福利厚生とは?種類と制度について人事部がしっておくべきこと

社員の食事会

福利厚生は、一般的に企業が従業員に渡す非金銭的報酬のことを指します。代表的なものでいえば「社会保険の事業主負担分」「社員旅行」「食事会(飲み会)の支払い」などです。これらは多くの企業で適用されていますが、各企業によって特徴的な福利厚生制度もあります。そのため、人によってはこの福利厚生の充実を志望理由に含めている人も多いそうです。

今回は、福利厚生制度と人事部の役割について解説します。

 

■福利厚生制度の目的

福利厚生制度は、通常の給与とは別に会社が支給するもので、企業で働く社員のモチベーションを維持向上する目的や、組織内の団結を高めることを目的としたものです。

実は、こういった様々な福利厚生は、経理上では「福利厚生費」と「交際費」の2つに分けられます。特に、「交際費」と分類されてしまう福利厚生に関しては税金が発生してしまうため、企業からするとマイナスなものなのです。

一方「福利厚生費」は、社員の豊かさや幸福の為に会社が支出するもので、一部の人物に対してではなく、「全社員が対象」で、通常に要する費用という見方となり、税務上損金として処理できます。ですから、企業運営を行う立場から福利厚生制度を見る時、それがどちらの部類になるかはわりと重要なポイントになります。「社員旅行(慰安旅行)」は福利厚生費、従業員やその家族に対して支給される「出産祝金」や「香典」も福利厚生費となります。

 

■福利厚生の種類

実際にどういった福利厚生があるかを見ていきましょう。

冒頭に挙げたものもの以外でわかりやすい例を挙げると、「食事補助」(昼食代を一部補助など)、「住宅補助」(社宅や、賃貸住居社員に対して一部金銭的支給を行うことなど)、「学習手当」(社員の技術意識向上のために、資格取得の為の資金を提供、セミナー開催やテキスト代を支給するなど)などがあります。

また、特異な例としては有給休暇とは別にリフレッシュ期間として10日間(中には1か月という企業も)の特別休暇制度を設けている企業や、育児休暇から会社復帰する際の子供のケア(ベビーシッターといったもの)の費用を一部負担する制度を設けている企業といった変わり種もあります。

参考までに、日本の人事部さんが分かりやすく種類を表にしてくださっています。
出典:『日本の人事部』 1.福利厚生とは何か?

皆さんがイメージする福利厚生は、「法定外福利」ではないでしょうか。

 

■新しい福利厚生制度をつくるには?

実際に福利厚生制度をつくり、施行するためにはどのような準備が必要かを見ていきましょう。

基本的は社内で検討し計画立案、決裁、試行、施行の流れが一般的です。経営層や人事部だけで制度を決めるよりは、実際に働く社員の声を聞き、それを判断材料にすれば、なお一層有益な制度が創れるはずです。

小さな企業なら社員一人ひとりの声に耳を傾けることができますが、何百人もいる企業や、複数拠点がある企業ではそうは上手くいきません。こういった時はアンケートを実施することや、また支店や支社でそれぞれ福利厚生制度を設けるのも良いでしょう。海外支社では働く環境も文化も異なることがありますから、柔軟な考え方で制度を構築していくほうが社員の“ウケ”は良くなります。

また、一風変わったもので、この福利厚生自体をアウトソーシングする方法もあります。現在、企業向けに福利厚生を提供することを生業とした企業も多くあり、実際に利用している企業も多くあります。

企業は費用を支払い、社員はそれぞれ自身の会員証やIDを持ち、会員証提示や専門Webサイトから旅行や物品、資格取得などを選ぶことが出来ます。「まるなげ状態」ではありますが、福利厚生のプロが提供するので、種類も豊富で楽しめると、好評だったりします。

ちなみに弊社も福利厚生のアウトソーサーが提供しているサービスを活用しており、
個人的にも宿泊施設を利用したことあります。

 

■福利厚生について気を付けておくべきこと

この福利厚生制度において注意しなければならないことが何点かあります。

前述したように、その福利厚生制度が「課税されるか否か」という点と、「どんな福利厚生にするか」という点です。

実に様々な福利厚生がありますが、大事なことは、「会社の財産を社員に還元している」ことを忘れないことです。潤沢な資金もないのに、社員があっと驚くような福利厚生制度を設けても、それが社員に喜ばれ、仕事のモチベーションが上がらなければ、企業にとってはマイナスになってしまいます。また、「とりあえず何か制度があったら良いだろう」という考え方も、投げやりですし社員満足度が向上することも難しいでしょう。

もちろん、何も福利厚生制度がない企業もあります。福利厚生制度は義務ではありませんから、なくても良いと考える経営者や、なくても十分やりがいがある、と感じている社員も実際に存在しますし、その会社の経営状態が苦しければ福利厚生は難しいからです。

ですから、企業の経営状況を知り、そして「社員が何をどんなことを求めているのか」を把握すること、今社会でどんなことが起こっているのかなどを知った上で、制度を設けていくことが大切なことです。

その他の点として、先ほど挙げた福利厚生のアウトソーシングを始め、制度内容を周知し続けないと利用されない可能性もあります。社員のために企画、施行したのにこれでは意味がありません。そういった点でも重要なのは、「社内で検討し計画立案、決裁、試行、施行」の次に効果検証、修正(ブラッシュアップ)なのです。

 

■まとめ

福利厚生制度は働く社員が心身ともに健康で幸せと感じることが出来るように設けられた制度です。企業側からしても、社員一人ひとりの仕事の質や効率性が上がれば、企業の運営もプラスになり、好循環となる有益な制度です。福利厚生制度は企業と社員がお互いに良好な関係であり続ける為に必要な緩衝材(クッション)であると思います。クッションは自由自在に変形します。人事部門の一方的な企画ではなく社員全員が参加して、自由自在に形を変えて有益なものに創っていただきたいと思います。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」