業務効率化を図るために考えるべき10項目

気合の入る社員

 

経済環境は、依然として厳しい状況にあります。

会社にとって業務の効率化を図ることにより、ムダを削ぎ、筋肉質で体力のある組織を作り、維持することはとても重要です。

政府も、業務の効率化を達成する意義を十分認識しています。また、社会の高齢化や長時間労働の問題等の解消を目的として、ワーク・ライフ・バランスの達成に取り組んでいます。

参考:「ワーク・ライフ・バランスとは?取り組み方法と人事担当者が推進するべき理由

政府は、ワーク・ライフ・バランスに関するオンラインサイトで、民間企業での取組み事例を数多く紹介すると共に、業務の効率化を図るうえで、業務分析やその可視化の重要性を指摘しています。

また、業務効率の成功のカギとして、「トップダウンだけでなくボトムアップ、両サイドからのアプローチが必要である」ともしています。

以下、アウトソーシングも視野に入れ、業務の効率化を図るうえで重要となるポイントを概説します。

 

■業務の効率化とは

業務の効率化の目的は、端的に言えば、利益率の向上です。

企業を取りまく社会や経済環境あるいは顧客のニーズは、めまぐるしいスピードで変化しています。企業では、こうした厳しい環境を生き抜くために、経営戦略・組織体制の変更、人材やシステムの選択的な投入を行っています。

とはいえ、企業の規模が大きくなるにつれ、組織が肥大し複雑・細分化され、縦割り傾向が出始めるとともに業務プロセスも複雑になり、逆に業務効率が低下していくという事実もあります。
本来、厳しい環境を生き抜くための変化が、逆に組織の硬直化とコストの高止まりの原因のひとつとなってしまう、というは本末転倒です。

目指すべきは、業務の効率化を通じ、筋肉質で体力のある組織を作り、その維持を図ることです。

 

■どのように進める?

業務の効率化を進める際に、以下の10項目についての検討作業が重要となります。

 

1. ターゲットとする顧客層の再確認

2. 競争上の優位性を持つマーケットの再確認

3. ビジネスの色分け、コアコンピタンスか否か

4. 組織図や体制図を利用したビジネスと業務プロセスの紐づけ(全体像を把握する為の業務分析と可視化)

5. 業務分析と可視化の実施

6. アウトソーシングを視野に入れた経営資源の選択と集中、選択的な投入

7. 社員からの意見の吸い上げ

8. 社員に対する動機付けとチェンジマネジメント

9. 定期的な見直し

10. 会社全体の意識改革

 

■業務効率化を成功させるための方法・アイディア

実際に上記の10項目を検討する上で、有用となる経営理論や具体的な手順並びに留意点を概説します。

1~3.顧客、マーケット、コアコンピタンスを有するビジネス

ターゲットとする顧客層は誰か、どのマーケットに競争上の優位性をもっているか、コアとなるビジネスを再確認する際に、次の2つの経営理論はとても有用です。

マイケルポーターの「競争の戦略」
競争上の優位性を再確認し、ターゲットである顧客層を再確認する上で有用です。

ボストン・コンサルティング・グループの「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」
1970年代に提唱されたフレームワークで、ビジネスを「花形(Star)」「問題児「Question Mark)」、「負け犬(Dog)」、「カネのなる木(Cash Cow)」に分類し、Dogと分類されたビジネスをキープするか否かの検討に利用します。
この分類によりコアコンピタンスか否かを明確にします。

ただし、優位性を保てる期間や「カネのなる木(Cash Cow)」である期間が昨今短くなってきているため、定期的な見直しが今まで以上に必要になります。それにともないサービスや事業ドメインの変更もありえるため、柔軟に変えられる組織を構築することがポイントです。

4.組織図や体制図を利用したビジネスと業務プロセスの紐づけ(全体像を把握するための業務分析と可視化)

例えば「カネのなる木(Cash Cow)」に分類されたビジネスにおいて、業務効率を上げることができれば利益率が向上します。

まず、全体像を把握するために組織図や体制図を利用しビジネスと業務プロセスの紐づけが必要です。

概観的な業務分析と可視化を行うことにより、ビジネスに固有なプロセスと、他のビジネスにも同様な業務プロセスが存在していることが見えてきます。いわゆる、業務プロセス上の“ダブリ”や“無駄”です。

複数のビジネスにダブって存在する業務プロセスについては、インソーシングやアウトソーシングの対象として、詳細な業務分析と可視化が必要となります。

まず、組織図や体制図を利用したビジネスと業務プロセスの紐づけ、「全体像を把握するための業務分析と可視化」を行い、次に「詳細な業務分析と可視化」という順序が必要です。

5.業務分析と可視化の実施指標

業務プロセスに優先順位をつけ、高いものから現行の業務分析、いわゆるAs-Is分析を行います。現行のプロセスをフローの形に落とし、可視化する作業が必要です。

次に、To-Beプロセスの検討を行い、To-Beフローを作成します。

As-IsとTo-Beのギャップを分析し、どのようにしてこのギャップを解消していくか、アクションプランの作成と進捗度が分かる指標を作成します。

6.アウトソーシングを視野に入れた経営資源の選択と集中、選択的な投入

こうしたギャップの解消の選択肢のひとつとしてアウトソーシングの導入も視野にいれ、経営資源の選択と集中、選択的な投入の検討が必要です。

アウトソーシングを検討する際、次のステップが必要となります。
その目的と留意点について概説します。

現状と導入後のギャップ分析、導入目的の確認
現状の福利厚生制度の実態について、目的や主旨、対象者、サービスやメニューあるいは手続きの内容、コスト、自前か委託サービスか、委託サービスの場合の解約条件等、詳細に分析する必要があります。その際、コアか否か、ノンコアだとしてアウトソーシングの可能性、その場合の影響、現状と導入後のギャップ分析等が必要です。また、導入目的の確認作業も必要不可欠です。

準備期間
アウトソーシングの範囲について社内で合意を取り付ける作業が必要です。この合意は一般に骨の折れる作業となっています。次に、その合意に基づき、複数のアウトソーサーに対し提案書を依頼します。

アウトソーサーの絞込み
提案書をベースにアウトソーサーの絞込みを行います。コスト面だけでなく、信頼性、実績やサービスの内容、連絡方法、対応時間等、福利厚生の趣旨に合致するアウトソーサーの絞込みを行います。

アウトソーシング契約の締結
アウトソーサーと依頼範囲、ルール、導入日程など、その詳細を合意した上で契約書を取り交わすことになります。導入時におけるマイルストーンごとの支払いや、提供サービスに対する利用方法あるいは支払い方法として一括方式か清算払いか、違約の際の規定等が定められます。

導入プロジェクトの計画、進捗管理、チェンジマネジメント
導入のための詳細な計画、その進捗管理や課題管理、フォローアップを行う必要があります。いわゆるプロジェクトマネジメントです。現行からアウトソーシング導入に伴いルール変更などの影響について、社員の理解を高めるためのチェンジマネジメントも必要となります。

フォローアップと定期的な見直し
導入されたルールや効果が、当初の予想と違うこともあります。フォローアップや適正化の作業が必要となります。定期的な見直し作業が必要です。

7~10.社員からの意見の吸い上げ、動機付け、定期的な見直し、意識改革

業務の効率化は経営の立場から見れば、利益率の向上という目的に直結します。とても重要な課題です。

業務効率を実現するため、特定の業務プロセスは無駄であるとし、削除を行い、担当する社員はレイオフするというやり方もあります。

従業員の立場、特にムダに見える業務や事務を担当してきた社員からすると、容易に受け入れられるものではありません。社員が選んだというよりは、人事の指示により担当となったケースがほとんどでしょう。それを踏まえればレイオフを一番に考えるのはなく、限られた人材の有効活用を一番に考え、配置換え等の措置を行うべきです。

また、業務効率化を成功させるには社員からの意見を吸い上げたり、動機付けを行う必要もあります。社員の理解を得ない一方的な業務の効率化プロジェクトがなかなか成功しない背景には、経営と社員間の温度差が関係しています。

先述しましたが、昨今は世の中の変化するスピードが早く、長い時間優位に立ち続けるのが難しくなってきています。一時期の成功体験に固執するのではなく、変化に対応すべく定期的な見直しや、実行性を高めるうえでも会社全体の意識改革が必要となります。

 

■業務の効率化の事例

業務の効率化の第一歩として業務分析を行い、従業員がどのような業務を行っているか(As-Is)、次に本来どのような業務を担うべきか(To-Be)を明確化する必要があります。

内閣府は実践例としてさまざまな企業の取り組みを紹介しています。
このようなさまざまな取り組みは政府広報オンラインにて紹介されています。

 

■まとめ

全ての企業は、利益率の向上を目的として業務の効率化を図ろうとしています。また、政府も業務効率の重要性を認識し、高齢化や長期労働問題を解消するという観点からワーク・ライフ・バランスの達成に取り組んでいます。

業務の効率化を達成するには、一方的なトップダウンだけではなく、社員の意識改革などのボトムアップといった両サイドからのアプローチが必要です。

また、業務効率は直接・間接問わず、全ての部門で行われるべきことですが、全体から部分最適と進めることが重要で、そのためにはしっかりと情報の収集・分析を行う必要があります。部門単位の部分最適からスタートしてしまうことはよくありますが、それが他部門にとっては非効率を生む最適化であれば意味がありません。全体最適から部分最適が業務効率化を図る考え方のセオリーです。

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くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」