価を得るような策を見出すことが出来るはずです。

まずは、経理部の具体的な職務に焦点を絞り、それらが内外のどこで繋がっていて、目的が何かを、理解するところからスタートを切ってみましょう。自ずと次のステップでやるべきことが見つかるのではないでしょうか。

★HINT2:人事部の事業計画に注視!財務データのどこに影響が及ぶか?

経営資源の中でも最も重要なリソースである人材。それらを企業活動の中で絶えず活かし続けることが、人事部の職務の中で一番大切であると言っても過言ではないでしょう。

さて、財務部がどのようなスタンスで、人事部と連携するかですが、まずは、人事部の事業計画について注視し、進捗状況について、財務部側が押さえているか否から再考してみることでしょう。
その理由は、人事部は重要な“ヒト”といった経営リソースに係る職務を担っているので、具体的な取り組みがどのような構図であり、期待出来る効果が何か、財務側が把握していなければ、将来的に自社の収益・利益および財務状況への影響度について想定することが困難だからです。

勿論、企業規模や業種により、人事部の事業計画は異なるでしょう。たとえば、離職率を抑えるために福利厚生面を充実させる、或いは、人的資源の価値を更に向上させるために社内研修機会を多く設けるなど、様々あるはずです。
このような“ヒト”に係る取り組みについて、財務パーソンがヒアリングし、それらが自社の企業価値アップのどこで貢献するのか、まずは、あなたが想像して、不足箇所や更に力を注ぐ必要があるのか確かめてみてください。

そして、次のステップにて、人事部側の実績についての評価方法を確認しながら、影響が生じたと思われる財務データを人事部に対して示し、乖離等がないか相互間で確認し合うのです。
こうすることで、財務部と人事部での共通認識度が高まり、互いに不足なところを補う案を出し合ったり、更に取り組むべきか意見を言い合ったり、相乗効果による成長が期待できるでしょう。
まずは、あなたから人事部に対し、口火を切ってはいかがでしょうか。

★HINT3 : 経営企画室とは、新事業の魅力度・貢献度を。

企業は衰退期に入っていない限り、繁栄を永続させることが使命です。よって、既存の事業を持続安定化させることに加え、新規事業への参入を視野に入れるところは少なくないでしょう。
あなたが身を置く企業もそれに該当するのであれば、新規事業の計画を担う経営企画室との連携は不可欠です。

本項をここまで読まれた方の多くは、各部署との連携の仕方について、これまでを振り返り、経営企画室といった部署が存在しない企業でも、類似のセクションと、どのようなスタイルで接するのが相応しいのか、既にイメージ出来ているでしょうが、あなたが実践に踏み出しやすくなるためにも、筆者からの記述を参考になさってください。

経営企画室が企てている計画内容は、緻密な計算や精度の高いマーケティングにより、かなりの確度での成功樹立が描かれているのでしょうが、当然のことながら、チェック機能が不十分の中で実行するのは、リスクが高いでしょう。
よって、財務パーソンが更なる自社の企業価値アップの実現に向けて、然るべきチェック機能の役割を担うことは、必然であるはずです。

筆者がお勧めしたいのは、恐らく想定の範囲内でしょうが、ここで経理部やマーケティング部といった関連部署と連携しながら、経営企画室が行おうとしている中身を現実性に落とし込み、現行での取引先で出来得ることなのか、或いは、既存の顧客数を維持しながら、購買数アップが期待出来るのか、十分に精査することなのです。
少しでも、具体的な見込みが曖昧で根拠がない、といった箇所があるのであれば、遠慮せずに問題提起をして、企画内容を刷新させることが、あなたの役目の一つでしょう。

事業計画について、経営者レベルでも“絵に描いた餅”だと平気で述べる人など、いくらでもいます。
しかしながら、それは全くの正答なのです。
そこで、僅かでも確度の高い計画を策定し、顧客満足度をアップさせて、自社があらゆるステークホルダーから選ばれるようになるように取り図ること。
それが、財務パーソンの使命ではないでしょうか。

勿論、財務パーソンのスタンス、価値観、思いはそれぞれでしょうが、それらを全面に表出し、未来を見据えることが使命である、経営企画室との連携の在り方について考えて実践してみてください。

“ミクロ”な観点からの発信は、財務スタッフの役どころ。

財務パーソンに限らず、ビジネスパーソンであれば、地位がどうあれ、自社を取り巻く社会環境や国際情勢といったマクロな観点で持って、自身の職務の在り方について再考することは必須です。
しかしながら、それらを理解して努めようとしても、人は完璧な生き物ではないため、何らかのストレスを抱えたり、モチベーションが下がったり、人ならではの感情が表れるものです。
ひいては、こうした症状が仕事の出来高にも表出し、頻繁に重なれば、組織全体の士気低迷にも繋がりやすくなるでしょう。

よって、特に自社の企業価値アップを使命とする財務パーソンであれば、自社内での悪しき体質やコンプライアンスの有無にも目を向け、社員らの様子が如何なものなのか、といったミクロな観点も常に持ち併せることが、肝要なのは言うまでもありません。

特にあなたがスタッフクラスなのであれば、職場環境や仕事をする上での動線が良好か否か、或いは、ハラスメントが潜んでいないか否かに注意を払い、何らかの問題点があれば、上層部や然るべきセクション・委員会等に具体的改善を求めることは必要でしょう。
勿論、あなた一人で立ち回るのは難しい、と感じるのであれば、ここは各部署のスタッフらと正に“連携”しながら、当たる場なのです。

最も重要な経営リソースであるヒト。つまり、人的資源を取り巻く環境保全は、財務スタッフだから出来得ることもたくさんあるはずです。
今、あなたの脳裏によぎった『これ!』といったものがあれば、まずは、そこに焦点を絞り、実践に踏み切ってください。

     

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ライタープロフィール

田村 夕美子

経理環境改善コンサルタント・ビジネス系作家。(HP:https://giftwind.jp/)経理関連のセミナーや「日経ウーマン」「ダイヤモンドオンライン」など各種メディアへの執筆を中心に活動中。「できる経理の仕事のコツ」(日本実業出版社)など著書多数。 最新刊「税理士のためのコミュニケーション術」(第一法規)が好評発売中。インスタグラムにて『前向きビジネスパーソンに贈るYumiko録×夕美子録』配信中。https://www.instagram.com/yumiko.tamura.giftwind/

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