くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」
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売上の拡大と表裏一体でもあるコスト削減は、すべての企業において限られた資源をどう配分するか考えるうえでも最も重要なテーマのひとつです。営業活動として顧客のニーズを満足させる商品やサービスを提供し、売上の拡大を図る一方で、コストの削減や合理化努力は日々行われているでしょう。
今回はコスト削減方法について、「人材を含む経営資源の選択と集中並びに有効活用」という観点から解説します。
会社規模が大きくなるにしたがい、営業活動を支援する経費としての人件費、不動産費、システム関連費あるいは一般事務経費が増加します。
こうした経費の増加を管理するにあたり、以下の手順が必要です。
1.共有可能な業務プロセスの洗い出しとダブリの解消
コスト削減を図るにあたり、まず、ビジネスをコアかノンコアに分類し、業務プロセスの可視化が必要です。
次に、業務プロセスごとに、その必要性や共有可能性について検討します。共有可能な業務プロセスについては、極力標準化を図り、業務プロセスのダブリの解消やシステムの有効活用を検討します。このとき、不要なプロセスを担当している社員の配置換えも検討するケースも出てきます。
社員の配置換えについては、素養の有りなしはともかくモチベーションにも考慮する必要があります。なぜ配置換えになるのか、上長はしっかりと説明する必要があります。
終身雇用を前提にした事前説明なき人事権の発動は、一歩間違えると個人の問題ではなくその周辺の社員にも影響がでるためです。
2.申請承認手続きのシステム化(ワークフローの導入)
日本では、未だに紙ベースで申請承認手続きを行うほか、重要な稟議書の場合には、社員が関連部署を持ち回り、決済印を依願している会社が多いようです。
一方、欧米ではワークフローと呼ばれるイントラネットを利用した申請承認手続きを導入し、効率化とペーパーレス化を図る会社が多くなっています。また、ワークフローの導入を通じ、申請者と異なる承認者が承認しているか、承認が効率的に行われているか、検証や監査の精度の向上と効率化が図られています。
直接的なコスト削減というよりは、従業員の手続きに関わる時間コストを削減する観点が必要です。
3.サービスレベルの見直し
社外だけでなく社内の顧客(従業員)に対するサービスが過剰か否か検討します。あると便利で、かつ業務効率が向上するものなのかどうか、という観点で検討しましょう。
また、残業や業務負担の多い業務については、その原因がマネージャーの資質によるものか(終了時間間際にしか指示を出さないマネージャーもいるようです)、個々の業務の仕方なのかもしっかりと検証します。
ただ、社外に対してのサービスレベルが、過剰であるという事実があっても顧客のイメージが著しく落ちる可能性もありますし、社内に対してでは、退職リスクや昨今の採用難を考慮しないといけません。どちらにしても緊急事態でない限り、コスト削減という大名目で断行するのではなく、相手のことを考え、落としどころを探ることも重要です。
4.人件費の見直し
本当に正社員がやるべきものなのか否か、見直しをします。比較的新しい考えとして、標準化された業務や簡易な業務は、余った時間を活用したいという主婦やシニアを活用する、ということもあります。助成金や補助金の制度もあるため、積極的な雇用を検討してみましょう。
5.不動産費の見直し
一部の企業では採用され始めています。業務プロセスを行うべき場所について、自宅からの勤務(work from home)が可能か、その導入についても検討してみます。個人用のデスクなどのファシリティやPCなどIT機器を含めたオフィス関連費だけでなく、通勤手当といった福利厚生費の見直しも視野に入れることもできます。
6.一般事務用品の見直し
ワークフローは、決済手続きでのペーパーレス化だけでなく、経費や出張精算にも利用できます。紙ベースの事務作業を減らすことにより、 カラーコピーの利用を減らすことが可能です。
ちなみにコピーの際、会議資料の再利用や、裏面を使うという考え方もありますが、個人的にはお勧めしません。機密情報が万が一裏面に書かれているなどのセキュリティの問題や再コピーを結局してしまう二重コストの発生が主な理由です。
7.定期的な見直し
コスト削減は、一回行えばいいというものではありません。業務フローを含め、定期的な見直しが必要です。
また、コスト削減を図るうえで、システム化は重要ですが、あれもこれもという形で、システムが増殖するケースがあります。その結果、システム間をつなぐデータ加工が新たに増えるなど、逆に非効率になる場合があります。
さらにクラウド環境の発達により、高性能で低料金のシステムも出てくるため、定期的なシステム関連費用の見直しは必要です。
冒頭でも書きましたが、コスト削減は、純利益の拡大につながるという点で、売上の増加と同様の効果があり、とても重要な活動の一つです。
経営者だけが考えることではなく、例えばマネージャー自らが、人材を含む経営資源が無意味な形で浪費されていないことを社員に対し示す必要があります。そのためにはコスト削減の成果に関する評価基準や人事査定の基準を新たに作ることも良いでしょう。また、より社内に浸透させる目的で、社外への積極的な発信を行い間接的な意識づけも必要です。
残業や時間外の労働には正当な対価が払われるべきですが、現状はどうでしょうか?
現在、インターネットショッピングの拡大により、物流業界で再配達に伴う過剰労働と賃金の不払いという問題が発生しています。
従業員や派遣社員に対し、対価を伴わない労働を強いているとすれば、ビジネスモデルに問題があると言えます。
こういったケースは、社員の理解を得る形で、ビジネスモデルの再構築が必要と考えられます。
コスト削減の結果、経営責任のない社員のみが犠牲を強いるようなものとならないよう配慮が必要です。例えば、コスト削減を行う目標として「無駄を省く」ことは重要ですが、会社の経費としてこれまで認められていたものが、突然「無駄」と認定されることに違和感を抱く社員は多いはずです。
コスト削減は、利益を上げるうえで重要な活動のひとつです。
今回7つの手順を解説しましたが、いざ行おうと思うと、どこからコスト削減として手をつければ良いのか悩まれると思います。まずはコア業務に近いところから着手し、“大きな業務”から“小さな業務”とレイヤーを下に移動させるようにしてコストがかかっている点を洗い出していけばよいでしょう。
ただ、人間、ものごとに集中してしまうと本筋からそれてしまうこともあります。その結果、自社のバリューチェーンを崩すようなコスト削減を推進してしまい、売上を下げてしまっては逆効果です。
また、現場目線でいえば、マネージャー自身のコストに対する意識改革も必要で、さらにその下の社員の活動に落とし込むためにも評価基準の再設定も必要になるでしょう。
その際、コスト削減の結果、経営責任のない社員のみが犠牲を強いるようなものとならないよう配慮をしましょう。
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ライタープロフィール
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宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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