くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」
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前回の「企業の人材育成。社員が育つ職場のつくりかたとは?」で説明した通り、OJTとOff-JTは人材育成の主な方法です。前回は軽く解説しましたが、OJTは仕事を通じた人材育成のことをいい、Off-JTは仕事を離れた場で座学や集合研修を通じた人材育成のことをいいます。
この二つを上手に活用することでより良い人材育成活動へと繋がります。人事担当者にとって、配属先部署に丸投げせず、OJTとOff-JTをきちんと企画することは、重要な役割になります。
今回は、OJTとOff-JTをうまく連携させて、会社の人材育成を進める方法について考えていきます。
OJTとOff-JTの役割と連携の基本は以下になります。
Off-JTは一般的には、集合研修や座学、グループワーク等を活用し業界知識やビジネス知識を学びます。業界やビジネスの基礎、理論、原理原則といった「型」をインプットすることで基礎を構築します。しかし、型だけ学んでも実際の現場でそのまま使えるとは限りません。そこで、実際に学んだ知識を応用してアウトプット(してさらにインプット)するためにOJTを活用します。
Off-JTで学んだことをOJTで実践していきながら、先輩社員などから会社ごとの慣例(社内ルール)や詳細を指導され、一人で問題なく業務が行える(独り立ち)まで行います。
それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。
OJT
メリット:現場で仕事をする能力が身につく(実践的)
デメリット:体系的に学べないため、汎用性にやや欠ける
Off-JT
メリット:体系的に学べるため知識の整理ができ、土台がつくれる
デメリット:実務へそのまま使えるわけではなく、応用が必要
以上、このOJTとOff-JTの関係性を人事担当者はきちんとおさえておきましょう。
「OJTで、現場で働きながら必要な知識だけ学んでいけばいいのでは」という意見もあります。しかしこれはやや早計です。通常の業務を行いながらの指導は時として十分に指導ができないことがあるからです。
部署によっても異なりますが、年間を通して「繁忙期」、「閑散期」があるように、1ヶ月の間にも忙しい時期とそうでない時期があります。多忙な時にOJTを行うというのは、人手に余裕がなければ行うことが難しく、教えなければならないことが抜けてしまうといった問題も発生します。
そのため、Off-JTで基礎をつくっておけば、仮に繁忙期のOJT であっても学んだことを少なからず活かして乗り越えることができるのです。また、指導する側も、一から百まで教える必要もないため、効率よくOJTを進めることが出来ます。
実際、Off-JTとOJTを組み合わせて研修を用意している企業が多いですが、Off-JTは教える内容や順番が決まっておりスムーズに運びやすい一方、OJTがうまくいかない企業が多いように思えます。
その理由として、
・担当者の時間確保が難しい(ので後回しにしてしまう)
・担当者に任せっきりで、周りの人間のフォローがなく長期的な視点で見ていない
・OJTが仕組み化されていない(担当者がバラバラ)
・指導が出来る適任者がいない(中間社員の育成が出来ていない)
などの理由があります。
Off-JTは最低一名担当者がいれば研修を進めていけますが、OJTになると、新人社員が配属された部署ごとに指導員が必要となります。指導員は通常業務プラス新人の指導となるため、時間を作って教えていくことを求められます。
また、仕組み化されていない企業も多く、「まずはこれだけ分かれば良いだろう」「とりあえず仕事を振ればいい」と短期間で考えてしまい、半年、一年の長い視野でOJTを考えることなく進めてしまい、結果的に新人社員がただの『小間使い』の状態になってしまうことも少なくありません。
また、人手不足や、既存社員の退職など、指導員に適した社員がいない(人材が育っていない)こともあり、OJTができないという会社もあります。
OJTには以上のような課題がありますが、部署に任せきりにするのはなく、必ず人事担当者が全体を管理していくことで解決することができます。
つまり、現場に任せてしまうとどうしても短期的な視点や属人的な教育になってしまいがちになりますが、人事部が長期的な視点でロードマップをひき、進捗をトレースしていくことで“立ち消え”や“停滞”を防ぐことができるのです。(実際の育成に直接介入することは難しいとは思いますが)
最初は厳密ではなく、ある程度の道筋を事前に当該部署と話し合い、意思統一しておきます。
部署で必要なスキルセット(もしくはマインド)が整理できれば、新入社員が足りないスキルを補完するOff-JTを用意し、そのうえでOJTを行い、成長度合をきちんとトレースしていくことができます。
このように管理し、上手にまわすことができれば、研修が実りあるものに変わっていきます。OJTをするためには、事前の準備が必要で、決して“場当たり的”にしてはいけません。
事前の準備とは、新入社員を採用する時から指導する内容やテキスト、指導に適する人員がいなければどう対処するかを検討しておくこと、Off-JTの企画などさまざまです。こうすることで仕組み化でき、かつ指導そのものがおざなりにならず、新人を受け入れる心構えもできてきます。
また、指導員だけが準備や心構えをするのではなく、社員全員が新人の良き手本であると意識することも大切な点です。もちろん、指導員は大切ですが、OJTは指導員だけがやっていれば良い、という考えではなく、新入社員一人ひとりが独り立ちするまで支えていく、という気持ちを表すことで、新入社員も「会社に歓迎されている」という気持ちになり、精神的にも前向きに研修に取り組むことができます。
人事担当者はOff-JTとOJTの企画を部署とともに練るだけではなく、受け入れる体制づくりにも気をつかっていきましょう。
Off-JTとOJTのどちらの研修も「ヒト」が教え伝えていくものです。人が行うからこそ会社の独自ルールや習慣、細かい点を教えることが出来ます。また、研修を通して同期との仲間意識や、先輩社員との協調性が生まれ、結果的にそれらが会社の強み、付加価値となっていくのです。
人事担当者にとっては採用のみならず、教育という面でも相当な労力がかかり、責任も重要です。しかし、この企画こそが人事の醍醐味、面白みといっても過言ではありません。
そして仕組みづくりだけでなく、会社の文化や人材の育成への姿勢といった大切な考え方も研修を通して新入社員だけではなく関わる社員全員も伝えていくような間接的な効果も見越して仕事ができるのも人事担当者のやりがいだといえます。
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