くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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確定拠出年金とは、自分で運用して老後資金を準備する年金制度で、主な特徴は以下の3点です。
確定拠出年金には企業が掛金を負担する「企業型DC」と、個人が掛金を拠出する「iDeCo(個人型)」の2種類があります。
| 本記事は2026年1月時点の公開情報をもとに編集しています。確定拠出年金の拠出限度額については、法令改正により2026年12月1日施行で見直される予定です。最新情報は公式発表をご確認ください。 |
本記事では、初めて確定拠出年金という言葉を聞いた方でも理解できるよう、なるべく専門用語を避けてわかりやすく解説します。
この記事の目次
確定拠出年金の正式名称は「Defined Contribution Plan(DC)」で、税制優遇を受けながら自分で資産運用するという、アメリカの内国歳入法401条(k)項に基づく制度を日本版にアレンジした私的年金制度です。
確定拠出年金(DC)は「自分で掛金を運用して育てる私的年金」であり、公的年金(国民年金・厚生年金)に上乗せする制度です。従来の企業年金とは異なり、将来受け取れる年金額は自分の運用次第で変わる点が最大の特徴です。
確定拠出年金の最も重要な特徴は以下の2点です:
掛金(積立額)が確定している
毎月決まった金額を積み立てます。あらかじめ決められた金額を企業型DCでは企業が拠出し、iDeCoでは個人が拠出します。
受取額は運用成果次第
自分の運用次第で将来もらえる金額が変わります。運用がうまくいけば受取額が増えますが、運用成績が悪ければ減る可能性もあります。
これに対して、確定給付年金(DB)という私的年金制度は将来の給付額があらかじめ決まっており、運用責任は企業が負う仕組みです。一方、確定拠出年金は加入者自身が運用責任を負い、運用成果によって将来の受取額が変動します。
日本の年金制度は3階建て構造になっています。
【日本の年金制度(3階建て構造)】
| 階層 | 年金の種類 | 対象者 |
|---|---|---|
| 3階 | 私的年金(企業型DC、iDeCo、確定給付企業年金など) | 企業の従業員、自営業者、任意加入者など |
| 2階 | 厚生年金 | 会社員、公務員 |
| 1階 | 国民年金(基礎年金) | 20歳以上60歳未満の全国民 |
確定拠出年金は3階部分に位置し、「公的年金に上乗せして、自分で準備する年金」です。公的年金だけでは老後の生活資金が不足する可能性があるため、より豊かな老後生活を送るために自助努力で準備する制度として位置づけられています。
掛金の積立時、運用時、受取時の3段階で税制優遇があるため、通常の預貯金や投資よりも効率的に老後資金を準備できるメリットがあります。
企業が制度を導入する「企業型DC」と、個人が任意で加入する「iDeCo」の2種類の特徴を詳しく見ていきます。
企業型DC(企業型確定拠出年金)とは、企業が制度を導入し、原則として企業が掛金を負担して従業員が運用する仕組みです。
対象者:
企業型DCを導入している企業の従業員(導入していない企業では利用不可)
掛金の上限額(2024年12月改正後):
基本:月額5.5万円から他制度掛金相当額を控除した額
(他の企業年金がない場合は月額5.5万円)
なお、現在、確定拠出年金制度の見直し案として、掛金上限の引き上げが予定されています。詳細については、厚生労働省のHPでご確認ください。
参考リンク:♢iDeCo・企業型DC・国民年金基金の拠出限度額の引き上げ(2026年12月1日施行予定)
自己負担で上乗せできるマッチング拠出
マッチング拠出とは、従業員が自己負担で企業の掛金に上乗せできる制度です。現在は「企業の掛金額まで」という制限がありますが、2026年4月の法令改正により、この上限規制が緩和されることが決定しています(2025年12月公布済)。改正後は、事業主掛金額を超えて拠出できるようになります(上限は「月額5.5万円-事業主掛金-他制度掛金相当額」まで)。
重要な注意点: マッチング拠出とiDeCo(個人型確定拠出年金)は併用できません。
2022年10月の法改正で、企業型DCとiDeCoの併用は可能になりましたが、iDeCoとマッチング拠出は併用できないため、企業型DC加入者は「マッチング拠出」か「iDeCo」のどちらかを選ぶ必要があります。
iDeCoとは、個人が任意で加入し、自分で掛金を積み立てて運用する制度です。
対象者:
・現在(2026年1月時点) 20歳以上65歳未満(国民年金被保険者であることが条件)
・将来的な制度改正 条件付きで70歳未満まで加入可能とする制度改正が予定されています(老齢基礎年金およびiDeCo老齢給付金を受給していない場合など)。条件などの詳細については、厚生労働省のHPでご確認ください。
参考リンク:♢iDeCoの加入可能年齢の引き上げ(2026年12月1日施行予定)
掛金の範囲:
月額5,000円から、1,000円単位で設定可能で、年1回のみ金額変更できます。掛金の上限は職業や他の年金制度の加入状況により異なります。
【職業別の掛金上限額】
| 職業区分 | 現行上限(月額) | 2026年12月1日以降 |
|---|---|---|
| 自営業者等(第1号) | 68,000円 | 75,000円 ※iDeCo・国民年金基金等の合計 |
| 会社員・公務員(第2号) | (企業年金あり) 20,000円 | 62,000円 ※iDeCo・企業年金等の合計 |
| 会社員・公務員(第2号) | (企業年金なし) 23,000円 | 62,000円 |
| 専業主婦(夫) | 23,000円 | 変更なし |
※確定拠出年金の拠出限度額の見直しは、2026年12月1日施行予定です。(国民年金基金令等の一部を改正する政令令和7年12月24日公布済)。
参考リンク:♢iDeCo・企業型DC・国民年金基金の拠出限度額の引き上げ(2026年12月1日施行予定)
| 比較項目 | 企業型DC | iDeCo(個人型) |
|---|---|---|
| 実施主体 | 企業(事業主) | 国民年金基金連合会 |
| 加入対象者 | 実施企業に勤務する従業員のみ | 自営業者、会社員、公務員、専業主婦(主夫)など幅広い |
| 掛金の拠出者 | 企業が拠出(マッチング拠出で従業員も上乗せ可能) | 加入者本人が拠出 |
| 金融機関の選定 | 企業が選定 | 加入者本人が選定 |
| 口座管理手数料 | 原則、企業が負担 | 加入者本人が負担 |
| 税制優遇 | 運用益非課税、受取時の控除適用 | 掛金全額所得控除、運用益非課税、受取時の控除適用 |
確定拠出年金は「掛金の積立」「運用」「受取」という3つのステップで構成されています。企業型DCとiDeCoでは、それぞれ仕組みが異なるため、順番に解説していきます。
企業型DCの基本的な流れは以下の通りです:
マッチング拠出を利用する場合は、従業員も掛金を追加で拠出でき、従業員が拠出した加入者掛金は全額所得控除の対象となります。
iDeCoの基本的な流れは以下の通りです:
iDeCoでは、加入から受取まですべて自分で手続きする必要があります。現在は多くの金融機関でWeb完結の申込手続きが可能になっており、書類の郵送なしでオンラインのみで加入できるケースも増えています。
企業型DC
企業が毎月掛金を拠出(マッチング拠出の場合は本人も給与天引きで追加拠出)
iDeCo
個人の銀行口座から自動引き落とし
税制優遇
企業型DCの事業主掛金は企業の損金として算入されます。企業型DCの事業主掛金は企業の損金として算入されます。
マッチング拠出の掛金やiDeCoの掛金として拠出した加入者掛金は全額所得控除の対象となり、小規模企業共済等掛金控除として所得控除されるため、所得税・住民税が軽減されます。
運用商品には大きく分けて2種類あります。
①元本確保型
・定期預金、保険商品など
・元本割れしないが利回りは低い(年0.01~0.1%程度)
・リスクを取りたくない人向け
②元本変動型(投資信託)
・国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、REIT、バランス型など
・リスクはあるが高いリターンも期待できる
・長期的な資産形成を目指す人向け
注意点:
・加入者自身が運用商品を選び、その結果は自己責任
・運用商品の配分変更(スイッチング)はいつでも可能
・運用商品は初回の掛金拠出までに選ぶ必要があり、商品を選ばなかった場合は、「未指図資産」として運用されないまま現金で管理されます。ただし、規約に指定運用方法(デフォルト商品)が定められている場合は、規約に定めた時期から指定運用方法での運用が開始されます。
(指定運用方法が設定されている制度では、定期預金が主流ですが、バランス型投資信託など分散投資型の商品が設定されている場合もあります。内容は企業や金融機関によって異なります。)
運用で得た利益は非課税となるため、通常の投資にかかる約20%の税金がかかりません。この非課税効果により、長期的な資産形成に大きなメリットがあります。
受取時期
原則60歳以降に受け取り可能(加入期間が10年未満の場合は受取開始年齢が繰り下がる。また受取開始年齢は60〜75歳の範囲で選択可能)
受取方法
「年金」「一時金」「併用」から選択可能
・年金(分割) 5年以上20年以下の期間で分割して受け取る方法。公的年金等控除が適用され、受け取り中でも非課税で運用が継続できる。
・一時金(一括) 退職金として一括で受け取る方法。退職所得控除が適用され、税負担が低く抑えられる可能性が高くなる。
・併用(一時金 + 年金) 一部を一時金で受け取り、残りを年金で受け取る方法。
注意点:
・原則60歳まで引き出しはできない。
・自己の都合による脱退ができない。ただし、死亡や高度障害など、極めて限定的な条件で資産を受給できる場合はある。
・併用は規約の定めがある場合のみ選択可能。
確定拠出年金は税制優遇が魅力的な制度ですが、すべての人に適しているわけではありません。ここでは、おすすめな人と向いていない人の特徴をご紹介します。
以下の特徴に当てはまる方には、確定拠出年金が特におすすめです。
特に企業型DCが導入されている企業に勤める方は、一般的に企業が手数料を負担してくれるため、加入選択制であれば加入した方がメリットが大きい場合があります。
以下の特徴に当てはまる方は、慎重に検討する必要があります。
・近い将来に大きな出費予定がある人
住宅購入、子供の教育費など、流動性が必要な場合は他の制度を活用することを検討
・収入が不安定な人
フリーランスで収入の変動が大きい場合は、掛金を最低額での拠出にすることなどを検討
・投資リスクを一切取りたくない人
ただし元本保証型のみで運用する選択肢もあるので、制度を十分理解したうえで検討
読者の個別の状況(年齢、年収、家族構成、リスク許容度など)により判断が変わるため、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
確定拠出年金の最大の魅力は、「拠出時」「運用時」「受取時」の3つのタイミングで税制優遇が受けられることです。ここでは、確定拠出年金に加入する3つの大きなメリットについて詳しく解説します。
確定拠出年金の最大のメリットは、3段階すべてで税制優遇を受けられることです。この3段階の税制優遇は、他の金融商品にはない大きな強みです。
加入者が拠出した掛金の全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。具体的には、企業型DCのマッチング拠出で加入者が拠出した掛金や、iDeCoの掛金が対象です。
| 年収 | 所得税率 | 住民税率 | 年間節税額 | 30年間の節税額 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 5% | 10% | 約36,000円 | 約108万円 |
| 500万円 | 10% | 10% | 約48,000円 | 約144万円 |
| 700万円 | 20% | 10% | 約72,000円 | 約216万円 |
所得が高いほど、節税効果も大きくなります。
通常、投資で得た利益には20.315%(復興特別所得税含む)の税金がかかりますが、確定拠出年金の運用益は非課税です。なお、制度上は資産残高に対して特別法人税(年1.173%)が課税されることになっていますが、制度開始以来、課税が凍結されており、現在まで実際に課税されたことはありません。
【具体例】
運用益が200万円出た場合、通常なら約40万円(200万円×20.315%)の税金がかかりますが、確定拠出年金なら全額が手元に残ります。
この非課税効果により、本来税金として引かれるはずだった金額も再投資できるため、複利効果がより大きく働きます。
受取方法により以下の控除が適用されます。
一時金で受取(退職所得控除が適用)
・勤続20年以下:40万円×勤続年数※
・勤続20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
※勤続年数は、確定拠出年金では掛金を拠出した「拠出期間」が該当します。
※一時金で受け取る場合は退職所得控除が適用されますが、他の退職金制度との関係で控除額が減少する可能性があります。
年金で受取(公的年金等控除が適用)
・65歳未満:年60万円※
・65歳以上:年110万円※
※公的年金等控除額は、公的年金等の収入金額や公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額によって異なります。上記の金額は公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合に税金がかからない金額です。
例えば、公的年金の受給を開始するまでの「つなぎ年金」として受取るなど、受取方法を工夫することで、税負担を大幅に軽減できます。
確定拠出年金の資産は転職先に持ち運び(ポータビリティ)できます。転職先に企業型DCがあれば企業型DCに、なければiDeCoに移換します。資産を受け取ってしまうことがないため、転職が多い時代でも安心して積み立てられます。
注意点:
転職後6ヶ月以内に手続きをしないと、自動的に国民年金基金連合会に移換され、資産の運用がされないまま管理手数料がかかります。放置せず必ず手続きを行いましょう。
iDeCoは月額5,000円から始められるため、投資初心者でも無理なくスタートできます。また、運用商品を選ぶ過程で、投資信託や資産配分について学べるため、金融リテラシーの向上にもつながります。
その他のメリット:
・運用コストが比較的安い
一般の投資信託に比べて信託報酬が低い商品が多い
・資産が保護される
企業が倒産しても年金資産は保全される(資産は信託銀行等で分別管理)
確定拠出年金には大きなメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点があります。加入前に必ず確認しておきましょう。
流動性が極めて低く、急な出費(住宅購入、子供の教育費、医療費など)に対応できません。高度障害状態や死亡時は受け取れますが、単に「お金が必要」という理由では引き出せません。
対策方法:
・まずは月5,000円~1万円の少額から始める
・iDeCoの場合はいつでも掛金の停止や変更が可能なので、無理せず継続する(「運用指図者」として掛金拠出を停止しても、資産の運用は継続できる)
投資信託で運用する場合、市場環境により元本を下回る可能性があります。特に短期的には株式市場の変動により大きく損失が出ることもあります。
対策方法:
・投資が怖い人は元本保証型(定期預金・保険)のみで運用する選択肢もある(ただし、インフレリスクを考えると長期的には株式などへの分散投資が推奨される)
・最初は元本保証型50%・投資信託50%など、バランスを取った配分から始める
・受取りまでの期間が長期であれば短期的な変動は気にせず積み立てを継続する
iDeCoの場合、以下の手数料が発生します。
・加入時:2,829円(国民年金基金連合会)
・毎月:171円~600円程度(金融機関により異なります)
・運用商品の信託報酬:年率0.1~2%程度
対策方法:
・手数料が安い金融機関を選ぶ(ネット証券は口座管理手数料が無料のところが多い)
・企業型DCの場合、手数料は企業負担のケースが多いため個人負担は少ない
加入者が掛金を拠出する場合(iDeCoやマッチング拠出)は、所得控除による税制優遇のメリットが手数料を上回るケースが多いため、過度に心配する必要はありません
「何を選べばいいかわからない」という状態で放置すると、元本保証型のまま運用されてしまうため注意が必要です。
対策方法:
・最初は「バランス型」や「ターゲットイヤー型」の投資信託を選ぶと、自動的に分散投資される
・金融機関の無料セミナーや相談窓口を活用する
・年1回運用状況を確認する習慣をつける
この記事を読んだ後、具体的に行動できるよう、最初の一歩をご紹介します。以下の3つのステップを踏んで、確定拠出年金を始めてみましょう。
▼会社員の場合
・勤務先の人事部門に「企業型DCの有無」「iDeCoとの併用可否」「マッチング拠出の有無」を確認する
・企業型DCがある場合は、マッチング拠出とiDeCoのどちらを選ぶか検討する
▼自営業者・フリーランスの場合
・iDeCoに加入可能
・掛金上限:月6万8,000円(国民年金基金と合算 ※記事作成時点)
▼公務員の場合
・iDeCoに加入可能
・掛金上限:月2万円(記事作成時点)
▼専業主婦(夫)の場合
・iDeCoに加入可能
・掛金上限:月2万3,000円
注意:所得がない場合は掛金の所得控除を受けられないが、運用益非課税と受取時の税制優遇は適用される
無理のない掛金額を決める方法として、以下の内容を確認しましょう。
▼初心者へのアドバイス
・最初は月5,000円~1万円から始め、慣れてきたら増額する
・「とりあえず上限まで」は禁物
・年1回掛金額を変更できるので、様子を見ながら調整する
特にiDeCoの場合は、いきなり申し込むのではなく、まずは情報収集から始めることを推奨します。
▼iDeCoの場合
・複数の金融機関に資料請求して比較する
・比較サイト(iDeCoなび)を活用する
・比較ポイント:口座管理手数料、運用商品のラインナップ、サポート体制
▼企業型DCの場合
・勤務先から配布される説明資料を熟読する
・勤務先が主催する説明会やeラーニングなどを活用する
・不明点は人事部門や運営管理機関のコールセンターに質問する
▼無料セミナーに参加してみる
・金融機関や自治体が開催する初心者向けセミナーに参加する
・オンラインセミナーも多数開催されている
iDeCoの場合、「資料請求したら必ず加入しなければならない」わけではありません。まずは情報を集めて、納得してから決めましょう。わからないことがあれば、専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談するのも一つの方法です。
ここではもう少し詳しく、具体的な確定拠出年金の始め方と運用商品の選び方について解説します。実際の手続きの流れと、初心者でも理解しやすい運用商品の選び方をご紹介します。
確定拠出年金の始める手順は、企業型DCとiDeCoで異なります。それぞれの具体的な手順を見ていきましょう。
企業型DCは企業が制度を導入している場合のみ利用可能です。
▼加入方法
・全員加入: 入社時に全員が加入(選択の余地なし)
・選択制: 加入するか選べる(ただし加入しないと税制優遇を受けられない)
▼確認すべきポイント
・人事部門に「企業型DCの制度概要」「マッチング拠出の可否」「iDeCoとの併用可否」を確認
・運用商品の一覧と特徴を入手
・企業が提供する説明会やセミナーに参加
▼マッチング拠出かiDeCoか
企業型DCに加入している場合、「マッチング拠出」か「iDeCo」のどちらか一方を選ぶ必要があります(併用不可)。2026年4月以降はマッチング拠出の上限が緩和されるため、制度内容を比較して選びましょう。
※2026年4月の法令改正により、この上限規制が緩和されることが決定しています(2025年12月公布済)。
銀行、証券会社、保険会社などから選択します。
比較ポイント:口座管理手数料、運用商品のラインナップ、サポート体制
Webサイトまたは電話で資料請求します。
必要書類:加入申出書、本人確認書類、基礎年金番号がわかるもの
記入した書類をWebで提出するか金融機関に郵送します(審査期間:1~2ヶ月程度)
ID・パスワードが郵送され、Webサイトにログインして初期設定を行います。
・金額を月5,000円~上限額の範囲で設定
・運用商品を選択(複数商品への分散投資も可能)
・初回の掛金引き落としは申込から2~3ヶ月後
運用商品の選択は確定拠出年金の成果を左右する重要なポイントです。ここでは、初心者でもわかりやすい運用商品の種類と選び方を解説します。
元本確保型商品とは、定期預金や保険商品など、元本割れしない商品です。利回りは一般的に低水準(目安として年0.01~0.1%程度の商品が多い)ですが、安全性を重視する人に向いています。
・投資リスクを一切取りたくない人
・受取時期が近い人(50代後半~60代)
・とりあえず税制優遇だけを享受したい人
投資信託とは、株式や債券に投資する商品です。市場環境により元本割れのリスクはありますが、長期的には高いリターンが期待できます。
・国内株式: 日本企業の株式。リスク中、リターン中
・外国株式: 海外企業の株式。リスク高、リターン高
・国内債券: 日本国債・社債。リスク低、リターン低
・外国債券: 海外の国債・社債。リスク中、リターン中
・REIT(不動産投資信託): 不動産に投資。リスク中、リターン中
・バランス型: 上記を組み合わせたもの。分散効果あり
・インデックス型: 市場平均に連動。信託報酬が低め(年0.1~0.5%程度)
・アクティブ型: 市場平均を上回る運用を目指す。信託報酬が高め(年0.5~2%程度)
インデックス型の方がコストが安く、市場平均に連動するため値動きがわかりやすい傾向があります。
今回紹介する資産分配は、あくまで目安です。リスク許容度は個人差が大きいので、自分の状況に合わせて調整しましょう。
| 年代 | 元本確保型 | 投資信託 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 20~30代 | 0~20% | 80~100% | 長期運用できるためリスクを取れる |
| 40代 | 20~40% | 60~80% | リスクとリターンのバランス |
| 50代以降 | 40~70% | 30~60% | 受取時期が近づくため安定性重視 |
年率で表示される手数料です。0.1%の差でも30年間では大きな差になります。例えば、信託報酬0.1%と1.0%の商品で30年間運用した場合、100万円あたり約20万円の差が出ます。
年1回程度、運用状況を確認し、必要があれば資産配分を見直し(リバランス)することが推奨されます。元の配分よりも配分割合が増えた資産を売却し、配分割合が減った資産を購入することで、資産配分を一定に保ちます。
確定拠出年金について、よくある質問とその回答をまとめました。加入を検討する際の参考にしてください。
確定拠出年金の資産は転職先に持ち運び(ポータビリティ)できます。転職先に企業型DCがあれば企業型DCに移換、なければiDeCoに移換します。手続きは退職後6ヶ月以内に行う必要があります。
放置すると自動的に国民年金基金連合会に移換され、手数料がかかるので注意が必要です。無職期間中は掛金を停止し、「運用指図者」として運用だけ継続することも可能です。
2022年10月の法改正により併用が可能になりました。ただし、iDeCoとマッチング拠出は併用できません。
企業型DCに加入している場合、「マッチング拠出」か「iDeCo」のどちらか一方を選ぶ必要があります。2026年4月以降はマッチング拠出の上限規制が緩和される予定なので、勤務先の制度内容を確認して比較検討しましょう。
マッチング拠出とは、企業型DCに加入している従業員が、企業の掛金に上乗せして自分でも掛金を拠出できる制度です。
現在(2026年1月時点)は「企業の掛金額まで」という上限がありますが、2026年4月からこの制限が廃止され、「月額5.5万円-事業主掛金-他制度掛金相当額」まで拠出できるようになる予定です。
マッチング拠出も全額所得控除の対象となるため、税制優遇を受けながら老後資金を増やせます。ただし、マッチング拠出とiDeCoは併用できないため、どちらか一方を選ぶ必要があります。
原則60歳以降に「年金」「一時金」「併用」の3つから選べます。
どの方法が適しているかは、他の退職金の有無、公的年金の受給額、その他の収入などにより異なります。受取時期が近づいたら、税理士やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
2017年1月から専業主婦(夫)もiDeCoに加入できるようになりました。掛金上限は月2万3,000円です。
ただし、掛金の所得控除は拠出者本人にしか適用されないため、所得がない場合は節税効果がありません。それでも運用益非課税と受取時の税制優遇は受けられるため、長期的な資産形成の手段として活用できます。
iDeCoの場合は、年1回まで掛金額を変更できます。また、掛金の拠出を停止(掛金ストップ)することはいつでも可能です。
企業型DCの場合は、掛金の変更可否や変更回数などは企業の規約によって異なり、従業員の任意での拠出停止はできません。
生活状況が変わった場合は柔軟に対応できるので、無理のない範囲で継続しましょう。iDeCoの場合、掛金を停止しても「運用指図者」として運用は継続できます。
リスクを取りたくない場合は、元本保証型(定期預金・保険商品)のみで運用することも可能です。ただし、利回りは低く(年0.01~0.1%程度)、税制優遇のメリットだけを享受する形になります。
長期的にはインフレリスク(物価上昇により実質的な資産価値が目減りするリスク)も考慮し、少額でも投資信託を組み入れることを検討してみてください。最初は元本保証型50%・投資信託50%など、バランスを取った配分から始めるのも一つの方法です。
高度障害状態になった場合など、一定の条件を満たせば60歳前でも障害給付金として受け取れます。また、死亡した場合は遺族が死亡一時金として受け取れます。
ただし、単に「お金が必要になった」という理由では引き出せません。障害給付金の具体的な受給要件は、障害基礎年金または障害厚生年金の受給権者となった場合のほか、確定拠出年金法で定める障害等級に該当した場合などが含まれます。
運用商品を選択しない場合、「未指図資産」として運用されないままの状態になります。
規約に指定運用方法(運用商品は企業や金融機関により異なります。)が定められている場合は、自動的にその商品で運用されますが、運用開始までには早くて5か月ほどかかります(規約の定めにより異なる)。運用開始までの期間は「未指図資産」として管理されることになります。
運用商品を選択しない場合、運用機会の損失に繋がりますので、放置せず、自分で選択することを強く推奨します。
・掛金拠出限度額の計算方法が見直され、より実態に即した上限額に
・企業型DCの上限は「月額5.5万円から他制度掛金相当額を控除した額」という計算方法に変更
※企業年金の種類により上限は異なるため、正確な上限は企業の規約で確認が必要
・企業型DCのマッチング拠出の上限規制が緩和
・現在の「事業主掛金額まで」という制限が廃止され、「月額5.5万円-事業主掛金-他制度掛金相当額」まで拠出可能に
・iDeCoの加入年齢が最大70歳未満に引き上げ(老齢基礎年金およびiDeCoの老齢給付金を受給していない場合)
・掛金上限も大幅に引き上げ
o 第1号被保険者(自営業者):月6.8万円→月7.5万円(国民年金基金との合算)
o 第2号被保険者(会社員・公務員):月2~2.3万円→月6.2万円(他制度掛金との合算規制あり)
※法改正の施行日や詳細な条件は変更される可能性があります。最新情報は厚生労働省や国民年金基金連合会の公式サイトで確認してください。
確定拠出年金は、3段階の税制優遇を受けながら老後資金を準備できる非常に有効な制度です。60歳まで引き出せないため、長期的な視点で資産形成を考える方には最適な選択肢といえます。
まずは月5,000円の少額から始めて、自分にどのような運用方法が合っているか確認しながら、徐々に掛金を増やしていくことをおすすめします。わからないことがあれば、金融機関の相談窓口やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しましょう。加入者掛金については停止はいつでも可能なので、無理のない範囲で設定することをおすすめします。
| 監修者プロフィール 湯瀬 良子 AFP® 確定拠出年金の制度導入から投資教育まで幅広く対応できるDCのスペシャリスト |
FOCのDCサービスは、企業と従業員の双方にとって、本当に有用なDC制度の導入を支援するサービスです。さらに、導入前の書類整備から導入後の継続教育までをトータルサポートする、ベストパートナーを目指しています。
サービスの特徴
FOCは、30年/1,000社以上のノウハウを活かし、御社のコア業務の生産性向上、バックオフィス部門のコスト削減に貢献します。
ライタープロフィール
くもと編集
マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。
宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。
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