個人ではもちろん、制度によっても違う「DC運用商品の選び方」

 

確定拠出年金(DC)で欠かせないのが「運用商品の選択」です。
ご存じのとおり、DCは「掛金を拠出」して「加入者本人が運用」し、「原則60歳以降に受取る」制度です。

導入時はもちろん制度説明を行っていると思いますが、その際に「先のことまで考えてしっかりと商品を選んでいる」加入者がどのくらいいらっしゃるでしょうか?
恐らく多くの方が「よくわからないけど何か選んだ」という選び方ではないでしょうか。

そこで、タイトルにもあるとおり、制度によっても異なる商品選びの考え方について、一例をご紹介していきたいと思います。

 

従前の退職金制度の代替としてのDC

元々の退職一時金制度や厚生年金基金等から制度移行した場合には、会社によって掛金額を計算する際に「想定利回り」を用いていることが一般的です。

想定利回りというのは、確定拠出年金を従前の退職金制度から移行する際に、「従前の制度と同水準の給付額となるように資産形成するため」に必要となる運用利回りのことで、現在は低く設定している会社も増えましたが、以前は2%台が主流でした。

想定利回りを割引率として考えると、事業主掛金を割引いて計算しているということなので、割引率が高ければ事業主としての掛金負担が軽くなり、加入者の運用目標は高くなります。
つまり、加入者が給付時まで資産運用をする際の目標利回りという面もあるので、想定利回り以上の運用成果が挙げられない場合、従前の制度よりも受給額が少なくなるということになります。

このような設計の場合には、加入者にしっかりと想定利回りについて説明し、運用目標をもって資産形成することを意識させたうえで、運用商品を選択させるようにしなければなりません。

 

新たな退職金制度としてのDC

これまで退職金制度がなく、新たにDCを退職金制度として採用する際には、「想定利回り」を用いずに制度設計することが一般的です。
ただし、事業主掛金の設計が「基準給与×数%」の場合には、新卒から定年までの昇給モデルケースを基に、0.1%~0.5%程度の想定利回りを設定しているケースも見受けられます。

たとえ想定利回りが0.1%と低い場合でも、残念ながら元本確保型の商品の中には0.1%以下の利率の商品も存在するため、利回りが確保できないケースも存在します。
投資タイプの商品を積極的に組み込む必要性は、想定利回りが高い制度の場合に比べると低くはなりますが、やはり将来の受取額に影響が出てくるため、しっかりとした説明が求められます。

 

自助努力としての選択制DC

選択制DCについては、これまでのブログでもお伝えしていますが、従業員本人が「前払で給与支給とあわせて受取る」のか、「DCに拠出して将来に備える」のかを選択する制度です。

DCに拠出する金額分は「給与でない」金額となるため、社会保険料や税金の負担を抑える効果が出てきます。
つまり、選択制DCで「掛金を拠出する」場合には、これまで支払っていた社会保険料や税金の分が既に運用利益にあてられていると考えることもできるわけです。

この場合は、「税金がかからない貯蓄」という感覚で元本確保型の運用をすることもできるわけです。
しかし、選択制DCで、ご自身の意思で掛金を拠出している場合、積極的に投資タイプを組入れて運用を行っている方が多くなる傾向があり、制度のメリットをしっかりと活用していることが見て取れます。

 

まとめ

いかがでしょうか。
DC制度がどのような設計かによって商品の選び方は異なりますし、DC制度の受け止め方で運用方針についても違いが出てくるものです。

「加入者本人が運用」するという部分について、事業主の責任として「継続的に」投資教育を行うことが努力義務となりましたので、導入時だけでなく導入後の継続教育にもスポットが当てられています。
(継続投資教育の記事についてはこちらからご覧ください。)

「DC制度だけでなく、他の福利厚生制度ともあわせて従業員に活用してほしい」というご担当者様は、弊社でもお力になれることがございますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

ライタープロフィール

ななこ

ななこ

DC運用・ブログ担当

NOCのDC担当者。金融機関での経験を活かし、2018年にNOCのDC部門に立上げメンバーとして入社。現在は、DCの制度設計・保全運用・企業問い合わせ窓口を担当するとともに、ブログ記事の執筆にも取り組む。「NOCでは少し異色なサービスですが、DC制度についてわかりやすくお伝えします!」