ふるさと納税とは?どれだけ節税できる?実際に計算してみよう | 経理をゼロから学ぶシリーズ 10

ふるさと納税

会社の給与明細の支給項目には基本給、通勤交通費、各種手当といったさまざまな項目が記載されています。一方の控除項目には、健康保険料、厚生年金保険料そして、源泉所得税や住民税などがあります。

今回は所得税や住民税と関係の深い「ふるさと納税制度」をテーマとして取り上げます。

 

■ふるさと納税とは?

ふるさと納税は、平成20年の税制改正において導入された制度です。

以前からあった寄附金控除という制度(特定の団体等への寄付金は所得税や住民税から控除される)が拡大されたもので、都道府県や地区町村への寄附した場合に、一定の上限までは所得税や個人住民税が控除 = 安くなる仕組みです。

“ふるさと”と名はついていますが、必ずしも自分の“故郷”を選択する必要はなく、任意に自治体を選択することができます。

ふるさと納税控除概要図    (引用:総務省 ふるさと納税ポータルサイト

上の図のように、都道府県や市区町村を選んで寄附をすることで、

・所得税の寄附金控除
・住民税の寄附金控除
・住民税の寄附金控除(上乗せ)

3つの税金が控除されます。

自治体側のメリットとしては、寄付を受けることで税収不足を補えることです。とくに過疎などを原因に税収不足に喘いでいた地方の自治体にとっては、できるだけ寄付する対象に選ばれることによって税収を増やそうと考えました。

その結果、多くの自治体では寄付に対する「返礼品」を用意するようになりました。返礼品として自治体が選択したのは地元の名産品・特産品です。そして、ちょっとした“通販でお取り寄せ”感覚でこのふるさと納税を利用して名産品・特産品を楽しむと納税者が増えてきました。

 

■ふるさと納税でいくら税金が安くなるのか?

では、ここで「ふるさと納税」の仕組みを詳しく見てみましょう。

手続きの流れ

1.自治体を選択する
先ほども述べたとおり、任意に寄附をする自治体を選択することができます。
自身の居住地、出身地はもちろんですが、返礼品から自治体を選ぶこともOKです。

2.寄附を申し込む
寄附の申込方法は自治体によって異なります。
ホームページやメール、あるいは役場の窓口などさまざまですので自治体に確認してみましょう。

3.寄附する
これも自治体によって用意されている方法は異なります。
クレジットカードで寄附ができる自治体もあれば振り込み、窓口での払込などがありますので寄附の申込の際に一緒に方法の確認をしておきましょう。

4.受領証の受け取り
自治体で寄附を確認したあと、控除を受ける際=確定申告時に必要となる受領証が自治体から交付されます。

5.特典(返礼品等)の選択
ほとんどの自治体で特典をWebサイト上で公開しています。
静岡県東伊豆町の場合、特産品である金目鯛やサザエなどの海の幸があります。
(参考:東伊豆町Webサイト

6.確定申告
寄附金控除の適用を受けるためには確定申告が必要です。自身の住所地の税務署に確定申告書を提出することで住民税の確定申告手続きも同時に終了します。

なお、確定申告とは毎年3月15日の期限までに前年分の所得税の精算をする手続きです。
※期限を過ぎてしまった場合でも5年以内であれば期限後申告をすることができます。同様に、確定申告書を提出したが寄附金控除を忘れてしまったという場合にも「更正の請求」という救済措置もあります。最寄りの税務署に確認してみてください。

 

■控除額を計算してみよう。

先ほどもご紹介したとおり、税金が減額されるのは

1.所得税
2.住民税
3.住民税特例分(上乗せ分)

の3つです。

順にどのように計算されるのかを見ていきましょう。
静岡県の東伊豆町に30,000円の寄附をしたものとして計算してみましょう。

1.所得税

計算式:(寄附金  自己負担額2,000円) × 所得税率

寄附金額の上限は総所得金額の40%です。

また、寄附金控除は所得控除の形式での控除のため、
所得税率をかけて控除される=安くなる税額を計算することとなります。
※税額控除という形式であればその金額が直接税額から控除されます。

所得税の税率が10%(所得金額195万円超330万円以下)であれば復興特別所得税を含んだ税率は10.210%となります。

したがって
(30,000円 – 2,000円) × 10.210% = 2,858円

この2,858円が所得税から控除されます。

所得税税率表       (参考:国税庁 所得税の税率

2.住民税

住民税については、計算した税額を住民税から直接控除します(税額控除)

計算式:(寄附金  自己負担額2,000円) × 10%

よって控除額は

(30,000円 – 2,000円) × 10%= 2,800円

となります。

3.住民税特例分

住民税の所得割額の20%を限度として寄附金から2,000円を差し引いた金額に一定割合を乗じて控除する税額を計算します。

計算式:(寄附金  自己負担額2,000円) × 一定割合

ここの一定割合の計算式は次のとおりです。

一定割合=100% – 10% – 所得税率 – (所得税率 × 復興特別所得税率)

今回のケースでは所得税率は10%ですので、

100% – 10% – 10% – (10% × 2.1%) = 79.790%

よって控除額は

(30,000円 – 2,000円) × 79.790% = 22,341円
です。

では、控除額を合計してみましょう。

所得税の控除額は1で計算した 2,858円

住民税の控除額は2と3で計算した 2,800円 + 22,341円=25,141円

所得税と住民税で控除される税額の合計は、

2,858円 + 25,141円 = 27,999円

となります。

 

■税金以外にも特産品をもらえるメリットがある

最後に、静岡県東伊豆町で30,000円の寄附をしましたので特典をえらびましょう。
筆者は海の幸が大好物ですので、「稲取キンメづくし」をチョイスしてみます。
金目鯛の干物と味噌漬け、そして姿煮がセットになったもので売価は約5,000円とのこと。

2,000円の自己負担で5,000円分の商品が手に入ったことになりますから、実際には3,000円のお得ということになりますね。

また、ふるさと納税についてはさまざまなWEBサイトがあります。そうしたWEBサイトを経由して「ふるさと納税」ができるのですが、そうしたWEBサイトの中にはさまざまなポイントを獲得できるサイトもあります。

今回ご紹介した「ふるさと納税」、いかがでしたでしょうか?興味がわいた方は、ぜひ詳しく調べてみてください。

 

ライタープロフィール

くもと編集

くもと編集

マーケター兼編集者

NOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 NOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「NOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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