損益分岐点とは?その計算方法と限界利益を理解する【シリーズ: 経理のはなし15 初心者向け】

損益の分岐点

経理の仕事では決算書を読んだり、その内容を分析するということが必要になります。書店には、さまざまな“決算書を読む”とか“財務分析”というタイトルの書籍が並んでいます。

今回は、決算書や財務諸表を分析する方法の中でも基本的な「損益分岐点」という考え方をご紹介したいと思います。

 

■損益分岐点とは?

Wikipediaでは次のように説明されています。

損益分岐点(そんえきぶんきてん、英: break-even point, BEP)は、管理会計 上の概念の一つ。売上高と費用の額がちょうど等しくなる売上高または販売数量 を指す。前者を損益分岐点売上高といい、後者を損益分岐点販売数量という。単 に損益分岐点と言った場合、管理会計では前者を指し、経営工学では後者を指す ことが多い。

(引用元:「損益分岐点」 2015年1月15日 (木) 06:38 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』)

今回は上記引用文の中の損益分岐点売上高(以下損益分岐点)を中心に説明していきます。

損益分岐点

会社は重要な目的の一つに「利益の獲得」というものがあります。会社は利益を獲得するために様々な商品やサービスを開発し販売しています。損益分岐点とは、会社の利益が”赤字にも黒字にもならない0”となる売上高を指します。利益がプラスマイナス0の状態を「赤黒トントン」なんて言い方もします。

 

■損益分岐点の計算方法

ここでは説明をわかりやすくするために営業利益が0となる損益分岐点を考えてみましょう。

損益分岐点を求めるためには、まず、費用を分解する必要があります。
会社の費用は、固定費と変動費に分解することができます。

固定費とは、売上の増減に関係なく発生する費用です。極端な例ですが、仮に売上高がゼロだったとしてもかかる費用があります。営業成績に比例しない給与のような人件費や事務所の地代家賃などが代表的な固定費です。

一方、変動費とは、売上の増減に比例して増減する費用です。商品や材料の仕入高や営業インセンティブのような人件費、あるいは外注費などを代表例として挙げられます。
このような変動費・固定費は、勘定科目ごとに分類する手法が一般的です。

また、市販の会計ソフトのほとんどにこの区分が勘定科目に紐づけされていますので、基本機能の一つとして「損益分岐点分析」資料を出力できると思います。

損益計算書上の営業利益の計算式は、「営業利益=売上高-売上原価-販売管理費」ですが、費用を固定費や変動費に分解したあとの計算式は次の通りとなります。

営業利益=売上高-変動費-固定費

先ほどご説明した「赤黒トントン」の状態とは、「営業利益=0」ということですから

0=売上高-変動費-固定費
すなわち、
固定費=売上高-変動費

この数式が意味するのは、「固定費を賄うためにどれだけの売上高が必要ですか?」ということになります。厳密に言えば、売上高ではなく売上高からその獲得に要した変動費を差し引いた利益で固定費を賄うということですね。

限界利益

この「売上高からその獲得に要した変動費を差し引いた利益」を「限界利益」といいます。

 

■限界利益の割合から損益分岐点を求める

よく目にする損益分岐点の公式は次のようなものではないでしょうか?

損益分岐点=固定費÷(1-(変動費÷売上高 ))
この式は
損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)=固定費÷限界利益率
と置き換えることができます。

繰り返しになりますが、損益分岐点は「赤黒トントン」の状態です。
固定費が100万円、限界利益率が0.25というケースでは損益分岐点は、
100万円÷0.25=400万円ということになります。

では営業利益の目標が20万円だったとするとどれだけの売上が必要となるでしょうか?

目標とする利益は、固定費を賄ったあとに発生する利益となります。その利益を獲得するためにかかる変動費を考慮して計算します。

20万円÷0.25=80万円

したがって損益分岐点である400万円+80万円=480万円がこの会社の利益目標に到達する必要な売上高となります。

もちろん利益を獲得するためには、この数式で考えたとすると、
1.固定費を減らす
2.限界利益率を上げる=変動費を減らす
という方法も挙げることができます

実際には、多数の商品を扱いそれぞれの変動費率も異なりますから、実務上の計算ではもう少し複雑なものとなりますが、基本的な考え方はこのようなものです。
損益分岐点分析は、非常にシンプルでベーシックな手法ですが、シンプルであるが故に効果的でもあります。ぜひ活用してみてください。

 

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ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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