くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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今回は交際費と会議費の、勘定科目の判断についてお話をします。
複式簿記では発生した取引についてその取引が発生した原因と結果の両方から捉え、借方と貸方の勘定科目を適切に判断して、仕訳という形式にします。
多くの場合、取引の内容から自動的に仕訳を生成することが可能です。
例えば、「普通預金口座から電気料金10,000円が引き落とされた」という場合であれば、原因と結果の考え方は「電気料金の支払(原因)によって普通預金が10,000円減少(結果)となり、電気料金=水道光熱費という勘定科目判断となるためその仕訳は次の通りとなります。
借方:水道光熱費 貸方:普通預金 金額 10,000円
よく耳にする「簿記がわからなくても大丈夫」というような会計ソフトの売り文句のカラクリは、このような典型的な取引事例「普通預金口座から電気料金の引き落とし」を選択することで紐付けられたという仕訳パターンから「水道光熱費/普通預金」という仕訳を生成するというものです。
さて、このように典型的な取引と勘定科目の紐付けができるものばかりではありません。
例えば「飲食代金の支払」という場合であれば、3つの勘定科目を予測できます。
ではそれぞれの違いはどこにあるのでしょうか?
まず接待交際費から見ていきましょう。
そうなんです。実は、法人については税務上は原則として接待交際費は経費(損金)として認められていません(個人事業主の場合は経費として処理できます)。
交際費も会社の営業上大切な経費ではあるのですが、過剰な接待や会社経営の健全性の確保というような観点から、税務上の制限が課されています。
事業主や社長さんだけではなく、得意先との接待という場面は1回や2回、経験されているかもしれませんが、一定の条件を満たさないと接待交際費は経費として認められません。その会社の資本金の金額等によって取り扱いが異なるのですが、ここではその条件を満たしているとして話を進めます。
接待交際費については国税庁のタックスアンサー
(https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5265.htm)に次のように記載されています。
“交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用”
先ほど例示した飲食代金に関する3つの勘定科目を区別(判断)する根拠はこの定義のなかにあります。
「得意先、仕入先その他事業に関係のある者」というフレーズがその根拠となります。
飲食を“社外の”取引先などの関係者とした場合に限り接待交際費として処理が可能になるということです。
したがって、「飲食代金」の科目判断には「誰と行ったのか?」が重要となってきます。当然のことながら、お友達や家族と行った場合は接待交際費として処理することは不可能です。
実務上は、経費精算書等に接待した取引先の名称と先方の担当者の名前などを記載するというルールが運用され、それに基づいて「接待交際費」として処理されるというのが一般的だと思われます。
「取引先との飲食等」であっても例外的な処理をしても良いというのが会議費です。
会議費については、先ほど引用したタックスアンサーでは「接待交際費に含めなくて良いもの」として次のような説明をしています。
“飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用”
この「接待交際費に含めなくても良い」飲食代金等を実務上は、「会議費」として処理をするのが通例となっています。
先ほどの接待交際費の判断では、「誰と?」が重要なポイントだったわけですが、会議費として処理するためのポイントは「何人で?」と「どこで?」となります。
「何人で?」については一人あたり5,000円程度という“頭割り”が必要なため当然のことと言えます。経費精算書等に複数名の名前または人数の記載があれば、会議費として科目判断が可能となります。
もうひとつのポイント、「どこで?」も重要です。いわゆる「ランチミーティング」などであればまったく問題はありません。また、お酒が多少入っていると想定される店舗での飲食代金も一人5,000円という金額をクリアしていれば会議費として処理が可能でしょう。
しかし、明らかに「お酒」がメインだと思われる店舗での飲食は会議費として処理することは難しいと思われます。
さて、ここまで「社外の取引先等」との飲食を見てきたわけですが、「社内の人間」と飲食した場合はどうなるのでしょうか?
例えば、残業した時の飲食代金やプロジェクトの打ち上げなどでの飲食代金がこの場合に該当しますが、これらについては「福利厚生費」として処理するのが一般的です。この場合も「誰と?」が重要なポイントとなりますから、経費精算書等に記載しておくことをおすすめします。
慶弔費についても飲食の場合と同様の判断をします。
例えば、取引先の担当者の奥様が出産されたという場合に贈るお祝い金は、「社外」であることを基準に接待交際費で処理をします。
一方、社内のスタッフの場合であれば、福利厚生費として処理をします。
このように、「誰と?」「何人で?」「どこで?」というようなポイントをもとに、経理担当者は接待交際費と会議費や福利厚生費の勘定科目を判断しているのです。
次回は、勘定科目の判断で迷う「固定資産と消耗品・修繕費」を取り上げてみたいと思います。
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