社会保険とはどんな制度?加入条件と手続きの方法

 

日本は社会保険が充実している国だと言われますが、その社会保険はどのような仕組みなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。日本は社会保険が充実している国だと言われますが、その社会保険はどのような仕組みなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

 

■社会保険制度について

社会保険制度はいくつかの定義がありますが、一般的には、国民の生活を保障するために設けられた公的な保険制度の総称です。具体的には、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険などから構成されます。

 

■健康保険

健康保険とは、ケガや病気、出産、死亡への保障をする医療保険の1つで、会社勤めの人が加入するものです。日本は国民皆保険制度を採用しており、全ての国民が医療保険に加入しています。ケガや病気などの事態が生じた場合に、治療費やその他の費用の一部を国・自治体が負担してくれます。

また、治療費などで一定金額を超えた部分は、高額療養費として払い戻しを受けられる制度もあります。このような制度のおかげで、経済的に困窮している国民であっても平等に医療サービスを受けることができるのです。

 

■厚生年金保険

厚生年金保険とは、会社勤めの人が加入する公的年金です。老後の生活や死亡に備えるための保障制度で、積み立てた金額に応じた年金を老後に受け取ることができます。また病気やケガで障害が残った場合には障害年金、加入者本人が死亡した時には遺族に対して遺族年金などが支給されます。

なお、自営業者・短時間労働者・無職の人などは「国民年金」に加入します。

 

■雇用保険

雇用保険とは、労働者の安定した雇用や就業の促進を目的とする保険制度です。代表的な給付として、失業した際に一定期間受け取ることができる「求職者給付」(いわゆる失業保険)が挙げられます。そのほか、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し終了した場合に支給される「教育訓練給付」、育児や介護で休業する場合に支給される「育児休業給付」「介護休業給付」なども労働者向けの給付です。

また、雇用主向けの給付として、契約社員の正社員化やパート従業員への職業訓練の実施などを助成する「キャリアアップ助成金」、未経験者を試行的に雇い入れるための「トライアル雇用奨励金」などもあります。

 

■労災保険(労働者災害補償保険)

労災保険とは、仕事中や通勤中に起きた事故や災害が原因とされる病気・ケガ・障害・死亡などに対して保障を行う保険制度です。保険給付の受給方法は、条件により一時金形式と年金形式があります。 また保険給付以外にも、災害にあった労働者本人の社会復帰の支援や、災害によって亡くなった労働者の遺族への援助も行われています。

 

■加入条件と手続きの方法

それでは具体的な加入条件と手続きの方法について説明します。

健康保険・厚生年金保険の場合

健康保険と厚生年金保険は、会社(事業所)単位で適用されます。法人事業所と、常時5名以上の従業員がいる個人事業所(農林漁業やサービス業などを除く)は強制的に適用事業所とされるため、健康保険と厚生年金に加入しなければなりません。また従業員に国籍や性別、賃金の額などの条件はなく、基本的に全員が被保険者となります。

実際は、事業所が従業員を採用した場合や、従業員に新たに健康保険と厚生年金保険に加入する必要が生じた場合に、事業主が「被保険者資格取得届」を提出する義務を負っています。

では、パートタイマーやアルバイトなどは被保険者の対象になるのでしょうか?その判断基準とされるのは、同じ事業所で同様の業務に従事する一般社員の所定労働時間および所定労働日数です。平成28年10月から「1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上」と明確化されました。

【判断基準】
次の(ア)及び(イ)が一般社員の4分の3以上である場合は、被保険者になります。
(ア)労働時間
1週の所定労働時間が一般社員の4分の3以上
(イ)労働日数
1月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上

出典:日本年金機構ホームページ
※図は出典ページ内の情報を加工して作成

雇用保険の場合

出典: 日本年金機構ホームページ
※図は出典ページ内の情報を加工して作成

 

雇用保険において、原則として一人でも労働者を雇用している事業は、業種や規模に関係なく適用事業となります(農林水産業の一部を除く)。この場合は会社単位ではなく、営業所単位で加入手続きをしなければなりません。

また、被保険者加入条件は基本的に31日以上の雇用見込みがあり、週20時間以上働いていることです。本人の希望にかかわらず加入義務を負っています。この条件を満たす労働者を雇用した場合、事業者は「雇用保険被保険者資格取得届」を届出なければなりません。そのため、パートタイムの方でも所定労働時間と日数を上回るのであれば、正社員と同じ保障を受けることが可能です。

労災保険の場合

労災保険も雇用保険と同様に、一人でも労働者を雇用している事業は、事業を始めた日から強制的に労災保険の適用事業となり、加入についても営業所単位となります。ただし、以下の事業については、労災保険への加入が任意とされています。

・労働者が5人未満の個人経営の農業で、特定の危険または有害な作業を主として行わないもの・畜産業・養蚕業・水産業
・常時使用する労働者なく、かつ、年間使用延べ従業員数が300人未満の個人経営の林業
・労働者が5人未満の個人経営の畜産業・養蚕業・水産業(総トン数5トン未満の漁船による事業等)

また、国の直営事業と国や地方公共団体の官公署の事業については適用されません。

雇用保険と労災保険は総称して労働保険といわれています。この労働保険への加入手続きをする際、事業内容により「保険関係成立届」の提出先が異なります。

農林漁業や建設業などの事業の場合、雇用保険については営業所を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)へ、労災保険については営業所を管轄する労働基準監督署へ提出します。それ以外の事業の場合は、雇用保険も労災保険も営業所を管轄する労働基準監督署へ提出することになっています。

 

■まとめ

社会保険は公的な保険であるため、一部例外を除いて、原則として全ての国民、及び事業者に加入および保険料納入の義務があることがおわかりいただけたかと思います。

日本ほど社会保険制度が充実している国は多くありません。当然それには理由があり、国民が安心して暮らせるように整備されている制度であるのです。給与から天引きされる社会保険にネガティブなイメージがあった方はちょっと意識が変わったのではないでしょうか。

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」