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2016.07.07 掲載 2023.08.18 更新

自分がもらっている給料の3倍は売上を稼がないと一人前ではない?粗利率と利益率から計算する | 経理をゼロから学ぶシリーズ 9

経理代行によって業務の効率化、コスト削減を実現する

FOC経理アウトソーシング

働く営業マン
この春、就職された方は、すでに初任給を手にされたことと思います。親御さんにプレゼントをした方、友達と食事をされた方など、きっと使い道はさまざまだったことでしょう。
実は会社は、給料以外にもみなさんのためにお金を使っています。オフィス代、PC代、保険料といった項目です。そのため、「会社が払っているお金と自分の生産性をイコールにするためには給料の3倍の売上が必要」とよくいわれます。そこで今回は会社の売上高や各種利益と給料の関係を考えてみましょう。
 

■業種によって給料の区分は異なる

さて、会社では、売上から今回のテーマである給料やその他いろいろな経費を差し引いて利益の金額を計算します。
では、損益計算書で計算される利益を確認しておきましょう。
損益計算書では「どのような活動にもとづいてどれだけの利益を獲得したのか?」ということが明らかにされます。おもな損益計算は以下の3つです。
1. 営業損益計算:売上総利益、営業利益の算出
2. 経常損益計算:経常利益の算出
3. 純損益計算:税引前当期純利益、当期純利益の算出
製造業の現場で仕事をしている方の「給料」は売上総利益を計算する過程の売上原価(製造原価)に含まれますし、事務や営業の仕事をしている方の「給料」は営業利益を計算する過程の販売費及び一般管理費に含まれます。
 

■人件費とは?

「給料」などをまとめて「人件費」と呼称することがあります。
会社では給料以外にも「人」に関する費用を支払っています。たとえば、給与から天引きされている「本人負担」の健康保険料や厚生年金保険料、労働保険には「会社負担分」というものがあります。それらは法定福利費という「人」にまつわる費用として処理されます。これら以外にも役員報酬や福利厚生の費用、そして雇入れのための費用や教育・訓練の費用も人件費に含まれます。
前述したとおり、「自分が貰っている給料の3倍は売り上げを稼がないと一人前ではない」といわれることがあります。人件費のように「給料」以外にも会社が負担しているさまざまな費用・支出があるという意味もありますが、これを理解するにはもう少し「給料」と売上高や利益との関係を考考える必要があります。
 

■売上高人件費率

会社の売上高に占める人件費の割合を示す経営指標です。
売上高人件費率=人件費 ÷ 売上高 × 100(%)
この数値は業種・業態によって大きく異なる指標なので、数値の大小だけで良し悪しを判断することはできません。サービス業などでは数値は高くなりますが、小売業や卸売業などでは数値は低めになります。
一般的に、業種ごとの平均値は下記のとおりです。
建設業:15%~30%
製造業:20%~35%
卸売業:7%~15%
小売業:10%~30%
サービス業:30%~60%
たとえば、人材派遣業などでは、派遣する人材に関する費用が売上の元となるわけですから売上高人件費率は高くなるのも当然です。一方、高度に機械化された製造業であればオペレーションのための人員配置は少なくても製造できますので売上高人件費率は低めになるということです。
しかし、業種平均から見て人件費率が高過ぎるという場合は労働の効率性に問題があると考える必要があるでしょう。
 

■労働分配率

先ほどの売上高人件費率が対売上の指標であったのに対して、労働分配率は対利益の指標です。
労働分配率=人件費 ÷ 付加価値×100(%)
 

■付加価値とは?

中小企業庁では次のような計算式で付加価値を導きます。
製造業:生産高 – (材料費 + 買入部品費 + 外注加工費)
卸・小売業:売上高 – 売上原価
サービス業等:売上高 – 直接材料費
売上高を獲得するために直接にかかった外部への費用を控除することで付加価値が計算されると考えてもよいでしょう。また、卸や小売であれば売上総利益=付加価値になります。
業種ごとの平均値
建設業:45%~60%
製造業:40%~60%
卸売業:45%~60%
小売業:40%~65%
サービス業:40%~65%
売上高人件費率と比べると、業種によってそれほど大きな差はないようです。
 

■一人当たりの売上高、付加価値

ここでもう一度「自分が貰っている給料の3倍は売り上げを稼がないと一人前ではない?」という問いを考えてみましょう。
あなたが大卒で小売業の営業の仕事をしていると仮定してみます。
年収は300万円と設定して、小売業の労働分配率の平均を50%として計算してみると、
300万円÷50%=600万円
よって、あなたの給料を賄うために必要な付加価値額は600万円となります。この会社の売上総利益率が30%だと仮定すると。600万円の付加価値を確保するために必要な売上は
600万円÷30%=2,000万円
この条件であれば「自分が貰っている給料の3倍の売り上げ」=900万円では、
自分の給与は”賄えない=赤字”ということになります。
会社の売上総利益率が80%であれば、
600万円÷80%=750万円という売り上げで自分の給与を賄うことができますから、
「自分が貰っている給料の3倍の売り上げ」=900万円は合格ラインといえます。
かなり単純化した形でご説明しましたが、このように業種や業態、利益率などによって大きく違いがあることはおわかりいただけたのではないでしょうか。
「給料の3倍稼いで一人前」は、いわゆる例え話、心構えのようなもので、必ず3倍稼がないと駄目だというわけではありません。それを踏まえて、自分自身が会社の売上や利益に貢献できているかどうか、是非、ご自身の状況を踏まえて計算してみてください。

経理代行によって業務の効率化、コスト削減を実現する

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ライタープロフィール

くもと編集

マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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